JPH039343B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH039343B2
JPH039343B2 JP31277289A JP31277289A JPH039343B2 JP H039343 B2 JPH039343 B2 JP H039343B2 JP 31277289 A JP31277289 A JP 31277289A JP 31277289 A JP31277289 A JP 31277289A JP H039343 B2 JPH039343 B2 JP H039343B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil passage
oil
pressure
valve
spool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP31277289A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02195068A (ja
Inventor
Shiro Sakakibara
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP31277289A priority Critical patent/JPH02195068A/ja
Publication of JPH02195068A publication Critical patent/JPH02195068A/ja
Publication of JPH039343B2 publication Critical patent/JPH039343B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、エンジンの出力軸の回転駆動力を無
段変速して伝達するようになつている動力伝達装
置に関するものである。
(従来の技術) 一般に、エンジンの出力軸の回転駆動力を車輪
に伝達する車両用動力伝達装置においては、エン
ジン出力がほぼ一定であるのに対して車輪駆動力
が走行状態によつて変化するため、エンジン出力
を適宜変速して伝えるようにしている。このよう
なエンジン駆動力を変速する手段として、無段自
動変速機構を用いて動力伝達装置が開発されてい
る。
無段自動変速機としてV字状無端ベルトを用い
た無段自動変速機構が開発されており、このVベ
ルト式無段自動変速機はエンジン出力軸側に連結
される入力プーリと車輪側に連結される出力プー
リとの間にVベルトを掛けわたし、各プーリとV
ベルトとの間の摩擦係合するときの実効径を油圧
サーボ手段によつて無段階に変えることにより、
自動変速するようにしている。
(発明が解決しようとする課題) ところで、このような無段自動変速機構による
動力伝達においては、車両を停止させる場合、必
ずLOW状態となる。このようなLOW状態におい
ては、車輪からの回転駆動力が動力伝達装置によ
りエンジン側に伝達するようになり、エンジンブ
レーキが作動するようになる。
しかしながら、このように高速から低速に変速
した場合にエンジンブレーキが必ず作動するよう
になると、エンジンが無駄に燃料を消費してしま
い、燃費が悪くなつてしまう。
また燃費を向上させるために、車両走行中に慣
性走行を行つて燃料消費をできるだけ抑えるよう
にすることが考えられるが、従来の無段自動変速
機構を用いた動力伝達機構では、車輪からの回転
駆動力がエンジンにどうしても伝わつてしまうの
で、慣性走行を行うことが不可能となつていた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたも
のであつて、その目的は、慣性走行を行うことが
できるようにして燃費を向上させることのできる
無段自動変速機を用いた車両用動力伝達装置を提
供することである。
(課題を解決するための手段) 前述の課題を解決するために、本発明は、例え
ば第1図に示すように、エンジン出力軸に連結さ
れる発進装置100が無段変速機構140を介し
てトランスミツシヨン出力軸142に連結され、
エンジン出力を無段変速して伝達させる車両用動
力伝達装置において、前記エンジン出力軸と前記
トランスミツシヨン出力軸142との間の動力伝
達系統に、動力遮断手段C1が配設され、車速が
設定値以下でかつエンジン負荷に対応した信号が
設定値以下のとき、前記動力遮断手断C1により
動力伝達が断たれることを特徴としている。
(作用及び発明の効果) このように構成された本発明に係る車両用動力
伝達装置によれば、エンジン出力軸と前記トラン
スミツシヨン出力軸142との間の動力伝達系統
に、動力遮断手段C1が配設され、車速が設定値
以下でかつエンジン負荷に対応した信号が設定値
以下のとき、前記動力遮断手段C1により動力伝
達が断たれるので、この動力遮断手段C1によ
り、車速が設定値以下でかつエンジン負荷が設定
値以下のときは、エンジン出力軸と前記トランス
ミツシヨン出力軸142とを遮断することができ
る。この結果、例えば低速時に動力遮断手段C1
によつてエンジン出力軸と前記トランスミツシヨ
ン出力軸142とを遮断することにより、エンジ
ン出力軸と前記トランスミツシヨン出力軸142
との間の動力伝達を遮断することができるように
なる。したがつて、車両は低速走行時に慣性走行
を行うことができるようになり、エンジン出力を
無駄にすることがなく、燃費を向上させることが
できる。
なお、カツコ内の符号は、図面を参照するため
のものであり、発明の構成を何等限定するもので
はない。
(実施例) 次に本発明の実施例について説明する。
第1図は本発明に係る車両用動力伝達装置の一
実施例を示す図である。
第1図において、この車両用動力伝達装置は、
発進装置である直結クラツチ付流体式トルクコン
バータ100、前進後進切換え用遊星歯車変速機
構120、Vベルト式無段変速機140、および
デフアレンシヤルギア装置170に連結される出
力ギア装置180を備えている。
トルクコンバータ100は、エンジン出力軸に
連結されるフロントカバー101、該フロントカ
バー101に溶接されると共に内周にインペラが
取り付けられたポンプインペラーシエル102、
中心部がタービンハブ104を介してトルクコン
バータ出力軸103に連結されたタービンランナ
105、一方向クラツチ106を介してインナー
ケース110に固定されたステータ107、およ
びタービンハブ104とフロントカバー101と
を直結する直結クラツチ108とからなり、トル
クコンバータ100と遊星歯車変速機構120と
の間には機関の出力で駆動されるオイルポンプ2
0が設けられている。
前進後進切換え用遊星歯車変速機構120は、
前記トルクコンバータの出力軸103を入力軸1
03とし、該入力軸103と同軸上に配列された
Vベルト式無段変速機140の入力軸141を出
力軸141とし多板クラツチC1、該多板クラツ
