JPH0411182Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は、ケーブル類の耐電圧試験装置に関す
る。

［考案の技術的背景］ 一般に、電力ケーブルの絶縁破壊試験は、第１
図に示すように、逆Ｔ字状導体１の水平部の両端
に被試験ケーブル類２を接続して閉ループを構成
し、この閉ループに通電トランス３を介して所定
電流を通電し、被試験ケーブル類２を高温化させ
た状態あるいは通電をストツプしてケーブル類２
を常温に引き戻した状態で課電用ブツシング４に
高電圧を印加することにより行われている。

ここで被試験ケーブル類２を高温化もしくは常
温化するのは実線路における負荷の変動によるケ
ーブリ類の熱伸縮を考慮するためである。

なお図中５は、金属製の筒状ケース６内に充填
された流体絶縁物を示している。

［背景技術の問題点］ しかしながら、このような従来のケーブル類の
耐電圧試験装置においては、逆Ｔ字状導体１のケ
ーブル類への接続部分が棒状とされているので、
この部分の両端に接続される被試験ケーブル類２
に湾曲部を形成しなければならず、このため被試
験ケーブル類２の試験長を必要以上に長くしなけ
ればならず、また必要以上に試験スペースを大き
くとらなければならない難点があつた。特にこの
傾向は被試験ケーブル類２の外径が太くなる程顕
著である。

［考案の目的］ 本考案はこのような点に対処してなされたもの
で、被試験ケーブル類２に試験長を短くし、かつ
狭い試験スペースでも耐電圧試験を行なうことが
できるケーブル類の耐電圧試験装置を提供するこ
とを目的とする。

［考案の概要］ すなわち本考案のケーブル類の耐電圧試験装置
は、高電圧が印加される課電用ブツシングと、被
試験ケーブル類が接続される一対の接続部と、こ
れら一対の接続部と前記課電用ブツシングとを電
気的に接続する導体と、この導体を囲繞する内部
に流体絶縁物が封入されてなる筒状ケースとを備
えてなるケーブル類の耐電圧試験装置において、
前記一対の接続部を互いに対向させたことを特徴
としている。

［考案の実施例］ 次に本考案の実施例について説明する。

第１図と共通する部分に同一符合を付した第２
図において、両端部を折曲した金属製の筒状ケー
ス６′内には、それ自身の両端が筒状ケース６′と
ともに相似的に折曲された丸棒導体棒からなる課
電用導体１′が筒状ケース６′と同軸的に配設さ
れ、この筒状ケース６′内にはSF₆ガス等よりな
る流体絶縁物５が充填されている。

７，７′は筒状ケース６′の折曲両端部のそれ自
身の垂直部分がフランジ８，８結合されたＬ状ケ
ースで、かかるフランジ結合によりＬ状ケース
７，７の水平基端部どうしが所定長離間して対向
することになる。

Ｌ状ケース７，７の水平基端部内には、図示し
ないレセプタクルを内蔵したブツシング９，９が
収納され、このブツシング９，９頂部からはＬ状
ケース７，７と相似的に折曲された導体引出棒１
０，１０がＬ状ケース７，７と同軸的に延出され
ている。

導体引出棒１０，１０と課通電用導体１′の両
端部とは、第３図に示すように、例えばねじ１１
止めにより電気的に接続され、この接続部分は電
解緩和用の金属カラー１２で包被されている。

すなわち、課通電用導体１′と導体引出棒１０
の端部は予めそれぞれに対応する半円柱状部分が
切除され、両者に対応する切除部分どうしを係合
し、径方向よりねじ１１を螺挿することにより両
者が電気的かつ機械的に接続される。

電力ケーブルや一対のケーブルを接続してなる
ケーブル接続部等からなる被試験ケーブル類２′
は、その両端の段剥処理によつて導体が露出さ
れ、露出された導体先端部には弾丸状のプラグ
（図示せず）が、例えば圧着接続されている。

しかして、それぞれの被試験ケーブル類２′の
プラグをブツシング９，９中のレセプタクルにプ
ライングすることにより閉ループが構成され、こ
の閉ループには被試験ケーブル類２′を囲繞した
通電トランス３により、例えば3000［Ａ］程度の
循環電流が通電される。

上記通電により被試験ケーブル類２′が所定温
度に昇温した状態で、課通電用ブツシング４の電
極部２と、接地された被試験ケーブル類２′の遮
蔽層間に所要の高電圧が印加され、これによつて
高温化された被試験ケーブル類の耐電圧試験を行
なうことができる。なお課電用ブツシング４の電
極部は課通電用導体１′のほぼ中央部に電気的に
接続されている。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案のケーブル類の耐電
圧試験装置においては、被試験ケーブル類が接続
される一対の接続部を互いに対向させた構成とし
たので、被試験ケーブル類を湾曲させることなく
直線上のまま接続することができる。

従つて本考案においては、従来のケーブル類の
耐電圧試験装置と比較し、ケーブル類の所要長を
約1/3程度短尺化でき、また試験スペースを約1/4
程度縮小できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のケーブル類の耐電圧試験装置の
説明図、第２図は本考案のケーブル類の耐電圧試
験装置の説明、第３図は課通電用導体と導体引出
棒との接続部を示す説明図である。 １′……課通電用導体、２′……被試験ケーブル
類、４……課電用ブツシング、５……流体絶縁
物、６′……筒状ケース、７……Ｌ状ケース、９
……ブツシング、１０……導体引出棒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 高電圧が印加される課電用ブツシングと、被試
   験ケーブル類が接続される一対の接続部と、これ
   ら一対の接続部と前記課電用ブツシングとを電気
   的に接続する導体と、この導体を囲繞する内部に
   流体絶縁物が封入されてなる筒状ケースとを備え
   てなるケーブル類の耐電圧試験装置において 前記一対の接続部を互いに対向させたことを特
   徴とするケーブル類の耐電圧試験装置。