JPH041040A - 被覆ポリエステルフィルムおよびそれを用いた蒸着フィルム - Google Patents

被覆ポリエステルフィルムおよびそれを用いた蒸着フィルム

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JPH041040A
JPH041040A JP2103998A JP10399890A JPH041040A JP H041040 A JPH041040 A JP H041040A JP 2103998 A JP2103998 A JP 2103998A JP 10399890 A JP10399890 A JP 10399890A JP H041040 A JPH041040 A JP H041040A
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規 多保田
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善紀 武川
Kozo Maeda
浩三 前田
Katsuro Kuze
勝朗 久世
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、その表面に形成されるべき蒸着層との接着性
が、熱水の存在下においても極めて優れた被lポリエス
テルフィルム、およびそれを用いた蒸着フィルムに関す
る。
(従来の技術) 金属や金属酸化物が蒸着されたポリエステルフィルム、
特に金属蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムはガ
スバリヤ−性、水分不透過性、可視・紫外光の遮蔽性、
熱線反射性などに優れるため、各種の用途に利用されて
いる。例えば、食品や工業部品用の包装材料、装飾用材
料、窓ガラスの遮蔽用材料、金・銀糸用材料、各種保護
被膜用材料などに利用されている。しかし、上記蒸着フ
ィルムの基材層と蒸着層との接着性(密着性)、特に水
が存在する場合の接着性は必ずしも充分であるとはいえ
ない。例えば、金属蒸着されたポリエステル系基材フィ
ルムのフィルム表面にポリオレフィン系樹脂でなるヒー
トシール層が積層されたヒートシールフィルムで食品を
包装した場合に、殺菌を目的として煮沸処理を行うと、
蒸着層が容易に剥離するという欠点がある。
ポリエステル基材フィルムと金属蒸着層との接着力を改
善する方法としては、例えば、特公昭55−232号公
報および特開昭56−16549号公報に、ポリエステ
ルの他に他の共重合体組成物を混合して基材フィルムを
調製する方法が開示されている。さらに、特開昭57−
87357号公報には、基材フィルムの表面状態を物理
的に変化させる方法が、そして、特公昭59−5142
4号公報には、基材フィルム表面に特定の樹脂組成物溶
液を塗布して該樹脂組成物の層を形成する方法が開示さ
れている。しかし、これらの方法を採用しても基材フィ
ルムもしくは積層フィルムと金属蒸着層との接着性は、
いまだ充分にあるとはいえず、水、特に熱水の存在下に
おいてはその接着性が不充分である。さらに、上記方法
のうちで、特公昭59−51424号公報に記載の樹脂
組成物溶液を塗布する方法においては、有機溶剤が使用
されるため引火性や毒性が憂慮され、作業上の危険を伴
う。公害発生、省エネルギーなどの点からも好ましくな
い。
基材フィルムとその表面に形成される被覆層との水の存
在下における接着性を高める方法としては、例えば、特
公昭55−45835号公報および特公昭55−128
70号公報に、基材フィルムと印刷層との接着性を改善
する方法が開示されている。この方法によれば、基材フ
ィルムに特定の組成のポリエステルがブレンドされる。
しかし、この方法は、基材フィルムに積層される層が印
刷層である場合には比較的優れた効果が得られるが、積
層される層が金属蒸着層である場合には、水の存在下、
特に熱水の存在下における接着性がなお充分であるとは
いえない。
ポリエステル基材とそれに積層される層との接着性を向
上させる下塗り剤として1例えば特開昭48−3748
0号公報には、特定のポリエステル系樹脂およびポリエ
ーテル系樹脂組成物が開示されている。これらの樹脂組
成物は基材となるポリエステルに対する接着性は良好で
あるが、積層されるべき金属蒸着層に対する接着性が不
充分であることが多い。さらに、上記樹脂組成物を基材
に塗布する場合には有機溶剤が使用されるため、上記特
公昭59−51424号公報の場合と同様、引火性や毒