チC1を作動させる油圧サーボ121、多板ブレ
ーキB1、該多板ブレーキB1を作動させる油圧
サーボ122、プラネタリギア機構130からな
つている。プラネタリギア機構130は、前記入
力軸103に油圧サーボ121の環状油圧シリン
ダ123を介して連結されたキヤリヤ131、多
板クラツチC1を介して前記油圧シリンダ123
に連結されると共に前記出力軸141にスプライ
ン嵌合されたサンギア132、前記多板ブレーキ
B1を介してトランスミツシヨンケース220に
固定されたリングギア133および前記キヤリヤ
131に回転自在に支持されると共に、前記サン
ギア132とリングギア133とに噛合したプラ
ネタリギア134とからなつている。
Vベルト式無段変速機140は、前記入力軸1
41と、該入力軸141に平行に並設された出力
軸142とに、それぞれ設けられた入力プーリ1
50および出力プーリ160と、輪状薄板を重ね
合わせたスチールバンド143に多数の金属ブロ
ツク144を取り付けてなり、これら入力プーリ
150および出力プーリ160を連結するVベル
ト145とからなつている。入力プーリ150
は、前記入力軸141と一体に形成された固定フ
ランジ151と、ダブルピストン152および1
53を有する油圧サーボ154により駆動されて
軸方向に変位し、入力プーリ150の実効径を増
減させる可動フランジ155とからなつている。
出力プーリ160は、前記出力軸142と一体に
形成された固定フランジ161と、ダブルピスト
ン162および163を有する油圧サーボ164
により駆動されて軸方向に変位し、出力プーリの
実効径を増減させる可動フランジ165とからな
つている。
デフアレンシヤルギア装置170は入力ギアで
ある駆動大歯車171、ギアボツクス172、差
動小ギア173、差動大ギア174および車軸に
連結させる出力軸175からなつている。
Vベルト式無段変速機140の出力軸142の
一端にはガバナ弁25が設けられ、他端には、こ
の軸142に回転自在に支持された出力ギア18
8及び出力軸142と出力ギア188とを連結す
る減速用プラネタリギア機構からなる出力ギア装
置180が設けられている。減速用プラネタリギ
ア機構は、出力軸142に連結されたサンギア1
81、トランスミツシヨンケース220に固定さ
れたリングギア182、前記出力ギア188に連
結されたキヤリヤ183、サンギア181とリン
グギア182とに噛合すると共にキヤリヤ183
に回転自在に支持されたプラネタリギア184と
からなつている。出力ギア188はチエーン19
0により前記デフアレンシヤルギア装置の駆動大
歯車171に連結されている。したがつて、出力
軸142が、この実施例における本発明のトラン
スミツシヨン出力軸を構成している。なお、出力
ギア装置180はプラネタリギア機構の代わりに
外歯噛み合いによる歯車機構から構成することも
でき、その場合には、この歯車機構の回転軸が本
発明のトランスミツシヨン出力軸を構成する。
第2図は第1図に示して車両用動力伝達装置の
無段自動変速機を車両走行条件に応じて変速制御
するための制御装置であり、且つ前記車両走行条
件を入力とする電子制御装置と該電子制御装置に
より制御される油圧制御装置とからなる車両用無
段自動変速機の制御装置における油圧制御装置を
示す。
本実施例の油圧制御装置は、油圧源であり機関
により駆動される前記オイルポンプ20、車速な
いしはVベルト式無段変速機の出力軸回転速度に
対応したガバナ圧を出力する前記ガバナ弁25、
油圧制御装置にプライマリライン圧を供給するプ
ライマリレギユレータ弁30、油圧制御装置にセ
カンダリライン圧を供給するセカンダリレギユレ
ータ弁35、スロツトル開度に応じたスロツトル
圧を出力スロツトルする弁40、ガバナ圧に対応
したカツトバツク圧をスロツトル弁に出力し、ス
ロツトル圧を車速(ガバナ圧)に関連させるカツ
トバツク弁45、プライマリレギユレータ弁にガ
バナ圧に関連して調圧したスロツトルコントロー
ル圧を出力するライン圧調整弁47、車両走行条
件に応じて入力プーリの油圧サーボに対する作動
油の給排を制御しVベルト式無段変速機の減速比
を増減させる減速比制御機構、Vベルト式無段変
速機の出力プーリの油圧サーボに供給される油圧
の種類を前記減速比制御機構50の作動に対して
プライマリライン圧からセカンダリライン圧に交
換するシフトシーケンス機構60、入力プーリの
定常走行時の油圧サーボの油圧をバランスさせる
とともに油圧サーボの油圧の洩れを補う入力プー
リモジユレータ機構66、運転席に設けられたシ
フトレバーにより動かされ遊星歯車変速機構12
0の前進、後進を切り換えるマニユアル弁70、
N→DシフトおよびN→Rシフト時における多板
クラツチまたは多板ブレーキの係合を円滑に行う
と共にDレンジでの慣性走行を行うためのシフト
制御機構75、およびトルクコンバータ100の
直結クラツチ108を作動させるロツクアツプ制
御機構80を有する。
オイルポンプ20は、ボデイ201内に、一方
にスプリング202が背設され、他方は油圧サー
ボ203とされたスライドケーシング204が支
点205を中心にスライド可能な状態で収納さ
れ、さらにこのスライドケーシング204内にベ
ーン206付ロータ207が取り付けられてなる
容積可変型ベーンポンプであり、油溜り208の
油をオイルストレーナ209を介して吸い込み油
路1に吐出する。
ガバナ弁25は公知の構成を有し、Vベルト式
無段変速機の出力軸に取り付けられ、油路1から
供給されたライン圧を車両速度と対応する前記V
ベルト式無段変速機の出力軸回転数に応じて調圧
し、第3図に示すガバナ圧として油路3に出力す
る。
プライマリレギユレータ弁30は、一方(図示
一方)にスプリング31が背設されたスプール3
2と、前記スプリング31と同方向から前記スプ
ール32を押圧するよう前記スプール32に当接
して図示下方に直列的に設けられたレギユレータ
プランジヤ33を有する。レギユレータプランジ
ヤ33には大径の上側ランド331と小径の下側
ランド332とが設けられ、上側ランド331の
有効受圧面には、チエツク弁34および油路11
を介して油路7Bから供給されるライン圧調整弁
47の出力したスロツトルコントロール圧または
オリフイス341を介して油路6に連絡した油路
6Aから供給されるガバナ圧が印加され、小径の
下側ランド332には油路7を介したスロツトル
圧が印加され、これら入力油圧に応じた押圧力で
スプール32を図示上方に押し上げる。スブール
32は、図示上方からオリフイス301を介して
図示上端ランドに印加されるプライマリライン圧
のフイードバツクと、図示下方から受ける前記ス
プリング31のばね荷重および前記レギユレータ
プランジヤ33の押圧力とにより変位して油路1
と油路2との連通面積を増減させ、余剰油を油路
2に流出させるとともに、油路2からの流出能力
を上回る余剰油をドレインポート302からドレ
インさせる。これにより油路1の油圧は車両の走
