JPH041041A - 被覆ポリエステルフィルムおよびそれを用いた蒸着フィルム - Google Patents

被覆ポリエステルフィルムおよびそれを用いた蒸着フィルム

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JPH041041A
JPH041041A JP2103999A JP10399990A JPH041041A JP H041041 A JPH041041 A JP H041041A JP 2103999 A JP2103999 A JP 2103999A JP 10399990 A JP10399990 A JP 10399990A JP H041041 A JPH041041 A JP H041041A
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浩三 前田
Katsuro Kuze
勝朗 久世
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、その表面に形成されるべき蒸着層との接着性
が、水の存在下においても極めて優れ、均質な蒸着層を
形成し得る被覆ポリエステルフィルム、およびそれを用
いた蒸着フィルムに関する。
(従来の技術) 金属や金属酸化物が蒸着されたポリエステルフィルム、
特に金属蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムはガ
スバリヤ−性、水分不透過性、可視・紫外光の遮蔽性、
熱線反射性などに優れるため、各種の用途に利用されて
いる。例えば、食品や工業部品用の包装材料、装飾用材
料、窓ガラスの遮蔽用材料、金・銀糸用材料、各種保護
被膜用材料などに利用されている。しかし、上記蒸着フ
ィルムの基材層と蒸着層との接着性(密着性)、特に水
が存在する場合の接着性は必ずしも充分であるとはいえ
ない。例えば、金属蒸着されたポリエステル系基材フィ
ルムのフィルム表面にポリオレフィン系樹脂でなるヒー
トシール層が積層されたヒートシールフィルムで食品を
包装した場合に、殺菌を目的として煮沸処理を行うと、
蒸着層が容易に剥離するという欠点がある。
ポリエステル基材フィルムと金属蒸着層との接着力を改
善する方法としては、例えば、特公昭55−232号公
報および特開昭56−16549号公報に、ボ、リエス
テルの他に他の共重合体組成物を混合して基材フィルム
を調製する方法が開示されている。さらに、特開昭57
−87357号公報には、基材フィルムの表面状態を物
理的に変化させる方法が、そして、特公昭59−514
24号公報には、基材フィルム表面に特定の樹脂組成物
溶液を塗布して該樹脂組成物の層を形成する方法が開示
されている。しかし、これらの方法を採用しても基材フ
ィルムもしくは積層フィルムと金属蒸着層との接着性は
、いまだ充分にあるとはいえず、水、特に熱水の存在下
においてはその接着性が不充分である。さらに、上記方
法のうちで、特公昭59−51424号公報に記載の樹
脂組成物溶液を塗布する方法においては、有機溶剤が使
用されるため引火性や毒性が憂慮され、作業上の危険を
伴う。公害発生、省エネルギーなどの点からも好ましく
ない。
基材フィルムとその表面に形成される被覆層との水の存
在下における接着性を高める方法としては、例えば、特
公昭55−45835号公報および特公昭55−128
70号公報に、基材フィルムと印刷層との接着性を改善
する方法が開示されている。この方法によれば、基材フ
ィルムに特定の組成のポリエステルがブレンドされる。
しかし、この方法は、基材フィルムに積層される層が印
刷層である場合には比較的硬れた効果が得られるが、積
層される層が金属蒸着層である場合には、水の存在下、
特に熱水の存在下における接着性がなお充分であるとは
いえない。
ポリエステル基材とそれに積層される層との接着性を向
上させる下塗り剤として1例えば特開昭48−3748
0号公報には、特定のポリエステル系41tおよびポリ
エーテル系樹脂組成物が開示されている。これらの樹脂
組成物は基材となるポリエステルに対する接着性は良好
であるが、積層されるべき金属蒸着層に対する接着性が
不充分であることが多い。さらに、上記樹脂組成物を基
材に塗布する場合には有機溶剤が使用されるため、上記
特公昭59−51424号公報の場合と同様、引火性や
毒性のため作業上の危険を伴う。
有機溶剤を使用しないで基材フィルム上に下塗り層を形
成する方法としては、特公昭54−16557号公報に
