JPH04107005U - 縦型コンクリート型枠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】縦型型枠の利点を生かし、設置面を有効に活用
することができ、全体も極めてコンパクトであり、運搬
保管等にも便なるコンクリート型枠を提供すること 【構成】基台中央に立設された仕切り壁と、基台に扇開
可能に軸支され且つ仕切り壁内を貫通して設けられた第
１クランプにより仕切り壁の端部にそれぞれほぼＴ字状
に緊締可能にした側板と、仕切り壁と側板との内側に位
置し且つ仕切り壁から所定の間隔を開けた位置まで基台
との間に設けられた第２クランプにより進退自在に立設
された内枠と、側板と内枠からなる側面開口を開閉し且
つ両者の間に設けられた第３クランプにより前記開口に
緊締し得る妻板とからなる縦型コンクリート型枠

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コンクリート型枠に関し、特に生コンクリートを縦方向に流し込ん で固化させてコンクリート製品を得る縦型コンクリート型枠に関する。

【０００２】

【従来の技術と問題点】

従来のコンクリート製品の型枠は、製品が伏せられた形で製造するタイプのも のである。例えば、一般に普及しているＵ字溝コンクリート用型枠は、内枠を妻 板側から見て逆Ｕ字状に伏せその外側に設けた側板と妻板との間に生コンクリー トを流し込み固化させるというものである。しかし、通常のＵ字溝コンクリート 製品において、逆Ｕ字状に置いた時の投影面積は、それを立てた状態（平面から 見てＵ字となる状態、以下縦型という）の端部開口面全体の投影面積よりもはる かに大きいので、従来の型枠は、単位型枠当たりの設置専有面積が多く、土地あ るいは工場敷地の有効利用という点から問題があった。しかし、現在のところこ の問題を解決した実施に耐え得るこの種コンクリート型枠は存在しない。

【０００３】 また、従来型枠での固化が完了した場合、型枠から製品の剥脱が容易となるよ うに予め離型用の油を塗布することが行われているが、従来の型枠の場合逆Ｕ字 状に置かれた内枠の上に直接生コンクリートが落下するので、離型用の油が除去 され固化コンクリートの剥奪が極めて困難になることが多く、その場合に衝撃を 加えて離型させるため型枠の寸法精度が低下したり、型枠自体が破損する等の問 題があった。この点でも縦型が有利であるが、満足できる型枠は開発されていな い。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】

本考案は、以上の点に鑑み、縦型型枠の利点を生かし、設置面を有効に活用す ることができ、全体も極めてコンパクトであり、運搬保管等にも便なるコンクリ ート型枠を提供することであり、その要旨とするところは、基台中央に立設され た仕切り壁と、基台に扇開可能に軸支され且つ仕切り壁内を貫通して設けられた 第１クランプにより仕切り壁の端部にそれぞれほぼＴ字状に緊締可能にした側板 と、仕切り壁と側板との内側に位置し且つ仕切り壁から所定の間隔を開けた位置 まで基台との間に設けられた第２クランプにより進退自在に立設された内枠と、 側板と内枠からなる側面開口を開閉し且つ両者の間に設けられた第３クランプに より前記開口に緊締し得る妻板とからなる縦型コンクリート型枠である。

【０００５】 本考案を更に説明すると、本考案は縦型コンクリート型枠である。縦型コンク リート型枠とは、Ｕ字溝やＪ字溝コンクリート製品更にはＬ字溝コンクリート製 品などにおいて平面から見て製品のＵ字等の端面形状が現われる状態でコンクリ ート製品を製造する型枠であり、本考案においては、先ず平板または簀の子状の 基台があり、その中央に基台の長手方向に直交する方向に仕切り壁が立設されて いる。

【０００６】 基台の両側には、前記仕切り壁を中央にして側板が仕切り壁方向に扇開可能に 支持される一方、仕切り壁の中を貫通して前記側板間に装架された第１クランプ によって側板は仕切り壁に緊締可能となっている。すなわち、第１クランプは、 基端部を一方の側板に支持させ、係合回転部を他の側板側に位置させそこに開閉 レバーを外部操作可能なように臨ませる。

【０００７】 かくして、第１クランプを緊締したとき、仕切り壁を共通にし２枚の側板から なる背中合わせの２つのコ字状の枠が形成されるが、これが型枠のいわば外枠と なる。なお第１クランプの緊締及び解除は、係合回転部をレバーで操作するもの が望ましく、この点は以下に述べる第２クランプも同様であるが、ボルトを取り 付けておいてスパナ等で回転する方式を採ってもよい。

【０００８】 この側板及び仕切り壁の内側には、仕切り壁から所望の間隔を開けた位置まで 第２クランプにより移動可能にした内枠を設置する。第２クランプの基端部は内 枠内部に支持させ、係合回転部は基台に設置する。第２クランプで内枠を最終位 置まで押しこんだ時側板と仕切り壁により形成され枠と内枠との間には、製品の 厚みに対応する間隔が開いている。 更に、側板と内枠の側面開口（ＵまたはＪ字溝用型枠においては４つ）には、 一端を軸としてこの開口を開閉できる妻板が設けられ、また、側板と妻板との間 にクランプを取り付け、妻板を内枠の軸を中心として側面開口まで回転させ、該 クランプで側板と妻板との間を緊締する。 側板、仕切り壁、妻板及び内枠で囲まれるスペースの底は基台で閉塞され、こ れにより、上方を開放し、側板、仕切り壁、妻板、内枠及び底で囲まれる生コン クリートが流し込まれるコンクリート製品用のスペースが形成される。