行条件である車速(ガバナ圧)とスロツトル開度
(スロツトル圧)とに関連した第4図に示すプラ
イマリライン圧P1が発生する。
セカンダリレギユレータ弁35は、一方(図示
下方)にスプリング36が背設されたスプール3
7と、該スプール37に当接して図示下方に直列
的に設けられたプランジヤ38とを有し、セカン
ダリライン圧を出力する第1ポート371、セカ
ンダリライン圧を調整する際の余剰油をトルクコ
ンバータ100および自動変速機の潤滑油必要部
に供給する第2ポート372、容積可変型オイル
ポンプ20へ吐出油量を制御するための油を出力
する第3ポート373、ドレインポート352,
353、車両運転条件に応じた入力油圧であるス
ロツトル圧の入力ポート354、およびセカンダ
リライン圧の入力ポート355を備えている。
第2ポート372に連絡する油路5は、比較的
大径で設定された直径を有するオリフイス391
を介して、トルクコンバータのロツクアツプ制御
弁81を経てトルクコンバータ100に作動油を
供給する油路5Aと連絡し、且つ中径で所定の直
径に設定されたオリフイス392を介して、自動
変速機の潤滑必要部へ潤滑油を供給する油路5B
に連絡している。
セカンダリライン圧の発生している油路2と前
記ロツクアツプ制御弁81に連絡する油路5Aと
は、小径のオリフイス393を介して連絡され、
さら油路2と前記潤滑油供給用の油路5Bが小径
のオリフイス394を介して連絡している。
このセカンダリレギユレータ弁35は次のよう
に作用する。
このセカンダリレギユレータ弁35は、スプー
ル37が、図示上方からオリフイス351を介し
て図示上端ランドに印加される油路2のセカンダ
リライン圧のフイードバツクを受け、図示下方か
らは前記スプリング36によるばね荷重と油路7
からプランジヤ38に印加されるスロツトル圧と
を受けて変位し、油路2に連絡する第1ポート3
71と潤滑油等の供給油路5に連絡する第2ポー
ト372との連絡面積を増減させて、プライマリ
レギユレータ弁によるプライマリライン圧の調圧
の際の余剰油の流出油路である油路2の油圧を入
力油圧であるスロツトル圧に応じて調圧して第5
図に示すセカンダリライン圧Psを出力し、且つオ
イルポンプの油圧サーボ203に制御油圧を出力
する油路8と連絡した第3ポート373と油路2
に連絡する第1ポート371およびドレインポー
ト352との連絡面積を調整して油圧サーボ20
3へ油圧を出力し、オイルポンプ20の吐出容量
を制御している。
第6図にスロツトル圧を一定とした場合の、ス
プール37の変位量と油路5A、油路5B、油路
8の油圧変化の特性を示す。
セカンダリライン圧が設定した適正範囲にある
とき(第6図においてAゾーン); 第1ポート371と第2ポート372とが連通
し、油路5に油圧が発生しており、油路5Aおよ
び油路5Bには主にそれぞれオリフイス391お
よび392を介して油圧が十分に供給されるの
で、油路5Aのトルクコンバータ供給圧および油
路5Bの潤滑油圧は適正値にある。
エンジンが低回転数で運転されオイルポンプ2
0の吐出油量が少なく、これによりプライマリレ
ギユレータ弁30から油路2に排出される余剰油
が少なく、且つ油温が高いため油回路の各所から
油洩れが多くなり、これらによりセカンダリライ
ン圧が設定して適正範囲より低レベルとなつたと
き(第6図においてBゾーン); スプール37は図示上方に変位して第2ポート
372を閉じ、油路5からの余剰油の排出を停止
してセカンダリライン圧の保圧を図る。このと
き、油路5Aに圧油が全く供給されないと、トル
クコンバータ100においては直結クラツチの引
摺による摩擦と、オイルクーラーへの作動油の循
環が不十分となることによるトルクコンバータ内
の作動油の過昇温とが発生しやすい。本発明では
油路2から小径のオリフイス393を介して必要
最小限の作動油を油路5A内に供給し、該油路5
Aからロツクアツプ制御弁81を経てトルクコン
バータ100に供給し、前記直結クラツチ108
の引摺および作動油の過昇温を防止している。ま
た油路5Bに潤滑油が全く供給されないと潤滑が
必要な摺動部において焼付が生じやすくなるた
め、さらに小径のオリフイス394を介して必要
最小限の潤滑油を供給している。なおこれら小径
のオリフイス393および394を介して流路2
から流出する圧油の油量は微小であるため流路2
のセカンダリライン圧の保圧にはほとんど影響を
与えない。
エンジンが高回転数域で運転され、オイルポン
プ20の吐出油路が多く、これによりプライマリ
レギユレータ弁30から油路2に排出される余剰
油が多いとき(第6図Cゾーン); セカンダリライン圧が適正範囲より高くなるた
め、スプール37は図示下方に変位し第3ポート
373と第1ポート371とが連絡し、油路8を
介してオイルポンプ20の油圧サーボ203に圧
油が供給される。このため、オイルポンプ20の
吐出油量が低減し、これにより前記プライマリレ
ギユレータ弁30の余剰油を減少させてセカンダ
リライン圧を設定した適正範囲まで降圧させる。
このオイルポンプ20の吐出油量の低減により、
オイルポンプ20を駆動するに必要なエンジンの
出力トルクは低減する。この結果、車両を駆動さ
せるためのエンジン出力を増大させることができ
るとともに燃費の向上が図れる。
なおこのセカンダリライン圧は前記プライマリ
レギユレータ弁30が油路1に出力するプライマ
リレギユレータ圧の約1/2程度となつている。
スロツトル弁40は、一方(図示上方)にスプ
リング41が背設されたスプール42と、該スプ
ール42にスプリング43を介して直列的に配さ
れ、バルブボデイから突出して一端44A(図示
下端)が機関のスロツトル開度に応じて回転動す
るスロツトルカム(図示せず)の作用面に当接し
たスロツトルプランジヤ44とを有する。スロツ
トルプランジヤ44は図示上側の大径ランド44
1と図示下側の小径ランド442とを有し、前記
スロツトルカムによる押圧力に加えて、大径ラン
ド441の有効受圧面に印加される油路7のスロ
ツトル圧と、下側の小径ランド442の有効受圧
面に印加される油路7Aのカツトバツク圧とによ
つて、図示上方に変位し、スプリング43を介し
てスプール42を上方に押圧する。スプール42
は下方から前記スプリング43による押圧力を受
けるとともに、上方からスプリング41によるば
ね荷重を上端ランド421の有効受圧面に印加さ
れる油路7Aのカツトバツク圧と、オリフイス4
01を介して中間ランド422の有効受圧面に印
加されるスロツトル圧のフイードバツクとを受け
て変位し、油路2と油路7との連通面積を増減さ
せ、油路2から供給されたセカンダリライン圧を
スロツトル開度およびガバナ圧(出力軸回転数)
に関連して変化する第7図に示すスロツトル圧に
調整する。
カツトバツク弁45は、大径の下端ランド46
1、中間ランド462、上端ランド463を有す
るスプール46を備え、スプール46が図示下方
に設定されているとき油路7と油路7Aとが連絡
