JPH04114053A - 組成物およびその用途 - Google Patents

組成物およびその用途

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JPH04114053A
JPH04114053A JP23526290A JP23526290A JPH04114053A JP H04114053 A JPH04114053 A JP H04114053A JP 23526290 A JP23526290 A JP 23526290A JP 23526290 A JP23526290 A JP 23526290A JP H04114053 A JPH04114053 A JP H04114053A
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JP
Japan
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polyvinyl alcohol
vinyl
film
composition
syndiotacticity
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JP23526290A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
Yoshiharu Fukunishi
義晴 福西
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 A、  の1 本発明は力学特性に優れ、耐熱性、耐水性、耐湿熱性、
耐アルカリ性および成形加工性に優れた組成物およびそ
の用途に関する。
1−支l皇丘韮 ポリビニルアルコール系重合体は、数少ない結晶性の水
溶性高分子として優れた界面特性および強度特性を有す
ることから、紙加工、繊維加工、エマルジョン用の安定
剤等に利用されているのをはじめとして、ビニロンフィ
ルム、ビニロン繊維などの原料として重要な地位を占め
ている°のは周知のとうりであるが、最近はゲルの素材
として注目されるなど、新分野への展開も積極的に図ら
れている。しかし本質的に水溶性であるポリビニルアル
コール系重合体は耐水性に離点かあり架橋剤添加や他種
ポリマーとのブレンド等による種々の改質が試みられて
いるが、前者においては架橋剤添加時の可使時間が十分
でない、厳しい架橋条件を必要とするといった問題点が
、また後者においては相溶性が十分でない等未だ満足の
いく解決法は見出だされていない。
ところで、従来市販されているポリビニルアルコール系
重合体は、立体規則的にはいわゆるアタクテイック(ダ
イアツド表示でシンジオタクテイシテイ−約53モル%
)である。一方、立体規則性に優れたポリビニルアルコ
ール系重合体は、水素結合の影響でアタクテインク体と
は顕著に異なった物性を示すことが知られており、特に
シンジオタクテイシテイ−に冨むポリビニルアルコール
系重合体は耐水性に優れることが知られている。しかし
分子間相互作用の増大により、成形加工温度の上昇、溶
融粘度および溶液粘度の上昇などの、成形加工性の低下
が考えられる。
二の点を解決する方法としてシンジオタグティシティ−
に冨むポリビニルアルコール系重合体に市販のポリビニ
ルアルコール系重合体をブレンドすることが考えられる
が、検板らは、トリフルオロ酢酸ビニルからのシンジオ
タグティシティ−に富むポリビニルアルコール系重合体
に市販のポリビニルアルコール系重合体をブレンドして
もシンジオタクテイシテイ−に冨むポリビニルアルコー
ル系重合体の耐水性が保たれることを報告している(J
ournal of Applied Polymer
 5cience、Vol。
35、1661 (1988))。しかし、このトリフ
ルオロ酢酸ビニルからのシンジオタグティシティ−に冨
むポリビニルアルコール系重合体は、シンジオタグティ
シティ−があまり高くないことから耐水性は十分に高く
なく、耐水性を上げようとすれば、該ポリビニルアルコ
ール系重合体の含量が多くなり、成形加工性が悪くなる
という欠点を有していた。
さらに、該ポリビニルアルコール系重合体は、残存エス
テルの加水分解がおこりやすいため、組成物の耐水性、
耐アルカリ性が低いという欠点を有している。
このように耐(熱)水性を有しかつ成形加工性に優れた
ポリビニルアルコール系重合体が求められているが未だ
得られていないのが現状である。
る かかる状況下、本発明は力学特性、耐熱性、耐水性、耐
湿熱性、耐アルカリ性に優れ、かつ成形加工性にも優れ
たポリビニルアルコール系重合体組成物を提供し、該組
成物の特徴を生がした用途を提供せんとするものである
め 本発明者らは、上記課題解決に向けて鋭意検討した結果
、下記の一般式[I]で表されるビニルエステル単位を
含有し、かつシンジオタクテイシテイ−が55モル%以
上のポリビニルアルコール系重合体5〜95重量%と、
シンジオタクテイシテイ−が50〜54モル%のポリビ
