JPH04106171U - 電動工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビットを回転駆動させることにより所望の加
工を行なう電動工具に、蓋やケースを用いることなく、
極めて容易にビットの出し入れ操作を行なうことができ
る。 【構成】 工具本体に、その表面に開口するビット収納
用凹部を形成し、このビット収納用凹部の内部にビット
を弾性力により保持するビット保持機構をビット収納用
凹部に配設した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電動工具に係り、特に所望の加工を行なうためのビットを収納するビ ット収納装置が配設された電動工具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、ピストル型の電動工具本体の前方先端部に、駆動モータにより回転 駆動されて所望の回転工具刃としてのビットを装着するためのチャックを取付け 、前記工具本体に取付けられたトリガスイッチを引き操作することにより、前記 駆動モータがＯＮされ、前記チャックに装着されたビットを回転させて所望の加 工を行なう電動工具が多く用いられている。そして、このような従来の電動工具 においては、前記チャックに装着しない交換用のビットを収納するためのビット 収納装置を備えたものがある。

【０００３】 このような従来の電動工具のビット収納装置としては、実開昭５０−８３６７ ２号公報に開示されているように、工具本体の一側部に、内部に空間が形成され るとともに、この空間を開閉する蓋を設けてなる補助把手を形成し、この補助把 手の内部にビットを収納することができるようにしたものがある。このビット収 納装置においては、前記蓋を開閉操作することにより、前記補助把手の先端部か ら所定のビットを出し入れすることができるようになっている。

【０００４】 また、他の従来のビット収納装置としては、実開昭５３−１５３５８４号公報 に開示されているように、工具本体に形成された主ハンドルの上部にビット収納 用のケースを配設し、このケースの上部に開閉自在な蓋を取付けてなり、前記ケ ースの内部にビットを収納し、前記蓋の開閉により所望のビットの出し入れを行 なうことができるようになっている。

【０００５】 さらに他の従来のビット収納装置としては、特開昭５６−５６３８８号公報に 開示されているように、工具本体の把手部の内側にビット収納凹部を形成すると ともに、このビット収納凹部の内側にビット収納ケースを着脱自在に配設して構 成されており、前記ビット収納ケースの内部に所定のビットを収納した状態で、 前記ビット収納ケースを工具本体のビット収納凹部に装着することにより、前記 ビットを工具本体に収納することができるようになっている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記従来の実開昭５０−８３６７２号公報に開示された電動工 具のビット収納装置においては、工具本体の一側部に形成された補助把手の内部 にビットを収納するようにしているので、補助把手の設けられていない型式の電 動工具にはそのまま適用することができないという課題を有している。また、実 開昭５０−８３６７２号公報および実開昭５３−１５３５８４号公報に開示され たビット収納装置においては、いずれの場合も、蓋を開いてビットの出し入れを 行なうとともに、ビットの出し入れが完了した後に蓋を閉じるという操作が必要 であるため、ビットの出し入れ操作が極めて面倒であり、さらに、前記蓋の紛失 や損傷が生じやすく、しかも、蓋を完全に閉じないとビットが脱落してしまう恐 れがあるという課題を有している。

【０００７】 また、特開昭５６−５６３８８号公報に開示されたビット収納装置においては 、工具本体の把手部の内側にビットを収納するようにしているので、前記把手部 にモータのスイッチ等の他の部品を取付けるためのスペースが制限を受けてしま い、実用的でないという課題を有しており、さらに、前記把手部のビット収納凹 部に装着されたビット収納ケースを着脱させてこのビット収納ケースのビットの 出入れを行なうようにしているので、やはり、ビットの出入れ操作が面倒である という課題を有している。

【０００８】 本考案は前記した点に鑑みてなされたもので、蓋やケースを用いることなく、 極めて容易にビットの出し入れ操作を行なうことのできる電動工具を提供するこ とを目的とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため本考案に係る電動工具は、工具本体の前方先端部に、 所望のビットを着脱可能に装着するためのチャックを有する電動工具において、 前記工具本体に、その表面に開口するビット収納用凹部を形成し、このビット収 納用凹部の内部に前記ビットを弾性力により保持するビット保持手段を前記ビッ ト収納用凹部に配設したものである。