、含有成分を水溶性に変化させた組成物を含む水性溶液
を塗布する方法が開示されている。
しかし、使用される組成物が本質的に水溶性であるため
、例えば得られた蒸着フィルムは耐水性に乏しいという
欠点がある。製造工程においても水系溶媒は疎水性の基
材フィルムに対して濡れが悪く、均一な塗膜が得られに
くいという欠点もある。
このように、金属などの無機蒸着層との接着性、特に水
の存在下における接着性が良好であり、例えば得られた
製品をボイル処理することが可能であるようなポリエス
テルフィルムおよびそれを用いた蒸着フィルムは得られ
ていない。
ポリエステルフィルムの被覆層として、特定のポリエス
テル型ウレタン系樹脂を用いることによって、無機蒸着
層との接着性に優れ、ボイル処理が可能なポリエステル
フィルムを得ることが可能である。しかし、このような
フィルムは、蒸着層を形成するまでに、フィルムの保存
、巻き取り、巻き出しなどの工程で、種々の応力を受け
、この応力によって、被覆層の表面に微小な変形が生じ
る場合が多い。このように、微小な変形が発生した被覆
層に、蒸着層を積層した場合、蒸着層が不均質となり、
蒸着層に微細な欠陥が生じる。そして、このような微細
な欠陥を有する蒸着フィルムは、ガスバリアー性に劣る
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記従来の課題を解決するものであり、その目
的とするところは、金属蒸着層との層間接着性、特に水
の存在下における接着性に優れ、かつ均質でガスバリア
ー性に優れた蒸着層を形成し得る、ポリエステルフィル
ムおよびそれを用いた蒸着フィルムを提供することにあ
る。
(課題を解決するための手段および作用)本発明の被覆
ポリエステルフィルムは、ポリエステル系樹脂でなる基
材フィルムの少なくとも片面に樹脂被覆層が形成された
被覆ポリエステルフィルムであって、該樹脂被覆層が、
エステル結合を有するセグメントを分子内に少なくとも
一種含有する、水不溶性の熱可型性樹脂を主成分とする
組成物により形成され、そして、該樹脂被覆層を形成す
る樹脂組成物の、下式に示す微小変形回復率Rが、90
%以上であり、そのことにより上記目的が達成される: 1−LO ここで、LOは、静的荷重(20g)と矩形波状筒N(
±10g、 0102H2)とを合わせて試料に負荷し
たときに、該合わせた荷重を負荷し始めてから3.75
分以降であって、かつ矩形波状荷重が次に負荷される直
前時における試料の長さを表し、Llは、該矩形波状荷
重が付与された時の最大試料長さ、そして、Llは、該
矩形波状荷重が解除された時の最小試料長さを表す。
本発明の蒸着ポリエステルフィルムは、上記被覆ポリエ
ステルフィルムの該樹脂被覆層表面に無機物蒸着層が設
けられてなる。
本発明の被覆ポリエステルフィルムに用いられる基材フ
ィルムとしては、熱可塑性ポリエステル系樹脂のフィル
ム、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのフ
ィルムが好適である。
特にその成分の80%以上がポリエチレンテレフタレー
トに相当する(つまりテレフタル酸成分およびエチレン
グリコール成分が全成分の80%以上である)共重合ポ
リエステルフィルム、またはポリエチレンテレフタレー
トを80%以上の割合で含有するポリエステルブレンド
フィルムが好適に用いられる。このような共重合ポリエ
ステルフィルムまたはポリエステルブレンドフィルムの
、上記ポリエチレンテレフタレート成分以外のポリエス
テル成分は、任意のポリエステル成分であり得る。
そのようなポリエステルを構成するジカルボン酸成分と
しては、芳香族、脂肪族および脂環族のジカルボン酸の
いずれもが使用され得る。芳香族ジカルボン酸としては
、イソフタル酸、オルソフタルil、2.6−ナフタレ
ンジカルボン酸などが、脂肪族ジカルボン酸としては、
コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、シ二つ酸などが、
そして、脂環族ジカルボン酸としては、1.3−シクロ
ペンタンジカルボン酸、l、4−シクロへ牛サンジカル
ボン酸などがある。芳香族ジカルボン酸としては、p−
ヒドロキシ安息香酸などのオ手シ酸の一部が好適に利用
される。上記ポリエステルを構成するグリコール成分と
しては、炭素数2〜8個の脂肪族グリフールまたは炭素
数6〜12個の脂環族グリコールが好適である。このよ
うなグリコールとしては、エチレングリコール、1.2
−フロパンジオール、1.3−プロパンジオール、1.