ニルアルコール系重合体95〜5重量%とからなる組成
物が上記課題を達成することを見出だし、本発明を完成
したものである。
R’−C−R3 式中、R1は水素原子または炭化水素基を表し、R2お
よびR3はそれぞれ炭化水素基を表すかまたはR2およ
びR3が一緒になって形成される環状の炭化水素基を表
すか;R1、R2およびR3が一緒になって形成される
環状の炭化水素基を表す。
ユニで本発明のシンジオタクテイシテイ−は重水素化ジ
メチルスルホキシドに溶解したポリビニルアルコールの
水酸基プロトンのNMRスペクトル測定より求まるトラ
イアッドタクテイシテイーアイソタクテイシテイー(I
)、ヘテロタフティシティ−(H)、およびシンジオタ
クテイシティ(S)から i = I + H/ 2    s = S + H
/ 2で計算したダイアツドタフティシティ−、すなわ
ちシンジオタグティシティ−(S)で表したものである
。なおiはアイソタグティシティ−を表す。
以下、本発明の詳細な説明する。
本発明の組成物において十分な強度、耐水性および耐熱
性を得るためには、該組成物の1つの成分としてシンジ
オタクテイシテイ−が55モル%以上でかつ上記一般式
[I]で表されるビニルエステル単位を含有するポリビ
ニルアルコール系重合体を用いることが必要である。シ
ンジオタグティシティ−の増加は成形物の強度、耐水性
および耐熱性の向上に効果があるため、これらの物性を
より高めるために好ましくはシンジオタグティシティ−
が57モル%以上、より好ましくは60モル%以上であ
る。
本発明で用いられるシンジオタグティシティに富むポリ
ビニルアルコール系重合体は、通常のポリビニルアルコ
ールの製造法であるポリ酢酸ビニル共重合体のけん化か
らは得られず、前記一般式 [I]で表されるビニルエ
ステル単位を含有する重合体のけん化によって得られる
。ここで−般式[I]のR1は水素原子または炭化水素
基を表し、R2およびR3はそれぞれ炭化水素基を表す
かまたはR2およびR3が一緒になって形成される環状
の炭化水素基を表すか;R1、R2およびR3が一緒に
なって形成される環状の炭化水素基を表す。一般式[I
]の構造は目的とする組成物の性質により適宜選択され
るが、たとえばピバリン酸ビニル、ジメチルエチル酢酸
ビニル、ジメチルプロピル酢酸ビニル、ジエチルメチル
酢酸ビニル、トリエチル酢酸ビニル、トリプロピル酢酸
ビニル、バーサチック酸ビニル等のトリアルキル酢酸ビ
ニル、ジメチル酢酸ビニル、ジエチル酢酸ビニル等のジ
アルキル酢酸ビニル、メチルシクロヘキシル酢酸ビニル
、1−ノルボルナンカルボン酸ビニル、3−ノルアダマ
ンタンカルボン酸ビニル等のシクロアルキルを有するビ
ニルエステルの各単位等が挙げられる。この中でとりわ
け高重合度のポリマーを得やすくけん化反応が容易なピ
バリン酸ビニルやバーサチック酸ビニル単位が好ましい 該シンジオタクテイシテイ−に富むポリビニルアルコー
ル系重合体中の上記一般式[I]で表されるビニルエス
テル単位は本発明の組成物に加工性を付与すると同時に
耐水性、耐湿熱性、耐アルカリ性を付与するのに効果が
あり、その含量はタフティシティ−と組成物への要求特
性などから適宜選ばれ特に制限はないが、通常0.01
〜10モル%が好ましく、特に力学特性、耐熱性、耐油
性が要求される場合は0.01〜5モル%がより好まし
い。
上記一般式[I]で表されるビニルエステル単位含量が
10モル%以上では組成物を形成するもう1つのポリビ
ニルアルコール系重合体との相溶性が低下し、0.01
モル%以下では成形加工性が低下する。
該シンジオタグティシティに富むポリビニルアルコール
系重合体中のビニルアルコール単位含量は通常90〜9
9.99モル%が好ましく、特に耐熱性、耐水性、耐油
性が要求される場合は95〜99.99モル%がより好
ましい。ビニルアルコール単位含量が90モル%以下で
は組成物を形成するもう1つのポリビニルアルコール系
重合体との相溶性が低下し、99.99モル%以上では
成形加工性が低下する。
該シンジオタグティシティ−に富むポリビニルアルコー
ル系重合体のシンジオタクテイシテイ−は組成物の強度
、耐熱性および耐水性の向上のため55モル%以上であ
ることが必要であり、それ以下では効果がない。またこ
れらの特性をより高めるには、シンジオタクテイシテイ
−は57モル%以上、さらに高い性能を要する時には6
0モル%以上であることが好ましい。
該シンジオタグティシティ−に富むポリビニルアルコー
ル系重合体の重合度は、アセチル化してポリ酢酸ビニル
系重合体としてからベンゼン中、30℃で測定した極限
粘度により評価し、この値が耐熱性、耐水性、耐熱水性
の向上のために0.1dl/g以上であることが好まし
く、より好ましくは0.3dl/g以上であり、さらに
好ましくは0.5di/g以上である。上限としてはと
くに制限はないが10 di/gである。
該シンジオタクテイシテイ−に冨むポリビニルアルコー
ル系重合体は本発明の主旨を損なわない範囲内、すなわ
ち20モル%未満、好ましくは10モル%以下、さらに
好ましくは5モル%以下の範囲内においてビニルアルコ