し、油路7Aにカツトバツク圧Pcが発生する。
スプール46は、上方から下端ランド461の有
効受圧面積S1に油路6を介して供給されたガバ
ナ圧Pgを受けるとともに、オリフイス451を
介して下方から下端ランド461の受圧面積S2
にカツトバツク圧Pcを受けるので、Pg×S1=Pc
×S2の平衡式で表される平衡を保つよう上方に
変位する。スプール46が上方に変位して行く
と、油路7Aは油路7との連絡面積が減少すると
ともにドレインポート452と連絡する面積が増
大して行くので、カツトバツク圧Pcが降下して、
Pg×S1>Pc×S2となり、スプール46は下方に
動かされる。このようにしてスプール46はPg
×S1=Pc×S2の平衡式で決定される位置に保持
され、油路7Aに出力するカツトバツク圧を調圧
する。第8図にカツトバツク圧Pc特性を示す。
ライン圧調整弁47は、一方(図示下方)にス
プリング48が背設されたスプール49を備えて
いる。スプール49は下方から前記スプリング4
8のばね荷重を受け、上方から図示上端ランド4
91に油路6のガバナ圧Pgを受けて変位し、ス
ロツトルコントロール圧を出力する油路7Bとス
ロツトル圧が供給される油路7及びドレインポー
ト471との連絡面積を調整して、油路7Bから
出力されるスロツトルコントロール圧を調圧す
る。第3図にスロツトルコントロール圧Psmの特
性を示す。
減速比制御機構50は、入力プーリ150の油
圧サーボ154と油路1またはドレインポート5
11との連絡を制御しVベルト式無段変速機14
0の減速比を変更する減速比制御弁51、入力プ
ーリ回転数、スロツトル開度などの車両走行条件
を入力とする電子制御装置により制御されて
ON、OFF作動し、前記減速比制御弁51を制御
するアツプシフト電磁ソレノイド弁55(以下ア
ツプソレノイド55という)およびダウンシフト
電磁ソレノイド弁(以下ダウンソレノイドとい
う)56とからなる。減速比制御弁51は、一方
(図示下方)にスプリング52が背設され、上端
ランド531と前記スプリング52の上端が当接
した下端ランド534との中間ランド532およ
び533を有するスプール53を有し、ランド5
31と532との間の油室521は油路9に連絡
するとともにスプール53が上方に変位すること
により油路1に連絡し、スプール53が下方に変
位することによりドレインポート511に連絡す
る。中間ランド532と533との間の油室52
2は下端油室524と連絡する油路12Aと連絡
しランド532により開口面積が調整されている
ドレインポート511から油路12Aの油圧を漏
らして調圧しスプールを中間位置に保持させる。
ドレインポート511には切り欠き511Aが設
けられ、この切り欠き511Aにより油路12A
からの油圧の洩れ量を漸変させて、スプールの中
間位置の保持を円滑に行つている。中間ランド5
33と下端ランド534との間の油室523は、
オリフイス512を介して油路6Aと連絡し、ス
プール53が中間位置に保持されているとき油路
6Aとドレインポート513とを連通させて油路
6Aを排圧し、スプール53が上方に変位したと
き下端ランド534が油路6Aの油圧を保持する
とともに下端油室524と連絡する油路12Aと
の連絡ポート515と前記ドレインポート513
とを連通させて油路12Aを排圧する。アツプソ
レノイド弁55は、オリフイス515を介して油
路2からセカンダリライン圧が供給されるととも
に減速比制御弁51の図示上端油室525に連絡
する油路2Aに配設されている。このアツプソレ
ノイド55はOFFのとき油路2Aの油圧をハイ
レベル(セカンダリライン圧と同等)に保持し、
ONのとき油路2Aの油圧を排圧する。ダウンソ
レノイド弁56は、オリフイス561を介して油
路12に連絡するとともに減速比制御弁51の下
端油室524に連絡し、さらに減速比制御弁のス
プール53が中間位置に保持されているとき該ス
プールの油室522に連絡するポート515に連
絡する油路12Aに取り付けられており、OFF
のとき油路12Aの油圧を保持し、ONのとき油
路12Aを排圧する。
上記構成において油路1のプライマリライン圧
は次のように制御される。
入力プーリ回転数、スロツトル開度など車両の
走行条件を入力とする電子制御回路からシフトア
ツプまたはシフトダウンのシフト信号が発せられ
るとアツプソレノイド55またはダウンソレノイ
ド56がONされ、これにより減速比制御弁51
のスプール53が中間位置から上方または下方に
変位する。この結果、スプール53が中間位置に
あるときにドレインポート513と油路6Aが連
絡して排圧されていた油路6A内に、油路6Aと
ドレインポート513との連絡が遮断されること
によりシフト信号油圧としてガバナ圧が発生し、
該油路6Aのガバナ圧はシフト信号油圧としてチ
エツク弁34および油路11を介してレギユレー
タプランジヤ33の上ランド331に印加されス
プール32を上方に押し上げる。このシフト信号
油圧によりレギユレータ弁30の油路1と油路2
との連通面積を減少させる。これによりレギユレ
ータ弁30により調整されるライン圧は第4図に
破線で示すようにレベルアツプする。
このように定常走行時には低いライン圧で入力
プーリの油圧サーボを一定に保ち、トルク比変化
時のみライン圧をレベルアツプし、このレベルア
ツプされたライン圧をアツプシフト時には入力プ
ーリの油圧サーボに供給し、ダウンシフト時には
出力プーリの油圧サーボに供給して減速比制御を
行つている。これによりVベルト式無段変速機の
急激なアツプシフトおよびダウンシフトが可能と
なり、加減速性能が向上する。またシフト時以外
には必要とされるライン圧が低レベルでよく、オ
イルポンプでの機関の出力消耗が低減できる。本
実施例ではシフト信号油圧として車速または出力
軸142の回転数の増大に対応して第3図に示す
如く昇圧するガバナ圧を用いている。これはガバ
ナ圧の前記特性がシフト走行時に必要となるライ
ン圧を得るために適当であることによるが、シフ
ト信号油圧はガバナ圧以外の他の油圧であつても
よい。
シフトシーケンス機構60は、シフトシーケン
ス弁61とチエツク弁64および65とからな
る。
シフトシーケンス弁61は、一方(図示下方)
にスプリング62が背設され、図示上端ランド6
31、中間ランド632、前記スプリング62の
上端が当接した図示下端ランド633を有するス
プール63と、油路1に連絡するポート611
と、出力プーリ160の油圧サーボ164へ作動
油を供給するための油路10に連絡するポート6
12と、油路12に連絡するポート613と、ド
レインポート614とを有する。チエツク弁64
は油路2と油路10とを連絡する油路に挿入さ
れ、チエツク弁65は油路2と油路12とを連絡
する油路に挿入されている。
シフトシーケンス弁61のスプール63は、下
方から前記スプリング62のばね荷重を受けてい
るとともに、上方からオリフイス601を介して
供給される油路9の圧力を上端ランド631に受
