JPH07132362A - シリンダブロックおよびその製造方法 - Google Patents

シリンダブロックおよびその製造方法

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JPH07132362A
JPH07132362A JP28523993A JP28523993A JPH07132362A JP H07132362 A JPH07132362 A JP H07132362A JP 28523993 A JP28523993 A JP 28523993A JP 28523993 A JP28523993 A JP 28523993A JP H07132362 A JPH07132362 A JP H07132362A
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cylinder block
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liner
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Yoshio Akimune
宗 淑 雄 秋
Toru Akiba
場 亨 穐
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピストンに対する優れた耐摩耗性を備えると
共に、軽量化および冷却性能の大幅な向上が可能な内燃
機関用アルミニウム合金製シリンダブロックおよびその
製造方法を提供する。 【構成】 炭化けい素粒子を含んだアルミニウム合金系
複合材からなるシリンダライナ1を500°Cに予熱し
たうえで700°Cのアルミニウム合金溶湯を鋳込むこ
とによって前記シリンダライナ1を鋳ぐるむ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用ガソリンエン
ジンなどの内燃機関に利用されるアルミニウム合金製シ
リンダブロックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、上記のような内燃機関において
は、軽量化あるいは冷却性能の向上の観点からシリンダ
ヘッドとともにシリンダブロックをもアルミニウム合金
化した、いわゆるアルミダイキャストエンジンが多くな
ってきている。
【0003】このようなアルミニウム合金製シリンダブ
ロックにおいては、ピストンとの耐摩耗性を確保するた
めに、図4(a)に示すように、シリンダブロック10
0の鋳造時に鋳鉄からなる円筒形のシリンダライナ10
1を鋳ぐるみ、ピストンホール102に位置せしめるこ
とによって耐久性を向上させるようにしていた。なお、
この図において記号103は鋳造されたシリンダブロッ
ク本体、記号103aは当該シリンダブロック100を
水冷するための冷却水通路である。
【0004】また、図5に示すような鋳ぐるみ構造のシ
リンダブロック100において、シリンダライナ101
を鋳ぐるんだのちシリンダライナ上部の矢印で示す位置
に溶接を施すことによって、当該シリンダライナ101
とシリンダブロック本体103との間の一体性を向上さ
せる試みもなされている。
【0005】さらに、実開昭61−70548号公報に
は、鍍金や溶射によって鋳鉄製シリンダライナの内側表
面を窒化し、熱伝導性を低下させて断熱性を高める提案
がなされており、実開昭55−64445号および実開
昭58−35644号公報には、アルミニウム合金製シ
リンダライナの内側を純銅で鍍金したものおよび硬質金
属の溶射によって耐摩耗性を向上させたものがそれぞれ
開示されている。
【0006】また、実開昭59−73546号,実開昭
59−190952号,実開昭60−61456号,実
開昭60−134844号,実開昭62−73546号
などの公報には、金属製ライナの内側にセラミックスの
円筒を配設した多重管構造のシリンダライナが提案され
ているとともに、自動車工学の1991年11月号(v
ol.40,No.12),第38〜46頁には、鋳造
用金型のシリンダライナ相当部分にセラミックス繊維か
らなるプリフォームをセットし、シリンダブロックの鋳
造時に当該プリフォーム繊維にアルミニウム合金の溶湯
