JPH04108622U - 無排土式の回転圧入杭 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転されて地盤に圧入される杭の先端面に設
けた爪で削られて膨軟化された土を杭の先端面から外方
に排除して、杭の先端抵抗を減少させ、杭の圧入を良好
にする。 【構成】 円柱状に形成されると共に、先端面4 が軸心
に略直交する面とされ、且つ軸心廻りに回転されながら
地盤に圧入される無排土式の回転圧入杭において、前記
先端面4 上に、回転中心Ｏを通る該先端面4 上の線分Ｂ
と平行で且つ該線分Ｂの回転方向Ａ前方側に位置するよ
うに板状の爪6 を固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、地盤に回転されながら圧入される無排土式の回転圧入杭に関する。

【０００２】

【従来の技術】

無排土式の回転圧入杭として、円柱状に形成されると共に、先端面が軸心に略 直交する面とされ、外周面の先端部及び中途部に螺旋状の翼が固着されたものが ある。そして、この杭は、上端部がクレーンのブームの先端部に枢着されると共 に下端部が地上に支持固定されて直立状に設置されるタワーにモータを上下方向 移動自在に嵌合し且つ該モータをクレーンのフックに吊持させて成る圧入式杭打 機によって地盤に圧入されて打込まれる。すなわち、前記杭の杭頭をモータに備 えたキャッチーに掴ませると共に該杭をタワーと平行に配置し、モータによって 杭を軸心廻りに回転させると共にモータを降下させることで、杭がねじ込み作用 によって地盤に圧入される。そして、図３に示すように、前記杭11の先端面12に は地盤を削って土を膨軟化するための板材から成る爪13が固着されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来のものにあっては、爪13は杭11の回転中心Ｏを通る線分15上に位置す るように固着されていることから、爪13が土から受ける反力Ｆは爪13の回転方向 Ａ前面16に対して略垂直な方向に作用し、このため、爪13で地盤を削って土を膨 軟化させることはできるが、該膨軟化した土を杭11の先端面12から外方側へ排除 することはできず、その分杭13の先端抵抗は大であった。

【０００４】 そこで本考案は、爪で削られて膨軟化された土を杭の先端面から外方側へ排除 して杭の先端抵抗を減少させ、杭の圧入を良好に行い得るようにした無排土式の 回転圧入杭を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 本考案が前記目的を達成するために講じた技術的手段は、円柱状に形成される と共に、先端面4 が軸心に略直交する面とされ、且つ軸心廻りに回転されながら 地盤に圧入される無排土式の回転圧入杭において、前記先端面4 上に、回転中心 Ｏを通る該先端面4 上の線分Ｂと平行で且つ該線分Ｂの回転方向Ａ前方側に位置 するように板状の爪6 を固定した点にある。

【０００６】

【作用】

図１を参照して作用を説明する。杭1 を矢印Ａ方向に回転させると、該杭1 の 先端面4 に固定した板状の爪6 は回転中心Ｏを通る線分Ｂと平行で且つ該線分Ｂ よりも杭1 の回転方向Ａ前方側に位置するように設けられていることから、爪6 が土から受ける反力Ｆは、爪6 の回転方向Ａ前面7 に対して矢印方向に作用し、 したがって、爪6 が削られて膨軟化された土は矢印Ｃ方向に案内されて、杭1 の 先端面4 より外方に排除される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図１及び図２に示す図面に基づいて説明する。1 はモ ータによって軸心廻りに回転されながら地盤に圧入される無排土式の回転圧入杭 である。該杭1 は円筒状管体2 の端部開口を円形の蓋板3 で閉塞して成る管杭で 、先端面4 は杭1 の軸心方向に対して直交する面とされている。また、杭1 の先 端部には螺旋状の翼5 が溶着されると共に、先端面4 には地盤を削って土を膨軟 化させるための爪6 が２個 (又は１個若しくは３個以上）固着されている。前記 爪6 は長方形の板材から成り、図１に示すように、杭1 の回転中心（杭の軸心） Ｏを通る先端面4 上の線分Ｂと平行で且つ該線分Ｂよりも杭1 の回転方向Ａ前方 側に位置するように設けられている。したがって、杭1 を回転させることによっ て、爪6 が土から受ける反力Ｆは爪6 の回転方向Ａ前面7 に対して矢印で示す方 向に作用し、爪6 によって膨軟化された土は爪6 の回転方向Ａ前面7 に沿って矢 印Ｃ方向に案内されて杭1 の先端面4 から外方に排除される。

【０００８】

【考案の効果】 本考案によれば、円柱状に形成されると共に、先端面4 が軸心に略直交する面 とされ、且つ軸心廻りに回転されながら地盤に圧入される無排土式の回転圧入杭 において、前記先端面4 に、回転中心Ｏを通る線分Ｂと平行で且つ該線分Ｂの回 転方向Ａ前方側に位置するように板状の爪6 を固定したので、爪6 によって削ら れて膨軟化された土は、爪6 の回転方向Ａ前面に沿って杭の先端面4 より外方側 に排除され、したがって、杭の先端抵抗が減少されて、杭の圧入が良好となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】杭の底面図である。

【図２】杭の下部の側面図である。

【図３】従来例を示す杭の底面図である。

【符号の説明】

1 杭 4 先端面 6 爪 Ａ 回転方向 Ｂ 線分 Ｏ 回転中心

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円柱状に形成されると共に、先端面(4)
   が軸心に略直交する面とされ、且つ軸心廻りに回転され
   ながら地盤に圧入される無排土式の回転圧入杭におい
   て、前記先端面(4) 上に、回転中心(O) を通る該先端面
   (4) 上の線分(B) と平行で且つ該線分(B) の回転方向
   (A) 前方側に位置するように板状の爪(6)を固定したこ
   とを特徴とする無排土式の回転圧入杭。