けており、油路9の油圧が設定値以上(定常走行
またはアツプシフト時)のとき図示下方に移動す
る。この移動により、油路12と油路10とが連
絡するとともに油路1と油路10との連絡が遮断
され、さらに油路1と油路13とが連絡する。油
路9の油圧が排圧(ダウンシフト時)のときスプ
ール63は図示上方に移動し油路1と油路10と
が連絡するとともに、油路12がドレインポート
614に連絡して排圧され、さらに油路1と油路
13との連絡が遮断される。チエツク弁64は、
シフトシーケンス弁のスプール63が図示下方に
設定されているとき油路2のセカンダリライン圧
を油路10および油路12に供給する作用を行
い、チエツク弁65は油路12の油圧が油路2の
油圧より高くなつたとき油路12の圧油を油路2
に排出する。出力軸回転数に対する油路9の油圧
P9、油路10の油圧P10、油路12の油圧P12の
変化を第9図に示す。
入力プーリモジユレータ機構66は、モジユレ
ータ弁67とチエツク弁69とからなる。モジユ
レータ弁67は一方(図示下方)にスプリング6
71が背設されたスプール68を有し、チエツク
弁69はモジユレータ弁67の出力油路13Aと
入力プーリの油圧サーボ154への作動供給油路
9との間に挿入される。モジユレータ弁67のス
プール68は一方から前記スプリング671のば
ね荷重と油路6から供給されるガバナ圧とを受け
他方からはオリフイス672を介して図示上端ラ
ンドに印加される油路13Aの出力油圧のフイー
ドバツクを受けて変位し、油路13Aと油路13
およびドレインポート673との連通面積を調整
して油路13から供給されたライン圧を前記ガバ
ナ圧に関連して調圧し、ラインモジユレータ圧
Pmとして油路13Aに出力する。
第10図にラインモジユレータ圧Pmと、定常
走行時に入力プーリの油サーボに必要とされる要
求圧Pnとを示す。
従来の減速比制御機構においては、定常走行状
態を維持するには、入力プーリと出力プーリとに
引張られるVベルトの張力が保持されるように、
遠心力により発生する油圧サーボ内の油圧を考慮
して靜油圧を、それぞれのプーリの油圧サーボに
供給し、油圧サーボによるVベルトの挟圧力を入
力プーリと出力プーリとでバランスさせる必要が
ある。しかるに入力プーリと出力プーリの回転数
は減速比(トルク比)にしたがつて変動するの
で、前記バランスを達成するために減速比制御機
構を作動させて入力プーリの油圧サーボへ作動油
を供給したりまたは該入力プーリの油圧サーボか
ら作動油を排出させたりする必要があつた。この
ため定常走行においても常にソレノイド弁が
ON、OFF作動し、ソレノイド弁の負担が大き
く、電磁ソレノイド弁の耐久性の観点から不利で
あつた。
入力プーリモジユレータ機構66は、各スロツ
トル開度における機関の駆動力と定地走行抵抗と
のつりあう速度を求め、その状態(定常時)に必
要な入力プーリの油圧サーボ圧を減速比制御機構
を介さず、入力プーリモジユレータ機構から供給
して入力プーリの油圧サーボ圧をバランスさせ、
これにより減速比制御機構の定常走行あるいはダ
ウンシフトの維持をする時の前記ダウンシフトお
よびアツプシフト電磁ソレノイド弁のON、OFF
作動の回数を低減させている。
つぎに減速比制御機構50、シフトシーケンス
機構60、入力プーリモジユレータ機構66およ
び油圧調整装置のプライマリレギユレータ弁30
の作用を説明する。
車両の停車から発進時 マニユアル弁がN位置に設定されているときは
ともにOFF状態にあつたアツプソレノイド弁5
5およびダウンソレノイド弁56のうち、マニユ
アル弁のN−Dシフト信号が入力された電子制御
回路の作用によりダウンソレノイド弁56が短時
間ONされ、スプール53が図示下方に設定され
る。これにより入力プーリの油圧サーボ154に
作動油を供給する油路9は、ドレインポート51
1と連絡し排圧されて降圧する。油路9の油圧が
設定値に降圧すると、シフトシーケンス弁61の
スプール63はスプリング62の作用で図示上方
に変位し、油路1と出力プーリの油圧サーボ16
4に作動油を供給する油路10とが連絡し、油路
10にプライマリライン圧が供給されるとともに
油路12とドレインポート614とが連絡し、油
路12が排圧される。油路10にプライマリライ
ン圧が供給されたことにより、出力プーリ160
の油圧サーボ164は出力プーリ160の実効径
を迅速に最大値に増大させるとともに該出力プー
リの実効径の増大にともなうVベルト145の張
力で入力プーリは可動フランジが押し動かされ、
油圧サーボ154内の作動油圧の排圧を促進させ
ながら実効径を最小値に減少させる。これととも
に油路12Aはドレインポート513と連通して
排圧され、且つ油路12も排圧されているのでダ
ウンソレノイド弁56のON、OFFにかかわらず
排圧状態が接続される。該油路7Bのスロツトル
コントロール圧が油路11を介してプライマリレ
ギユレータ弁30のレギユレータプランジヤ33
に入力されてプライマリライン圧をレベルアツプ
する。このレベルアツプされたプライマリライン
圧が前述の如く出力プーリの油圧サーボ164に
供給されるので出力プーリ160の実効径の増大
を迅速且つ強力に行われてスムーズな車両の発進
が可能となる。
車両の発進からのアツプシフト時および走行中の
急速なアツプシフト時 アツプソレノイド弁55はONされ、ダウンソ
レノイド弁56はOFFされる。これにより減速
比制御弁51のスプール53は図示上方に設定さ
れ、油路9と油路1とが連絡する。油路9にはプ
ライマリライン圧が供給されるのでシフトシーケ
ンス弁60のスプール63は図示下方に変位し、
油路10と油路1との連絡が遮断されるとともに
油路10と油路12とが連絡する。このため油路
10にはチエツク弁64を介して油路2のセカン
ダリライン圧が供給される。Vベルト式無段変速
機においては油路9からプライマリライン圧が供
給された入力プーリの油圧サーボ154の方が油
路10からセカンダリライン圧が供給されている
出力プーリの油圧サーボ164より荷重が大き
く、入力プーリ150の実効径は増大し、出力プ
ーリ160の実効径は減少してアツプシフトがな
される。油路10に供給されたセカンダリライン
圧は油路12を介して油路12Aに導かれダウン
ソレノイド弁56により油路12Aの油圧の制御
を可能にする。またスプール53が図示上方に設
定されたことにより、油路6Aとドレインポート
513との連通はランド534により遮断される
ので、油路6Aのガバナ圧は保圧され、該油路6
Aのガバナ圧はプライマリレギユレータ弁30の
レギユレータプランジヤ33に入力されてプライ
マリライン圧を第4図の如くレベルアツプする。
このレベルアツプされたプライマリライン圧が前
述の如く入力プーリの油圧サーボ154に供給さ
れるので入力プーリ150の実効径を迅速、且つ
強力に行うので車両の急速なシフトアツプがなさ
れ、加速性能の優れた車両用無段自動変速機が得
られる。
定常走行時 アツプソレノイド弁55およびダウンソレノイ