を含浸させることによってシリンダ内面のピストン摺動
面のみをFRM(繊維強化金属)化した鋳鉄ライナなし
のアルミニウム合金製シリンダブロックが開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たアルミニウム合金製シリンダブロックのうち、シリン
ダブロックの鋳造時に鋳鉄製シリンダライナを鋳ぐるん
だシリンダブロックにおいては、シリンダライナ素材で
ある鋳鉄とシリンダブロック本体を構成するアルミニウ
ム合金とでは、その融点が大きく異なるばかりでなく、
両者の間の濡れ性が良くないために、当該シリンダブロ
ックの鋳造時に、図4(b)に拡大して示すように、シ
リンダライナ101の背面とシリンダブロック本体10
3との間にガス層104が形成されてしまい、このガス
層の存在によってシリンダライナ周辺部分の冷却性能が
大きく損われ、シリンダライナ101の表面温度が上昇
することから、とくにガソリンエンジンの場合、ノッキ
ングが生じやすくなるため圧縮比を十分高めることがで
きず、エンジンの出力向上や燃費改善の妨げとなるとい
う問題点がある。
【0008】また、図5に示したシリンダライナ101
とシリンダブロック本体103の間を溶接したシリンダ
ブロック100は、上記鋳ぐるみ構造のシリンダブロッ
クの問題点を改善しようとするものではあるが、鋳鉄と
アルミニウム合金との溶接が困難であると共に溶接によ
る接合深さには限界があり、十分な冷却性能の向上が得
られないばかりではなく、エンジンの作動時には溶接部
近傍に急激な温度勾配が生じ、ボアの異常変形が発生す
るほか、この繰返しによって溶接部付近に熱疲労破壊が
発生し兼ねないという問題点があった。また、鋳造後に
溶接工程が加わるため生産コストの上昇が避けられない
という問題点もある。
【0009】鋳鉄製シリンダライナの内面を窒化した
り、アルミニウム合金製シリンダライナの内側に鍍金し
たものでは、このようなコーティング層がピストンリン
グによる摩擦や繰り返し加熱によって、熱膨張差に基づ
く剥離現象を起し易く、セラミックスと金属との多重管
構造のシリンダライナでは、モノリスセラミックスから
のセラミックス管の加工が困難であると共に、金属管と
の焼ばめ接合がエンジン作動時の燃焼熱によってゆるみ
易く、ピストン運動を阻害する傾向がある。
【0010】さらに、セラミックス繊維によりFRM化
した鋳鉄ライナなしのシリンダブロックにおいては、エ
ンジン作動時の燃焼熱によりセラミックス繊維とアルミ
ニウム合金の間にクラックが生じ、シリンダ内壁とピス
トンリングの間の摩擦が増大して長期の使用には耐え得
ないという問題点があり、このような問題の解消が上記
のようなアルミニウム合金製シリンダブロックにおける
課題となっていた。
【0011】
【発明の目的】本発明は、従来のアルミニウム合金製シ
リンダブロックにおける上記課題に着目してなされたも
のであって、ピストンに対する優れた耐摩耗性を備える
と共に、軽量化および冷却性能の大幅な向上が可能な内
燃機関用アルミニウム合金製シリンダブロックおよびそ
の製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、アルミニウム合金製シリンダブロック
におけるシリンダライナ素材、あるいはシリンダブロッ
クの鋳造方法について鋭意検討した結果、軽量性および
シリンダブロック本体を構成するアルミニウム合金との
融点差の観点から、耐摩耗性アルミニウム合金もしくは
アルミニウム合金系複合材料がシリンダライナ素材とし
て好都合であり、シリンダライナの鋳ぐるみに際して、
当該シリンダライナ表面に局部的な溶融を発生せしめ、
シリンダブロック本体との間に溶融接合層を形成するこ
とが冷却性能の向上に極めて有効であることを見出すに
至った。
【0013】本発明に係わるシリンダブロックは、上記
知見に基づくものであって、耐摩耗性アルミニウム合金
またはアルミニウム合金系複合材製のシリンダライナを
アルミニウム合金で鋳ぐるんでなる内燃機関用アルミニ
ウム合金製シリンダブロックであって、前記シリンダラ
インナとシリンダブロック本体との境界部における少な
くともシリンダライナのシリンダヘッド側の端面部もし
くはシリンダヘッド側の側面部をシリンダブロック本体