【０００９】

【作用】

本考案は以上のように構成されているので、生コンクリートを流し込む場合は 、まず内枠を第２クランプを操作して仕切り壁迄ある間隔を残して所定位置に押 し込んでクランプし、次に第１クランプを用いて側板相互を仕切り壁に緊締密着 させ、最後に妻板を側面開口に回転し第３クランプで妻板を内枠と側板の端部に 緊着し開口を閉塞する。 このようにすると、内枠、側板、仕切り壁、妻板及び基台によって囲まれ上方 を開口したスペースが形成されるので、このスペース内に生コンクリートを流し 込み、バイブレータで振動を与えることによりエア抜き及び生コンクリートの偏 在をなくし、固化養生を行う。

【００１０】 固化が完了したならば、第３クランプを外し妻板を側板と内枠の端部から離し 、次いで内枠を第２クランプで後退させ、更に第１クランプで側板を扇開させる 。このようにすることにより、固化コンクリート製品は内外の型枠部材から剥離 され基台だけに接着している状態となるが、その接着力は極めて小さいので、挟 搬機で上方へ持ち上げれば、その接着部分は容易に接着を解き、製品のみが型枠 から搬出される。

【００１１】

【実施例】 本考案を実施例にしたがって説明すると、１は型枠本体であり、２はＵ字溝を 変形したＪ字溝コンクリート製品を作るため生コンクリート用のスペースである 。３は簀の子状の基台であり、４はその中央に長手方向に対し直角に立設された 固定した仕切り壁である。５は、基台３に蝶番６により扇開自在に支持されてお り、仕切り壁４の両端にそれぞれほぼＴ字状に緊締し得る側板である。 第１クランプ７は、その基端８を一方の側板５に設け、基端８に連設するバー ９を仕切り壁４内に貫通させ、バー９に連結した係合板１０が係合する回転軸１ １１を他の側板５に軸支させて設けられ、この回転軸１１は、側板５の外部に臨 むレバー１２で回転可能となっている。

【００１２】 １３は、側板５と仕切り壁４との間にスペース２の幅を開けて基台３上に置か れた内枠であり、基台３と内枠１３との間には、第１クランプとほぼ同じ構成の 第２クランプ１４が装架され、内枠１３は、緊締位置から後退可能となっている 。 １６は、側板５と内枠１３で作られる側面開口を開閉する４つの妻板であり、 この妻板１６は一端を内枠１３側に軸支し他端に側板５との間に緊締自在にした 第３のクランプ１７を装架したものである。第３のクランプ１７は、側板５に設 けられた軸１８に軸支された回転支杆１９と、該回転支杆１９内に支持された軸 ２０に軸支され先端を妻板１６の係合棒２１に係合し得る鉤板２２と、回転支杆 １９を回転するレバー２３とからなるものである。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は以上のように、基台の上中央に仕切り壁を設けその各端部に側板をそ れぞれＴ字状に対接するように基台から扇開自在とし且つ仕切り壁を貫通させて 側板間に第１クランプを装備させる一方、対接時にＵ字またはＪ字状となるこれ ら側板と仕切り壁の内側に、所望の間隔を開けて第２クランプで離接可能に内枠 を配置し、側板と内枠の側面開口は、第３クランプにより妻板で緊締開閉できる ようにしたものであり、１枚の仕切り壁を共通にしその両側に２つのコンクリー ト型枠を背中合わせとなるよう配置したので、コンパクトで且つ離型材の流出が 少ない縦型型枠の利点に加えて、より以上にコンパクトになっており、また２つ のコンクリート型枠に対して１枚の仕切り壁で共通させ、且つ２つのコンクリー ト型枠に係る側板を仕切り壁内に配置した１つの第１クランプだけで緊締解除す るようにしたので、部品点数が少なく安価で且つ設置場所の有効利用が行えるコ ンパクト且つ生産性の高いコンクリート型枠を提供できたものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる型枠の一部切欠き平面図

【図２】本考案にかかる型枠の正面図

【図３】図面１の一部拡大断面図

【図４】図面１の一部拡大図

【符合の説明】

１ 型枠本体 ２ スペース ３ 基台 ４ 仕切り壁 ５ 側板 ７ 第１クランプ １３ 内枠 １４ 第２クランプ １６ 妻板 １７ 第３クランプ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基台中央に立設された仕切り壁と、基台に
   扇開可能に軸支され且つ仕切り壁内を貫通して設けられ
   た第１クランプにより仕切り壁の端部にそれぞれほぼＴ
   字状に緊締可能にした側板と、仕切り壁と側板との内側
   に位置し且つ仕切り壁から所定の間隔を開けた位置まで
   基台との間に設けられた第２クランプにより進退自在に
   立設された内枠と、側板と内枠からなる側面開口を開閉
   し且つ両者の間に設けられた第３クランプにより前記開
   口に緊締し得る妻板とからなる縦型コンクリート型枠