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、 16
−ヘキサンジオール、1.2−シクロヘキサンジメタツ
ール、1.3−シクロへ牛サンジメタツール、1.4−
シクロヘキサンジメタツール、p−キシレングリコール
、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなど
がある。この他、脂肪族グリコールとしてポリエーテル
グリコールを使用することも可能であり、それにはポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコールなどがある。
これらの酸成分とジカルボン酸成分とは、通常の方法に
より重合(あるいは共重合)されてポリエステルが調製
される。このポリエステルは、必要に応じて、適宜混合
され、通常、溶融・押出により、あるいは溶剤に溶解さ
せて牛ヤスティングすることによりフィルム(基材フィ
ルム)に成形される。使用される基材フィルムは、必要
に応じて、−軸もしくは二軸延伸される。
上記基材フィルムの表面の樹脂被覆層に用いられる樹脂
組成物は、分子内にエステル結合を形成しているセグメ
ントを少なくとも一種含有する、水不溶性の熱可塑性樹
脂を主成分とする。そして、樹脂被覆層を形成する樹脂
組成物の微小変形回復率Rが、90%以上である。微小
変形回復率Rは、樹脂組成物が応力を受けて変形した場
合の樹脂組成物の回復力を表す。微小変形回復率Rが、
90%未満であると、製造工程における種々の応力によ
って、被覆層の表面に微小な変形が生じ易く、さらにそ
の変形が永久的に保持される。そのため、この被覆層の
上層に蒸着層を形成した場合に蒸着層が不均質となり、
蒸着層のガスバリアー性が低下する。
このような樹脂被覆層を形成する熱可塑性樹脂は、上記
の特性を満足すれば、特に制限されない。
ポリエステル系共重合体、アクリル系共重合体、ポリエ
ステル型ポリウレタン系共重合体および、これらの混合
物が好ましく使用される。特に好ましくけポリエステル
型ポリウレタン系重合体およびその誘導体が用いられる
。これら熱可塑性樹脂が、エステル結合を有するセグメ
ントを、重合体分子内に含まない場合は、被覆層と基材
ポリエステルフィルムとの密着性が不十分となるため好
ましくない。例えば、ポリエーテル型ポリウレタン重合
体またはポリアミド系重合体を用いた場合は、基材フィ
ルムと被覆層との密着性が低いため、被覆層が基材フィ
ルムから剥離し易い。
ポリエステル系共重合体は、1種以上のジカルボン酸成
分と1種以上の多価アルコールとから得られるエステル
縮重合体である。特に、水に不溶であり;かっ、水また
は有機溶媒に分散性であるか、または有機溶媒に可溶な
共重合体が好ましく使用される。そして、共重合体のガ
ラス転移温度が20〜80℃であることが好ましい。上
記ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの
芳香族ジカルボン酸、およびそれらのアルキルエステル
、またはそれらにスルホネート、ホスフェート、カルボ
キシレートなどの置換基が導入された誘導体;アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、コハク酸、シュウ酸な
どの脂肪族ジカルボン酸、およびそれらの誘導体;およ
び、シクロへ牛サンジカルボン酸、シクロペンタンジカ
ルボン酸などの指環族ジカルボン酸、およびそれらの誘
導体;などが用いられる。上記多価アルコール成分とし
ては、炭素数が2以上の脂肪族グリフール、脂環族グリ
コール、ビスフェ/−ル系化合物などが用いられる。
アクリル系重合体としては、アクリル酸、メタクリル酸
などのα、β不飽和カルボン酸のエステルを、単量体成
分として50モル%以上含有する重合体が用いられる。
このようなα、β不飽和カルボン酸エステルとしては、
 (メタ)アクリル酸メチル、 (メタ)アクリル酸エ
チル、 (メタ)アクリル酸プロピル、 (メタ)アク
リル酸ブチル、 (メタ)アクリル酸アミル、 (メタ
)アクリル酸へ牛シル、 (メタ)アクリル酸2−エチ
ルへキシルなどのアルキルエステル; (メタ)アクリ
ル酸フェニルなどの芳香族アルコールとのエステル;(
メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの脂環族アルコー
ルとのエステルが挙げられる。このようなアクリル系重
合体には、50モル%より少ない範囲であれば、上記以
外の単量体を共重合成分として含有してもよい。そのよ
うな単量体としては、スチレン系単量体、あるいは、ヒ
ドロキシル基、カルボキシル基、グリシジル基、アミ7
基、アミド基、スルホン基などの官能基を有するビニル
単量体が挙げられる。
上記ポリエステル型ポリウレタン系共重合体は、ポリエ
ステルポリオール、ジインシアネート、および、必要に
応じて、2個以上の活性水素を有する低分子化合物から
調製される。
上記ポリエステルポリオールは、ジカルボン酸とグリコ
ールとの反応によって得られる。これらのうちジカルボ
ン酸としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸
がいずれもが使用され得る。
脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸、シュウ酸などが用いられる
。脂肪族以外のジカルボン酸のうち芳香族ジカルボン酸
としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル
酸、2.6−ナフタレンジカルボン酸などがある。p−
ヒドロキシ安息香酸のようなオキシ酸の一部も用いられ
得る。脂環族ジカルボン酸としては、 1,3−シクロ
ペンタンジカルボン酸、1.2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、 1.3−シクロへ牛サンジカルボン酸、1.
