JPH04103713A - 溶鋼の高速脱ガス方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、溶鋼の高速脱ガス方法に関するものである。

（従来の技術） 真空脱ガス装置は、溶鋼を真空下で脱ガスすることによ
り溶鋼中のＣ，Ｎ、Ｏ，Ｈの各成分を低減することが可
能であり、例えば加工性および非時効性が要求される高
級冷延鋼板等に極低Ｃ鋼が使用されている。しかしなが
ら、近年このような材質特性の要求レベルの高級化に従
い、溶鋼の更なる高純度化が期待されている。

方、現在工業化され大量生産の可能な真空脱ガス装置と
してＲＨとＤＨか広く設置されているが、これらの装置
を用い更に純度の高い極低Ｃ鋼を製造する場合、処理時
間の延長による温度低下、耐火物コストの増大、生産性
の低下等の問題があるため、製鋼工程においては極低Ｃ
鋼を短時間に処理する高速脱ガス技術の確立が必要であ
る。

このような背景をもとに、脱炭反応を活発にし、短時間
で極低炭素まで脱炭する方法として、特開昭５７−１１
０［ｉ１１号公報に記載されているＲＨ真空槽底部より
不活性ガスを吹き込む方法、特開昭５２−１１７８０８
号公報に記載されているＤＨ真空槽底部より不活性ガス
を吹き込む方法等、真空脱ガス炉内の溶鋼に不活性ガス
を吹き込んで脱炭を促進する方法か用いられるようにな
ってきた。

真空脱ガス炉内の溶鋼に不活性カスを吹き込みを実施し
た場合の効果は、例えばＣＡＭＰ−ＴＳＩＪＶｏｌ、３
（１９９０）１６８〜１７１に報告されているように、
真空槽内への吹き込みガス量の増大により脱炭速度が向
上することが確認されている。

しかしなから、上記文献にも記載されているように、多
量のガスを真空槽内に吹き込んだ場合、第３図に示すよ
うに、多量のスプラッシュ６が発生し、真空槽２内表面
へ地金７として付着成長し、真空排気を妨げるため処理
中もしくは処理間での地金切り作業が必要となり、真空
脱ガス装置の生産性を大幅に低下させることになる。

また、処理回数の増加に伴い地金が成長した後、地金の
自重が真空槽内壁地金間の付着力を上回ると、−時的に
大量の地金が剥離落下し、溶鋼成分外れおよび溶鋼温度
低下による温度外れの原因となり、再処理或いは溶鋼温
度昇熱によるコスト増を招いている。

方、この地金付着の防止方法としてこれまで実開昭６２
−１１８６５３号公報に記載された電極ヒーターを槽内
に設置する方法、および実開昭６２−１３２１５４号公
報に記載された酸素バーナー（ランス）による地金の溶
流方法が実用化されている。電極ヒーターを槽内に設置
する方法は、真空槽内の温度を上昇させ、飛散した溶鋼
が槽内壁上で凝固することを防止するものであるが、真
空槽の一部に電極ヒーターを設置した場合には、当該電
極周囲の地金付着を抑制できるものの真空槽４内の地金
付着を完全に防止することが困難であるため、多数の電
極ヒーターの設置が必要となり、多大な設備費および電
力費を要す上、真空槽内への電極出し入れを行う必要が
有るため電極〜真空槽間隙間部からのエアーリークによ
る真空度の低下、鋼中窒素ピックアップの問題がある。

一方、酸素バーナー（ランス）による地金の溶流方法は
、真空槽内壁面で凝固した地金を地金熔融温度以上の火
炎温度を有するバーナーで溶融除去するものであるが、
バーナー火炎を槽内全面に同時期に曝すことが困難であ
り、部分溶流を余儀無くされるため溶流処理時間が長く
なるため通常操業時の間で溶流処理は困難であり、工場
が修理休止中に行わざるを得ない等の欠点がある。また
溶流作業は作業者による地金溶流状況の確認および火炎
位置の変更の作業が必要であり、極めて煩雑な作業とな
る。その他、溶流したノロ（酸化物）を完全に除去でき
ないため次の溶鋼脱ガス処理時に溶鋼を汚染する問題、
および高温の酸素バーナー火炎は真空槽内の耐火物を損
傷したり、溶融ノロ自体が耐火物と反応し耐火物を劣化
させる問題もある。

