JP2516563Y2

JP2516563Y2 - ダウンドラフト型ダイヤフラム式気化器における低速燃料装置

Info

Publication number: JP2516563Y2
Application number: JP1990073082U
Authority: JP
Inventors: 隆夫石井; 晴巳平峯; 勝彦筒井
Original assignee: 株式会社京浜精機製作所
Priority date: 1990-07-10
Filing date: 1990-07-10
Publication date: 1996-11-06
Anticipated expiration: 2005-07-10
Also published as: JPH04113767U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は、機関へ供給する混合気の量及び濃度を制御
する気化器に関し、その内特に、気化器本体を貫通する
吸気路が垂直方向に穿設され、気化器本体の一側方にダ
イヤフラム及びカバーを積層して配置し、気化器本体と
ダイヤフラムにてレギュレター室を形成し、ダイヤフラ
ムとカバーとにより大気室を形成し、吸気路に開口する
噴孔からレギュレター室内に導入される圧力に応じてダ
イヤフラムを動作させ、このダイヤフラムの移動によっ
てレギュレター室に開口するバルブシートを開放して、
レギュレター室内に燃料を導入し、噴孔より燃料を吸気
路内に供給するダウンドラフト型ダイヤフラム式気化器
に関するものである。

［従来の技術］かかるダウンドラフト型ダイヤフラム式気化器を第２
図により説明する。（これは例えば特願昭60-244909号
に示される。）１は、内部を上方から下方に向かって垂直方向に吸気
路２が貫通し、吸気路２には吸気路２の開口面積を制御
する絞り弁３が配置された気化器本体である。

気化器本体１の吸気路２の左側方には平坦部をなす係
止段部1Aが形成され、この係止段部1Aには、絞り弁３に
対応した吸気路２に開口するバイパス孔４を備えたバイ
パス室凹部５と、バイパス室凹部５に連なる低速燃料通
路凹部６と、バイパス室凹部５に連なるとともに、バイ
パス孔４より機関側（第２図において下方）の吸気路２
に開口するパイロットアウトレット孔７を備えたパイロ
ット室凹部８とが開口する。

すなわち、低速燃料通路凹部６、バイパス室凹部５、
パイロット室凹部８とは気化器本体１の係止段部1Aにお
いて連続して開口する。

尚、パイロットアウトレット孔７はその通路径をジエ
ットにて制御しても、あるいは調整スクリューによって
可変制御してもよい。（ジエット、調整スクリューとも
に図示せず）９はジエットブロックであり、その右側に気化器本体
１の係止段部1Aをおおって当接する当接部9Aが形成さ
れ、左側に凹部9Bが形成され、この凹部9Bは、左側の面
9Cに開口する。

尚、ジエットブロック９の係止段部9Aは、第２図に示
されたごとく段部Ａをなした際、それに対応するよう階
段状を成し、一点鎖線で示されるよう直線状とした際、
それに対応するよう直線状を成すものである。

又、ジエットブロック９には、燃料源（図示せず）に
連絡された燃料通路10が穿設され、この燃料通路10の凹
部9Bへの開口部にはバルブシート11が設けられる。この
バルブシート11に対向してバルブシート11を開閉するバ
ルブ12が配置され、このバルブ12は軸13に回転自在に支
承されるアーム14にて操作される。

尚、15は一端が低速燃料通路凹部６に対応した当接部
9Aに開口し、他端が凹部9Bに開口する低速燃料ジエット
であり、16は、バルブ12がバルブシート11を閉塞するよ
うアーム14に反時計方向の回転力を付与するスプリング
である。

17は凹部9Bの開口をおおうダイヤフラムであり、18
は、ダイヤフラム17をおおう有底カップ状のカバーであ
る。

そして、ダイヤフラム式気化器を形成するには、気化
器本体１の係止段部1Aにジエットブロック９の当接部9A
を重ね合わせ、次いで、ジエットブロック９の左側の面
9Cにカバー18をダイヤフラム17を介して重ね合わせ、次
いでカバー18、ダイヤフラム17、ジエットブロック９を
ネジＢにて気化器本体１に螺着する。