4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。
ポリエステルポリオールを形成するグリコール成分とし
ては、炭素数2以上の脂肪族グリコール類および脂環族
グリコール類がいずれも使用され得る。炭素数4以上の
アルキレングリコール類(例えば、ブタンジオール、ヘ
キサンジオール)と、脂環族グリコール類(例えば、シ
クロへ牛サンジメタツール)またはビスフェノール系化
合物とを併用することが好ましい。
上記ジカルボン酸成分と多価アルコール成分とを用い、
通常、溶融重縮合法により、ポリエステルポリオールが
調製される。例えば、上記各成分を直接反応させて水を
留去しエステル化するとともに、重縮合を行なう直接エ
ステル化法;あるいは上記ジカルボン酸成分のジアルキ
ルエステルとグリコール成分とを反応させてアルコール
を留出しエステル交換を行わせるとともに重縮合を行な
うエステル交換法などにより調製される。溶融重合法の
他、溶液重縮合法、界面重縮合法なども採用され得る。
このようにして調製されるポリエステルポリオールは、
ガラス転移温度が4(1’c以下であることが好ましい
。ポリエステルポリオールのガラス転移温度が40°C
を上回る場合は、被覆層と基材フィルム、あるいは、被
覆層と蒸着層との層間接着力が低下する場合がある。
このようにして得られるポリエステルポリオールに反応
させるジインシアネート類としては、芳香族、脂肪族、
および指環族ジイソシアネートがいずれも使用され得る
。例えば、トルイレンジイソシアネートのような芳香族
ジイソシアネートが好適である。このような芳香族ジイ
ソシアネートを用いて得られるポリウレタンを含む組成
物が形成する被覆層は強度が高く、得られる被覆フィル
ムの蒸着層との水存在下における接着性にも優れる。
上記ポリエステルポリオールに上記ジイソシアネートを
通常の方法により反応させて、ポリウレタンが得られる
。さらに、ジオール、ジアミンなどの2個以上の活性水
素を有する低分子化合物(鎖延長剤)を反応させて鎖延
長させることも可能である。上記ジオールとしては1,
6−へ牛サンジオールなどが、ジアミンとしてはエチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジンなど
が用いられ得る。特に、ジアミンを用いた場合には、被
覆層に好ましい膜強度が付与される。
好ましい実施態様としては、このようにして得られるウ
レタン系樹脂の中で、実質的に水不溶性で、かつ水分散
性の熱可塑性ポリウレタンが使用される。ここで「実質
的に水不溶性である」とは、試験すべきポリウレタンを
80°Cの熱水に浸漬し攪拌しても、この熱水中に該重
合体が消散しないことをいう。さらに具体的には、試験
すべきポリウレタンをチップ状とし、これを大過剰の熱
水(8゜”C)に入れ、24時間攪拌を行なったときに
、該重合体の重量の減少が5重量%以下であることをい
う。
これらの被覆層を形成する組成物には、さらに各種の添
加剤が含有されていてもよい。それには例えば、シリカ
、炭酸カルシウム、カオリナイト、アルミナ、タルク、
硫酸バリウムなどの無機不活性粒子;ベンゾグアナミン
系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの有機不活性粒子(い
ずれも粒径0,01〜10μm程度)があり、これらを
添加することにより、滑り性や耐ブロッキング性が改良
され得る。
さらに必要に応じて顔料;有機系、無機系の制電剤;防
腐剤;消泡剤;紫外線吸収剤などが用いられ得る。添加
剤の種類および量は、得られる被覆フィルムの水の存在
下における蒸着層との層間接着力を大きく阻害しない限
り、特に制限されない。
上記基材フィルム上に樹脂被覆層を形成する方法として
は、複数の押し出し機を備えたフィルム成形ダイを用い
て、基材フィルムと被覆層樹脂組成物とを同時に成形す
る方法;基材フィルム上に、被覆層樹脂組成物を溶融押
し比しして被覆層を形成する方法;基材フィルムと被覆
層樹脂組成物とをそれぞれシート状に成形した後、これ
らを積層する方法;あるいは、上記樹脂組成物を溶液ま
たは分散液として、基材フィルム上に塗布する方法など
