JPH04114482U

JPH04114482U - 飛翔体を用いた清掃装置

Info

Publication number: JPH04114482U
Application number: JP4193091U
Authority: JP
Inventors: 正純奈良
Original assignee: スバル興業株式会社
Priority date: 1991-03-27
Filing date: 1991-03-27
Publication date: 1992-10-08
Anticipated expiration: 2006-03-27
Also published as: JP2515833Y2

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】軟質の飛翔体を被清掃部に対して飛ばし、
被清掃部を機械的に変形させること無く、被清掃部の汚
れを除去する。【構成】外に向かって拡がる開口部２が備えられて
いる本体が設けられ、その本体の後部に水平なパイプが
取りつけられており、このパイプに圧縮空気を供給する
ブロアが取りつけられている。そして、水平なパイプに
垂直なパイプが取りつけられ、この垂直のパイプの下端
部に多数の飛翔体３がおかれている。従って、ブロアが
動作すると、霧吹きの原理で、飛翔体が垂直パイプから
吸上げられ、水平パイプから本体を通過して被清掃部に
飛ばされ当てられる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両の外側壁、道路の防音側壁やビルの窓等の鉛直方向に延在する壁面、天井等の水平壁面等の被清掃部に、多数の飛翔体を衝撃的に当接させて、当該被清掃部を清掃する清掃装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、車両の外側壁や高速道路の防音側壁等は、定期的に清掃されてきたが、当該清掃作業は回転ブラシに対向させて車両を移動させたり、作業者が、前記側壁に放水しつつブラシ等で汚損物を除去するか、若しくは水銃にて高圧の水を側壁に噴射衝接させることによって行われてきた。

【０００３】また、造船所のドック内等で、船舶の外側壁に固着している貝類等を剥離除去するために、砂を高圧の圧縮空気にて前記船舶の外側壁に衝突させたり（サンドブラスト法）、金属の表面処理の目的で、小粒の金属を当該金属表面に衝突させる方法（ショットピーニング法）は周知である。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前述のように、側壁に放水しつつブラシ等で汚損物を除去する作業は能率が悪く、人件費の高騰に鑑みると極めて不経済であり、ブラシ等によって側壁を傷付ける虞れがある。

【０００５】また、水銃にて高圧の水を側壁に噴射衝接させる場合にあっては、脆弱な側壁を水圧によって破損する虞れもある。

【０００６】更に、サンドブラスト法やショットピーニング法では、被清掃部を機械的に変形させる虞れがあるので、前記水銃の場合と同様の問題が生じる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、被清掃部に多数の飛翔体を衝撃的に当接させて当該被清掃部を清掃する清掃装置において、外方に向かって拡開する開口部が備えられている筐体と、当該筐体の前記開口部と反対側の側壁に連通装着されており前記飛翔体が通過し得る内径を有する飛翔体搬送パイプと、当該飛翔体搬送パイプに圧縮空気を供給する空気供給手段と、飛翔体が収納される飛翔体収納箱と、一端が前記飛翔体収納箱内に位置し他端が前記飛翔体搬送パイプの側壁に連通装着されており前記飛翔体が通過し得る内径を有する飛翔体供給パイプと、一端が前記筐体の側壁に連通装着され他端が前記飛翔体収納箱の側壁に連通装着され前記飛翔体が通過し得る内径を有する飛翔体帰還パイプとが備えられており、前記飛翔体は被清掃部との当接時に当該被清掃部を機械的に変形させない部材にて形成されていることを特徴とするものである。なお、飛翔体供給パイプは飛翔体搬送パイプの下部に装着されていてもよく、飛翔体搬送パイプの横部若しくは上部に装着されていてもよい。

【０００８】

【作用】

本考案では、飛翔体搬送パイプに圧縮空気が供給されると、飛翔体供給パイプ内が負圧になり、飛翔体収納箱内の飛翔体が当該飛翔体供給パイプを通して飛翔体搬送パイプ内に吸上げられる。そうすると、吸上げられた飛翔体は、圧縮空気によって筐体内に搬送され、更に筐体の開口から被清掃部に衝撃的に当接され、被清掃部の汚損物は前記飛翔体によって剥離され除去される。そして、被清掃部に衝撃的に当接された後の飛翔体は飛翔体帰還パイプを通って飛翔体収納箱内に回収される。

【０００９】

【実施例】

図１ないし図３は、本考案装置の実施例を示し、図１は第１の実施例の要部の外観斜視図、図２は第１の実施例の鉛直断面図そして図３は第２の実施例の鉛直断面図である。

【００１０】これらの図において、１は外方に向かって鉛直方向に拡開する開口部２が開設されている筐体で、薄い金属板にて形成されているが、樹脂成形品にて形成されていてもよい。前記筐体１の、開口部２と反対側の側壁に、飛翔体３が通過し得る内径を有する金属製若しくは樹脂製の飛翔体搬送パイプ４が連通装着されている。