而して、気化器本体１の低速燃料通路凹部６、バイパ
ス室凹部５、パイロット室凹部８がジエットブロック９
の当接部9Aにて閉塞され、低速燃料通路19、バイパス室
20、パイロット室21が形成され、バイパス室20に対して
低速燃料通路19、パイロット室21は連絡される。一方、
凹部9Bはダイヤフラム17の右側面にて閉塞されてレギュ
レター室22が形成され、ダイヤフラム17の左側面とカバ
ー18とにより大気室23が形成される。

［考案が解決しようとする課題］かかる従来のダイヤフラム式気化器において、機関の
低速運転時には吸気路２内に発生する負圧は、パイロッ
トアウトレット孔７、バイパス孔４よりパイロット室2
1、バイパス室20、低速燃料通路19内へ導入され、この
負圧は、低速燃料ジエット15を介してレギュレター室22
内へ作用する。これによるとダイヤフラム17はレギュレ
ター室22側（第２図において右側）へ移動し、軸13を基
準にアーム14は時計方向に回動し、バルブ12がバルブシ
ート11を開放して燃料通路10よりレギュレター室22内へ
燃料を供給する。

而して、レギュレター室22内に供給された燃料は低速
燃料ジエット15によってその量を適正に制御されて、低
速燃料通路19よりバイパス室20、パイロット室21へと流
入し、バイパス孔４及びパイロットアウトレット孔７よ
り吸気路２内へ供給される。

ここで特に注目されるべきことはバイパス室20、低速
燃料通路19及びパイロット室21の室容積が大容積となる
ことである。これは、第１にバイパス室20の底部の厚さ
（ｔ）は通常１ミリメートルから２ミリメートル程度の
極く薄い厚さに形成されること（通常バイパス孔４の孔
径は0.8ミリメートル前後の小径にて設定され、バイパ
ス孔４を加工する為に底部は薄肉とされる。厚肉とする
加工時においてドリルが破損し生産性が劣る。）からそ
の底部ば吸気路２の中心側によって形成されること。

第２には、ダイヤフラム17の直径は吸気路２内の負圧
の大きさによって決定されるもので、低速運転から高速
運転に至る迄ダイヤフラム17を確実に作動させる為には
比較的大径のダイヤフラム17を必要とするものである。
一方上流側の吸気路２の径は絞り弁３を配置した吸気路
２の径より大径とするもので、ダイヤフラム17の径を大
径としたことによってダイヤフラム17が上流側の吸気路
２にかかることから気化器本体１の係止段部1Aを大径を
なす上流側の吸気路より更に左方に形成する必要があ
り、係止段部1Aが吸気路２の中心より離れることによ
る。

すなわち、バイパス室20の底部は吸気路２の内壁にな
るべく近く配置し、一方係止段部1Aは上流側の吸気路２
の内壁より離れる必要がある為であり、これによって特
にバイパス室20は深溝と成ってその室容積が増加するも
のである。

また、気化器本体１の吸気路２は上下垂直方向に配置
されていることから低速燃料は低速燃料通路19、バイパ
ス室20、パイロット室21へと流下するものであり、この
ときバイパス室20の室容積が大であると、燃料はバイパ
ス室20内にあって拡散し、バイパス孔４及びパイロット
アウトレット孔７より均一で安定した燃料を吸気路２内
へ供給することが困難な場合がある。