公知の任意の方法が適用され得る。特に、樹脂組成物の
溶液または分散液を塗布する方法が好ましく使用され得
る。さらに、安全性、経済性などを考慮すると、樹脂組
成物の水系分散液を塗工する方法が最も好ましい。
まず、被覆層を形成する樹脂組成物を、種々の方法によ
り水系分散液とする。例えば、上記樹脂組成物の微粒子
と乳化剤とを水中に加え、強攪拌下で分散させる方法;
上記樹脂組成物がウレタン系樹脂である場合には、ポリ
ウレタンを合成するときに、末端にインシアネート基を
有するポリウレタン(プレポリマー)、鎖延長剤および
乳化剤を水中で強攪拌して反応させ、機械的剪断力によ
る分散化と高分子量化を同時に行う方法;重合体の側鎖
または末端に水酸基、アミン基、カルボ牛シル基などの
イオン性基を導入することにより自己乳化性を付与して
分散させる方法などが用いられる。得られる被覆膜の耐
水性を考慮すると、乳化剤を使用しない方法が望ましい
。得られた樹脂組成物の分散液には、必要に応じて上記
の各種添加物が加えられ、あるいは上記分散工程におい
てこれらの添加剤が適宜添加されて均一な水系分散液が
調製される。
上記水性分散液は、上記基材フィルム上に既知の方法に
より塗工される。例えば、溶融・押出により得られた未
延伸の基材フィルム、あるいは該未延伸フィルムを一軸
もしくは二軸延伸した基材フィルム上に上記分散液の塗
工が行われ、必要に応じてさらに延伸および後加熱処理
が行われる。
未延伸または、−軸方向に延伸した基材フィルム上に分
散液を塗工し、さらに−軸または二軸延伸し、熱処理し
て得られる二軸配向フィルムが、被覆層の密着性、経済
性などの点から好適である。
特に作業性の面からは、−軸延伸した基材フィルム上に
分散液を塗工し、次に直交する方向に延伸して二軸延伸
フィルムを得る方法が好適である。
上記水性分散液の塗工には、ロールコーティング法(グ
ラビア法、リバース法など)、ナイフコーティング法、
ロッドコーティング法、ノズルコーティング法、エアー
ナイフコーティング法など既知の方法がいずれも採用さ
れ得る。塗工量は、目的に応じて決められるが1通常、
二軸延伸などを行い最終的に得られる被覆層の単位面積
(m2)当りに存在する樹脂組成物の量が、  0.0
1〜5g、好ましくは0.02〜1gとなるように塗工
される。
樹脂組成物のtが、O,01g7m 2を下まわると所
望の効果が得られず、5g/m2を越えると得られる被
覆フィルムがブロッキングじやすい。さらに、得られた
被覆フィルムに金属蒸着を施した場合に、これを熱水処
理すると蒸着面の光沢が失われるという欠点もある。組
成物の水性分散液を塗工する際には、必要に応じて、基
材フィルム表面にコロナ処理、または物理的、化学的表
面処理が行われてもよい。
このようにして得られる本発明の被覆ポリエステルフィ
ルム表面に無機物が蒸着される。蒸着されるべき無機物
としては、金属、金属酸化物、金属以外の無機酸化物な
どが用いられる。上記金属としては、金、銀、アルミニ
ウム、亜鉛、錫、銅、ニッケル、鉄、コバルト、クロム
、マンガン、パラジウム、チタン、インジウムなどが用
いられる。
特にアルミニウムが汎用される。無機酸化物としては酸
化硅素化合物などが用いられる。これらは1種もしくは
2種以上が組み合わせて用いられる。
これらの無機物は、通常の方法で上記被覆フィルムの被
覆膜表面に蒸着される。真空蒸着法などが好適に用いら
れる。このようにして得られる蒸着ポリエステルフィル
ムは、各種用途に用いられる。
特に、被覆層上に金属や金属酸化物を蒸着して得られる
蒸着層上に、各種樹脂素材でなるシートもしくはフィル
ムを積層して食品包装材料などに好適に利用することが
可能であり、このような積層体は熱水中に浸漬しても剥
離が起こらない。上記積層すべきシートやフィルムを構
成する樹脂材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、各種アイオノマー エチレン−酢酸ビニル共重合体
、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリエステル、ポリア
ミドなどが用いられる。
このように、本発明の被覆ポリエステルフィルムは、基
