JPH04113767U - ダウンドラフト型ダイヤフラム式気化器における低速燃料装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は機関へ供給する混合気の量及び濃度
を制御する気化器に関し、その内特に、気化器本
体を貫通する吸気路が垂直方向に穿設され、気化
器本体の一側方にダイヤフラム及びカバーを積層
して配置し、気化器本体とダイヤフラムにてレギ
ュレート室を形成し、ダイヤフラムとカバーとに
より大気室を形成し、吸気路に開口する噴孔から
レギュレート室内に導入される圧力に応じてダイ
ヤフラムを動作させ、このダイヤフラムの移動に
よってレギュレート室に開口するバルブシートを
開放して、レギュレート室内に燃料を導入し、噴
孔より燃料を吸気路内に供給するダウンドラフト
型ダイヤフラム式気化器に関するものである。

［従来の技術］ かかるダウンドラフト型ダイヤフラム式気化
器を第２図により説明する。（これは例えば特願
昭６０−２４４９０９号に示される。）
１は、内部を上方から下方に向かって垂直方向
に吸気路２が貫通し、吸気路２には吸気路２の開
口面積を制御する絞り弁３が配置された気化器本
体である。

気化器本体１の吸気路２の外側方（本例では第
２図の左側）には平坦部１Ａが形成され、この平
坦部１Ａには、絞り弁３に対応した吸気路２に開
口するバイパス孔４を備えたバイパス室凹部５
と、バイパス室凹部５に連なる低速燃料通路凹部
６と、バイパス室凹部５に連なるとともに、バイ
パス孔４より機関側（第２図において下方）の吸
気路２に開口するパイロットアウトレット孔７を
備えたパイロット室凹部８とが開口する。

すなわち、低速燃料通路凹部６、バイパス室凹
部５、パイロット室凹部８とは気化器本体１の平
坦部１Ａにおいて連続して開口する。

尚、パイロットアウトレット孔７はその通路径
をジェットにて制御しても、あるいは調整スクリ
ューによって可変制御してもよい。（ジェット、 調整スクリューともに図示せず）
９はジェットブロックであり、その一側（第２
図において右側）に気化器本体１の平坦部１Ａを
おおう平坦部９Ａが形成され、他側（第２図にお
いて左側）にレギュレート室凹部９Ｂが形成さ
れ、このレギュレート室凹部９Ｂは他側の面９Ｃ
に開口する。

尚、ジェットブロック９の平坦部９Ａは、第２
図に示されたごとく段部Ａをなした際、それに対
応するよう階段状を成し、一点鎖線で示されるよ
う直線状とした際、それに対応するよう直線状を
成すものである。

又ジェットブロック９には燃料源（図示せず）
に連絡された燃料流入路１０が穿設され、この燃
料流入路１０のレギュレート室凹部９Ｂへの開口
部にはバルブシート１１が設けられる。このバル
ブシート１１に対向してバルブシート１１を開閉
するバルブ１２が配置され、このバルブ１２は軸
１３に回転自在に支承されるアーム１４にて操作
される。

尚、１５は一端が低速燃料通路凹部６に対応し
た平坦部１Ａに開口し、他端がレギュレート室凹
部９Ｂに開口する低速燃料ジェットであり、１６
は、バルブ１２がバルブシート１１を閉塞するよ
うアーム１４に回転力を付与するスプリングであ
る。

１７はレギュレート室凹部９Ｂの開口をおおう
ダイヤフラムであり、１８は大気室凹部１８Ａを
有しダイヤフラム１７をおおうカバーである。

そして、ダイヤフラム気化器を形成するには、 気化器本体１の平坦部１Ａにジェットブロック９
の平坦部９Ａを重ね合わせ、次いで、ジェットブ
ロック９の他側の面９Ｃにカバー１８をダイヤフ
ラム１７を介して重ね合わせ、次いでカバー
１８、ダイヤフラム１７、ジェットブロック９を
ネジＢにて気化器本体１に螺着する。

而して、気化器本体１の低速燃料通路凹部６、 バイパス室凹部５、パイロット室凹部８がジェッ
トブロック９の平坦部９Ａにて閉塞され、低速燃
料通路１９、バイパス室２０、パイロット室２１
が形成され、バイパス室２０に対して低速燃料通
路１９、パイロット室２１は連絡される。一方レ
ギュレート室凹部９Ｂはダイヤフラム１７の一側
面にて閉塞されてレギュレート室２２が形成さ
れ、大気室凹部１８Ａはダイヤフラム１７の他側
面にて閉塞されて大気室２３を形成する。