性のため作業上の危険を伴う。
有機溶剤を使用しないで基材フィルム上に下塗り層を形
成する方法としては、特公昭54−16557号公報に
、含有成分を水溶性に変化させた組成物を含む水性溶液
を塗布する方法が開示されている。
しかし、使用される組成物が本質的に水溶性であるため
、例えば得られた蒸着フィルムは耐水性に乏しいという
欠点がある。製造工程においても水系溶媒は疎水性の基
材フィルムに対して濡れが悪く、均一な塗膜が得られに
くいという欠点もある。
このように、金属などの無機蒸着層との接着性、特に熱
水の存在下における接着性が良好であり、例えば得られ
た製品をボイル処理することが可能であるようなポリエ
ステルフィルムおよびそれを用いた蒸着フィルムは得ら
れていないのが現状である。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記従来の課題を解決するものであり、その目
的とするところは、無機物蒸着層との層間接着性、特に
熱水の存在下における接着性に優れ、耐ボイル性に優れ
たポリエステルフィルムおよびそれを用いた蒸着フィル
ムを提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の被覆ポリエステルフィルムは、ポリエステル系
樹脂でなる基材フィルムの少なくとも片面に樹脂被覆層
が形成された被覆ポリエステルフィルムであって、該樹
脂被覆層が、エステル結合を有するセグメントを分子内
に少なくとも一種含有する、水不溶性の熱可塑性樹脂を
主成分とする樹脂組成物により形成され、そして、該樹
脂組成物でなるフィルムの50’Cでの引張り伸度ε(
%)が、100≦ε≦500であり、そのことにより上
記目的が達成される。
本発明の蒸着ポリエステルフィルムは、上記被覆ポリエ
ステルフィルムの該樹脂被覆層表面に無機物蒸着層が設
けられてなる。
本発明の被覆ポリエステルフィルムに用いられる基材フ
ィルムとしては、熱可璽性ポリエステル系樹脂のフィル
ム、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのフ
ィルムが好適である。
特にその成分の80%以上がポリエチレンテレフタレー
トに相当する(つまりテレフタル酸成分およびエチレン
グリコール成分が全成分の80%以上である)共重合ポ
リエステルフィルム、またはポリエチレンテレフタレー
トを80%以上の111合で含有するポリエステルブレ
ンドフィルムが好適に用いられる。このような共重合ポ
リエステルフィルムまたはポリエステルブレンドフィル
ムの、上記ポリエチレンテレフタレート成分以外のポリ
エステル成分は、任意のポリエステル成分であり得る。
そのようなポリエステルを構成するジカルボン酸成分と
しては、芳香族、脂肪族および指環族のジカルボン酸の
いずれもが使用され得る。芳香族ジカルボン酸としては
、イソフタル酸、オルソフタル酸、2.6−ナフタレン
ジカルボン酸などが、脂肪族ジカルボン酸としては、コ
ハク酸、アジピン酸、セバシン酸、シニウ酸などが、そ
して、脂環族ジカルボン酸としては、1.3−シクロペ
ンタンジカルボン酸、 1.4−シクロへ牛サンジカル
ボン酸などがある。芳香族ジカルボン酸としては、pヒ
ドロキシ安息香酸などのオキシ酸の一部が好適に利用さ
れる。上記ポリエステルを構成するグリコール成分とし
ては、炭素数2〜8個の脂肪族グリコールまたは炭素数
6〜12個の脂環族グリコールが好適である。このよう
なグリコールとしては、エチレングリコール、1.2−
プロパンジオール、1.3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1.6−
へ牛サンジオール、1.2−シクロヘキサンジメタツー
ル、1.3−シクロヘキサンジメタツール、1.4−シ
クロへ牛サンジメタツール、p−キシレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどが
ある。この他、脂肪族グリコールとしてポリエーテルグ
リコールを使用することも可能であり、それにはポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコールなどがある。
これらの酸成分とジカルボン酸成分とは、通常の方法に
より重合(あるいは共重合)されてポリエステルが調製
される。このポリエステルは、必要に応じて、適宜混合
され、通常、溶融・押出により、あるいは溶剤に溶解さ
せてキャスティングすることによりフィルム(基材フィ