と溶融接合してなる構成としたことを特徴としており、
当該シリンダブロックの望ましい実施態様としては、前
記シリンダライナがアルミニウム合金中に体積パーセン
トで15〜30%の炭化けい素粒子を含む複合材料であ
って、その熱伝導率が150w/mk以上,熱膨脹係数
が13.5×10−6/°C〜20×10−6/°Cで
ある構成としたことを特徴としている。また、本発明に
係わるシリンダブロックの製造方法は、前記シリンダラ
イナをアルミニウム合金で鋳ぐるむに際し、当該シリン
ダライナを溶湯温度よりも150〜250°C低い温度
に予熱する構成としたことを特徴としており、このよう
なシリンダブロックおよびその製造方法の構成を前述し
た従来の課題を解決するための手段としている。
【0014】本発明に係わるシリンダブロックは、上記
のように、シリンダライナとシリンダブロック本体との
間の境界部を溶融接合させたものであるが、その接合部
分を少なくともシリンダライナのシリンダヘッド側端面
部もしくはシリンダヘッド側の側面部としたのは、シリ
ンダライナのシリンダヘッド側部分の冷却性能を向上さ
せ、この部分の表面温度を低下させることがノッキング
を防止するのに最も有効であることによる。
【0015】また、シリンダライナ素材としては炭化け
い素とアルミニウム合金との複合材料を使用することが
より望ましく、炭化けい素の体積含有率を上記範囲とし
たのは、炭化けい素が15%未満の場合には耐摩耗性を
十分に向上させることができず、逆に30%を超えた場
合には、熱膨張など熱特性のシリンダブロック本体を構
成するアルミニウム合金との差が生じるとともに表面硬
さが高くなってピストンリングの摩耗を増大させる傾向
があることによる。
【0016】さらに、熱伝導率を150w/mk以上と
したのは、シリンダ内部の熱を冷却水側に速やかに逃が
すのに適し、熱膨張係数を13.5×10−6〜20.
0×10−6/°Cとしたのは、この範囲であればシリ
ンダブロック本体のアルミニウム合金との熱膨張の実質
的な差がなく、シリンダブロック本体からの剥離が生じ
ないことによる。
【0017】また、本発明に係わるシリンダブロックの
製造方法において、鋳造時の溶湯温度とシリンダライナ
の予熱温度との差を150〜250°Cとしたのは、シ
リンダライナの予熱温度が(溶湯温度−150°C)を
超えた場合には鋳造時にシリンダライナが溶けてしまっ
て構造欠陥を起したりライナ効果がなくなり、予熱温度
が(溶湯温度−250°C)に達しない場合にはシリン
ダライナの表面で溶湯が凝固して湯まわりが劣化し、鋳
造欠陥を引き起して溶融接合層が形成されないことによ
る。
【0018】
【発明の作用】本発明に係わるシリンダブロックは、耐
摩耗性アルミニウム合金またはアルミニウム合金系複合
材製のシリンダライナを鋳ぐるみ、当該シリンダライナ
の少なくともシリンダヘッド側の部分をシリンダブロッ
ク本体に溶融接合させたものであるから、燃料の燃焼に
より発生した熱がシリンダライナから接合層を介してシ
リンダブロック本体に速やかに伝わり、シリンダブロッ
ク本体内を流れる冷却水へと放熱されるので、当該部分
の冷却性能が向上し、シリンダライナの表面温度が低下
することからノッキングが発生しにくいものとなる。ま
た、本発明に係わるシリンダブロックの製造方法におい
ては、耐摩耗性アルミニウム合金またはアルミニウム合
金系複合材からなるシリンダライナを鋳ぐるむに際し
て、当該ライナを溶湯温度よりも150〜250°Cだ
け低い温度に予熱するようにしているので、シリンダラ
イナ表面が溶湯の熱によって局部的に溶湯することにな
り、シリンダブロック本体との間が溶融接合される。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0020】まず、アルミニウム合金として、JIS
H 5202に規定されるAC8A材を用意し、該合金
に重量パーセントで5%のマグネシウムを加えて溶解
し、700°Cに保持すると共に、当該溶融合金に50
0メッシュの炭化けい素粉末を混合したのち砂型を用い
て鋳造し、炭化けい素含有量が体積パーセントで、それ
ぞれ10,15,30,35%のアルミ−炭化けい素複
合材料からなるシリンダライナを得た。
【0021】次に、上記手順により得られた各シリンダ