［考案が解決しようとする課題］ かかる従来のダイヤフラム式気化器におい
て、機関の低速運転時には吸気路２内に発生する
負圧は、パイロットアウトレット孔７、バイパス
孔４よりパイロット室２１、バイパス室２０を低
速燃料通路１９内へ導入され、この負圧は低速燃
料ジェット１５を介してレギュレート室２２内へ
作用する。これによるとダイヤフラム１７はレギ
ュレート室２２側（第２図において右側）へ移動
し、軸１３を基準にアーム１４は時計方向に回動
し、バルブ１２がバルブシート１１を開放して燃
料流入路１０よりレギュレート室２２内へ燃料を
供給する。

而して、レギュレート室２２内に供給された燃
料は低速燃料ジェット１５によってその量を適正
に制御されて、低速燃料通路１９よりバイパス室
２０、パイロット室２１へと流入し、バイパス孔
４及びパイロットアウトレット孔７より吸気路２
内へ供給される。

ここで特に注目されるべきことはバイパス室
２０の室容積が大容積となることである。これ
は、第１にバイパス室２０の底部の厚さ（ｔ）は
通常１ミリメートルから２ミリメートル程度の軽
く薄い厚さに形成されること。（通常バイパス孔
２０の孔径は０．８ミリメートル前後の小径にて
設定され、バイパス孔２０を加工する為に底部は
薄肉とされる。厚肉とすると加工時においてドリ
ルが破損し生産性が劣る。）
第２には、ダイヤフラム１７の直径は吸気路２
内の負圧の大きさによって決定されるもので、低
速運転から高速運転に至る迄ダイヤフラム１７を
確実に作動させる為には比較的大径のダイヤフラ
ム１７を必要とするもので、一方上流側の吸気路
２の径は絞り弁３を配置した吸気路２の径より大
とするものでダイヤフラム１７の径を大径とした
ことによってダイヤフラム１７が上流側の吸気路
２にかかることから気化器本体１の平坦部１Ａと
吸気路２の内壁との厚さ（Ｔ）を小さくできない
ことによるものである。

すなわち、バイパス室２０の底部は吸気路２の
内壁になるべく近く配置し、一方平坦部１Ａは上
流側の吸気路２の内壁より離れる必要がある為で
あり、これによって特にバイパス室２０は深溝と
成ってその室容積が増加するものである。

また、気化器本体１の吸気路２は上下垂直方向
に配置されていることから低速燃料は低速燃料通
路１９、バイパス室２０、パイロット室２１へと
流下するものであり、このときバイパス室２０の
室容積が大であると、燃料はバイパス室２０内に
あって拡散し、バイパス孔４より均一で安定した
燃料を吸気路２内へ供給することが困難な場合が
ある。

［課題を解決する為の手段］［作用］ 本考案になるダウンドドラフト型ダイヤフラム
式気化器は、特にバイパス室よりバイパス孔を介
して吸気路内に吸出される燃料を安定して供給す
ることのできる前記気化器における低速燃料装置
を提供することにあり、前記目的達成の為に、内
部を垂直方向に貫通する吸気路と、吸気路の開口
面積を制御する絞り弁と、吸気路の外側方に形成
された平坦部と、一端が平坦部に開口し、絞り弁
に対応した吸気路に開口するバイパス孔を備えた
バイパス室凹部と、一端が平坦部に開口し、バイ
パス室凹部に連なる低速燃料通路凹部と、一端が
平坦部に開口し、バイパス室凹部に連なるととも
にバイパス孔より機関側の吸気路に開口するパイ
ロットアウトレット孔を備えたパイロット室凹部
とよりなる気化器本体と、気化器本体の平坦部を
おおうよう一側に形成された平坦部と、他側に開
口するレギュレート室凹部と、レギュレート室凹
部に開口する燃料流入路に配置されたバルブシー
トと、バルブシートを開閉制御するバルブと、バ
ルブに対してバルブシートを開閉する開閉操作力
を付与するアームとを備えたジェットブロックと
よりなり、気化器本体の平坦部にジェットブロッ
クの平坦部を配置することによってバイパス室、 燃料通路、パイロット室を形成するとともにジェ
ットブロックの他側に開口するレギュレート室凹
部をダイヤフラムを介してカバーを配置すること
によってダイヤフラムとレギュレート室凹部にて
レギュレート室を形成してなるダウンドラフト型
ダイヤフラム式気化器において、少なくともバイ
パス室内に進入し、バイパス室の室容積を減少す
る制作部材を備えたものである。

而して、バイパス室の室容積を減少させること
ができるので、燃料は制限された小容積のバイパ
ス室を収斂しつつ通過し、バイパス孔より吸気路
内へ均一な燃料を供給することができたものであ
る。

［実施例］ 以下、本考案になるダウンドラフト型ダイヤ
フラム式気化器における低速燃料装置の一実施例
を第１図により説明する。

（尚、第２図と同一構造のものは同一符号を使用
し、説明を省略する。）
４０は、バイパス室２０内に進入した制御部材
であって、より具体的にはパイロット室２１に設
けた段部２１Ａとジェットブロック９の平坦部
９Ａとの間に挟持される。

