JPH03927B2 - - Google Patents

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JPH03927B2
JPH03927B2 JP1850685A JP1850685A JPH03927B2 JP H03927 B2 JPH03927 B2 JP H03927B2 JP 1850685 A JP1850685 A JP 1850685A JP 1850685 A JP1850685 A JP 1850685A JP H03927 B2 JPH03927 B2 JP H03927B2
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Kuniharu Uchimura
Tsutomu Kobayashi
Atsushi Iwata
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は信号周波数と比較して非常に高い周波
数で変換動作を行うことによつて、高い変換精度
を実現するオーバーサンプリング形アナログ・デ
イジタル変換器(以後A/D変換器と略称する)
に係り、特に集積回路に適しかつ小形で経済的に
高精度A/D変換を行うことができるオーバーサ
ンプリング形A/D変換器に関するものである。
〔従来の技術〕
アナログ信号をサンプリングする場合、ナイキ
ストの定理により信号周波数帯域(fBW)に対し
て2倍のサンプリング周波数(fs)を設定すれば
原信号が再生できることが知られている。したが
つて、一般的なA/D変換器のサンプリング周波
数(fs)は信号周波数帯域(fBW)の2倍程度に
選ばれている。
これに対してオーバーサンプリング形A/D変
換器はサンプリング周波数(fs)を信号周波数帯
域(fBW)の2倍より高い周波数に設定すること
によつて変換精度の向上を図るものである。
そして、A/D変換器の変換誤差はサンプリン
グしたアナログ信号をデイジタル信号に量子化す
る場合に発生する。この量子化誤差は入力電圧と
量子化された電圧との差であり、最小量子化電圧
(Vq)に対して±1/2Vqの振幅範囲内のランダム
値である。このため、量子化誤差によつて発生す
る量子化雑音の周波数スペクトルは1/2fSの帯域
内に一様に分布するものとなる。
第8図に±1Vの範囲内で量子化誤差が発生す
る場合の量子化雑音の周波数スペクトル分布を示
す。この第8図は横軸にFREQ(KHz)、縦軸に
LEVEL(dB)をとつて表わした量子化雑音の周
波数スペクトル分布特性を示す特性図である。た
だし、fS=2048KHz、0dB=1Vop、スペクトル
幅500Hzである。
そして、量子化雑音電力の総和は雑音振幅で決
まるので、サンプリング周波数(fS)が高いほど
広い帯域に雑音は分散して各スペクトルのレベル
は低下する。ここで、信号周波数帯域fBW
16KHz、サンプリング周波数fS=2048KHzとし
て16KHz以上の量子化雑音をフイルタで除去す
れば、信号帯域内に残る量子化雑音電力は2・
fBW/fS=1/64に低減される。
つまり、ナイキストの定理から決まるサンプリ
ング周波数(fS)に対して64倍にオーバーサンプ
リング化することによつて量子化雑音電力は1/
64倍に低減されS/N比として約18dB改善され
る効果がある。このS/N比改善効果はA/D変
換回路の量子化分解能を8倍(3ビツト分)だけ
高めたことと等価である。
つぎに、△−Σ形オーバーサンプリングA/D
変換器と呼ばれる構成のものを第10図に示す。
そして、この△−Σ形オーバーサンプリングD/
A変換器としては、例えば、下記文献記載のもの
がある。
アイイーイーイー ジヤーナル オブ ソリツ
ドステイト サーキツト(IEEE JOURNAL
OF SOLID−STATE CIRCUITS AUGUST
1981 VOL−SC−16No.4、T.Misawa,J.E.
Iwersen,“Single−Chip per Channel Codec
with Filters Utilizing △−Σ Modulation”
PP333−341)。
この第10図において、1は信号入力端子、2
は信号出力端子、3は量子化器、4はデイジタ
ル・アナログ変換回路(以下、D/A変換回路と
略称する)、5は積分回路、5−1はこの積分回
路5を構成する積分器、6は加算器、7は量子化
器3の出力端とD/A変換回路4との間に挿入さ
