JP3759866B2 - 工作機械の心押台 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械の心押台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、旋盤の心押台において、心押軸を油圧シリンダで前後動し、心押軸の位置をリミットスイッチで検出し、心押軸の後退端位置で心押台本体を別の油圧シリンダによってベッドにクランプし、心押軸の前進時に油圧シリンダをアンクランプ動作させる技術が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の心押台によると、心押軸を駆動するための油圧シリンダと、心押台本体をクランプするための油圧シリンダと、心押軸の位置を検出するためのリミットスイッチとが必要で、構成及び制御が複雑化し、コストが高くつくという問題点があった。
【0004】
そこで、本発明の課題は、油圧シリンダやリミットスイッチを用いない簡単な構成で動作させることができる工作機械の心押台を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の心押台は、工作機械のベッドに移動可能に設置された心押台本体と、心押台本体に前後動可能に支持された心押軸と、心押軸の前端に挿着された心押センタと、心押軸に固定されたドッグと、心押台本体に設置され心押軸に直線運動を行わせる駆動機構と、心押台本体をベッドにクランプするクランプ部材と、ドッグに係合する係合部材を備え心押軸の後退端位置でクランプ部材をアンクランプ位置に切り換え心押軸の前進に伴いクランプ部材をクランプ位置に切り換える切換機構とから構成される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、旋盤等のベッド1には心押台本体2が移動可能に設置されている。心押台本体2には心押軸3が前後動可能に支持され、その前端に心押センタ4が着脱自在に挿着され、後端にボールネジナット5が嵌着され、中間部にはドッグ6が固定されている。
【0007】
心押台本体2の後部には、回転検出器及びブレーキを内蔵した電動モータ7が設置されている。電動モータ7の出力軸8はカップリング9を介してボールネジ軸10に連結され、ボールネジ軸10はボールネジナット5に螺合されている。そして、ボールネジナット5及びボールネジ軸10により、電動モータ7の回転を心押軸3の直線運動に変換するボールネジ機構が構成されている。
【0008】
心押台本体2の下側には、心押台本体2をベッド1にクランプするクランプ部材11が配置されている。心押台本体2の内部には、ドッグ6に係合する係合ローラ12と、一対のレバー13とが配設されている。レバー13の基端はピン14で心押台本体2に回動可能に支持され、レバー13の先端には係合ローラ12に接触する被動ローラ15が設けられている。
【0009】
レバー12の中間部はロッド16によりクランプ部材11に連結され、ロッド16には被動ローラ15を係合ローラ12に押し付けるばね17が設けられている。そして、係合ローラ12、レバー13、ロッド16及びばね17等の部材によって切換機構が構成され、心押軸3の後退端位置でクランプ部材11をアンクランプ位置(図1参照)に切り換え、心押軸3の前進に伴いクランプ部材11をクランプ位置(図2参照)に切り換えるようになっている。
【0010】
上記のように構成された心押台は以下のような作用効果を発揮する。
▲1▼ 油圧シリンダを用いることなく、1台の電動モータ7で心押軸3を駆動できるとともに、その心押軸3の移動に伴いクランプ部材11をクランプ位置とアンクランプ位置とに切り換えることができる。
▲2▼ リミットスイッチを用いることなく、心押軸3の位置を電動モータ7の回転検出器の出力に基づいて正確に検出できるとともに、複数のポジションを容易に設定できる。
【0011】
▲3▼ 心押軸3の速度を、電動モータ7の回転数制御により任意のポイントで多様に変化させることができる。
▲4▼ 心押軸3の推力を、電動モータ7のトルク管理機能(トルクスキップ機能)を用いて容易に調整できる。
▲5▼ 停電時に、電動モータ7のブレーキを作動させることで、心押軸3の後退を防止して、安全を確保できる。
【0012】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、電動モータとボールネジ機構に代えて油圧シリンダなど他の直動機構を用いるなど、発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに構成を適宜に変更して具体化することも可能である。
【0013】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の心押台によれば、心押軸を電動モータで駆動し、心押軸の移動に伴いクランプ部材を切り換えるように構成したので、油圧シリンダやリミットスイッチを用いない簡単な構成で心押台を動作させることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す心押台の断面図である。
【図2】図1とは異なる作動状態の心押台を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・ベッド、2・・心押台本体、3・・心押軸、4・・心押センタ、5・・ボールネジナット、6・・ドッグ、7・・電動モータ、10・・ボールネジ軸、11・・クランプ部材、12・・係合ローラ、13・・レバー、16・・ロッド、17・・ばね。

Claims (1)

  1. 工作機械のベッドに移動可能に設置された心押台本体と、心押台本体に前後動可能に支持された心押軸と、心押軸の前端に挿着された心押センタと、心押軸に固定されたドッグと、心押台本体に設置され心押軸に直線運動を行わせる駆動機構と、心押台本体をベッドにクランプするクランプ部材と、ドッグに係合する係合部材を備え心押軸の後退端位置でクランプ部材をアンクランプ位置に切り換え心押軸の前進に伴いクランプ部材をクランプ位置に切り換える切換機構とからなる工作機械の心押台。
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