JPH04109067A - 内燃機関用ピストン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、内燃機関用のピストンに関し、特に耐熱性に
優れたディーゼル機関用複合体ピストンに関する。

（従来の技術） 従来、自動車用エンジン等の内燃機関のピストンは、一
般にアルミニウム合金等の軽合金によって形成されるが
、これら軽合金は耐熱性の点でやや間顕があるため、特
に高い熱負荷を受ける直接噴射式ディーゼル機間等のピ
ストンにおいては。

ピストン頂部に窒化珪素系等のセラミックを用いて耐熱
性の向上を図ったものが最近開発されて来ている０例え
ば、特開昭６１−２７５５４７号公報、特開平２−１０
４９５０号公報、特開昭６０−２４０８５７号公報に開
示されたものがある。

特開昭６１−２７５５４７号公報に開示されたピストン
は、第６図の部分断面正面図に示したように、窒化珪素
質焼結体製ピストンクラウン１１にアルミニウム又はア
ルミニウム合金製のリング１２を嵌めて真空中で加圧、
圧接し、その構造物をアルミニウム合金又は鋳鉄製作さ
れたピストンボディ１３にろう付、溶接等の方法により
接合したものである。

特開平２−１０４９５０号公報に開示されたものは、セ
ラミック製頂板をアルミニウム合金製ピストン本体で鋳
包んだピストンで、セラミ・ツク製頂板の外周にチタン
又はチタン合金から成る金属製頂板を焼き嵌めし、この
金属製頂板を鋳包んだ時に溶湯に接する鋳包み面にアル
ミナイズ層を形成したものである。

また、特開昭６０−２４０８５７号公報のものは、第７
図にその縦断面図を示したように、ピストン本体１４の
表面を覆う例えばステンレス鋼のような耐熱性金属表面
体１５の中央の凹状支持部にセラミック体゛１６を圧入
し、耐熱性金属表面体１５とピストン本体１４とを耐熱
性金属（例えばステンレス１Ｉ４）ファイバー層１７を
介して結合した断熱ピストンである。

（発明が解決しようとする課題） 前記従来例の特開昭６１−２７５５４７号公報のピスト
ンは、窒化珪素とアルミニウム合金の熱膨脹係数が大き
く違うため、接合の際に大きな引張り応力が働き、セラ
ミックが割れたり、接合部がはがれたりする欠点かある
。

特開平２−１０４９５０号公報のピストンは、鋳造時に
セラミ・ツク製頂板と金属製頂板との２部材を金型にセ
・ソトして鋳包むため、金型の構造が複雑になり、かつ
作業性が悪化し、その結果品質的にも歩留が低下する欠
点がある。

また、特開昭６０−２４０８５７号公報のものは、直接
噴射式ディーゼルターボのような高温燃焼室においては
、前記のような耐熱性金属では強度が落ち、かつ酸化す
る。セラミックと金属の嵌合は、燃焼室で温度が上ると
回転ずれを起す恐れがあり、また、燃焼室で爆発の際嵌
合部からガス漏れを生じる。さらに１重量がアルミ・モ
ノピストンに比べてかなり重くなり、燃費が悪くなる。

また、溶湯鍛造で製造する場合は、高圧のためセラミッ
クが割れる危険性がある。

このように、従来の耐熱複合材ピストンには種々の問題
点を抱えている。

本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであっ
て、その目的とするところは、耐熱、耐久性に優れ、し
かも生産性が良く、直接噴射式ディーゼルエンジンの如
き過酷な条件下で満足に使用し得る内燃機関用ピストン
を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、第１の発明の内燃機関用ピ
ストンは、Ａｌ−Ｔｉ金属間化合物により形成した頂板
をピストン本体に形成するアルミニウム合金で鋳包み、
前記Ａｌ−Ｔｉ金属間化合物とアルミニウム合金との境
界外周部を溶接によって接合したものである。

第２の発明の内燃機関用ピストンは、トップリング溝部
を含むピストン冠面部をＡｌ−Ｔｉ金属間化合物で形威
し、このピストン冠面部をピストン本体を形成するアル
ミニウム合金で鋳包み、かつ前記ＡＮ−Ｔｉ金属間化合
物部分と前記アルミニウム合金部分との接触部を化学的
に結合したものである。