【００１０】

【作用】

本考案によれば、工具本体のビット収納用凹部に、ビット保持手段の有する弾 性力に抗してビットを工具本体内に押込むことによりビットを収納用凹部の内側 に収納することができるとともに、このビット収納用凹部からビット保持手段の 弾性力に抗してビットを引出すことによりビットを取出すことができるものであ り、従来のように、蓋の開閉操作やケースの出し入れ操作等を行なうことなく、 極めて容易にビットの出し入れを行なうことができるものである。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１乃至図８を参照して説明する。 図１乃至図５に示すように、本考案に係る電動工具において、工具本体１は、 内部に各種部品が組込まれているベースハウジング２およびこのベースハウジン グ２に対してほぼ対称に形成されたカバーハウジング３を互いに接合させること により形成されている。なお、図１乃至図３における右方を電動工具の前方、左 方を電動工具の後方として以下説明する。前記工具本体１の前方先端部Ｆには、 ワークを加工するための所望の回転工具刃としてのビット４を着脱可能に装着す るためのチャック５が取付けられ、このチャック５は、工具本体１の内部に収納 される図示しない駆動モータにより正方向又は逆方向に回転駆動される。また、 前記工具本体１には、前記駆動モータのＯＮ、ＯＦＦ操作を行なうトリガスイッ チ６が取付けられており、このトリガスイッチ６の上方には、前記駆動モータの 回転方向を切換えるための正逆回転切換レバー７が配設されている。さらに、前 記工具本体１の上面には、前記駆動モータの回転速度を切換えて変化させるため のスライドレバー８が配設されている。

【００１２】 また、本実施例においては、工具本体１に、該本体１の表面に開口するビット 収納用凹部９を形成し、このビット収納用凹部９の内部にビット４を弾性力によ り保持するビット保持手段４０をビット収容用凹部９に配設している。例えば、 図２乃至図５に示すように、前記工具本体１の前方下面側であって、前記ベース ハウジング２とカバーハウジング３との接合部分には、ドライバビット等のビッ ト４を収納するためのビット収納用凹部９が各ハウジング２，３にまたがるよう に形成されている。また、前記各ハウジング２，３の前記ビット収納用凹部９に は、断面円弧状の取出し凹部１０が横方向（図１の紙面垂直方向）に向けて筒状 に切欠かれて形成されている。前記ビット収容用凹部９は、棒状体をなすビット ４を収納可能なように、前後方向に長い長方形状をなしている。また、前記ビッ ト収納用凹部９の上面９ａ側であって、前記ベースハウジング２とカバーハウジ ング３との接合部分には、前記ビット収納用凹部９の前後方向（長手方向）に沿 って延びる取付溝１１が形成されている。前記各ハウジング２，３の前記ビット 収納用凹部９の上面９ａ側中央には、前記各ハウジング２，３間の取付溝１１部 分に開口する一対の係合孔１２，１２が前後方向に並んで形成されている。

【００１３】 また、前記ビット収納用凹部９の前後方向中心位置９ｂには、前記ビット収納 用凹部９の長手方向に沿って延びるビット取付部材１３が、取付溝１１内に配設 されている。図６及び図７に示すように、前記ビット取付部材１３の板状の本体 １３ａの上端部には、横方向に突出された一対の係合フランジ１４，１４が前後 方向に位置してそれぞれ一体に形成されており、この各係合フランジ１４，１４ は、前記各係合孔１２，１２に係合可能な位置に形成されている。なお、図３（ Ｂ）は図３（Ａ）中のIII 線部分断面を示しており、係合フランジ１４が係合孔 １２内に係合した状態を示している。前記ビット取付部材１３の本体１３ａの下 端部には、両横方向にわずかにそれぞれ突出され、両側の一部に切欠き１５，１ ５がそれぞれ形成されたリブ１６，１６が形成されており、前記ビット取付部材 １３の中央部には、上方に開口するねじ穴１７が螺刻されている。

【００１４】 また、前記ビット取付部材１３の上面には、ばね鋼等の弾性を有する材料から なるビットグリップ１８が配設されており、図６及び図７に示すように、このビ ットグリップ１８の前方左側と後方右側には、下方に延びるとともにその下端部 が前記リブ１６の各切欠き１５，１５の部分に配置される一対のグリップ片１９ ，１９が形成されている。このグリップ片１９，１９の下端部には、それぞれ外 側に湾曲された保持部２０，２０が形成されている。前記ビットグリップ１８を 前記ビット取付部材１３の上面に位置させた状態で、ビットグリップ１８の貫通 孔２３を貫通するねじ２１を前記ビット取付部材１３のねじ穴１７に螺合させて 締付けることにより、ビットグリップ１８をビット取付部材１３に固着するよう になされている。前記ビット取付部材１３と、ねじ２１によりこのビット取付部 材１３に固定されたビットグリップ１８とにより、ビット４をビット収納用凹部 ９の内部に弾性力により保持するためのビット保持手段４０を構成している。