而して、バイパス室２０内の室容積は制御部材
４０が進入した分、減少することになり、低速燃
料ジェット１５、低速燃料通路１９を介してバイ
パス室２０内へ流入する低速燃料は、減少された
バイパス室２０の限られた部分を拡散することな
く流下することになり、これによってバイパス孔
より均一でしかも安定した燃料が吸気路に供給で
きたものである。

又、制御部材４０はバイパス室２０の室容積を
減少させるのみならず低速燃料通路１９、パイロ
ット室２１の室容積を減少させることによって通
路、室内を流れる燃料の拡散を抑止できバイパス
室２０と同様の効果を奏し得る。

更に、又制御部材４０をジェットブロック９の
平坦部９Ａより一体的に突出させても良い。

［考案の効果］ 以上の如く、本考案になるダウンドラフト型
ダイヤフラム式気化器の低速燃料装置によると次
の効果を奏する。

（１）バイパス室内に制御部材を進入させてバ
イパス室内の室容積を減少させたことによると、 バイパス室内に流入した燃料が室全体に飛散する
ことが無く、バイパス孔が開口するバイパス室底
部近傍に燃料が収斂しつつ速い流速をもって流下
するので、バイパス孔より吸気路内に均一で安定
した燃料の供給が可能と成ったもので、特に低速
運転の安定性を図ることができたものである。

（２）制御部材をジェットブロックの平坦部よ
り一体的に突出させて設けたことによると、単一
部品としての制御部材を設ける必要がなくなった
もので部品点数の削減及び組みつけ性が容易とな
り、コストの上昇を抑止できたものである。

（３）制御部材による室容積の減少をバイパス
室にとどまらず、低速燃料通路、パイロット室の
容積を同時に減少させることによると、低速燃料
通路内における燃料の流れを円滑に行なうことが
できるとともに、パイロットアウトレット孔より
吸気路内に均一で安定した燃料の供給が可能とな
ったものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のダウンドラフト型ダイヤフラム
式気化器の低速燃料装置の例を示す縦断面図、第
２図は本考案になるダウンドラフト型ダイヤフラ
ム式気化器の低速燃料装置の一実施例を示す縦断
面図である。 １……気化器本体、１Ａ……平坦部、２……吸
気路、３……絞り弁、４……バイパス孔、５……
バイパス室凹部、６……低速燃料通路凹部、７…
…パイロツトアウトレツト孔、８……パイロツト
室凹部、９……ジエツトブロツク、９Ａ……平坦
部、９Ｂ…・レギユレート室凹部、１７……ダイ
ヤフラム、１８……カバー、１９……低速燃料通
路、２０……バイパス室、２１……パイロツト
室、２２……レギユレート室、４０……制御部
材。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項1】内部を垂直方向に貫通する吸気路2と、吸気
   路２の開口面積を制御する絞り弁３と、吸気路
   ２の外側方に形成された平坦部１Ａと、一端が
   平坦部１Ａに開口し、絞り弁３に対応した吸気
   路２に開口するバイパス孔４を備えたバイパス
   室凹部５と、一端が平坦部１Ａに開口し、バイ
   パス室凹部５に連なる低速燃料通路凹部６と、 一端が平坦部１Ａに開口し、バイパス室凹部５
   に連なるとともにバイパス孔４より機関側の吸
   気路２に開口するパイロツトアウトレツト孔７
   を備えたパイロツト室凹部８とよりなる気化器
   本体１と；
   気化器本体１の平坦部１Ａをおおうよう一側
   に形成された平坦部９Ａと、他側に開口するレ
   ギユレート室凹部９Ｂとレギユレート室凹部９
   Ｂに開口する燃料流入路１０に配置されたバル
   ブシート１１と、バルブシート１１を開閉制御
   するバルブ１２と、バルブ１２に対してバルブ
   シート１１を開閉する開閉操作力を付与するア
   ーム１４とを備えたジエツトブロツク９とより
   なり、気化器本体１の平坦部１Ａにジエツトブ
   ロツク９の平坦部９Ａを配置することによつて
   バイパス室２０、低速燃料通路１９、パイロツ
   ト室２１を形成するとともにジエツトブロツク
   ９の他側に開口するレギユレート室凹部９Ｂを
   ダイヤフラム１７を介してカバー１８を配置す
   ることによつてダイヤフラム１７とレギユレー
   ト室凹部９Ｂにてレギユレート室２２を形成し
   てなるダウンドラフト型ダイヤフラム式気化器
   において、少なくともバイパス室２０内に進入
   し、バイパス室２０の室容積を減少する制作部
   材４０を備えてなるダウンドラフト型ダイヤフ
   ラム式気化器における低速燃料装置。
2. 【請求項2】前記制御部材40をジエツトブロツク9と一
   体的に形成するとともにジエツトブロツク９の
   平坦部９Ａより突出させてなる請求項第１項記
   載のダウンドラフト型ダイヤフラム式気化器に
   おける低速燃料装置。