また、第３の発明の内燃機関用ピストンは。

Ａｌ−Ｔｉ金属間化合物により形成した頂板をピストン
本体を形成するアルミニウム合金で鋳包むに当り、前記
ＡＪ−Ｔｉ金属間化合物から成る頂板の前記アルミニウ
ム合金に当接する部分に予めアルミナイズ処理を施して
反応層を生成させ、その後。

前記アルミニウム合金で鋳包んだものである。

（作用） 以上のように構成された本発明の内燃機関用ピストンは
、耐熱性、耐摩性に優れかつ軽量なＡｌ−Ｔｉ金属間化
合物製頂板をアルミニウム合金製ピストン本体に鋳包ん
で形成され、高温の使用条件に良く耐えるとともに、複
合部材の熱膨脹係数の相違による割れやはがれを生じる
ことがない上、ピストン全体が軽量化する。また、リン
グ部材の嵌合や真空圧接等の複雑な工程を要せず、製遣
工数が大きく低減する。特に第１の発明においては、境
界外周部の溶接により頂板とピストン本体との接合部の
はがれかなくなる。

第２の発明においては、ピストン冠面部かトップリング
溝部まで一体にＡｌ−Ｔｉ金属開化合物によって形成さ
れ、鋳包み時の作業性が向上するとともに、アルミニウ
ム合金製ピストン本体との接合が安定する。また、接触
部の化学的結合により、アルミニウム合金部分と　ＡＪ
−Ｔｉ金属開化合物部分との結合が強化される。

第３の発明においては、Ａ１１−Ｔｉ金属間化合物製頂
板のアルミニウム合金当接部に予めアルミナイズ処理に
よる反応層を設けて鋳包みを行なうことにより、頂板が
ピストン本体に強固に接合され、ガス漏れを生じるよう
なことがなくなる。

（実施例） 以下１図面に示した実施例により、本発明の内燃機関用
ピストンの構成をさらに詳細に説明する。

第１図は、請求項（１）に記載した第１の発明の内燃機
関用ピストンの一実施例を示した縦断面図である、図中
、１は肩−Ｔｉ金属間化合物て゛成形された頂板（キャ
ンバ−）で、その中央部分に凹陥したキャビティ１ａか
設けられている、２はアルミニウム合金（Ｊ　Ｉ　５Ａ
Ｃ８Ａ）で形成されブ？ピストン本体であり、前記頂板
１を鋳包んで成形され、頂板１とピストン本体２との境
界外周部は溶＃３によって接合されている。４はピスト
ン本体２の上部外周に嵌装された耐摩環（トレーガ−）
である。

このピストンは下記のようにして構成される。。

先ず、ＡｆＪ−Ｔｉ金属間化合物で所要形状に成形され
た頂板１を金型にセ・・ｌトした後、アルミナイズ処理
した耐摩環４を金型にセ・ソトし、引続いてアルミニウ
ム合金ＡＣ８Ａ材の溶湯を金型に注入し、重力鋳造又は
溶融鍛造でピストン本体２を鋳造する。鋳造後、頂板１
とピストン本体２との境界面外周部を溶接３する６次い
で、残留応力を取り除くため炉冷を行なった後、Ｔ５で
熱処理する。熱処理後、冠面部によって仕上げ加工を行
なう。

上記のように、本例のピストンはＡｌ−Ｔｉ金属開化合
物より成る頂板１をアルミニウム合金ＡＣ８Ａにより鋳
包んだもので、Ａｌ−Ｔｉ金属間化合物の熱膨脹係数は
ＩＩＸ　１０−６／℃とアルミニウム合金（２３Ｘ　Ｉ
Ｉ−’／℃）に近いので、前記従来例の窒化珪素系等の
セラミック製頂板を用いた場合のように引張り応力によ
る割れや接合部のはがれを生じることがない、すなわち
、アルミニウム合金の凝固収縮の際、頂板１真面の薄肉
アルミニウム合金はＡ、ｌｌ−Ｔｉ金属間化合物との熱
膨脹係数の違いによって引張り応力を生じるが、上記の
ようにその違いは小さいので引張り応力は弱（、Ａｌ−
Ｔｉ金属間化合物は１４〜１５ＭＰａのじん性を持って
いるので。