ルム)に成形゛される。使用される基材フィルムは、必
要に応じて、−軸もしくは二軸延伸される。
上記基材フィルムの表面の樹脂被覆層に用いられる樹脂
組成物は、エステル結合を有するセグメントを分子内に
少なくとも一種含有する、水不溶性の熱可塑性樹脂を主
成分とする。そして、この樹脂組成物でなるフィルムの
、60℃での引張り伸度ε(%)が、100≦ε≦50
0である。樹脂組成物の引張り伸度は、引張り試験にお
いて、樹脂組成物からなるフィルム状の試験片が破断す
る直前の試験片の伸び率(%)で表される。このように
して測定される被覆層樹脂組成物の引張り伸度は、調製
される蒸着フィルムの蒸着層と被覆層との層間接着力に
影響を与える。熱水処理時の層間接着力の尺度としては
、熱水に相当する温度(90〜100℃)における引張
り伸度を用いることが好ましいと考えられるが、そのよ
うな温度では測定値に再現性がなく、60℃での測定値
が、熱水処理時の接着性との間に良好な相関関係を示す
ことから、60℃での引張り伸度を用いた。εが、10
0%未満である場合には、熱水中でボイル処理を行った
時に、フィルムにかかる歪みや応力を被覆層で充分に緩
和することができず、基材と蒸着層間が剥離しやすく、
耐ボイル性に劣る。εが、500%を越える場合は、被
覆層がブロッキングじやすくなり、被覆フィルムの取扱
が困難となる。εは、好ましくは、100≦ε≦300
である。
このような樹脂被覆層を形成する熱可塑性樹脂は、上記
の特性を満足すれば、特に制限されない。
ポリエステル系共重合体、アクリル系重合体、ポリエス
テル型ポリウレタン系重合体および、これらの混合物が
好ましく使用される。特に好ましくはポリエステル型ポ
リウレタン系重合体およびその誘導体が用いられる。こ
れら熱可塑性樹脂が、重合体分子内にエステル結合を有
するセグメントを含まない場合は、被覆層と基材ポリエ
ステルフィルムとの密着性が不十分となるため好ましく
ない。例えば、ポリエーテル型ポリウレタン重合体また
はポリアミド系重合体を用いた場合は、基材フィルムと
被覆層との密着性が低いため、被覆層が基材フ(ルムか
ら剥離し易い。
ポリエステル系共重合体は、1種以上のジカルボン酸成
分と1種以上の多価アルコールから得られるエステル縮
重合体である。特に、水に不溶であり;かつ、水または
有機溶媒に分散性であるか、または有機溶媒に可溶な共
重合体が好ましく使用される。さらに、共重合体のガラ
ス転移温度が20〜80℃であることが好ましい。上記
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳
香族ジカルボン酸、およびそれらのアルキルエステル、
またはそれらにスルホネート、ホスフェート、カルボキ
シレートなどの置換基が導入された誘導体;アジピン酸
、セバシン酸、アゼライン酸、コハク酸、シニウ酸など
の脂肪族ジカルボン酸、およびそれらの誘導体;および
、シクロへ牛サンジカルボン酸、シクロペンタンジカル
ボン酸などの脂環族ジカルボン酸、およびそれらの誘導
体;などが用いられる。上記多価アルコール成分として
は、炭素数が2以上の脂肪族グリコール、脂環族グリコ
ール、ビスフェノール系化合物などが用いられる。
アクリル系重合体としては、アクリル酸、メタクリル酸
などのα、β不飽和カルボン酸のエステルを、単量体成
分として50モル%以上含有する重合体が用いられる。
このようなα、β不飽和カルボン酸エステルとしては、
 (メタ)アクリル酸メチル、 (メタ)アクリル酸エ
チル、 (メタ)アクリル酸プロピル、 (メタ)アク
リル酸ブチル、 (メタ)アクリル酸アミル、 (メタ
)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチル
ヘキシルなどのアルキルエステル; (メタ)アクリル
酸フェニルなどの芳香族アルコールとのエステル; (
メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの脂TR族アルコ
ールとのエステルが挙げられる。このようなアクリル系
重合体には、50モル%より少ない範囲であれば、上記
以外の単量体を共重合成分として含有してもよい。その
ような単量体としては、スチレン系11ft体、あるい
は、ヒドロキシル基、カルボキ/ル基、グリシジル基、
アミノ基、アミド基、スルホン基などの官能基を有する
ビニル単量体が挙げられる。
上記ポリエステル型ポリウレタン系重合体は、ポリエス
テルポリオール、ジイソシアネート、および、必要に応
