JPH04108191U - 熱交換器の入口ヘツダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 入口ヘッダーから熱交換媒体が複数のチュー
ブに同時に流入する熱交換器において、各チューブに流
入する熱交換媒体の流量を均一にすること。 【構成】 入口パイプ近傍にバッファプレート５を設
け、そのバッファプレート５に多数のバイパス孔を穿設
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は空調用エバポレータやエンジン冷却水冷却用ラジエータ等の各種熱交 換器の入口側ヘッダにおいて、そのチューブプレートに連通した多数のチューブ に冷媒や冷却水等の熱交換媒体を均一に流通させるための入口ヘッダに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一例として、気液二相状態の冷媒がヘッダを介して並列された複数のチューブ に同時に流通するパラレルフロー式の熱交換器が存在する。この種の熱交換器は 一対のヘッダに夫々複数のチューブ端が連通すると共に、チューブの外面に放熱 促進用のフィンが接触固定されたものである。そして、入口側ヘッダに入口パイ プが連結され、出口ヘッダに出口パイプが連結される。そして、チューブ外面及 びフィン側に空気流が流通し、冷媒との間に熱交換が行われるものである。

【０００３】

【考案が解決しょうとする課題】

ところが、このようなパラレルフロータイプの熱交換器は、入口パイプ近傍に 位置するチューブに流通する冷媒等の流量の方が、遠い位置に配置されたチュー ブに流通するそれよりも多く流れる傾向にある。すると、冷媒等の熱交換媒体の 流通量が少ないチューブにあっては熱交換量が少なくなる傾向にある。その結果 、コアの平均の単位前面面積あたりの熱交換性能が悪くなる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで、本考案は並列された複数のチューブに均一に熱交換媒体を流通させる ことを目的とし、その目的達成のために次の構成をとる。 即ち、本考案の熱交換器の入口ヘッダは、その入口側ヘッダ本体２の外周面の 一部に入口パイプ１が設けられると共に、その外周面の他部に複数のチューブ３ が並列して液密に貫通固定される。そして、入口パイプ１の開口の近傍の複数の チューブ３の開口端を覆うように、そのチューブ３の開口に対向してバッフルプ レート５をヘッダ本体２に内装する。そして、バッフルプレート５に多数のバイ パス孔６を貫通する。そして、入口パイプ１よりヘッダ本体２に熱交換媒体が流 入するように構成したことを特徴とする。

【０００５】

【作用】

本考案の入口ヘッダによれば、図１において入口パイプ１近傍にはバッフルプ レート５が内装されているため、入口パイプ１近傍のチューブ３により多く熱交 換媒体が流入することを防止し、夫々のチューブ３に均一に熱交換媒体が流通す る。又、バッフルプレート５にはバイパス孔６が穿設されているから、バッフル プレート５中心部におけるチューブ３にも、他のチューブと同様にほぼ等しい熱 交換媒体が流入する。その結果、熱交換器コア各部において均一なる熱交換が行 われる。

【０００６】

【実施例】

次に、図面に基づいて本考案の実施例につき説明する。 図１は本入口ヘッダを有する熱交換器の説明的略図であり、図２は図１のＡー Ａ線断面図である。 この実施例の熱交換器はチューブ３とフィン８とによりコアを構成し、そのコ アの各チューブ３の両端部が一対のヘッダ本体２，７に液密に連通する。ヘッダ 本体２，７はこの実施例では夫々円形パイプからなり、その長手方向両端がエン ドプレート４より閉塞される。そして、ヘッダ本体２，７の外周面の中央に入口 パイプ１，出口パイプ９が液密に連通する。そして、この入口パイプ１の対向側 内面に夫々のチューブ３の端部が開口する。さらに、この入口パイプ１の開口端 とチューブ３の開口端との中間部にバッフルプレート５が配置される。このバッ フルプレート５は図２に示す如く多数のバイパス孔６が穿設されている。そして 、入口パイプ１の直下部においては、より小さなバイパス孔６が穿設されると共 に、中央部から離れるに従って、バイパス孔６の直径が大に形成される。そして 、単位面積当たりのバイパス孔６の開口面積が中央から長手方向両側に離れるに 従って広く形成される。なお、このバイパス孔６は好ましくはチューブ３の開口 と対向しない位置に穿設される。又、バッフルプレート５はこの実施例では入口 パイプ１近傍部分にのみ、即ち、長手方向の中央部分にのみ配置されている。 次に、図３は本考案の第２実施例の要部横断面図であり、この実施例が図２の それと異なる点は、チューブ３の形状である。即ち、図２の実施例においてはチ ューブ３は円形管からなるが、図３の実施例では偏平管を用いる。なお、図４は 図３の中心部における縦断面略図である。図３の実施例においてはプレートフィ ンの代わりにコルゲートフィンを用いることも可能である。

【０００７】

【変形例】

上記実施例ではいずれもヘッダ本体２として円形パイプを用いたが、それを矩 形パイプとすることもできる。又、ヘッダ本体２として一端が開放した箱状のも のを用い、その開口端をチューブプレートで閉塞してもよい。

【０００８】

【考案の効果】

本考案の入口ヘッダ構造は入口パイプ１近傍に位置するチューブ３の開口端を 、覆うようにバッフルプレート５が位置されているため、入口パイプ１近傍のチ ューブ３により多くの熱交換媒体が流通することを防止できる。それにより、す べてのチューブ３にほぼ均一な量の熱交換媒体を流通させ、コアの平均の単位前 面面積あたりの熱交換を向上させることができる。しかも、このバッフルプレー ト５には多数のバイパス孔６が穿設されているため、バッフルプレート５中央部 のチューブ３にもほぼ等しい熱交換媒体が流通する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例の入口ヘッダを有する熱交
換器の略図。

【図２】図１におけるＡ−Ａ矢視断面図。

【図３】本考案の第２実施例の入口ヘッダの横断面図。

【図４】第２実施例の中央部における縦断面略図。

【符号の説明】

１ 入口パイプ ２ ヘッダ本体 ３ チューブ ４ エンドプレート ５ バッフルプレート ６ バイパス孔 ７ ヘッダ本体 ８ フィン ９ 出口パイプ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外周面の一部に入口パイプ（１）が設け
   られると共に、前記外周面の他部に複数のチューブ
   （３）端が並列して液密に貫通固定された入口側ヘッダ
   本体（２）と、前記入口パイプ（１）の開口の近傍の複
   数の前記チューブ（３）の開口端を覆うように、前記チ
   ューブ（３）の開口に対向して前記ヘッダ本体（２）に
   内装されたバッフルプレート（５）と、該バッフルプレ
   ート（５）に貫通された多数のバイパス孔（６）とを具
   備し、前記入口パイプ（１）より前記ヘッダ本体（２）
   に熱交換媒体が流入するように構成した熱交換器の入口
   ヘッダ。
2. 【請求項２】 請求項１において、バッフルプレート５
   表面の単位面積あたりのバイパス孔６の開口面積が入口
   パイプ１の近傍ほど小さく形成された入口ヘッダ。
3. 【請求項３】 請求項１または請求項２において、前記
   バイパス孔（６）の軸線と前記チューブ（３）の軸線と
   が互いに位置ずれするように形成した入口ヘッダ。