ール単位や一般式[I]以外の単位を含有することもで
きる。このような単位は酢酸ビニル、蟻酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステ
アリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類
、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチン等の
オレフィン類、アクリル酸およびその塩、アクリル酸メ
チル、アクリル酸メチル、アクリル酸n−プロピル、ア
クリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オ
クタデシル等のアクリル酸エステル類、メタグリル酸お
よびその塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル
、メタグリル酸n−プロピル、メタグリル酸i−プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタグリル酸i−ブチル
、メタグリル酸し一ブチル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ドデシル、メタグリル酸オケタデ
シル等のメタグリル酸エステル類、アクリルアミド、N
−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、
N。
N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、
アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩と
4級塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導
体等のアクリルアミド誘導体、メタグリルアミド、N−
メチルメタグリルアミド、N−エチルメタクリルアミド
、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、
メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩
と4級塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその
誘導体等のメタクリルアミド銹導体、メチルビニルエー
テル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエー
テル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニル
エーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニ
ルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニ
ルエーテル等のビニルエーテル類、アグリロニトリル、
メタクリロニトリル等のニトリル類、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロ
ゲン化ビニル類、酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化
合物、マレイン酸およびその塩とエステル、イタコン酸
およびその塩とエステル、ビニルメトキシシラン等のビ
ニルシリル化合物、酢酸イソプロペニル等である。
本発明の組成物を構成するもう1つの成分は、シンジオ
タクテイシテイ−が50〜54モル%のポリビニルアル
コール系重合体である。該ポリビニルアルコール系重合
体は通常酢酸ビニルの単独重合体または共重合体のけん
化により合成される。ビニルアルコール単位含量は第一
成分と相溶し、結晶化により組成物に耐熱性、耐水性、
耐熱水性を付与するために90モル%以上、成形加工性
の点が699、99モル%以下であることが必要である
シンジオタクテイシテイーは酢酸ビニルの単独重合体ま
たは共重合体では通常50〜54モル%である。
重合度はシンジオタクテイシテイ−に富むポリビニルア
ルコール系重合体同様、アセチル化して得られるポリ酢
酸ビニル系重合体のベンゼン中、30℃の極限粘度で評
価し、この値は0.10〜10.0 di/gであるこ
とが好ましい。該ポリビニルアルコール系重合体は本発
明の主旨を損なわない範囲内において共重合体でもよい
。共重合単位は第一成分で共重合単位として用いられる
前記したモノマーを用いることができる。
本発明の組成物を構成する以上説明したシンジオタクテ
イシテイ−の異なる二種類のポリビニルアルコール系重
合体の混合割合は、組成物の用途により適宜決定されつ
るので特に制限はないが、高強度で耐水性、耐熱性、耐
熱水性、耐アルカリ性に十分優れかつ成形加工性良好な
ポリビニルアルコール系重合体組成物を得るためには、
上記−般式[I]で表されるビニルエステル単位を含有
するポリビニルアルコール系重合体(A)とシンジオタ