じて、2個以上の活性水素を有する低分子化合物から調
製される。
上記ポリエステルポリオールは、ジカルボン酸とグリフ
ールとの反応によって得られる。これらのうちジカルボ
ン酸としては、芳香族、脂肪族、脂環族のジカルボン酸
のいずれもが使用され得る。
脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、
セバシン酸、アゼライン酸、シニウ酸などが用いられる
。脂肪族以外のジカルボン酸のうち芳香族ジカルボン酸
としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル
酸、  2.6−ナフタレンジカルボン酸などがある。
p−ヒドロキシ安息香酸のようなオキシ酸の一部も用い
られ得る。脂環族ジカルボン酸としては、 1.3−シ
クロペンクンジカルボン酸、 1.2−シクロへ牛サン
ジカルボン酸、 1.3−シクロへ牛サンジカルボン酸
、 1.4−ンクロヘ牛サンジカルボン酸などが挙げら
れる。
ポリエステルポリオールを形成するグリコール成分とし
ては、炭素数2以上の脂肪族グリコール類および脂環族
グリコール類がいずれも使用され得る。炭素数4以上の
アルキレングリコール類(例えば、ブタンジオール、ヘ
キサンジオール)と、脂環族グリコール類(例えば、シ
クロヘキサンジメタツール)またはビスフェノール系化
合物とを併用することが好ましい。
上記ジカルボン酸成分と多価アルコール成分とを用い、
通常、溶融重縮合法により、ポリエステルポリオールが
調製される。例えば、上記各成分を直接反応させて水を
留去しエステル化するとともに、重縮合を行なう直接エ
ステル化法;あるいは上記ジカルボン酸成分のジアルキ
ルエステルとグリコール成分とを反応させてアルコール
を留出しエステル交換を行わせるとともに重縮合を行な
うエステル交換法などにより調製される。溶融重合法の
他、溶液重縮合法、界面重縮合法なども採用され得る。
このようにして調製されるポリエステルポリオールは、
ガラス転移温度が40’C以下であることが好ましい。
ポリエステルポリオールのガラス転移温度が40″Cを
上回る場合は、被覆層と基材フィルム、あるいは、被覆
層と蒸着層との層間接着力が低下する場合がある。
このようにして得られるポリエステルポリオールに反応
させるジイソシアネート類としては、芳香族、脂肪族、
および脂環族ジイソシアネートがいずれも使用され得る
。例えば、トルイレンジイソシアネートのような芳香族
ジイソシアネートが好適である。このような芳香族ジイ
ソシアネートを用いて得られるポリウレタンを含む組成
物が形成する被覆層は強度が高く、得られる被覆フィル
ムの蒸着層との水存在下における接着性にも優れる。
上記ポリエステルポリオールに上記ジイソシアネートを
通常の方法により反応させて、ポリウレタンが得られる
。さらに、ジオール、ジアミンなどの2個以上の活性水
素を有する低分子化合物(鎖延長剤)を反応させて鎖延
長させることも可能である。上記ジオールとしては1,
6−へ牛サンジオールなどが、ジアミンとしてはエチレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジンなど
が用いられ得る。特に、ジアミン化合物を用いて調製さ
れるポリエステルウレタンウレアは、被覆層に好ましい
膜強度を付与する。
好ましい実施態様としては、このようにして得られるウ
レタン系樹脂の中で、実質的に水不溶性で、かつ水分散
性の熱可塑性ポリウレタンが使用される。ここで「実質
的に水不溶性である」とは、試験すべきポリウレタンを
80℃の熱水に浸漬し攪拌しても、この熱水中に該重合
体が消散しないことをいう。さらに具体的には、試験す
べきポリウレタンをチップ状とし、これを大過剰の熱水
(8゜’C)に入れ、24時間攪拌を行なったときに、
該重合体の重量の減少が5重量%以下であることをいう
これらの被覆層を形成する樹脂組成物には、さらに各種
の添加剤が含有されていてもよい。それには例えば、シ
リカ、炭酸カルシウム、カオリナイト、アルミナ、タル
ク、硫酸バリウムなどの無機不活性粒子;ベンゾグアナ
ミン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの有機不活性粒子
(いずれも粒径0.01〜10μm程度)があり、これ
らを添加することにより、滑り性や耐ブロツキング性が
改良され得る。さらに必要に応じて顔料;有機系、無機
系の制電剤;防腐剤;消泡剤;紫外線吸収剤などが用い