【００１５】 そして、本実施例装置を組立てるには、図８に示すように、前記工具本体１の 各ハウジング２，３が分離された状態（図２の状態）で、前記ビットグリップ１ ８が固着されたビット取付部材１３の係合フランジ１４，１４を、前記各ハウジ ング２，３に形成された収納用凹部９の係合孔１２，１２にそれぞれ係合させ、 その後、各ハウジング２，３を当接して複数のねじ２２により各ハウジング２， ３を互いに接合固定させることにより、前記ビット取付部材１３を工具本体１の ビット収納用凹部９の内側中央部に固着することができるようになされている（ 図３（Ａ），（Ｂ）参照）。これにより、前記ビット収納用凹部９の内側に、前 記ビット取付部材１３により仕切られ且つ前後方向に長い２つのビット収納部３ ０，３１が形成されることになり（図４参照）、前記各ビット収納部３０，３１ の内部に所定のビット４，４をそれぞれ押込むことにより、前記ビットグリップ １８のグリップ片１９の弾性力およびグリップ片１９の保持部２０の弾性力によ り前記ビット４，４をビット収納用凹部９の内部に保持することができるように なっている。

【００１６】 次に、本実施例の操作方法及び動作について説明する。 まず、前記工具本体１のチャック５に所望のビット４を装着した後、操作者が 工具本体１を把持して指を前記トリガスイッチ６に掛け、このトリガスイッチ６ を引き操作することにより、駆動モータが回転駆動されてチャック５が回転する とともに、前記チャック５に装着されたビット４が回転し、ワークに対して所望 の加工を行なう。

【００１７】 次に、チャック５に取付けられた前記ビット４を他のビット４に交換する場合 は、指を前記取出し凹部１０内に挿入するとともに、前記工具本体１のビット収 納用凹部９のビット収納部３０，３１に収納された所望のビット４の側面に指を 掛けながら、前記ビット４をビットグリップ１８のグリップ片１９及び保持部２ ０の弾性力に抗して下方に（図１中矢印Ｂ）引出すことにより、前記ビット４を 容易に取り出すことができる。そして、この取り出したビット４を工具本体１の チャック５に装着する。一方、チャック５から取外したビット４を、前記ビット 収納用凹部９の下方から、ビットグリップ１８のグリップ片１９及び保持部２０ の弾性力に抗して上方に（図１中矢印Ｃ）押込むことにより、前記ビット４をビ ット収納用凹部９のビット収納部３０，３１のいずれか一方に収納することがで きるようになっている。

【００１８】 したがって、本実施例においては、工具本体１の下部表面１ａに開口されたビ ット収納用凹部９に取付けられたビットグリップ１８のグリップ片１９の弾性力 に抗して、ビット４を引出しあるいは押込むことにより、ビット４の出し入れ操 作を行なうことができる。しかも、従来は必要であった蓋の開閉操作やケースの 出し入れ操作等を、本実施例では行なう必要がないので、極めて容易にビット４ の出し入れ操作を行なうことができる。

【００１９】 なお、前記実施例においては、ビット収納用凹部９を工具本体１の下部表面１ ａ側に形成した場合について説明したが、工具本体１の上面、側面あるいは複数 箇所に形成するようにしてもよいし、また、ビット取付部材１３を複数並設する ことにより、ビット収納用凹部９の内部に複数のビット収納部を形成して３つ以 上のビット４を収納することができるようにしてもよい。

【００２０】

【考案の効果】

以上述べたように本考案に係る電動工具は、工具本体の表面に開口されたビッ ト収納用凹部に、ビットを引出し押込むことによりビットの出し入れ操作を行な うようにしているので、従来必要であった蓋の開閉操作やケースの出し入れ操作 等を行なう必要がなく、極めて容易にビットの出し入れを行なうことができる等 の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１乃至図８は本考案の一実施例を示す図で、
図１は本考案に係る電動工具の一部省略した外観を示す
正面図である。

【図２】ベースカバーハウジングの分割面の正面図で、
ビット取付部材をビット収納用凹部に取付ける前の状態
を示している。

【図３】同図（Ａ）はビット取付部材がビット収納用凹
部に取付けられた状態のベースカバーハウジングの正面
図であり、同図（Ｂ）は同図（Ａ）中のIII線部分断面
図である。

【図４】図１のIV−IV線断面図である。

【図５】図１の部分底面図である。

【図６】本考案のビット保持手段の分解図である。

【図７】図６に示すビット保持手段の分解斜視図であ
る。

【図８】工具本体の分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 工具本体 ４ ビット ５ チャック ９ ビット収納用凹部 ４０ ビット保持手段 Ｆ 工具本体の前方先端部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 工具本体の前方先端部に、所望のビット
   を着脱可能に装着するためのチャックを有する電動工具
   において、前記工具本体に、その表面に開口するビット
   収納用凹部を形成し、このビット収納用凹部の内部に前
   記ビットを弾性力により保持するビット保持手段を前記
   ビット収納用凹部に配設したことを特徴とする電動工
   具。