クテイシテイ−50〜54モル%のポリビニルアルコー
ル系重合体(B)の重量比で5/95≦(A)/ (B
)≦9515であることが好ましい。
(A)が5重量%以下の時は強度、耐水性、耐熱性、耐
熱水性、耐アルカリ性においで十分なものが得られず、
逆に(B)が5重量%以下の時は成形加工性において十
分なものが得られない。
さらに本発明の組成物により得られる効果を詳細に述べ
ると、5/95≦(A)/ (B)≦50/ 50では
従来のポリビニルアルコール系重合体(B)の成形加工
性を保持しつつ耐熱性、耐水性を与える効果がある。こ
の効果をより発現するには10/90≦(A)/ (B
)≦50/ 50であることが好ましい。特に本発明に
おける上記一般式[I]で表されるビニルエステル単位
を含有しかつシンジオタグティシティ−に富むポリビニ
ルアルコール系重合体(A)を用いると少量の添加で大
きな効果を得られることが特徴である。また、50/ 
50≦(A)/ (B)≦9515ではポリビニルアル
コール系重合体(A)の高強度、耐熱性、耐水性、耐熱
水性を保持しつつ成形加工性を付与するものである。こ
の効果をより発現するには50/ 50≦(A)/(B
)≦90/ 10であることが好ましい。
これらのシンジオタクテイシテイ−の異なる二種類のポ
リビニルアルコール系重合体を混合する方法には特に制
限はなく、二種類のポリビニルアルコール系重合体を混
合できればいかなる方法でもよい。例として溶媒あるい
は可塑剤を用いてのキャスト法、混練法、再沈殿法、加
熱による混練法などがあげられる。
本発明の重合体組成物は力学特性、耐熱性、耐水性、耐
湿熱性、耐アルカリ性に優れ、かつ成形加工性にも優れ
ていることから幅広い用途に応用可能であるが、特にそ
の特徴が生かせる用途は膜、ゲル用基材、偏光膜である
本発明の組成物から得られる膜は従来のポリビニルアル
コール系重合体膜に比べ高強度で耐水性、耐熱性が特に
優れており、本来ポリビニルアルコル系重合体膜の透明
性、耐油性にも優れるものである。本発明でいう膜は厚
さ、形状および透明性に特に制限はなく、いわゆる通常
フィルム、メンブレンおよびシート等と呼ばれるものを
総称するものである。
本発明のポリビニルアルコール系重合体組成物の膜の製
造方法には特に制限はなく、必要とされ、る膜厚や膜の
用途、目的により適宜選択されるが、通常溶液からのキ
ャスト成膜法、乾式成膜法(空気中や窒素等の不活性気
体中への押し出し) 湿式成膜法(該ポリビニルアルコ
ール系重合体組成物の貧溶媒中への押し出し)、乾湿式
成膜法等によって行なわれる。二のときに使用される溶
剤としてはジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、エチレングリコール、グリ
セリン、水、ヘキサフルオロイソプロパツール等が単独
または混合して使用される。また塩化リチウム、塩化カ
ルシウム等の無機塩の水溶液も単独または前記有機溶剤
と混合して使用できる。この中で水、ジメチルスルホキ
シド、ジメチルスルホキシドと水との混合液、グリセリ
ン、エチレングリコール等が好んで使用される。成膜時
のポリビニルアルコール系重合体の濃度は成形方法によ
って異なるが通常1〜50重量%であり、温度は通常室
温から250℃の範囲である。
本発明のポリビニルアルコール系・重合体組成物からな
る膜は、本発明の主旨を損なわない範囲において、上記
の組成物以外のものを含有することはなんら差し支えな
く、たとえばポリビニルアルコール系重合体以外の重合
体、グリセリン等の可塑剤、クレイ、シリカ、炭酸カル
シウム等の無機化合物が挙げられる。また必要に応じて
着色のための染料や顔料、酸化防止剤や紫外線吸収剤等
の安定剤が添加されることもある。
本発明の組成物から得られる膜は上記の特徴を生かして
各種包装材料、ガスバリヤ−材料、偏光膜基材やフィル
ター基材等の光学用膜および各種分離膜等に使用される
など工業的な価値がきわめて高いものである。
本発明の組成物を偏光膜に応用すると従来のボリビニル
アルコール系偏光膜の最大の欠点である水や熱による光
学特性の低下を解決できるだけでなく、光学特性の向上
をもたらすものである。偏光膜における光学特性の理想
値は、透過度50%における偏光度が100%となる二
とである。しかし二色性分子の二色性比が有限の値を有
し、基材ポリマー中における該分子の配向が完全には行
なわれないことから、従来の偏光膜は偏光度99.9%
のものでは透過度が40%程度であった。
本発明の偏光膜では、使用する組成物中のシンジオタク
テイシテイ−に富むポリビニルアルコール系重合体が沃
素のような二色性物質との相互作用が大きいことの反映
と考えられるが、従来の偏光膜よりも低濃度の二色性物
質で十分な偏光能が得られ、高偏光度かつ高透過度が達
成される。
本発明の偏光膜に使用される二色性物質は、沃素のほか
、いわゆる二色性染料が単独または混合して用いられる
。代表的なものとしてたとえば、black17.19
.154;brown44.106.195.210.