られ得る。添加剤の8i類および量は、得られる被覆フ
ィルムの水の存在下における蒸着層との層間接着力を大
きく阻害しない限り、特に制限されない。
上記基材フィルム上に樹脂被覆層を形成する方法として
は、複数の押し出し機を備えたフィルム成形ダイを用い
て、基材フィルムと被覆層樹脂組成物とを同時に成形す
る方法;基材フィルム上に、被覆層樹脂組成物を溶融押
し出しして被覆層を形成する方法;基材フィルムと被覆
層樹脂組成物とをそれぞれシート状に成形した後、これ
らを積層する方法;あるいは、上記樹脂組成物を溶液ま
たは分散液として、基材フィルム上に塗布する方法など
公知の任意の方法が適用され得る。特に、樹脂組成物の
溶液または分散液を塗布する方法が好ましく使用され得
る。さらに、安全性、経済性などを考慮すると、樹脂組
成物の水系分散液を塗工する方法が最も好ましい。
まず、被覆層を形成する樹脂組成物を、種々の方法によ
り水系分散液とする。例えば、上記樹脂組成物の微粒子
と乳化剤とを水中に加え、強攪拌下で分散させる方法;
上記樹脂組成物がウレタン系樹脂である場合には、ポリ
ウレタンを合成するときに、末端にインシアネート基を
有するポリウレタン(プレポリマー)、鎖延長剤および
乳化剤を水中で強攪拌して反応させ、機械的剪断力によ
る分散化と高分子量化を同時に行う方法;重合体の側鎖
または末端に水酸基、アミノ基、カルボキシル基などの
イオン性基を導入することにより自己乳化性を付与して
分散させる方法などが用いられる。得られる被覆膜の耐
水性を考慮すると、乳化剤を使用しない方法が望ましい
。得られた樹脂組成物の分散液には、必要に応じて上記
の各種添加物が加えられ、あるいは上記分散工程におい
てこれらの添加剤が適宜添加されて均一な水系分散液が
調製される。
上記水性分散液は、上記基材フィルム上に既知の方法に
より塗工される。例えば、溶融・押出により得られた未
延伸の基材フィルム、あるいは該未延伸フィルムを一軸
もしくは二軸延伸した基材フィルム上に上記分散液の塗
工が行われ、必要に応じてさらに延伸および後加熱処理
が行われる。
未延伸または、−軸方向に延伸した基材フィルム上に分
散液を塗工し、さらに−軸または二軸延伸し、熱処理し
て得られる二軸配向フィルムが、被覆層の密着性、経済
性などの点から好適である。
特に作業性の面からは、−軸延伸した基材フィルム上に
分散液を塗工し、次に直交する方向に延伸して二軸延伸
フィルムを得る方法が好適である。
上記水性分散液の塗工には、ロールコーティング法(グ
ラビア法、リバース法など)、ナイフコーチインク法、
ロッドコーティング法、ノズルコーティング法、エアー
ナイフコーティング法など既知の方法がいずれも採用さ
れ得る。塗工量は、目的に応じて決められるが、通常、
二軸延伸などを行い最終的に得られる被覆層の単位面積
(m2)当りに存在する樹脂組成物の量が、 0.01
〜5g、好ましくは0.02〜1gとなるように塗工さ
れる。
樹脂組成物の量が、O,01g7m 2を下まわると所
望の効果が得られず、5g/m2を越えると得られる被
覆フィルムがブロッキングじやすい。さらに、得られた
被覆フィルムに金属蒸着を施した場合に、これを熱水処
理すると蒸着面の光沢が失われるという欠点もある。組
成物の水性分散液を塗工する際には、必要に応じて、基
材フィルム表面にコロナ処理、または物理的、化学的表
面処理が行われてもよい。
このようにして得られる本発明の被覆ポリエステルフィ
ルム表面に無機物が蒸着される。蒸着されるべき無機物
としては、金属、金属酸化物、金属以外の無機酸化物な
どが用いられる。上記金属としては、金、銀、アルミニ
ウム、亜鉛、錫、銅、ニッケル、鉄、コバルト、クロム
、マンカン、パラジウム、チタン、インジウムなどが用
いられる。
特にアルミニウムが汎用される。無機酸化物としては酸
化硅素化合物などが用いられる。これらは1種もしくは
2種以上が組み合わせて用いられる。
これらの無機物は、通常の方法で上記被覆フィルムの被
覆膜表面に蒸着される。真空蒸着法などが好適に用いら
れる。
このようにして得られる蒸着ポリエステルフィルムは、
各種用途に用いられる。特に、被覆層上に金属や金属酸
化物を蒸着して得られる蒸着層上に、各種樹脂素材でな
るシートもしくはフィルムを積層して食品包装材料など
に好適に利用することが可能であり、このような積層体
は熱水中に浸漬しても剥離が起こらない。上記積層すべ