ド弁56はともにOFFされている。
減速比制御弁51のスプール53は中間位置に
保持され、油路9は油路1およびドレインポート
511のいずれとも遮断されて油圧は保持され、
これによりシフトシーケンス弁61のスプール6
3は図示下方に保持される。この状態において油
路9における作動油の洩れを補充または出力軸回
転数の増大に伴う減速比の微少な変更(増大)の
ための油路9への作動油の供給は油路12Bから
チエツク弁69を介して入力プーリモジユレータ
弁によつてなされ、アツプソレノイド弁55、ダ
ウンシフト弁56のON、OFF作動なしになされ
る。これによりソレノイド弁55および56の耐
久性が向上するようになる。
通常のアツプシフト時およびゆるやかなアツプシ
フト時 電子制御装置の出力によりアツプソレノイド弁
55は断続的にON、OFFされ、減速比制御弁の
する53が振動的に上方に変位されて油路1と油
路9とを小連通面積で連絡させる。これにより油
路9の油圧は上昇し、該油路9に連絡した入力プ
ーリの油圧サーボ154は前記油路1から油路9
への作動油の供給量に応じて入力プーリの実効径
を増大させ、アツプシフトがなされる。
通常のダウンシフト時およびゆるやかなダウンシ
フト時 電子制御装置の出力によりダウンソレノイド弁
56は断続的にON、OFFされ、減速比制御弁の
スプール53が振動的に下方に変位してドレイン
ポート511と油路9とを小連通面積で連絡させ
る。これにより油路9の油圧は降下し、該油路9
に連絡した入力プーリの油圧サーボ154は前記
油路9から油路511への作動油の排出量に応じ
て入力プーリの実効径を減少させ、ダウンシフト
がなされる。
急なダウンシフト時 アツプソレノイド弁55はOFFされ、ダウン
ソレノイド弁56はONまたはOFFされる。これ
により減速比制御弁51のスプール53は図示下
方に設定され、油路9はドレインポート511に
連絡する。油路9は排圧され、これによりシフト
シーケンス弁61のスプール63がスプリング6
2の作用で図示上方に設定され、油路10は油路
1に連絡し出力プーリの油圧サーボ164にプラ
イマリライン圧が供給されるとともに、油路12
がドレインポート614と連絡し排圧される。V
ベルト式無段変速機120においては出力プーリ
の油圧サーボにプライマリライン圧が供給された
ことにより出力プーリ120の実効径が急速に増
大するとともにこの実効径の増大に伴うVベルト
145の張力で入力プーリの可動フランジが押し
動かされ、油圧サーボ154内の作動油の排圧を
促進させながら実効径を減少させる。このとき油
路12Aはドレインポート513と連絡し排圧さ
れるのでダウンシフトソレノイド弁56のON、
OFFの如何にかかわらず排圧状態が持続される。
またスプール53が図示下方に設定されたことに
より、油路6Aとドレインポート513との連通
がランド533により遮断されるので、油路6A
のガバナ圧は保圧される。該油路6Aのガバナ圧
はプライマリレギユレータ弁30のレギユレータ
プランジヤ33に作用してプライマリライン圧を
第4図の如くレベルアツプする。このレベルアツ
プされたプライマリライン圧が前述の如く出力プ
ーリの油圧サーボ164に供給されるので、出力
プーリ160の実効径の増大が迅速且つ強力に行
われて、車両の急加速がなされる。
マニユアル弁70は、運転席に設けたシフトレ
バーにより手動で変位されるスプール71を備
え、スプール71はシフトレバーにより設定され
るP(駐車)、R(後進)、N(中立)、D(前進)、

(ロー)の各シフト位置を有し、各シフト位置に
おいて表1に示す如く油路1および油路2と、 表 1 P R N D L 油路3 × ○ × × × 油路4 × × × △ △ ○は油路1との連絡を示し、△は油路2との連
絡を示し、×は排圧を示す。
油路3および油路4とを連絡し、油路3および
油路4にライン圧またはセカンダリライン圧を供
給するかあるいは油路3または油路4をドレイン
ポート701または702と連絡して排圧する。
またクラツチC1に連絡する油路4の排圧を行
うドレインポート702は開口が油面712の上
に出ているよう設定され、クラツチC1の油圧サ
ーボ内の残油によるクラツチの引きずりを防止し
ている。
シフト制御機構75は、シフト制御弁76と、
このシフト制御弁76の図示左端油室に連絡する
油路2Dに配設され、オリフイス91を介して油
路2からシフト制御弁76の左端油室に供給され
るセカンダリライン圧を電子制御装置の出力に応
じて制御するシフト制御用電磁ソレノイド弁(以
下シフトソレノイド弁という)79からなる。し
たがつてシフトソレノイド弁79によつてシフト
制御弁76が制御されるようになつている。シフ
ト制御弁76は、一方(図示右方)にスプリング
77が背設され、図示左端ランド781、中間ラ
ンド782および783、小径で前記スプリング
77の左端が当接された図示右端ランド784と
を有するスプール78を有する。スプール78
は、左方からランド781に前記油路2Dの油圧
を受けるとともに、右方から右端に前記スプリン
グ77のばね荷重、ランド783の有効受圧面積
(ランド783の断面面積−ランド784の断面
面積)にブレーキB1の油圧サーボ122に連通
する作動油給排油路3a内の油圧、ランド784
にクラツチC1の油圧サーボ121への作動油圧
の給排油路4a内の油圧をそれぞれ受けるように
なつている。これらの各油圧の大きさおよびばね
荷重の大きさに応じてスプール78が変位するよ
うになつている。
次にマニユアル弁70及び前記シフト制御機構
75の作用を説明する。
マニユアル弁70がN位置(レンジ)からDに
シフトされたとき、 油路3は排圧状態になり、油路4にセカンダリ
ライン圧が供給される。N→Dシフト信号よりN
レンジ時にOFFとなつていたシフトソレノイド
弁79は設定された短時間ONされ、これにより
スプール78は図示左方に設定される。このとき
油路4と油路4aとは遮断され、油路4aはドレ
インポート761に連絡して排圧されており、ク
ラツチC1は開放されている。デユーテイコント
ロールによりシフトソレノイド弁79のON時間
を漸減するようON−OFFすると、油路2D内の
油圧が漸増し、スプール78は徐々に図示右方に
変位する。これにより油路4aと油路4との連通
面積が増大するとともにドレインポート761と
の連通面積が減少し、油路4aの油圧はなめらか
にセカンダリライン圧に漸近して行く。このよう
にしてなめらかなN→Dシフトがなされる。一定
時間後シフトソレノイド弁79はOFFされる。
マニユアル弁70がNレンジからRレンジにシ
フトされたとき、 油路3にプライマリライン圧が供給され、油路
4は排圧状態を維持する。N−Rシフト信号によ
り、NレンジにおいてはOFFとなつていたシフ
トソレノイド弁79はデユーテイーコントロール
によりOFF時間が漸増するようON−OFFされ、
これにより油路2Dの油圧は漸減して行く。これ