【００１１】飛翔体３は、直径が１０ｍｍないし３０ｍｍ程度の球体で、中実のスポンジ体にて形成されているが、中空のスポンジ体若しくは中空のゴム体にて形成されていてもよい。また、周囲が軟質で内部に硬質の芯体が封入されているものでもよく、スポンジ体の場合吸水性を有する連続気泡系のもでも、また吸水性を有しない独立気泡系のもでもよい。更に、その形状は球体のみならず、立方体や直方体の他、多数の突起が突出形成されているものでもよい。

【００１２】前記飛翔体搬送パイプ４の、筐体１への装着部と反対側には、当該飛翔体搬送パイプ４に圧縮空気を供給する周知のブロア（図示せず）が接続されている。また、飛翔体搬送パイプ４の、筐体１への装着部近傍の下方に、多数の飛翔体３が収納される飛翔体収納箱５が設けられている。そして、飛翔体収納箱５と前記飛翔体搬送パイプ４との間には、下端が前記飛翔体収納箱５内に挿入され上端が前記飛翔体搬送パイプ４の下部側壁に連通装着されている飛翔体供給パイプ６が、垂設されている。当該飛翔体供給パイプ６は前記飛翔体搬送パイプ４と同様のものである。

【００１３】筐体１の開口部２近傍の下側壁と、飛翔体収納箱５の前部側壁との間には、筐体１と飛翔体収納箱５とを連通する円弧状の飛翔体帰還パイプ７が装着されている。当該飛翔体帰還パイプ７も前記飛翔体搬送パイプ５と同様のものである。また、筐体１の開口部２の周縁には、ゴム等の軟質のシール部材８が装着されている。なお、このシール部材８は必ずしも必要ではない。

【００１４】前記飛翔体収納箱５の下部には、当該飛翔体収納箱５を保持して移動するための移動台９が設けられている。この移動台９は、飛翔体収納箱５を上下動させるためのパンタグラフ部１０と、水平移動させるための車輪部１１とによって構成されている。なお、飛翔体収納箱５は前記移動台９に搭載されず、直接作業者に抱えられてもよく、また自動車等の移動手段に装着されていてもよい。

【００１５】而して、筐体１の開口部２のシール部材８が被清掃面１２に接近若しくは軽く接触した状態でブロアを動作させると、ブロアによって供給された圧縮空気は、飛翔体搬送パイプ４を経由し、筐体１の内側壁に沿って被清掃面１２に噴射される。そうすると、「霧吹き」と同様の原理で、飛翔体供給パイプ６内が負圧になり当該飛翔体供給パイプ６内に上昇気流が発生し、それに伴って飛翔体収納箱５内の飛翔体３は当該飛翔体供給パイプ６内を上方に移動して、飛翔体搬送パイプ５内に供給される。

【００１６】飛翔体搬送パイプ５内に供給された飛翔体３は、ブロアから供給された圧縮空気によって高速度で当該飛翔体搬送パイプ５内を水平方向に移動して、筐体１の開口部２から被清掃面１２に衝突する。そうすると、飛翔体３の衝突時の衝撃力によって、被清掃壁面１２から汚損物が剥離され、除去される。

【００１７】被清掃面１２に衝突した後の飛翔体３は、下方に落下し、飛翔体帰還パイプ７を通過して飛翔体収納箱５内に回収される。なお、前記ブロアを停止させ、圧縮空気の供給を停止すると、筐体１内の飛翔体３は重力によって飛翔体収納箱５に全て回収される。

【００１８】次に、図３に従い第２の実施例について説明する。この実施例では、飛翔体供給パイプ５内に、液体（より具体的には水）を噴霧状に供給する手段として、水１３が収納される液体収納缶１４が装着されている。そして、当該液体収納缶１４と飛翔体供給パイプ５との間に、液体吸上細管１５が装着されている。また、飛翔体帰還パイプ７の底側部は、飛翔体３が通過し得ないメッシュの網状に形成されている。なお、飛翔体収納箱５の底部が前記のようなメッシュの網状に形成されていてもよい。

【００１９】前述のように、液体収納缶１４および液体吸上細管１５が備えられていると、飛翔体搬送パイプ４内を圧縮空気が通過することによって、「霧吹き」と同様の原理で、液体吸上細管１５内が負圧になり液体吸上細管１５内に上昇気流が発生し、それに伴って液体収納缶１４内の水１３は、当該液体吸上細管１５内を上方に移動して飛翔体搬送パイプ５内にて空気の圧送方向に噴霧される。そうすると、飛翔体３が若干湿気を含み、清掃効果が向上する。