ライナを500°Cに加熱して型にセットしたのち、7
00°Cのアルミニウム溶湯により当該シリンダライナ
を鋳ぐるむことによって4種のシリンダブロックを製造
した。
【0022】そして、接合面を破断し、顕微鏡観察によ
ってシリンダライナとシリンダブロック本体との接合状
況を調査し、シリンダライナを加熱することなく鋳ぐる
んだシリンダブロックの場合と比較した。
【0023】また、上記方法に準じて鋳造した試験片を
用いてピンオンディスク型摩擦試験機により、上記各シ
リンダライナ素材の耐摩耗性を調査すると共に、熱伝導
率,熱膨張係数,曲げ強度,破壊靭性,硬さなどについ
て測定した。なお、摩擦試験については、比較材として
アルミニウム合金(JIS AC2A材)、およびシリ
ンダライナとして一般的に用いられる鋳鉄(JIS G
5501,FC材)の摩擦試験を同時に実施すると共
に、曲げ試験についてはJIS R 1601、破壊靭
性試験および硬さ試験についてはJIS R 1607
およびJIS R1610(ビッカース試験)に基づい
て実施した。
【0024】また、ピンオンディスク型摩擦試験機は、
図3に示すような構造を有し、ピストンリング素材であ
るオーステナイト鋳鉄(JIS G 5510,FCA
材)製の角片(14×5×8mm)にクロムめっきを施
した3個のピン21を放射状に取付けた回転円板22
に、ホルダ23に装着したディスク型試験片T(80m
φ×13mm)を押し付け、このときの試験片Tお
よびピン21の摩耗量をもって耐摩耗性を評価するもの
であって、この実施例では、押し付け荷重40kg,摩
擦速度1.9m/secで4時間の試験時間の条件を採
用した。なお、試験中にはホルダ23に設けたオイル供
給口23aから28°Cのモータオイルが毎分20cc
づつ供給されるようになっている。
【0025】これらの結果は、表1に合せて示すとおり
で、シリンダライナの予熱を行わなかった比較シリンダ
ブロックにおいては、シリンダライナとシリンダブロッ
ク本体との間に溶融接合層が全く形成されていないのに
対して、シリンダライナを500°C(溶湯温度700
°C−200°C)に予熱した本発明シリンダブロック
においては、シリンダライナとシリンダブロック本体と
の間に断続的なガス層(気孔)がわずかに生じている部
分が認められたものの、シリンダライナのシリンダヘッ
ド側において良好な溶融接合層が形成されていることが
確認された。
【0026】
【表1】
【0027】すなわち、本発明シリンダブロックにおい
ては、図1に示すように、アルミ−炭化けい素複合材料
からなるシリンダライナ1の図中上方側、すなわち図示
しないシリンダヘッド側端面部1aおよびシリンダヘッ
ド側の側面部1bにおいて溶融接合することによりシリ
ンダブロック2と一体化されており、特に炭化けい素含
有量10および15%のシリンダライナ1を用いた実施
例2および3のシリンダブロックにおいては、シリンダ
ライナ1とシリンダブロック本体2との間の境界面のほ
ぼ50%が溶融接合していることが判明した。
【0028】また、ピンオンディスク型試験機による摩
擦試験においては、アルミニウム合金マトリックス中に
炭化けい素を混合して複合化することによって耐摩耗性
が向上し、とくに炭化けい素含有量が体積パーセントで
15%以上の場合に耐摩耗性が大幅に向上することが確
認されたが、炭化けい素含有量が35%のものは、自身
の耐摩耗性については良好であるものの、ピストンリン
グを想定したピンの摩耗量が増大する傾向が認められ
た。
【0029】図2は、炭化けい素含有量30%のシリン
ダライナ1を500°Cに予熱することによって鋳ぐる
み、前記実施例3に相当するシリンダブロックを別途製
造し、当該シリンダブロックを実際のエンジンに組み込
んで作動させたときのシリンダ部分(図1(a)におけ
るA−C間)の温度分布の測定結果をシリンダライナを
予熱することなく鋳ぐるんだ前記比較例に相当するシリ
ンダブロックの場合と比較して示すものであって、シリ
ンダライナ1とシリンダブロック本体2の間の境界面が
溶融接合している本発明シリンダブロックにおいては、
図中に実線で示すように、A位置(シリンダライナ1の
内側表面)からC位置(冷却水通路2aの側)に向けて
ゆるやかに低下する温度分布を示し、燃焼熱が接合層を