22,3;red2.23.28.31.37.39.
79.81.240.242゜247;bluel、 
 15. 22. 78. 90,98. 151.1
68. 202、 236. 249. 270;vi
olet9. 12. 51.98;greenl。
85:yellow8. 12. 44. 86. 8
7;orange26. 39. 106、107等が
挙げられる。フィルム中の該二色性物質の量は、少なす
ぎると偏光膜の光学的性質を発揮できず、多すぎても光
学的性質や耐水性、耐熱性を低下させる要因となる二と
から通常ポリビニルアルコール系重合体に対して、O,
01ffi量%から1重量%の範囲に調整される。
本発明の偏光膜は、たとえば以下の方法によって製造さ
れる。
ひとつは本発明の組成物のフィルムを調整したのちに沃
素や染料等の二色性物質の吸着と一軸延伸を行なう方法
であり、二色性物質の吸着と延伸操作の順序は任意であ
る。もうひとつはフィルムの製造時に二色性物質を添加
し一軸延伸する方法であり、本発明の偏光膜はどちらの
方法でも製造可能である。本発明の組成物のフィルム(
以下、原反フィルムと称する)は上記膜の製造法に従っ
て得られるが、成膜時に二色性物質を添加する場合には
、該二色性物質がよく溶解する溶媒を選択する。二のよ
うにして得られた原反フィルムは二色性物質の吸着と一
軸延伸が行なわれるか、もしくは−軸延伸だけが施され
る。吸着操作と延伸操作は同時に行なっても別々に行な
っても問題はなく、その順序も任意である。また原反フ
ィルムへの二色性物質の吸着を強固にすることを目的に
ホウ酸やホウ砂のようなホウ素化合物を添加する二とが
あるが、これは吸着や延伸と同時に実施してもこれら操
作の前後や間のどの時点で実施しても任意である。
二色性物質の原反への吸着は、通常二色性物質を含有す
る液体中に原反を浸漬させる二とにより行なわれるがそ
の操作条件や方法等に特に制限はなく、たとえば通常沃
素を用いる場合には沃素−沃化カリウムの水溶液が用い
られ、染料の場合には染料水溶液が用いられる。
延伸は湿式延伸や乾熱延伸で行なわれ、−軸方向に3倍
以上に行なうことが好ましい。延伸時の温度は延伸条件
によって異なるが、通常20℃から250℃の間である
。また乾熱延伸時は不活性気体中で操作を実施するのが
好ましい。延伸操作後に吸着を実施する場合には、吸着
の前に一軸延伸したフィルムを160〜250℃で空気
中または不活性気体中で熱処理を施すことが好ましい。
延伸後の膜厚は特に制限はないが5〜11001iが好
ましく、10〜40μmが特に好ましい。
吸着と延伸が行なわれた原反フィルムは足長下、空気中
または窒素気流中で乾燥される。
このようにして得られた偏光膜は、その両面あるいは片
面に光学的に透明で、かつ機械的強度を有した保護膜を
張り合わせ偏光板として使用される。保護膜として通常
セルロースアセテート系フィルム、アクリル系フィルム
、ポリエステル系フィルム等が使用される。
本発明の組成物から得られるゲル用基材は従来のポリビ
ニルアルコール系重合体から得られるゲル用基材と比べ
、強度、耐熱性、耐水性に優れたゲルを与える。
本発明の組成物を用いたゲルとは、水や有機溶剤を含む
化学架橋または物理架橋された高分子化合物の総称であ
り、本発明のゲル用基剤は特に水系やジメチルスルホキ
シド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、
グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル等の有機溶媒系のゲルに好んで用いられる。
本発明の組成物からなるゲル用基剤を用いたゲルは、い
ろいろな方法で調整する二とができるが、たとえば本発
明の組成物をシート状、球状等に成形した後、放射線や
過酸化物で架橋する方法、該組成物の溶液もしくは溶剤
による膨潤物を凍結ゲル化する方法(凍結融解を繰り返
す方法も含む)、等が挙げられる。
本発明のゲル用基材は、本発明の主旨を損なわない範囲
でさらに他のボIJマーと併用することもさしつかえは
ない。
本発明のゲル用基材を用いて得られたゲルは上記の特徴