【００２０】また、飛翔体帰還パイプ７の底側部や飛翔体収納箱５の底部がメッシュの網状１７に形成されていていると、被清掃面１２から除去された汚損物１６が当該網状部１７から落下し、外部に排出される。

【００２１】なお、飛翔体供給パイプ５は飛翔体搬送パイプ４の下部に装着されていてもよく、飛翔体搬送パイプ４の横部若しくは上部に装着されていてもよい。

【００２２】

【考案の効果】

本考案では、飛翔体搬送パイプに圧縮空気が供給されると、飛翔体供給パイプ内が負圧になり、飛翔体収納箱内の飛翔体が当該飛翔体供給パイプを通して飛翔体搬送パイプ内に吸上げられる。そうすると、吸上げられた飛翔体は、圧縮空気によって筐体内に搬送され、筐体の開口から被清掃部に衝撃的に当接され、被清掃部の汚損物は前記飛翔体によって剥離され除去される。そして、被清掃部に衝撃的に当接された飛翔体は飛翔体帰還パイプを通って飛翔体収納箱内に回収される。従って装置全体をコンパクトに、且つ安価に製造することができる

【００２３】また、飛翔体は、被清掃部への当接時に当該被清掃部を機械的に変形させない部材にて形成されているので、被清掃部にこれを当接させた際に、被清掃部を損傷することなく、汚損物のみを剥離除去することができる。

【００２４】更に、自動的に被清掃部を清掃することができるので、被清掃部に放水しつつブラシ等で汚損物を除去する必要はなく、作業能率がよくて経済的である。ゴムやスポンジ等の軟質の飛翔体を使用すると、側壁を傷付ける虞は全くない。

【００２５】更にまた、水銃にて高圧の水を側壁に噴射衝接させることもないので、脆弱な側壁でも、それを破損する虞もない。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施例の要部の外観斜視図である。

【図２】第１の実施例の鉛直断面図である。

【図３】第２の実施例の鉛直断面図である。

【符号の説明】

１筐体２開口部３飛翔体４飛翔体搬送パイプ５飛翔体収納箱６飛翔体供給パイプ７飛翔体帰還パイプ８シール部材９移動台１０パンタグラフ部１１車輪部１２被清掃面１３水１４液体収納缶１５液体吸上細管１６汚損物１７網状部

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】被清掃部に多数の飛翔体を衝撃的に当接
させて当該被清掃部を清掃する清掃装置において、外方
に向かって拡開する開口部が備えられている筐体と、当
該筐体の前記開口部と反対側の側壁に連通装着されてお
り、前記飛翔体が通過し得る内径を有する飛翔体搬送パ
イプと、当該飛翔体搬送パイプに圧縮空気を供給する空
気供給手段と、多数の飛翔体が収納される飛翔体収納箱
と、一端が前記飛翔体収納箱内に位置し他端が前記飛翔
体搬送パイプの側壁に連通装着されており、前記飛翔体
が通過し得る内径を有する飛翔体供給パイプと、一端が
前記筐体の側壁に連通装着され他端が前記飛翔体収納箱
の側壁に連通装着され、前記飛翔体が通過し得る内径を
有する飛翔体帰還パイプとが備えられており、前記飛翔
体は被清掃部との当接時に当該被清掃部を機械的に変形
させない部材にて形成されていることを特徴とする飛翔
体を用いた清掃装置。
【請求項２】開口部は鉛直方向に延在している請求項
１記載の飛翔体を用いた清掃装置。
【請求項３】飛翔体供給パイプに、液体を噴霧状に供
給する手段が備えられている請求項１記載の飛翔体を用
いた清掃装置。
【請求項４】飛翔体供給パイプに、液体が収納される
液体収納缶が装着されており、当該液体収納缶と飛翔体
供給パイプとの間に液体吸上細管が装着されている請求
項１記載の飛翔体を用いた清掃装置。
【請求項５】飛翔体帰還パイプ若しくは飛翔体収納箱
の底部は、飛翔体が通過し得ないメッシュの網状に形成
されている請求項１ないし請求項４のいずかに記載の飛
翔体を用いた清掃装置。
【請求項６】筐体の開口部の周縁には、軟質のシール
部材が装着されている請求項１ないし請求項４のいずか
に記載の飛翔体を用いた清掃装置。
【請求項７】飛翔体は、内部に硬質の芯体が封入され
外部が柔質部材で被覆されている請求項１ないし請求項
６のいずれかに記載の飛翔体を用いた清掃装置。
【請求項８】飛翔体は、中実のスポンジ体、中空のス
ポンジ体および中空のゴム体のいずれかにて形成されて
いる請求項１ないし請求項６のいずれかに記載の飛翔体
を用いた清掃装置。