応力緩和材を用いなくても対応できる。

また、前述の従来例において行なわれるようなアルミニ
ウム又はアルミニウム合金リングの嵌合、真空中の加圧
、圧接を必要とせず、製造工程が大幅に短縮される。さ
らに、Ａｌ−Ｔｉ金属間化合物は高温において優れた強
度を発揮する。第５図（＆）は、Ａｌ−Ｔｉ金属間化合
物の高温強度をスーパーアロイの場合と比較して示した
線図である。

第２図は、請求項（２）に記載の第２の発明の内燃機関
用ピストンの一実施例を示す縦断面図である。このピス
トンは、アルミニウム合金により形成されるピストン本
体５に、Ａｌ−Ｔｉ金属間化合物より成るピストン冠面
部６を鋳包んで構成したものである。冠面部６は、側面
がピストン本体５の上部にかぶさる冠状に形成され、そ
の側周部にト・・ｌプリング渭７が設けられている。

この内燃機関用ピストンの製造は次のようにして行なわ
れる。先ず、ＡＮ−Ｔｉ金属間化合物により、トップリ
ング渭７の部分を含む冠面部６を一体に所定形状に成形
する。この成形体のピストン本体５を形成するアルミニ
ウム合金溶湯と接する部分に、所定条件（好ましくは、
８４０〜９００　℃で１５〜２０分浸漬）でアルミナイ
ズ処理し、続いてこれをピストン形状の金型にセ・・ｌ
トしてアルミニウム台金溶湯を金型に注入し、鋳造を行
なう、アルミニウム合金溶湯が冠面部６のアルミナイズ
処理部に接して鋳造されることにより、その接触部が化
学的に結合する。鋳造方法は２１力鋳造、溶湯鍛造のい
ずれでも可能である。鋳造後、ト・・Ｉプリング渭７を
加工する。

この内燃機関用ピストンは、ピストン冠面部が軽量なｋ
ｊ−Ｔｉ金属間化合物（密度３．８ｓｒ、／口３）で形
成され、ピストン全体がかなり軽量化され。

エンジン燃費が向上する。また、Ａｌ−Ｔｉ金属間化合
物の熱伝導率が低い（０，０５ｃａｊ　、／ｓｔｃ、／
　ｃｍ℃）ので、ピストン本体への熱伝達が抑えられる
。

Ａｌ−Ｔｉ金属間化合物は耐熱性に優れ、かなりの高温
となるディーゼルターボの燃焼室の場合でも耐え得る。

さらに、冠面部を一体としてアルミニウム合金で鋳包み
製造されるので１作業性が良く。

かつ化学的結合によって冠面部とピストン本体との溶着
が安定し、品質歩留が向上する。

第３図は、この第２の発明の他の実施例を示したもので
、ピストン冠面冷却用の孔８を設け、冷却効果を高めて
耐久性を向上させたものである。

第４図は、請求項（３）に記載した第３の発明の内燃機
関用ピストンの一実施例を示した縦断面図である。この
ピストンは、前記第１図に示した第１の発明のピストン
と同様な形状にＡｌ−Ｔｉ金属間化合物によって形成し
た頂板１を、ピストン本体２を形成するアルミニウム合
金ＡＣ８Ａで鋳包んだものである。頂板１には鋳造に先
立ち、そのアルミニウム合金に当接する部分に予めアル
ミナイズ処理を施して反応層９を生成させである。４は
耐摩環である。

この内燃機関用ピストンは、前記第１の発明の内燃機関
用ピストンの場合と同様の製造工程で製造されるが、頂
板１を金型にセ・ソトするに先立ちアルミナイズ処理を
行なう点と、鋳造後境界部外周の溶接を行なわない点が
興なっている。アルミナイズ処理による反応層９の厚さ
（適正値は１５〜２０μｍ）は、アルミナイズ処理用ア
ルミニウム合金（Ｊ　Ｉ　５３Ａ）の湯温と浸漬時間に
影響されるが、好ましい湯温は８４０℃を超えて９００
℃程度まで、浸漬時間が１５〜２０分程度である。第５
図（ｂｌは。

