JPH04109838U - パレツト交換装置におけるパレツト把持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 旋回形自動パレット交換装置で低コスト，省
スペースであってパレット把持が強力且高速で安定した
交換動作が実現できるパレット把持装置を得る。 【構成】 パレット２１の係止用グリップ部２２を把持
するツインアーム形旋回部材は、上グリッパアーム１１
が前記旋回部材と同心の歯車２と一体で回転され、下グ
リッパアーム１７が歯車２の中心で上下動する作動杆１
４により軸受１９を介して移動されるとともに上グリッ
パアームと一体回転される。作動杆１４が流体圧シリン
ダ２５に送られる圧力流体によりトッグル機構２７，２
８を介して押し上げられると下グリッパアーム１７が上
昇し係止用グリップ部２２を上グリッパアーム１１とで
強力に挟持する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はマシニングセンタに付属される少なくとも二面のパレットが旋回によ り交互に交換される自動パレット交換装置のパレット把持装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図４に示すように二面自動パレット交換装置の機台１のパレット旋回中心に歯 車２が軸受３により回転可能に支持され、歯車２に噛合するラック５は機台１に 固着の図示しない油圧シリンダのピストンロッド４に刻設されている。

【０００３】 歯車２の上端面にハウジング９を介して上グリッパアーム１１が固着されて旋 回可能である。上グリッパアーム１１は、対称に二個のアームを有するツインア ーム形式で、中心穴１１ａ及びその同心円上に複数の案内穴１１ｂが穿設されて いる。機台１にパレット旋回中心と同心に固着の油圧シリンダ１２に嵌挿される ピストン１３と一体のピストンロッド１０に作動杆１４が連結され歯車２の中心 穴に軸方向移動可能に嵌挿されている。

【０００４】 下グリッパアーム１７は、同様にツインアーム形式で中心穴１１ａに軸方向移 動可能に嵌挿されるピストンロッド１４と同心の案内中心軸１５及び案内穴１１ ｂに滑合され案内中心軸１５と平行な案内軸１６を有し、ばね１８により常時開 き勝手に付勢されている。そして下グリッパアーム１７の下端面がピストンロッ ド１０と一体の作動杆１４の上端面にスラスト軸受１９を介して当接し、油圧シ リンダ１２に供給される圧油の切換えで上下動されて開閉され、パレット２１に 固着の係止用グリップ部２２を係脱可能に把持するようになっている。係止用グ リップ部２２が把持されたあとツインアームが１８０°旋回することによりパレ ットが交換される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 このパレット旋回部材のグリッパの把持機構の上下駆動手段に油圧シリンダを 用い、そのピストンの移動で直接グリッパの開閉を行わせているので、把持力を 大きくさせるためには油圧力を増大させるか、シリンダを大径にする必要がある 。 油圧力を増大させるには油圧源の装置が大形で高くなるとともに、配管上の問 題がでる。またシリンダ径を大きくすると装置のスペースが大きくなり装置の小 形化に難点がある。さらに交換装置の交換時間を短縮するには把持に要する時間 をも短縮させる必要があり、油圧ユニットの能力の増大とつながり、コスト的に 問題がある。

【０００６】 本考案は従来の技術の有するこのような問題点に鑑みなされたもので、その目 的とするところは低コスト及び省スペースの装置であって高い把持力と、短い作 動時間で安定した動作が得られるパレット交換装置のグリッパの把持装置を提供 しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成するために本考案は、パレットの少なくとも１個所の側面に 係止用グリップ部を設け、パレット交換時に該係止用グリップ部を把持するグリ ッパを有するツインアーム形パレット旋回部材を設け、該グリッパの開閉を行わ せる作動杆を旋回中心と同軸に上下動可能に設け、該作動杆の押上げ駆動部材に トッグル機構を介在させたものである。

【０００８】

【作用】

指令により押上げ駆動部材が働きトッグル機構を作用させると短いストローク で作動杆を押し上げ押上終端近くでおそい速度となりパレットの係止用グリップ 部を強力に把持する。

【０００９】

【実施例】

以下本考案の実施例を図１，図２，図３にもとづき説明する。従来の技術で示 した図４と同じものは同符号を付して説明を省略する。 旋回形パレットは両端にグリッパを有するツインアーム形パレット旋回部材の 旋回中心に対して同心上の図示しない案内面に沿って１８０°旋回される。この 旋回の歯車２は偏心量δの偏心歯車であってこれに噛合う駆動軸７の歯車６も偏 心量δの偏心歯車である。

【００１０】 機台１のパレット旋回装置の下部位に設けたブラケット２３には枢支台２４が 設置されていて、流体圧シリンダ２５が中央において揺動可能に枢支されている 。流体圧シリンダ２５のピストンロッド２６の先端には一端を機台１に枢支した レバー２８の他端及び一端を作動杆１４の下端に枢支したレバー２７の他端とが 合わせて枢支されていてトッグル機構を構成している。

【００１１】 このように構成された本考案の動作を説明する。 マシニングセンタの制御装置から加工位置にある図示しないパレットと自動パ レット交換装置の機台１上に載置されたパレット２１との交換指令が出される。 流体圧シリンダ２５の後室に圧力流体が送られるとピストンロッド２６が前進 してトッグル機構を介して作動杆１４が押し上げられ、下グリッパアームは軸受 １９を介して早い速度で上昇し終端近くでは遅い速度でパレット２１の係止用グ リップ部２２を下側から押し上げグリッパアーム１１とで挟持する。作動杆１４ にはトッグルの増力作用によって作動端における非常に大きな力で係止用グリッ プ部２２を強力に把持する。そしてトッグルの中央部の動き量は短く作動が短時 間で終了する。

【００１２】 図示しないモータからの回転が駆動軸７に伝達され偏心した歯車６，２の回転 で図４のように加速度変化の少ない非等速で旋回され等加速度に近い運動によっ て加減速時のショックのない交換動作が実現する。パレット２１が１８０°旋回 交換されると流体圧シリンダ２５の圧油を前室に切換えピストンロッド２６を縮 小してトッグル機構を介して作動杆１４を引き下げる。下グリッパアーム１７は ばね１８の力により案内軸１６に沿って押し下げられ係止用グリップ部２２の把 持を開放する。

【００１３】

【考案の効果】

上述のように構成したので本考案は以下の効果を奏する。 トッグルによる増力機構が介在されて小径の流体圧シリンダで安定した強力な 把持力が得られ、シリンダ径が小径であることにより流体量が少なくてすみ把持 動作の高速化が可能であって、特に把持動作開始時は高速で動作し把持直前では 減速されて把持時のショックを発生しない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のグリッパ付ツインアーム形パレット旋
回装置の説明断面図である。

【図２】パレット交換装置の概略斜視図である。

【図３】偏心した歯車駆動時の速度曲線図である。

【図４】従来の旋回形自動パレット交換装置のグリッパ
付ツインアーム形パレット旋回装置の説明図である。

【符号の説明】

２，６ 歯車 １１ 上グリッパアーム １４ 作動杆 １７ 下グリッパアーム ２５ 流体圧シリンダ ２７，２８ レバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 旋回形自動パレット交換装置において、
   パレットの少なくとも１個所の側面に係止用グリップ部
   を設け、パレット交換時に該係止用グリップ部を把持す
   るグリッパを有するツインアーム形パレット旋回部材を
   設け、該グリッパの開閉を行わせる作動杆を旋回中心と
   同軸に上下動可能に設け、該作動杆の押上げ駆動部材に
   トッグル機構を介在させたことを特徴とするパレット交
   換装置のパレット把持装置。