れた遅延回路である。そして、この第10図は積
分回路5によつて量子化雑音が高周波域により多
く分布するように工夫されたもので、信号出力端
子2に現れる雑音スペクトル分布特性を第9図に
示す。この第9図は第10図における量子化器3
が第8図に示す特性の場合と同様に±1Vの範囲
で量子化誤差電圧を発生するときの特性で、fS
2048KHz、0dB=1Vop、スペクトル幅=500Hz
の条件で算出したものである。
この第8図と第9図を比較すると明らかなよう
に、第9図の方が低周波域で雑音レベルが低く、
高周波域で雑音レベルが高くなつている。したが
つて、単にサンプリング周波数(fS)を高める方
法よりS/N比の改善効果は大きい。
そして、第10図の積分回路5は1個の積分器
5−1で構成(1重積分形)されているが、2重
積分形の構成を示す第11図における積分回路5
は2個の積分器5−2,5−4と加算器5−3で
構成されている。この第11図に示す構成は第1
0図に示す構成のものより、量子化雑音が低周波
域でより低域される。なお、この第11図におい
て第10図と同一符号のものは相当部分を示す。
この第10図および第11図において、7は量
子化器3の出力端とD/A変換回路4との間に挿
入された遅延回路であり、T=1/fSの遅延時間
をもつている。また、太線部分はデイジタル信号
であることを示しており、量子化器3の出力を
D/A変換回路4によつてアナログ値に復元して
いる。そして、量子化器3の発生する量子化雑音
電圧をVqN、積分回路5の伝達特性をH(Z)とした
場合の信号出力端子2に現われる雑音電圧VTN
(1)式のZ関数で表現される。
VTN=VqN/(1+Z-1・H(Z)) …(1) ただし、Z-1=e-jT,ω=2πf,T=1/fSであ
る。
ここで、雑音電圧VTNが、第10図および第1
1図に示すA/D変換器の変換誤差によつて生じ
る雑音電圧である。そして第10図の積分回路5
の伝達特性H(Z)はH(Z)=1/(1−Z-1)、第11
図の積分回路5の伝達特性H(Z)はH(Z)=(2−
Z-1)/(1−Z-12であるから、(1)式代入すると
第10図、第11図における雑音電圧VTNはそれ
ぞれ(2),(3)式で求められる。
VTN=VqN・(1−Z-1) …(2) VTN=VqN・(1−Z-12 …(3) (1−Z-1)の周波数特性は(4)式で求められる。
(1−Z-1)=1−e-jT=2sin(1πf/fs) …(4) そして、量子化雑音電圧VqNは、fS/2の帯域
内に一様のレベルで分布する白色雑音であるか
ら、(4)式の周波数特性から明らかなように雑音電
圧VTNの低い周波数成分ほどレベルが低いことが
わかる。また、第8図、第9図に示す雑音スペク
トル分布特性の関係から、サンプリング周波数
(fS)を高めたことによつて量子化雑音VqNが広帯
域に分散して雑音レベルが低下するのに加えて、
(2),(3)式の示す周波数特性で低周波の雑音レベル
は低下することがわかる。
このように、雑音の周波数分布特性を変えて
3/N比を改善するA/D変換器をノイズ・シエ
イピング形と呼んでいる。具体的に第10図に示
す構成では、fBW=16KHz,fS=2048KHzとする
と、(2)式より帯域内雑音レベルは約31dB減衰す
る。前記したように、量子化雑音が広帯域に分散
することによるS/N比改善効果18dBと合わせ
ると、第10図に示す構成によるS/N比改善効
果は約49dBである。
一方、第10図および第11図に示す構成にお
いて、積分器5−1,5−2,5−4は演算増幅
器を用いて実現するのが一般的であり、量子化器
3やD/A変換回路4に比較して動作速度が低
い。そのため、積分器の動作速度が支配的にサン
プリング周波数(fS)の上限を決定することにな
る。第11図では積分回路を2個直列に使用して
おり第10図に示す構成のものに対して2倍の処
理時間を要するので、サンプリング周波数(fS
の上限は約1/2に制限される。そのため、積分
回路を2個直列に接続してS/N比を改善しても
その効果は半減してしまう。具体的に、fBW
16KHz、fS=1024KHzとして第11図のS/N
比改善効果を求めると、量子化雑音が広帯域に分
散することによる改善効果が約15dB、ノイズ・
シエイビングによる改善効果が(3)式より約47dB
で合計62dBである。そして、第10図の構成で
は、S/N比改善効果が49dBであつたから、
13dBだけ第11図の方が改善効果が大きいこと