を生かして酵素や菌体を固定化するゲル、コンタクトレ
ンズ、人工筋肉、人工臓器等に用いる生体親和性のゲル
、センサー、機能性分離膜、放出制御膜、スイッチ、ア
クチュエータ等の機能性ゲル等に用いられる。
旦−一実JL例 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発
明はこれらの実施例により限定されるものではない。な
お、実施例中の「部」は、特にことわりのない限り「重
量部」を表す。
実施例1〜5、比較例1〜2 攪拌機を備えた反応容器に、ピバリン酸ビニルモノマー
600部、メタノール200部を仕込み、窒素ガスバブ
リングにより系を窒素置換した。別途メタノール26部
に開始剤として2.2゛−アゾビスイソブチロニトリル
0.0712部を溶解した溶液を調整し、窒素ガスによ
るバブリングで窒素置換した。反応容器を昇温し、内温
か60℃に達したところで開始剤を溶解したメタノール
溶液を注入し、重合を開始した6190分後、重合率が
50%に達したところで冷却して重合を停止し、t−ブ
タノールを時々添加しながら、減圧下で未反応のピバリ
ン酸ビニル千ツマ−を除去して、ポリピバリン酸ビニル
のt−ブタノール溶液とした。続いて、減圧下t−ブタ
ノールを除去して15w t%のポリピバリン酸ビニル
のテトラヒドロフラン溶液を得た。
次に攪拌機と還元冷却管を備えた反応器に、この溶液7
0部を計り取り、60℃に加熱して窒素ガスを流して窒
素置換し、60℃に保持した後、別途調整し窒素置換し
た25%の水酸化カリウムのメタノール溶液21部を添
加し、十分に攪拌した。系は約20分でゲル化したが、
さらに60℃で100分間保持した後、酢酸6.8部を
メタノール20部とともに添加して、水酸化カリウムを
中和した。続いてゲルを粉砕した後、メタノールによる
ソックスレー洗浄を実施し、ポリビニルアルコールを得
た。得られたポリビニルアルコール0.5部に無水酢酸
10部、ピリジン2部を加えて封管した後、120℃で
8時間加熱して酢化した。得られたポリ作酸ビニルはn
−ヘキサンに沈澱させ、アセトン−n−へキサン系で2
回再沈を繰り返し精製した。得られたポリビニルアルコ
ールを重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、NMR
を測定したところ、ビニルアルコール単位含量99.6
モル%、シンジオタグティシティ−61,7モル%であ
り、酢化して得たポリ作酸ビニルのベンゼン中30℃で
測定した極限粘度は0.96 dl/gであった。
このポリビニルアルコール(A)と、ポリ酢酸ビニルを
けん化して得たビニルアルコール単位含量99.9モル
%、シンジオタクテイシテイ−52,8モル%、再酢化
物の極限粘度0.91 dl/gのポリビニルアルコー
ル(B)をジメチルスルホキシド900部に100℃で
溶解し、室温のメタノールに滴下して固形分を得た。(
A)(B)の割合この固形分の融点、およびジメチルス
ルホキシド溶液の粘度を第−表に示す。
以下余白 第 表 実施例6 実施例2で得た組成物をジメチルスルホキシドに溶解し
て7重量%の溶液を得、該溶液をボリニチレジテレフタ
レートフイルム上に流延しメタツル浴に浸漬して膜化し
た。得られた膜をメタツル中で十分に洗浄し室温で風乾
した後、]60℃で10分熱処理した。その結果、厚さ
]00μmの膜か得られた。この膜を沸騰水中に1時間
浸漬したところ膨潤は認められたものの、形状は保たれ
ていた。
以下余白 比較例3 ポリ酢酸ビニルをけん化して得たビニルアルコル単位含
量99.9モル%、シンジオタクテイシテイ−52,8
モル%、再酢化物の極限粘度0.91 dl/gのポリ
ビニルアルコールを用いて実施例6と同様にして得た厚
さ100 pmの膜は沸騰水中で完全に溶解し本発明の
組成物が耐水性にきわめて優れていることが明らかとな
った。
実施例7 実施例1で得た組成物をジメチルスルホキシドに溶解し
て7重量%の溶液を得、該溶液をポリエチレンテレフタ
レートフィルム上に流延しメタノール浴に浸漬して膜化
して原反フィルムを得た。
該原反フィルムを沃素0.2 g/l、沃化カリウム5
0g/Iを溶解した水溶液中に30℃で2分浸漬した。