材と被覆層との層間接着性、および被覆層とその表面に
形成される層、特に蒸着層との層間接着性に優れる。従
って、これを用いて得られる本発明の蒸着フィルムは、
蒸着層の密着性、特に水の存在下における接着性に極め
て優れる。さらに、本発明の被覆ポリエステルフィルム
は、被覆層を形成する樹脂組成物の微小変形回復率が特
定の条件を満足するため、被覆層に種々の応力が付与さ
れても被覆層が永久的に変形することがなく、均一な表
面を保つ。−そのため、この被覆ポリエステルフィルム
の表面に無機物蒸着層を積層した場合、均質な層を形成
することができ、得られる蒸着フィルムの蒸着層がガス
バリアー性に優れる。
このように本発明の蒸着フィルムは優れた特性を有する
ので、酸素不透過性などのガスバリアー性が要求される
食品包装用フィルムとして特に好適に用いられる。
(実施例) 以下に本発明を実施例について述べる。しかし、本発明
の被覆ポリエステルフィルムおよび蒸着フィルムの製造
方法は、以下の実施例に限定されるものではない。
太JLLL (1)被覆層樹脂組成物およびその水性分散液の調製:
温度計、窒素ガス導入管、および攪拌機を備えた反応容
器中に、ジカルボン酸成分としてアジピン酸lOOモル
%;グリコール成分として1,6−へ牛サンジオール5
0モル%、1.4−ブタンジオール30モル%、および
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物
20モル%を入れ、テトラブトキシチタネートを触媒と
して、反応容器に窒素ガスを導入しながら、常法により
、重縮合反応を行った。この重合反応により、分子量が
約1000、ガラス転移温度Tgが、−10℃の軟質ポ
リエステルポリオールを得た(ポリエステルポリオール
aとする)。
別に、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸45%/l
/%、イソフタル酸40モル%およびアジピン酸15モ
ル%;グリコール成分としてエチレングリコール50モ
ル%、およびネオペンチルグリコール50モル%とを用
いて、上記と同様にして、縮重合反応を行った。この重
合反応により、分子量が約1000、Tgが約30℃の
硬質ポリエステルポリオールを得た(ポリエステルポリ
オールbとする)。
上記で得られた各ポリエステルポリオールをメチルエチ
ルケトン溶液とし、これに、水性化剤として、ペンダン
トカルボキシル基を有するジオールであるジメチルプロ
ピオン酸を添加する。ジメチルプロピオン酸の添加量は
、最終的に調製されるポリエステルウレタンウレア中で
ペンダントカルボキシル基がしめる割合が3.5重量%
となるように調整した。次いで、ポリエステルポリオー
ルに対して等量の2.4−トリレンジイソシアネートを
主体とする芳香族ジイソシアネートを添加し、ウレタン
化反応を行い、ウレタンプレポリマーを得た。
得られたウレタンプレポリマーにピペラジンを反応させ
て鎖延長を行い、最終的な分子量が3.500〜40、
000のポリエステルウレタンウレアを調製した。
このポリエステルウレタンウレアは、水不溶性で、水分
散性である。得られたポリエステルウレタンウレアのメ
チルエチルケトン溶液に、水および、ペンダントカルボ
キシル基と等量のトリエチルアミンを添加して、中和反
応を行った後、減圧下でメチルエチルケトンを留去し、
固形分が25重置%の水性分散体を得た。
上記ポリエステルポリオールaを用いて調製したポリエ
ステルウレタンウレア水性分散体Aと、上記ポリエステ
ルポリオールbを用いて調製したポリエステルウレタン
ウレア水性分散体Bとを、3ニアの重量比となるように
混合し、これをイオン交換水とインプロピルアルコール
との等量混合溶媒中に添加して、固形分が5重量%の水
性分散液を得た。
(2)mlフィルムの調製:ポリエチレンテレフタレー
トを280〜300℃で溶融押出し、15℃の冷却ロー
ルで冷却して、厚さ約150μ謬の未延伸フィルムを得
た。この未延伸フィルムを、周速の異なる85°Cの一
対のロール間で縦方向に3.5倍延伸し、これを基材フ
ィルムとした。次いで、上記(1)項で得られたボリエ
ステルウレタンクレアの水性分散液をロールコータ一方
式で基材フィルムに塗布し、70℃の熱風で乾燥し、次