介してシリンダライナ1からシリンダ本体2を経て冷却
水に円滑に放熱されているのに対し、破線で示す比較例
シリンダブロックにおいては、接合層が形成されていな
いのでシリンダライナ1からシリンダブロック2への熱
伝導が阻害され、本発明に係わるシリンダブロックにく
らべてシリンダ内面温度が約100°Cも高くなること
が確認された。
【0030】なお、上記実施例においては、アルミ−炭
化けい素複合材をシリンダライナとして用いた例を示し
たが、本発明におけるシリンダライナは複合材料のみに
限定される訳ではなく、例えばA390などの耐摩耗性
アルミニウム合金を用いることもできる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるシ
リンダブロックは、上記構成、すなわち耐摩耗性アルミ
ウム合金またはアルミニウム合金系複合材製のシリンダ
ライナとシリンダブロック本体との間を溶融接合してな
る構成としたものであるから、鋳鉄製シリンダライナと
くらべて大幅な軽量化が可能であると共に、燃料の燃焼
熱がシリンダライナからシリンダブロックに円滑に移行
するので冷却効率が向上し、シリンダ内部の温度が低下
することからノッキングが発生しにくくなると共に、ボ
ア部の異常変形が抑えられてブローバイガスが減少する
という優れた効果がもたらされる。また、本発明に係わ
るシリンダブロックの製造方法は、耐摩耗性アルミニウ
ム合金またはアルミニウム合金系複合材からなるシリン
ダライナを鋳ぐるむに際して当該シリンダライナを溶湯
温度よりも150〜250°C低い温度に予熱するもの
であるから、従来機械的結合のためにシリンダライナの
外周部に設けていた凹凸部の加工が不要となるばかりで
なく、シリンダライナの外周面が溶湯の熱によって局部
的に溶融してシリンダブロック本体と一体化して結合さ
れるので、本発明に係わるシリンダブロックを容易に製
造することができるという効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明に係わるシリンダブロックの構
造を示す縦断面説明図である。 (b) 図1(a)に示したシリンダブロックの拡大断
面説明図である。
【図2】本発明に係わるシリンダブロックと比較例シリ
ンダブロックの温度分布を比較するグラフである。
【図3】(a)および(b)は実施例において用いたピ
ンオンディスク型摩擦試験機の構成を示す概略説明図で
ある。
【図4】(a)従来のシリンダブロックを示す縦断面説
明図である。 (b)図4(a)に示したシリンダブロックのシリンダ
ライナとシリンダブロック本体との境界部を示す拡大断
面説明図である。
【図5】シリンダブロックの他の従来例を示す縦断面説
明図である。
【符号の説明】
1 シリンダライナ 1a 端面部 1b 側面部 2 シリンダブロック本体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐摩耗性アルミニウム合金またはアルミ
    ニウム合金系複合材製のシリンダライナをアルミニウム
    合金で鋳ぐるんでなる内燃機関用アルミニウム合金製シ
    リンダブロックであって、 前記シリンダライナとシリンダブロック本体との境界部
    における少なくともシリンダライナのシリンダヘッド側
    の端面部もしくはシリンダヘッド側の側面部をシリンダ
    ブロック本体と溶融接合してなることを特徴とするシリ
    ンダブロック。
  2. 【請求項2】 前記シリンダライナがアルミニウム合金
    中に体積パーセントで15〜30%の炭化けい素を含む
    複合材料であって、その熱伝導率が150W/mK以
    上、熱膨張係数が13.5×10−6〜20.0×10
    −6/℃であることを特徴とする請求項1記載のシリン
    ダブロック。
  3. 【請求項3】 前記シリンダライナをアルミニウム合金
    で鋳ぐるむに際し、当該シリンダライナを溶湯温度より
    も150〜250℃低い温度に予熱することを特徴とす
    る請求項1または2記載のシリンダブロックの製造方
    法。
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