により図示右方に設定されていたスプール78は
徐々に図示左方に変位し、油路3aとドレインポ
ート761との連通面積が漸減するとともに、油
路3aとの連通面積が漸増し、スムーズなN→R
シフトがなされる。一定時間後シフトソレノイド
弁79はONされる。
ソレノイド弁79がONされているときは油路
2Dが排圧されるのでスプール78は図示左方に
設定されて油路3と油路3aとが連絡し、油圧サ
ーボ122に圧油が供給されてブレーキB1が係
合するとともに、油路4aがドレインポート76
1と連絡して排圧され、クラツチC1は開放され
る。これにより遊星歯車変速機構120は後進状
態となる。またソレノイド弁79がOFFされて
いるとき油路2Dの油圧はセカンダリライン圧と
なり、スプール78は図示右方に設定されて、油
路4が油路4aに連絡するとともに油路3aがド
レインポート761に連絡する。これにより油圧
サーボ121に圧油が供給されるとともに油圧サ
ーボ122が排圧されて、クラツチC1が係合し
するとともにブレーキB1が開放される。これに
より遊星歯車変速機構120は前進状態となる。
またDレンジで走行中設定車速以下で且つ設定
スロツトル開度以下のとき電子制御装置の出力に
よりシフトソレノイド弁79をONさせる。これ
によりクラツチC1が開放する。クラツチC1が
開放することにより、遊星歯車変速機構の入力軸
と出力軸との間の連絡が解かれる。すなわち動力
伝達が解除される。この結果、車両は慣性走行を
行うようになる。これにより燃費が向上する。こ
のクラツチC1はこの実施例における本発明の動
力遮断手段を構成する。
ロツクアツプ制御機構80は、ロツクアツプ制
御弁81、ロツクアツプシグナル弁85、および
補助装置としてロツクアツプ電磁ソレノイド弁8
8を有する。
ロツクアツプ制御弁81は、図示下方に配置さ
れたスプール82と、該スプール82にスプリン
グ83を介して直列に配設されたプランジヤ84
とを有する。スプール82は、それぞれ同一径の
図示下端ランド821、中間ランド822、上端
ランド823を有し、プランジヤ84はスプール
82のランドより小外径に設定されている。
ロツクアツプシグナル弁85は、一方にスプリ
ング86が背設されたスプール87を有し、該ス
プール87は一方から前記スプリング86のばね
荷重とオリフイス881を介して油路2と連絡す
る油路2Cの油圧を受け、他方から油路10の油
圧を受けて変位したとき図示上方に設定されたと
き油路2と油路2Bとを連絡させ、図示下方に設
定されたとき油路2と油路2Bとの連絡を遮断す
るとともに油路2Bをドレインポート851に連
絡する。
ロツクアツプ電磁ソレノイド弁88は、油路2
Cに配設され、ONされたとき該油路2Cの油圧
を排圧してロツクアツプシグナル弁85のスプー
ル87を油路10の油圧の変化により変位可能と
し、OFFされたとき油路2Cの油圧を保持して
ロツクアツプシグナル弁85のスプール85を図
示上方にロツクする。
つぎにロツクアツプ制御機構80の作用を説明
する。
ロツクアツプ制御弁81には、直結クラツチの
解放および係合を制御するための入力信号油圧と
して、油路2、ロツクアツプシグナル弁85およ
び油路2Bを介してスプール82の図示下端ラン
ド821の受圧面(受圧面積L2)にセカンダリ
ラインPsが印加され、油路10からプランジヤ8
4の受圧面(受圧面積L1)に出力プーリ160
の油圧サーボ164の油圧P10が対向油圧として
印加されている。
(イ) 出力プーリ160の油圧サーボ164の油圧
がプライマリライン圧P1のとき; このロツクアツプ制御弁81は、P10=P1で
あるからP10・L1>Ps・L2となるようスプー
ル82およびプランジヤ84の受圧面積が設定
されている。このため油路10油圧P10がプラ
イマリライン圧P1となつているときは、スプ
ール82は直結クラツチ解放側に固定され、入
力信号油圧(セカンダリライン圧Ps)の如何に
かかわらず油路5Aと油路5Cとを連絡すると
ともに油路5Dと油路5Fとを連絡する。作動
油は油路2→セカンダリレギユレータ弁35→
油路5→油路5A→ロツクアツプ制御弁81→
油路5C→油路5D→ロツクアツプ制御弁81
→油路5F→オイルクーラーの順に流れ、直結
クラツチ108は解放されている。
(ロ) 出力プーリの油圧サーボ164の油圧がセカ
ンダリライン圧のとき; P10=Ps P10・L1<Ps・L2 の関係によりスプール82は図示上方(直結ク
ラツチ係合側)に設定され、油路5Aと油路5
Dとが連絡するとともに油路5Cがドレインポ
ート811に連絡する。作動油は油路2→セカ
ンダリレギユレータ弁35→油路5→油路5A
→ロツクアツプ制御弁81→油路5D→油路5
C→ロツクアツプ制御弁のドレインポート81
1の順に流れ、ロツクアツプクラツチは係合す
る。第11図にロツクアツプ制御弁81のスプ
ールの位置と油路2Bの油圧P2Bおよび油路1
0の油圧P10との関係を示し、第12図に車速
に対するP2BおよびP10の特性を示す。
ロツクアツプシグナル弁85は、受圧面積L
のスプール87に図示上方から出力プーリの油
圧サーボ164の油圧である油路10の油圧
P10が印加され、図示下方からスプリング86
のばね荷重SP2とオリフイス881を介して油
路2に連絡した油路2Cのセカンダリライン圧
Psとが印加される。
(ハ) 油路10の油圧P10がプライマリライン圧P1
のとき; P10=P1 P10・L>Ps・L+SP2 の関係となるようばねが設定されているため、
スプール87は図示下方に設定され、油路2B
とドレインポート851とが連絡し、油路2B
が排圧される。この油路2Bの排圧により前記
ロツクアツプ制御弁のスプールは図示下方に設
定され、直結クラツチは解放される。
よつて油路10の油圧がプライマリライン圧
のときは、入力信号油圧(油路2Bの油圧)が
ロツクアツプ制御弁81に供給されないため、
直結クラツチ10は他の条件の如何にかかわら
ず解放される。
(ニ) 油路10の油圧P10がセカンダリライン圧Ps
のとき; P10=Ps P10・L<Ps・L+SP2 となり、スプール87は図示上方に設定され、
油路2Bは油路2と連絡してセカンダリライン
圧Psが供給される。
よつて油路2Bに供給されるセカンダリライ
ン圧Psによりスプール82が上方に設定され、
直結クラツチが係合する。
(ホ) ロツクアツプソレノイド88がONされてい
るとき; 前述の如く油路2Bは排圧されて、スプール
87は油路10の油圧の如何にかかわらず図示
下方に固定され、ロツクアツプ制御弁81に入
力信号油圧は供給されず、直結クラツチ108
は解放される。油路5Dと油路5Fとの間には
オリフイス5Gが設けられ油温の過上昇防止に
必要最小限の作動油をオイルクーラーへ常時供
給している。
なお、本発明は前述の実施令に限定されるもの
ではなく、種々の設計変更が可能である。
例えば前述の実施例では、本発明の動力遮断手
段として前後進切換歯車機構のなかの前進用多板