（発明が解決しようとする課Ｍ） 以上のように、多量のガスを真空槽内に吹き込む技術は
、脱炭反応を活発にし短時間で極低炭素まで脱炭する方
法として効果が有るものの、スプラッシュによる檜内地
金付の問題を抜本的に解決する手段が無いことから、常
時使用することが困難であった。

よって、本発明は従来の真空脱ガス炉内の溶鋼に不活性
ガスを吹き込んで脱炭する方法の欠点である多量のスプ
ラッシュの発生による槽内地金付着、およびこの多量地
金が一時的に溶鋼中へ大量に剥離落下することによる成
分外れ、温度外れを解決できる溶鋼の高速脱ガス方法を
提供するものである。

（課題を解決するための手段） 本発明は真空脱ガス炉内の溶鋼に不活性ガスを吹き込ん
で脱炭する方法において、真空槽内に不活性ガスを吹き
込み溶鋼を粒滴分散すると共に、真空槽周壁の少なくと
も一部に設けた冷却ジャケットを介して該粒滴を急冷剥
離し、溶鋼中で再溶解しつつ脱炭することを特徴とした
真空脱ガス炉の脱炭方法を発明したことにある。

以下本発明について図面を参照しながら詳細に説明する
。

第１図は本発明の溶鋼の高速脱ガス方法の−実施例を示
す、図において、ｌは取鍋、２は真空脱ガス炉である。

先ず真空脱ガス炉２内の溶鋼４ａ中に、真空炉内ガス吹
き込み孔９ａ、浸漬管ガス吹き込み孔９ｂ、および真空
炉外から浸漬管内へのガス吹き込み孔９Ｃの全部あるい
はその一部から単孔ノズル、複孔ノズル或いはポーラス
プラグ等を用いガスを吹き込み、真空槽内の溶鋼の一部
を粒滴（スプラッシュ）６に分散せしめる。

該粒滴６はその一部か、真空脱ガス炉２の周壁の全部あ
るいは一部に設けた冷却媒体供給配管１１ａおよび冷却
媒体排出配管１１ｂを備えた冷却ジャケット１０に衝突
付着するが、冷却ジャケットの冷却作用により該粒滴６
は冷却ジャケット１０を介して急冷剥離する。続いて、
急冷剥離した粒は溶鋼４ａ中で再溶解される。

この一連の操作により、溶鋼４ａはスプラッシュにより
分散され、脱ガス反応が粒滴表面から進行すると共に溶
鋼中に再落下もしくは冷却ジャケット１０面で急冷剥離
し溶ｆｉＪａ中に再落下し、歩留りの低下を発生するこ
となく再循環される。この間、脱ガス反応は粒滴表面よ
り効率的に反応か進行すると共に、急冷剥離し溶鋼４ａ
中に再落下した凝固物が脱ガス反応のガス生成核となり
更に脱ガス反応を促進する。

方、水冷ジャケット面は従来の耐火物面と比較して平滑
な面を低温度に保持でき、溶鋼スプラッシュを急速冷却
することで凝固収縮を促進し、地金〜壁面間の密着強度
を低下させ、少ない力で容易に剥離を促進させることが
可能で有り、スプラッシュ６が多量に飛散付着する真空
槽周壁の全部あるいは一部に設置し、付着粒滴の急冷剥
離を促進せしめる。尚、冷却ジャケット１０の材質には
高熱伝導率を有す銅或いは鋼の如き物質を使用し、冷媒
には水或いは空気の如ぎ冷却能を有す液体或いは気体を
用いる。また、真空脱ガス炉２の溶鋼に浸漬する部分お
よび溶鋼表面の揺動により浸漬する可能性のある部分は
、急冷凝固した溶鋼が落下不可能であり、溶鋼の循環を
阻害するため、従来の耐火物を使用した方が望ましい。