［課題を解決する為の手段］［作用］本考案になるダウンドラフト型ダイヤフラム式気化器
は、特にバイパス室よりバイパス孔を介して吸気路内に
吸出される燃料を安定して供給することのできる前記気
化器における低速燃料装置を提供することにあり、前記
目的達成の為に、吸気路が垂直方向に穿設されるとともに吸気路に絞り
弁が配置され、その左側方に係止段部が形成された気化
器本体と、その右側方に当接部が形成され、左側方に凹
部が形成され、燃料通路に連なるバルブシートと、バル
ブシートを開閉するバルブと、バルブに開閉操作力を付
与するアームとを備えたジエットブロックと、ジエット
ブロックの凹部を閉塞する有底カップ状のカバーとより
なり、気化器本体の係止段部上にジエットブロックの当
接部を配置し、ジエットブロックの凹部上にダイヤフラ
ムを介してカバーを配置し、ダイヤフラムとジエットブ
ロックの凹部とによってレギュレター室を形成するとと
もにダイヤフラムとカバーとにより大気室を区分形成す
るダウンドラフト型ダイヤフラム式気化器において、気化器本体の係止段部には、絞り弁に対応して吸気路
に開口するバイパス孔が穿設された有底状のバイパス室
凹部と、バイパス室凹部の上流側に連なって形成された
有底状の低速燃料通路凹部と、バイパス室凹部の下流側
に連なって形成され、バイパス孔より更に下流側の吸気
路に開口するパイロットアウトレット孔が穿設された有
底状のパイロット室凹部とを連続的に形成して開口し、一方、ジエットブロックの当接部に、低速燃料通路凹
部内に進入して低速燃料通路凹部の室容積を減少させる
第１制御部材と、バイパス室凹部内に進入してバイパス
室凹部の室容積を減少させる第２制御部材と、パイロッ
ト室凹部内に進入してパイロット室凹部の室容積を減少
させる第３制御部材とよりなる制御部材を一体的に穿設
し、低速燃料通路凹部と第１制御部材とにより低速燃料
通路を形成し、バイパス室凹部と第２制御部材とにより
バイパス室を形成し、パイロット室凹部と第３制御部材とによりパイロット
室を形成し、前記低速燃料通路と、バイパス室とパイロ
ット室とを連設したことを特徴とする。以上によると、
低速燃料通路を流れる低速燃料の流速を高めることがで
き、この流速の速い燃料がバイパス孔及びパイロットア
ウトレット孔を介して吸気路内へ均一に且つ安定して供
給できるので機関の特に低速運転性を向上できる。

［実施例］以下、本考案になるダウンドラフト型ダイヤフラム式
気化器における低速燃料装置の一実施例を第１図により
説明する。

（尚、第２図と同一構造のものは同一符号を使用し、
説明を省略する。）ジエットブロック９の右側面の平坦状をなす当接部9A
に、更に右側に向かって突出する制御部材40がジエット
ブロック９と一体的に形成される。この制御部材40は、
その上方に低速燃料通路凹部６内に進入して配置される
第１制御部材40Aと、中間にあってバイパス室凹部５内
に進入して配置される第２制御部材40Bと、下方にあっ
てパイロット室凹部８内に進入して配置される第３制御
部材40Cとにより形成され、これら第１制御部材40A、第
２制御部材40B及び第３制御部材40Cは連続してジエット
ブロック９の当接部9Aに形成される。

そして、ジエットブロック９の当接部9Aが気化器本体
１の係止段部1A上に当接して配置されることによると、
第１制御部材40Aは低速燃料通路凹部６内に進入して配
置され、その室容積が減少された低速燃料通路19を形成
する。

第２制御部材40Bは、バイパス室凹部５内に進入して
配置され、その室容積が減少されたバイパス室20を形成
する。

又、第３制御部材40Cは、パイロット室凹部８内に進
入して配置され、その室容積が減少されたパイロット室
21を形成する。

そして、低速燃料通路19内には、低速燃料ジエット15
が開口するとともに低速燃料通路19はバイパス室20に連
絡され、バイパス室20には吸気路２に連なるバイパス孔
４が開口し、更にこのバイパス室20は、パイロット室21
内へ連絡される。

そして、パイロット室21から吸気路２に向けてパイロ
ットアウトレット孔７が開口する。

而して、バイパス室20内の室容積は第２制御部材40B
が進入した分、減少することになり、低速燃料ジエット
15、低速燃料通路19を介してバイパス室20内に流入する
低速燃料は、減少されたバイパス室20の限られた部分を
拡散することなく速い流速をもって流下することにな
り、これによってバイパス孔より均一でしかも安定した
燃料が吸気路に供給できたものである。

又、制御部材40はバイパス室20の室容積を減少させる
のみならず、第１制御部材40Bが低速燃料通路凹部６内
に進入して低速燃料通路19の室容積を減少させるので、
低速燃料ジエット15からバイパス室20に向けて速い流速
をもった燃料を供給することができ、これによってバイ
パス室20内における燃料の流速を抑止できる。

