JPH04106519U - 軸受装置のシ−ル構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シ−ル部材を容易にしかも傷つける事無く取
外すことのできるシ−ル構造を提供する。 【構成】 シ−ル部材８は、芯金８ａの一端に外輪３ｂ
の内径面３ｃに装着される嵌合部８ｂと、嵌合部８ｂか
ら外輪３ｂの端面３ｄに沿って半径方向に延びる固定部
８ｃとを有し、他端に内輪３ａの外径面３ｅに摺接する
ゴム製のシ−ルリップ８ｄを保持したものである。嵌合
部８ｂは、外輪３ｂの内径面３ｃに小さな締代、あるい
はシ−ル部材８の寿命に影響を及ぼさない程度の小さな
スキマをもって緩嵌される。また、固定部８ｃは、外輪
３ｂの端面３ｄとハウジングに固定される蓋６とで挟持
固定される。このため、軸受部の点検作業時等には、蓋
６を取外すことによりシ−ル部材８を容易にしかも傷つ
ける事無く取外すことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、軸受装置のシ−ル構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図７に示すように、従来、シ−ル部材10はその一端を例えば外輪３ｂの内径面 に大きな締代をもって圧入固定されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のシ−ル構造では、シ−ル部材10の一端が外輪３ｂに大きな締代をもって 圧入されていたため、シ−ル部材10を取外すことが容易ではなかった。そのため 、軸受部の点検・補修あるいはシ−ル部材の摩耗状態の確認作業等に大変手間が かかっていた。また、仮に点検の結果シ−ル部材に何ら異常がなかった場合でも 、シ−ル部材は取外しの際に傷つけられることが多かったため、新しいものに取 り替える必要があった。

【０００４】 そこで、本考案の目的は、シ−ル部材を容易にしかも傷つける事なく取外すこ とのできるシ−ル構造を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、軌道輪の端部側に一端が固定支持されるシ−ル部材を具えたもので あって、このシ−ル部材の一端が軌道輪の軸受内方側面に緩嵌される嵌合部と、 この嵌合部から軌道輪の端面に沿って半径方向に延びる固定部とを有し、この固 定部が軌道輪の端面と軸受固定部材とで挟持固定されることを特徴とする軸受装 置のシ−ル構造を提供する。

【０００６】

【作用】

シ−ル部材の固定は軌道輪の端面と軸受固定部材とによりなされ、しかもシ− ル部材の嵌合部は軌道輪の軸受内方側面に緩嵌されているから、端面と軸受固定 部材とによる挟持状態を解除すればシ−ル部材を軸受装置から容易に取外すこと ができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【０００８】 図１は、本考案に係わるシ−ル構造を用いた転がり軸受装置を示す。この軸受 装置は、ハウジング１に挿入された軸２を回転自在に支承する軸受３、軸受３の 内輪３ａを位置決め固定するスリンガ−４、スリンガ−４を固定するナット５、 ハウジング１にボルト１ａで固定され、軸受３の外輪３ｂを位置決め固定する蓋 ６、蓋６の内径部に嵌合固定されたシ−ル部材７、および外輪３ｂの両端部側に 装着されたシ−ル部材８で構成される。シ−ル部材８は、図２に示すように、芯 金８ａの一端に、外輪３ｂの内径面３ｃに装着される嵌合部８ｂと、嵌合部８ｂ から外輪３ｂの端面３ｄに沿って半径方向に延びる固定部８ｃとを有し、他端に 内輪３ａの外径面３ｅに摺接するゴム製のシ−ルリップ８ｄを保持したものであ る。そして、この軸受装置は、シ−ル部材８の嵌合部８ｂを外輪３ｂの内径面３ ｃに小さな締代、あるいはシ−ル部材８の寿命に影響を及ばさない程度の小さな スキマをもって緩嵌すると共に、固定部８ｃを外輪３ｂの端面３ｄと蓋６とで挟 持固定したことを特徴とする。したがって、軸受部の点検作業時等には、蓋６を 取外すことによりシ−ル部材８を容易にしかも傷つける事なく取外すことができ る。

【０００９】 図３は、シ−ル部材８を外輪３ｂの一方の端部側にのみ装着した実施例を示す 。

【００１０】 図４は、嵌合部８ｂおよび固定部８ｃの外輪３ｂと接する部分にゴム層が形成 されるようにしたものである。シ−ル部材８と外輪３ｂとの密着性が高められる ためシ−ル機能が向上する。尚、ゴム層は、嵌合部８ｂあるいは固定部８ｃのい ずれか一方にのみ形成するようにしてもよい。

【００１１】 図５は、シ−ル部材８のシ−ルリップ８ｄをスリンガ−４に摺接させるように した実施例を示す。

【００１２】 図６は、図４に示すものと同様のゴム層を形成すると共に、固定部８ｃの外輪 ３ｂと接する部分のゴム層に環状溝８ｅを形成した実施例を示す。固定部８ｃと 外輪３ｂとの密着性がさらに高められるため、シ−ル機能が一層向上する。

【００１３】 尚、以上の実施例ではシ−ル部材８を外輪３ｂに固定したものを例示したが、 シ−ル部材８は内輪３ａに固定するようにしてもよい。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案はシ−ル部材の嵌合部を軌道輪の軸受内方側面に 緩嵌すると共に、固定部を外輪と軸受固定部材とにより挟持固定するようにした 。したがって、本考案によれば、シ−ル部材を軸受装置から容易に取外すことが できようになるため、点検・補修作業等の作業効率を向上させることができる。 しかも、取外し作業の際にシ−ル部材を傷つけることがなくなるため、シ−ル部 材を再使用することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す断面図である。

【図２】図１におけるシ−ル部材を示す拡大断面図であ
る。

【図３】本考案の他の実施例を示す断面図である。

【図４】本考案の他の実施例に係わるシ−ル部材を示す
断面図である。

【図５】本考案の他の実施例を示す断面図である。

【図６】本考案の他の実施例に係わるシ−ル部材を示す
断面図である。

【図７】従来のシ−ル構造を示す断面図である。

【符号の説明】

１ ハウジング ２ 軸 ３ 軸受 ３ａ 内輪 ３ｂ 外輪 ３ｃ 内径面 ３ｄ 端面 ３ｅ 外径面 ６ 蓋 ８ シ−ル部材 ８ｂ 嵌合部 ８ｃ 固定部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軌道輪の端部側に一端が固定支持される
   シ−ル部材を具えたものであって、このシ−ル部材の一
   端が軌道輪の軸受内方側面に緩嵌される嵌合部と、この
   嵌合部から軌道輪の端面に沿って半径方向に延びる固定
   部とを有し、この固定部が軌道輪の端面と軸受固定部材
   とで挟持固定されることを特徴とする軸受装置のシ−ル
   構造。