またこの冷却ジャケット１０による溶鋼の温度低下も予
想以上に小さいことが判明し、極端な溶鋼昇熱をも必要
としない利点がある。また、溶鋼を粒滴化するために吹
き込まれるＡｒ等のガス量は２０ρ／ｍ１ｎＴ以上好ま
しくは３０又／ｍｊｎＴ以上のガスを吹き込むことによ
り前記粒滴と溶解が促進される。

第２図には、粒滴の急冷剥離効果を確認するため実施し
た小規模実験の結果を示した。壁面には従来用いてきた
マグネシア系耐火物と急速冷却できる銅製水冷ジャケッ
トの二種を用い、大気圧下でガスバブリングによりスプ
ラッシュを発生させ、地金付着量の比較テストを行った
。フリーボード部の重量変化を経時的に測定した結果、
水冷ジャケットを用いた場合地金は、！！、玲剥離し、
壁面にはほとんど付着しないことが判明し、従来のマグ
ネシア系耐火物と比較し地金の成長を抑制できることが
判明した。尚、この後鋼製氷冷ジャケットについても同
様の実験を行ったか、鋼製水冷ジャケットと同様の地金
成長抑制効果が得られることが判った。

また、冷却ジャケット面で良好な急冷剥離現象を生じせ
しめるには、冷却面温度を２００℃以下にした方が良い
。

このように、真空槽周壁に冷却ジャケットを設けること
により、溶鋼中にガスを吹き込み生成したスプラッシュ
を、冷却ジャケットを介して該粒滴を急冷剥離すること
で地金付着を完全に解消することが可能となる、したが
って、更に多量のガスを真空脱ガス炉内に吹ぎ込むこと
が容易になり、脱ガス速度を向上できることは、言うま
でもない。

（実　施　例） 次に、本発明を実施した場合の操業結果を従来法と比較
して表１に示すが、脱炭条件は容量３００ＴｏｎのＲＨ
を用い浸漬管および槽壁から不活性ガスを吹き込み低度
アルミキルド鋼（処理前［ｃ　］　４ｏｏｐｐｍ）を２
５分間処理した。表から明らかなように本発明の脱炭法
を用いることにより脱炭効果を大幅に向上で診ると共に
、槽内地金除去を要しない等従来法に比較して優れてい
ることが判る。

表１ 本発明による脱炭能力向上、地金付着防止効果（発明の
効果） 本発明を実施することにより、脱ガス処理中に多量のガ
ス吹き込みを行った場合においても、容易にしかも溶鋼
を汚染することなく真空槽内に付着した地金を除去でき
、排気抵抗の増大および付着地金除去作業を回避すると
共に、長期間安定して短時間での高速脱炭が可能になっ
た。尚、本発明による地金付着防止効果は他の真空下に
おける溶鋼処理設備のフリーホード等への地金付着防止
にも有効であることは言うまてもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による脱ガス方法の一実施例、第２図は
従来法と末法の地金付着量比較、第３図は従来法でのＲ
Ｈ［内地金イ」着状況を示す図である。 １・・・取鍋、　　　　　２・・・真空脱ガス炉３・・
・浸漬管 ４ａ・・・真空脱ガス炉内溶鋼 ４ｂ・・・取鍋的溶鋼 ５・・・ガス気泡　　　６・・・スプラッシュ７・・・
付着地金　　　８・・・排気ガス９ａ・・・真空炉内ガ
ス吹き込み孔 ９ｂ・・・浸漬管ガス吹き込み孔 ９ｃ・・・真空炉外から浸漬管内へのガス吹き込み孔 １０・・・冷却ジャケット １１ａ・・・冷却媒体供給配管 １１ｂ・・・冷却媒体排出配管である。 第 図 経過時間（分）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １　真空脱ガス炉内の溶鋼に不活性ガスを吹き込んで脱
   炭する方法において、真空槽内に不活性ガスを吹き込み
   溶鋼を粒滴分散すると共に、真空槽周壁の少なくとも一
   部に設けた冷却ジャケットを介して該粒滴を急冷剥離し
   、溶鋼中で再溶解しつつ脱炭することを特徴とした溶鋼
   の高速脱ガス方法。