きシートやフィルムを構成する樹脂材料としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、各種アイオノマーエチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン共重合体、
ポリエステル、ポリアミドなどが用いられる。
このように、本発明の被覆ポリエステルフィルムは、基
材と被覆層との層間接着性、および被覆層とその表面に
形成される層、特に蒸着層との層間接着性に優れる。特
に、本発明の被覆ポリエステルフィルムは熱水の存在下
における層間接着性に優れる。従って、これを用いて得
られる本発明の蒸着フィルムは、蒸着層の密着性、特に
熱水の存在下における接着性に極めて優れる。そのため
、本発明の蒸着フィルムは、熱水殺菌処理などが行われ
る食品包装用フィルムとして特に好適に用いられる。
(実施例) 以下に本発明を実施例について述べる。しかし、本発明
の被覆ポリエステルフィルムおよび蒸着フィルムの製造
方法は、以下の実施例に限定されるものではない。
尖m (1)蒸着フィルムの調製:水分散型ポリエステルウレ
タンウレアである、ハイトランHW−340(大日本イ
ンキ■製)と、ハイトランHW−350(大日本イン牛
■製)とを、固形分の重量比が、5:5となるように混
合し、この混合物に、イオン交換水とイソプロピルアル
コールとの等量混合液を添加し、固形分が、5M量%の
水性分散液を得た。
別に、ポリエチレンテレフタレートを2BO〜300℃
で溶融押出し、15℃の冷却ロールで冷却して、厚さ約
150μmの未延伸フィルムを得た。この未延伸フィル
ムを、周速の異なる85℃の一対のロール間で縦方向に
3.5倍延伸し、これを基材フィルムとした。次いで、
上記で得られたポリエステルウレタンウレアの水性分散
液をロールコータ一方式で基材フィルムに塗布し、70
°Cの熱風で乾燥し、次いでテンターで98℃で横方向
に3.5倍延伸し、さらに200〜210℃で熱固定し
、厚さ12μIの二軸延伸コーティングポリエステルフ
ィルムを得た。
最終的なコート剤(被覆用組成物>tr布量は約004
g/m 2であった。この被覆フィルムの被覆層表面に
、アルミニウムを600人の厚みに蒸着して、蒸着フィ
ルムを得た。
(2)被覆層樹脂組成物の引張り伸度の測定二上記(1
)項で調製したポリエステルウレタンウレアの水性分散
液を平坦なポリプロピレンフィルム上に塗布し、常温常
圧で24時間、次いで70°C1減圧下で12時間乾燥
し、膜厚が約0.3mmの樹脂フィルムを得た。これを
10mm幅に切断して試験片とした。
東洋ボールドウィン社製の加熱型引張り試験機テンシロ
ンのチャックに、上記の試験片を固定し、チャック間隔
を50龍、引っ張り速度を100mm/win、測定温
度を60°Cとして、引っ張り試験を行い、試験片が破
断する直前の伸び率を引張り伸度とした。
このようにして測定した被覆樹脂組成物の引張り伸度を
、後述の実施例2〜4、比較例1〜2、および比較例4
で用いた被覆樹脂組成物の引張り伸度とともに表1に示
す。
(3)蒸着フィルムの性能評価 (a)蒸着フィルムの耐ボイル性の評価:上記(1)項
で得られた蒸着フィルムの蒸着層表面に厚さ60μmの
未延伸ポリプロピレン(PP層)シートを通常のドライ
ラミネート法により積層した後、エージング処理を行っ
た。得られた積層体の2枚を、PP層が内側となるよう
に重ね、ヒートシール法によって、袋状に成形し、この
袋の中に、水と空気とを一定の体積比で充填し、ヒート
シール法によって、密封した。この包装物を95°Cの
熱水中に30分間放置した後、室温に冷却し、包装物の
状態を目視により観察した。少しでも剥離が観察された
包装物の割合(%)を蒸着フィルムの耐ボイル性とした
結果を、後述の実施例2〜4および比較例1〜4の蒸着
フィルムの結果とともに表1に示す。
(b)被覆フィルムの耐ブロッキング性の評価ニアルミ
ニウムを蒸着する前の被覆フィルムを用いて、ASTM
−D−918に準拠して、被覆フィルムの耐ブロッキン
グ性を評価した。結果を、後述の実施例2〜4および比
較例1〜4の蒸着フィルムの結果とともに表1に示す。
評価結果は、以下の記号を用いて表す。
0 ・・・ 粘着性なし O・・・ はとんど粘着性なし × ・・・ かなり粘着性がある 爽直五主 ハイトランHW340とハイトランHW35Qとを35
:65の固形分重量比で混合したこと以外は、実施例1
と同様にして蒸着フィルムを調製した。
K嵐五主 ハイドラ:/HW340とハイドラ7HW350とを7
5:25の固形分重量比で混合したこと以外は、実施例
1と同様にして蒸着フィルムを調製した。