アルミナイズ温度による反応層厚さの変化を示し、同図
（ｃ）は反応層厚さによるＡｌ−Ｔｉ金属間化合物の接
合体強度の変化を示した線図である。

このように、アルミナイズ処理により予め反応層９を設
けて鋳造を行なうことにより、頂板１とピストン本体２
とは強固に結合され、エンジン作動中に頂板１がずれた
りすることがなく、また従来例のようにセラミ・ツクと
耐熱金属の嵌合部からガス漏れを生じることらなくなる
。製造時に溶湯ＩＩｉ造の圧力又は熱衝撃により頂板が
割れる危険性もなく、また従来例のようなセラミ・ツク
と耐熱金属との嵌合が不要で、工数が大幅に減少する。

さらに、前記のようにＡｌ−Ｔｉ金属間化合物の熱伝導
率が小さいので、燃焼室とピストン本体２との間が断熱
される。ステンレス鋼のような耐熱金属を用いないので
、ピストン全体が軽量化し、燃費が向上することはいう
までもない。

（発明の効果） 以上の説明から明らかな通り１本発明の内燃機関用ピス
トンは、耐熱性に優れ、かつ軽量なＡｌ−Ｔｉ金属間化
合物よりなる頂板又は冠面部をピストン本体を形成する
アルミニウム合金で鋳包んで形成したものであるから、
製造時及び使用時に頂板又は冠面部に割れを生じるよう
なことがなく。

高温条件下における使用に耐え、かつピストン全体を軽
量化してエンジン燃費を向上させることができる。また
第１の発明においては溶接により。

第２及び第３の発明においては化学的結合又はアルミナ
イズ処理による反応層により、頂板又は冠面部とピスト
ン本体との結合が強化されるので、はがれ等を生じるこ
とがなく、ピストンの耐久使用が可能となる。さらに、
頂板又は冠面部をピストン本体に鋳包むだけの構造であ
るから、従来のもののようにリング体を嵌合して真空圧
接したり。

耐熱性金属表面体とセラミック体とを嵌合したりする工
程が不要であり、製造工数を大幅に低減することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１の発明による内燃機関用ピストンの一実施
例を示す縦断面図、第２図は第２の発明による内燃機関
用ピストンの一実施例を示す縦断面図、第３図は第２の
発明の内燃機関用ピストンの他の実施例を示す縦断面図
、第４図は第３の発明による内燃機関用ピストンの一実
施例を示す縦断面図、第５図ｆａ１．　ｆｂ：、　（（
’は本発明に関連する諸データを示す線図、第６図、第
７図は従来の内燃機関用ピストンの一例を示す部分断面
正面図である。 １・・・頂板、　　　　　　２・・・ピストン本体、３
・・・溶接部、　　　　　５・・・ピストン本体６・・
・冠面部、　　　　　７・・・トップリング渭２８・・
・冠面部冷却孔、　９・・・反応層。 特許出Ｖ人　　株式会社アツギュニシア第 因 第 図 反ｉＭＲ−ご（μｍ）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ａｌ−Ｔｉ金属間化合物により形成した頂板をピ
   ストン本体に形成するアルミニウム合金で鋳包み、前記
   Ａｌ−Ｔｉ金属間化合物とアルミニウム合金との境界外
   周部を溶接によって接合したことを特徴とする内燃機関
   用ピストン。
2. （２）トップリング溝部を含むピストン冠面部をＡｌ−
   Ｔｉ金属間化合物で形成し、このピストン冠面部をピス
   トン本体を形成するアルミニウム合金で鋳包み、かつ前
   記Ａｌ−Ｔｉ金属間化合物部分と前記アルミニウム合金
   部分との接触部を化学的に結合したことを特徴とする内
   燃機関用ピストン。
3. （３）Ａｌ−Ｔｉ金属間化合物により形成した頂板をピ
   ストン本体を形成するアルミニウム合金で鋳包むに当り
   、前記Ａｌ−Ｔｉ金属間化合物から成る頂板の前記アル
   ミニウム合金に当接する部分に予めアルミナイズ処理を
   施して反応層を生成させ、その後、前記アルミニウム合
   金で鋳包んだことを特徴とする内燃機関用ピストン。