クラツチC1を用いるものとしているが、動力遮
断手段は前後進切換歯車機構以外の他の場所に設
けることもできるし、前後進切換歯車機構が設け
られていない動力伝達装置にも本発明は適用する
ことができる。
以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、エンジン出力軸とトランスミツシヨン出力軸
との間の動力伝達系統に動力を遮断する動力遮断
手段を介設しているので、低速走行時にエンジン
と駆動輪との間の動力伝達を確実に遮断して慣性
走行を行うことができるようになる。したがつ
て、エンジン出力を無駄にすることがなく、燃費
を確実に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る車両用動力伝達装置の骨
格図、第2図はその車両用動力伝達装置に用いら
れる無段自動変速機の油圧制御装置の油圧回路
図、第3図は該油圧制御装置に設けられたガバナ
弁の出力するガバナ圧特性およびライン圧調圧弁
の出力するスロツトルコントロール圧特性を示す
グラフ、第4図は該油圧制御装置におけるプライ
マリライン圧特性を示すグラフ、第5図は該油圧
制御装置における油圧調整装置によるセカンダリ
ライン圧特性を示すグラフ、第6図はセカンダリ
レギユレータ弁の各ポートからの出力油圧特性を
示すグラフ、第7図はスロツトル弁の出力するス
ロツトル圧特性を示すグラフ、第8図はカツトバ
ツク圧特性を示すグラフ、第9図はシフトシーケ
ンス弁の入力および出力油圧特性を示すグラフ、
第10図は入力プーリモジユレータ弁の出力する
ラインモジユレータ圧Pmと入力プーリの必要油
圧Pnとの特性を示すグラフ、第11図はロツク
アツプ制御弁のスプールの位置と入力信号油圧お
よび対向油圧との関係を示すグラフ、第12図は
車速に対するロツクアツプ制御弁の入力信号油圧
および対向油圧の特性を示すグラフである。 70……マニユアル弁、75……シフト制御機
構、76……シフト制御弁、79……シフト制御
用電磁ソレノイド弁、100……トルクコンバー
タ(発進装置)、120……前進後進切換歯車機
構、140……Vベルト式無段変速機、150…
…入力プーリ、160……出力プーリ、180…
…出力ギア装置(トランスミツシヨン出力軸)、
C1……多板クラツチ(動力遮断手段)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 エンジン出力軸に連結される発進装置が無段
    変速機構を介してトランスミツシヨン出力軸に連
    結され、エンジン出力を無段変速して伝達させる
    車両用動力伝達装置において、 前記エンジン出力軸と前記トランスミツシヨン
    出力軸との間の動力伝達系統に、動力遮断手段が
    配設され、車速が設定値以下でかつエンジン負荷
    に対応した信号が設定値以下のとき、前記動力遮
    断手段により動力伝達が断たれることを特徴とす
    る車両用動力伝達装置。
JP31277289A 1989-11-30 1989-11-30 車両用動力伝達装置 Granted JPH02195068A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31277289A JPH02195068A (ja) 1989-11-30 1989-11-30 車両用動力伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31277289A JPH02195068A (ja) 1989-11-30 1989-11-30 車両用動力伝達装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21080182A Division JPS5999148A (ja) 1982-11-30 1982-11-30 車両用無段自動変速機の油圧制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02195068A JPH02195068A (ja) 1990-08-01
JPH039343B2 true JPH039343B2 (ja) 1991-02-08

Family

ID=18033231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31277289A Granted JPH02195068A (ja) 1989-11-30 1989-11-30 車両用動力伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH02195068A (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02195068A (ja) 1990-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4534243A (en) Hydraulic control system for a V-belt transmission
US4559850A (en) Stepless automatic transmission for motor vehicles
US4785690A (en) Pressure regulating system for use in an automatic transmission
EP0274078B1 (en) System for actuating the displaceable pulley in a continually variable transmission
JPH0477821B2 (ja)
JP2984755B2 (ja) 無段変速機の変速比制御装置
JPH0531025B2 (ja)
JPH0327788B2 (ja)
JPH039343B2 (ja)
JPH0337661B2 (ja)
JPH0470507B2 (ja)
JPH0432258B2 (ja)
JPH0321785B2 (ja)
JPS61105361A (ja) 車両用無段変速装置
JPH0321786B2 (ja)
JPH0581794B2 (ja)
JPH059661B2 (ja)
JPH0327787B2 (ja)
JPH0327789B2 (ja)
JPH065101B2 (ja) 流体式動力伝達装置付車両用自動変速機のロックアップ制御装置
JPH076575B2 (ja) 車両用無段変速機の油圧制御装置
JP3212651B2 (ja) 油圧作動式変速機の油圧制御回路
GB2138896A (en) An automatic transmission for a vehicle
JPH0231264B2 (ja) Sharyoyomudanjidohensokukinorainatsuseigyokiko
JPH0440578B2 (ja)