火1五土 ポリエステルウレタンウレアとして、ハイトランHW3
40のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして蒸
着フィルムを調製した。
ル皇」し。
ポリエステルウレタンウレアとして、ハイトランHW3
50のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして蒸
着フィルムを調製した。
LΔ匠主 被覆樹脂組成物の水性分散液として、水分散型ポリエス
テルウレタンであるノ1イドランAP−10(大日本イ
ンキ■製)のみを用いたこと以外は、実施例1と同様に
して蒸着フィルムを調製した。
友蝮匠立 被覆樹脂組成物を用いて基材フィルムを被覆しなかった
こと以外は実施例1と同様にして蒸着フィルムを調製し
た。
比!」を支 被覆樹脂組成物の水性分散液として水分散型ポリエーテ
ルウレタンであるエラストロンCT−7(第一工業製薬
■製)を用いたこと以外は実施例1と同様にして蒸着フ
ィルムを調製した。
(以下余白) 表1から明らかなように、実施例1〜4の本発明の蒸着
フィルムを用いて調製した包装物は熱水で処理しても剥
離することがなく良好な耐ボイル性を有する。一方、被
覆樹脂組成物の引張り伸度カニ00%未満である、比較
例1の蒸着フィルムでは耐ボイル性が著しく低下してい
る。さらに、被覆樹脂組成物の引張り伸度が500%を
越える比較例2では、被覆フィルムの耐ブロッキング性
が劣る。
そして、被覆層が、エステル結合を有するセグメントを
分子内に含有しない樹脂組成物からなる比較例4の蒸着
フィルムは、被覆層と基材フィルムとの接着性が低いた
め、ヒートシール部が剥離しやすく、耐ボイル性が劣る
(発明の効果) 本発明の被覆ポリエステルフィルムは、このように、そ
の表面に形成される層、特に無機物蒸着層との接着性に
優れる。そしてこの被覆ポリエステルフィルムを用いて
、熱水の存在下において、蒸着層と基材フィルムとの接
着力に優れた蒸着フィルムが得られる。このような蒸着
フィルムは、特に熱水による加熱処理が行われる食品包
装用フィルムに好適に用いられる。
以上

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.ポリエステル系樹脂でなる基材フィルムの少なくと
    も片面に樹脂被覆層が形成された被覆ポリエステルフィ
    ルムであつて、 該樹脂被覆層が、エステル結合を有するセグメントを分
    子内に少なくとも一種含有する、水不溶性の熱可塑性樹
    脂を主成分とする樹脂組成物により形成され、そして、 該樹脂組成物でなるフィルムの60℃での引張り伸度ε
    (%)が、100≦ε≦500である、被覆ポリエステ
    ルフィルム。
  2. 2.請求項1に記載の被覆ポリエステルフィルムの前記
    樹脂被覆層表面に、無機物蒸着層が設けられた蒸着フィ
    ルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5716919A (en) * 1995-05-09 1998-02-10 The Andrew Jergens Company Mild cleansing formulation with a hydroxy-containing compound, a nonionic surfactant and an anionic surfactant
US10224445B2 (en) * 2015-11-02 2019-03-05 S-Energy Co., Ltd. Back sheet, method of manufacturing the same, solar cell module using the same and method of manufacturing solar cell

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US10224445B2 (en) * 2015-11-02 2019-03-05 S-Energy Co., Ltd. Back sheet, method of manufacturing the same, solar cell module using the same and method of manufacturing solar cell

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