いでテンターで98°Cで横方向に3.5倍延伸し、さ
らに200〜210°Cで熱固定し、厚さ12μmの二
輪延伸コーティングポリエステルフィルムを得た。最終
的なコート剤(被覆用組成物)!!!!布置は約0.0
4g/m2であった。この被覆フィルムの被覆層表面に
、アルミニウムを600人の厚みに蒸着して、蒸着フィ
ルムを得た。
(3)被覆層樹脂組成物の微小変形回復率の測定:上記
(1)項で得られたポリエステルウレタンウレア水性分
散液を平坦なポリプロピレンフィルム上に塗布し、常温
常圧で24時間、次いで70℃、減圧下で12時間乾燥
し、膜厚が約0.3mmの樹脂膜を得た。これを5 X
 24mmに切断して試験片とし、室温下、55%RH
の湿度下で48時間調湿して用いた。
微小変形回復率の測定は熱機械分析装置を用いて、引っ
張り測定の方法に従って実施した。まず、ストレススト
レイン測定システム付き熱機械分析装置(理学電機社製
)の、ストレスストレイン測定システムを動作状態にし
、Logの分銅を標準として20gレンジでフルスケー
ルの調節を行った。その後ストレスストレイン測定シス
テムの電源を切り、本体の部分のみでバランスをとり、
10gの分銅を標準として荷重が20gとなるように調
節した。上記で調製した試験片を調湿器から速やかに取
り出し、測定部分の長さが20mmとなるように熱機械
分析装置に装着し、25°Cで、20gの静的荷重と、
0.02Hz、±Logの矩形波状荷重とを試験片に負
荷し、応答型をTMAレンジ±50〜500μmの感度
範囲内で測定した。
矩形波状荷重の1周期に対応する応答歪曲線の1例を第
1図に示す。微小変形回復率Rは、試験片に荷重を負荷
し始めてから3.75分以降に、最初の矩形波状荷重の
立ち上がりがある、1周期に対応する応答歪曲線から、
次の式にしたがって算出された。
ここで、LOは、静的荷重(20g)と矩形波状荷重(
±Log、0.02Hz)とを合わせて試験片に負荷し
たときに、該合わせた荷重を負荷し始めてから、3.7
5分以降であって、かつ矩形波状荷重が次に負荷される
直前時における試料の長さを表し、Llは、該矩形波状
荷重が付与された時の最大試料長さ、そして、Llは、
該矩形波状荷重が解除された時の最小試料長さである。
LOlLl、およびLlは、第1図中のLOlLl、お
よびLlに対応する。このようにして測定した被覆樹脂
組成物の微小変形回復率を、後述の実施例2〜4および
比較例1〜4で用いた被覆樹脂組成物の微小変形回復率
とともに表1に示す。
(4)!着フィルムの性能評価 (a)層間接着力の測定二上記(2)項で得られた蒸着
フィルムの蒸着層表面に厚さ60μmの未延伸ポリプロ
ピレン(PP)シートを通常のドライラミネート法によ
り積層した後、エージング処理を行った。得られた積層
体を15−幅の短冊状にカットし、95°C以上の沸騰
水に30分間浸漬した。このようなボイル処理を行った
後、積層体の端部のPPフィルムと基材フィルムとを一
部剥離し、剥離した端部をそれぞれ東洋ボールドウィン
社製テンシロンのチャックに固定し、200mn/分の
速度で長さ方向に引っ張り、T型剥離を行い、層間接着
力(g/15−)を測定した。
(b)酸素透過度の測定: ASTM−D−1437−
75の方法に準じて、上記(2)項で得られた蒸着フィ
ルムの酸素透過度を測定した。
このようにして測定した蒸着フィルムの層間接着力およ
び酸素透過度を、後述の実施例2〜4および比較例1〜
5の結果とともに表1に示す。
K皿匹主 ポリエステルウレタンウレア水性分散体AとBとの混合
比を2=8としたこと以外は、実施例1と同様にして蒸
着フィルムを調製した。
支敷己ユ ポリエステルウレタンウレア水性分散体として分散体B
のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして蒸着フ
ィルムを調製した。
K敷鯉土 ポリエステルウレタンウレア水性分散体AとBとの混合
比を5:5としたこと以外は、実施例1と同様にして蒸
着フィルムを調製した。
ルl」レエ ポリエステルウレタンウレア水性分1体として分散体A
のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして蒸着フ