更に又、第３制御部材40Cがパイロット室凹部８内に
進入してパイロット室21の室容積を減少させるので、パ
イロット室21内における燃料の流速低下を抑止できると
ともに燃料の拡散が防止でき、バイパス孔と同様に均一
で安定した燃料を吸気路に供給できる。

［考案の効果］以上の如く、本考案になるダウンドラフト型ダイヤフ
ラム式気化器の低速燃料装置によると次の効果を奏す
る。

（１）バイパス室内に制御部材を進入させてバイパス
室内の室容積を減少させたことによると、バイパス室内
に流入した燃料が室全体に飛散することが無く、バイパ
ス孔が開口するとバイパス室底部近傍に燃料が収斂しつ
つ速い流速をもって流下するので、バイパス孔より吸気
路内に均一で安定した燃料の供給が可能と成ったもの
で、特に低速運転の安定性を図ることができたものであ
る。

（２）制御部材をジエットブロックの平坦部より一体
的に突出させて設けたことによると、単一部品としての
制御部材を設ける必要がなくなったもので部品点数の削
減及び組みつけ性が容易となり、コストの上昇を抑止で
きたものである。

（３）制御部材による室容積の減少をバイパス室にと
どまらず、低速燃料通路、パイロット室の容積を同時に
減少させることによると、低速燃料通路内における燃料
の流れを円滑に行なうことができるとともに、パイロッ
トアウトレット孔より吸気路内に均一で安定した燃料の
供給が可能となったものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案になるダウンドラフト型ダイヤフラム
式気化器の低速燃料装置の例を示す縦断面図、第２図は
従来のダウンドラフト型ダイヤフラム式気化器の低速燃
料装置の一実施例を示す縦断面図である。１……気化器本体 1A……係止段部２……吸気路３……絞り弁４……バイパス孔５……バイパス室凹部６……低速燃料通路凹部７……パイロットアウトレット孔８……パイロット室凹部９……ジエットブロック 9A……当接部 9B……レギュレター室凹部 17……ダイヤフラム 18……カバー 19……低速燃料通路 20……バイパス室 21……パイロット室 22……レギュレター室 40……制御部材

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】吸気路が垂直方向に穿設されるとともに吸
気路に絞り弁が配置され、その左側方に係止段部が形成
された気化器本体と、その右側方に当接部が形成され、
左側方に凹部が形成され、燃料通路に連なるバルブシー
トと、バルブシートを開閉するバルブと、バルブに開閉
操作力を付与するアームとを備えたジエットブロック
と、ジエットブロックの凹部を閉塞する有底カップ状の
カバーとよりなり、気化器本体の係止段部上にジエット
ブロックの当接部を配置し、ジエットブロックの凹部上
にダイヤフラムを介してカバーを配置し、ダイヤフラム
とジエットブロックの凹部とによってレギュレター室を
形成するとともにダイヤフラムとカバーとにより大気室
を区分形成するダウンドラフト型ダイヤフラム式気化器
において、気化器本体の係止段部には、絞り弁に対応して吸気路に
開口するバイパス孔が穿設された有底状のバイパス室凹
部と、バイパス室凹部の上流側に連なって形成された有
底状の低速燃料通路凹部と、バイパス室凹部の下流側に
連なって形成され、バイパス孔より更に下流側の吸気路
に開口するパイロットアウトレット孔が穿設された有底
状のパイロット室凹部とを連続的に形成して開口し、一方、ジエットブロックの当接部に、低速燃料通路凹部
内に進入して低速燃料通路凹部の室容積を減少させる第
１制御部材と、バイパス室凹部内に進入してバイパス室
凹部の室容積を減少させる第２制御部材と、パイロット
室凹部内に進入してパイロット室凹部の室容積を減少さ
せる第３制御部材とよりなる制御部材を一体的に穿設
し、低速燃料通路凹部と第１制御部材とにより低速燃料
通路を形成し、バイパス室凹部と第２制御部材とにより
バイパス室を形成し、パイロット室凹部と第３制御部材とによりパイロット室
を形成し、前記低速燃料通路と、バイパス室とパイロッ
ト室とを連設したことを特徴とするダウンドラフト型ダ
イヤフラム式気化器における低速燃料装置。