つづいて、ホウ酸60g/l、沃化カリウム30g/ 
lを溶解した水溶液中で、5倍に一軸延伸し、5分間の
ホウ酸処理を行なったのち、足長下で40℃の熱風下に
乾燥して、厚さ20μmの偏光膜とした。該偏光膜中の
沃素量をチオ硫酸ナトリウムで滴定して求めたところ、
工2として、0.3重量%であった。
得られた偏光膜は透過度48.5%、偏光度99.9%
であった。該偏光膜は60℃、90%RH下に、10時
間放置した後には透過度49.9%、偏光度9865%
であった。
比較例4 ポリ酢酸ビニルをけん化して得たポリビニルアルコール
含量99.5モル%、シンジオタクテイシテイ−53,
0モル%、再酢化物の極限粘度1.40 dl/gのポ
リビニルアルコールを用いて実施例7と同様にして得た
偏光膜は透過度41.8%、偏光度99.2%であった
。該偏光膜は60℃、90%RH下に、10時間放置し
た後には透過度60.8%、偏光度83.2%であった
透過度および偏光度は分光光度計を用いて測定した。透
過度はJIS−Z−8701に準拠して測定ここでT1
およびT2は、それぞれ2枚の偏光膜を延伸軸を互いに
平行および直交するように重ねて測定した透過度である
実施例8 実施例2で得た組成物をジメチルスルホキシド/水=8
0/20(重量比)の混合溶媒に溶解して5wt%と2
wt%の溶液を調整し、−10℃下に3時間放置して、
ゲルを得た。3時間後、ただちに20℃のバスに移して
ゲルの融解温度を測定した。
測定は内径12.8mmの試験管中に調整したゲル上部
に直径6.35mm、重さ1.06 gの鋼球をおき、
0.4〜0.5℃/分で昇温しで、鋼球全体がゲル中に
埋没する温度を融解温度とする二とにより測定した。
結果を第二表に示す。
第  二 表 比較例5 ポリ酢酸ビニルをけん化して得たポリビニルアルコール
含量99.5モル%、シンジオタグティシティ−53,
0モル%、再酢化物の極限粘度1.11 dl/gのポ
リビニルアルコールを用いて実施例7と同様にして得た
ゲルの融解温度を測定した。結果を第二表4°まとめて
示す・         ヮ下余白上記の結果から明ら
かなように、本発明の組成物よりなるゲル用基材を用い
たゲルは従来のポリビニルアルコール系重合体ゲルに比
べて融解温度が高く耐熱性に優れる。また本発明の基材
を用いることにより、高含溶媒ゲルを調整できることも
本発明の大きな特徴である。
ニーー元」Lの」[果 本発明の組成物は、従来のポリビニルアルコール系重合
体の成形加工性を保持しつつ、高強度で耐熱性、耐水性
、耐熱水性、耐アルカリ性に優れる。このような性質を
もつ組成物は上記一般式[工]で表されるビニルエステ
ル単位を含有し、かつシンジオタクテイシテイ−に富む
ポリビニルアルコール系重合体を用いることによりはじ
めて得られたものであり、その効果は少量でも大きなも
のである。本発明で得られた組成物は上記の特徴を生か
した分野に用いられ、たとえば膜、偏光膜、ゲル用基材
として極めて有用である。
特許出願人 株式会社 り ラ し

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)下記の一般式[ I ]で表されるビニルエステル
    単位を含有し、かつシンジオタクテイシテイーが55モ
    ル%以上のポリビニルアルコール系重合体5〜95重量
    %と、シンジオタクテイシテイーが50〜54モル%の
    ポリビニルアルコール系重合体95〜5重量%とからな
    る組成物。 [ I ]▲数式、化学式、表等があります▼ 式中、R^1は水素原子または炭化水素基を表し、R^
    2およびR^3はそれぞれ炭化水素基を表すかまたはR
    ^2およびR^3が一緒になつて形成される環状の炭化
    水素基を表すか;R^1、R^2およびR^3が一緒に
    なって形成される環状の炭化水素基を表す。
  2. (2)請求項1記載の組成物よりなる膜。
  3. (3)請求項1記載の組成物よりなる偏光膜。
  4. (4)請求項1記載の組成物よりなるゲル用基材。
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