ィルムを調製した。
よΔ興主 ポリエステルウレタンウレア水性分散体A (!−Bと
の混合比を8=2としたこと以外は、実施例1と同様に
して蒸着フィルムを調製した。
嵐Δ五1 ポリエステルウレタンウレア水性分散体AトBとの混合
比を6:4としたこと以外は、実施例1と同様にして蒸
着フィルムを調製した。
L聚立土 被覆樹脂組成物の水性分散体として、水分散型ポリエス
テル共重合体パイロナールMD−1100(東洋紡■製
)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして蒸着フィ
ルムを調製した。
よΔ匠旦 被覆樹脂組成物を用いて基材フィルムを被覆しなかった
こと以外は実施例1と同様にして蒸着フィルムを調製し
た。
(以下余白) 表1 表1から明らかなように、本発明の被覆ポリエステルフ
ィルムを用いて調製した実施例1〜4の蒸着フィルムは
、ボイル処理後も蒸着層と基材フィルムとの間の層間接
着力が高く、耐ボイル性に優れる。一方、被覆層が形成
されていない、比較例5の蒸着フィルムは、蒸着層と基
材フィルムとの層間接着力が著しく低く、充分な耐ボイ
ル性がない。さらに、被覆層を形成する樹脂組成物の微
小変形回復率Rが90%以上である、本発明の蒸着フィ
ルム(実施例1〜4)は、蒸着層の酸素透過性が低く、
ガスバリアー性が向上している。逆に、Rが90%未満
の、比較例1〜4の蒸着フィルムは、酸素透過性が高く
、ガスバリアー性に劣ることが明かである。
(発明の効果) 本発明によれば、このように、その表面に形成される層
、特に無機物蒸着層との接着性に優れた被覆ポリエステ
ルフィルムが得られる。そしてこの被lポリエステルフ
ィルムを用いて、水、特に熱水の存在下において、蒸着
層と基材フィルムとの接着力に優れた蒸着フィルムが得
られる。さらに本発明の被覆ポリエステルフィルムは、
保存中および蒸着フィルムの製造工程で被覆層に微小な
変形欠陥が生じにくいため、均質な蒸着層を形成するこ
とが可能であり、得られる蒸着フィルムがガスバリアー
性に富む。このような蒸着フィルムは食品包装用フィル
ム、装飾用材料、各種保護フィルムなどの用途に利用さ
れ、特に熱水による加熱処理が行われる食品色装用フィ
ルムに好適に用いられる。
4、     の    なU 箪1図は、被覆層樹脂組成物の微小変形回復率の測定に
おいて、試験片に負荷された矩形波状荷重の1周期に対
応する応答歪曲線の1例を表す図である。第1図におい
て、toは、矩形波状荷重の立ち上がり時刻、tlは、
この矩形波状荷重の立ち下がり時刻、そして、t2は、
次の矩形波状荷重の立ち上がり時刻を表し、LOlLl
、およびL2は、それぞれ、tI、 tl、およびt2
時の試料の長さを表す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.ポリエステル系樹脂でなる基材フィルムの少なくと
    も片面に樹脂被覆層が形成された被覆ポリエステルフィ
    ルムであって、 該樹脂被覆層が、エステル結合を有するセグメントを分
    子内に少なくとも一種含有する、水不溶性の熱可塑性樹
    脂を主成分とする組成物により形成され、そして、 該樹脂被覆層を形成する樹脂組成物の、下式に示す微小
    変形回復率Rが、90%以上である、被覆ポリエステル
    フィルム: R(%)=(1−〔L_2−L_0〕/〔L_1−L_
    0〕)×100ここで、L_0は、静的荷重(20g)
    と矩形波状荷重(±10g、0.02Hz)とを合わせ
    て試料に負荷したときに、該合わせた荷重を負荷し始め
    てから3.75分以降であって、かつ矩形波状荷重が次
    に負荷される直前時における試料の長さを表し、L_1
    は、該矩形波状荷重が付与された時の最大試料長さ、そ
    して、L_2は、該矩形波状荷重が解除された時の最小
    試料長さを表す。
  2. 2.請求項1に記載の被覆ポリエステルフィルムの前記
    樹脂被覆層表面に、無機物蒸着層が設けられた蒸着フィ
    ルム。
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