になる。
そして、量子化器の分解能がNqビツト、信号
電圧範囲を±1、とした場合の量子化誤差の2乗
平均値VqN2は1/12(22-Nq2で、ピークレベルの正 弦波の平均電圧は1/√2であるから、そのS/
N比は10log(6/(22-Nq2〔dB〕となる。つまり、 量子化器のみのS/N比は6×(Nq−1)+1.8
〔dB〕の式で求められる。第11図に示す構成で
はS/N比の改善は前記したように62dB(fBW
16KHz,fS=1024KHz)であつたから、量子化
器の分解能を2ビツトとした場合(D/A変換回
路は3値出力)のS/N比は量子化器のみの値
7.8dBに改善量62dBを加えた69.8dBである。
第10図および第11図に示すA/D変換器に
おいて、アナログ回路であるD/A変換回路4、
加算器6および積分回路5の直線性が悪いと波形
歪を発生して、変換精度が劣化する。特にD/A
変換回路4の直線性を確保することが実際回路で
は重要である。そして、加算器6、積分回路5は
演算増幅器を使用して構成することが多いが、そ
の場合の直線性は演算増幅器の利得G(60〜
100dB)による負帰還で大幅に改善されるため、
比較的容易に高い直線性が得られる。
第12図は第10図に示す構成において、量子
化器3で発生する誤差電圧が±0.5Vの場合にfS
2048KHz、0bB=1Vop、スペクトル幅=62.5Hz
の条件で出力電圧のスペクトル分布を求めたもの
で、(a)はD/A変換回路4の非線形誤差がない
(0%)ときを示したものであり、(b)はD/A変
換回路4の非線形誤差が0.5%のときを示したも
のである。
そして、横軸にFREQ.(KHz)、縦軸にLEVEL
(dB)をとつて表わしたD/A変換回路の非線形
誤差と出力雑音周波数スペクトル分布特性の関係
を示す第12図の(b)において、HDは高調波歪成
分を示し、この第12図(b)では入力信号(f=
1062.5Hz)の高調波歪を発生している。
ここでfBW=16KHzとすると高調波歪成分の大
部分は信号周波数帯域fBW以下に含まれており、
高調波歪成分によつてS/N比が制限されてしま
う。そして、この12図(b)の場合にはS/N比は
約46dBに制限されている。一般にD/A変換回
路は抵抗素子、容量素子によつて電圧を分割して
出力電圧を得るので、直線性は抵抗あるいは容量
素子の比精度によつて決まる。そして集積回路上
に形成される抵抗や容量素子の比精度は製造後の
微調整をやらない場合には約0.5〜0.05%程度で
あるから、S/N比の上限値は46〜66dBである。
ところが、2値出力(1ビツト分解能)と3値出
力(2ビツト分解能)の低分解能では複数の素子
を使用せずに出力電圧が得られるので、素子の比
精度とは無関係に高い直線性が実現できる。例え
ば、2値出力の場合はどのような2点も直線上に
乗るので基本的に直線性は問題とならない。ま
た、3値出力の場合には、1個の容量素子に基準
電圧を正あるいは負方向に充電するか、放電して
3通りの直線性の高い電圧を得ることができる。
したがつて、D/A変換器の分解能を2ビツトよ
り高めても、非線形誤差が問題となつてS/N比
改善上は意味がないことがわかる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記のような従来のA/D変換器では、S/N
比改善効果の大きい第11図に示す構成でも、
fBW=16KHz、fS=1024KHzでのS/N比は
69.8dBと低い。また、入力信号として音声信号
を対象とする場合に、高品質でA/D変換を行う
にはA/D変換器として、信号帯域幅15KHz以
上、S/N比80〜90dB以上の性能が望まれる。
したがつて、従来回路では、高品質音声信号に
適用できないという欠点があつた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明のオーバーサンプリング形アナログ・デ
イジタル変換器は、入力端子電圧と帰還電圧の差
を入力とする積分回路と、この積分回路の出力電
圧をデイジタル信号に量子化する量子化器と、こ
の量子化器出力にデイジタル信号をデイジタル・
アナログ変換器で変換したアナログ電圧値の電圧
を帰還信号とする手段と、上記デイジタル・アナ
ログ変換器出力から帰還電圧までと同じ処理を量
子化器出力のデイジタル信号に対して行つたデイ
ジタル信号をループ出力信号とする手段とを有し
アナログ入力信号周波数より十分に高いサンプリ
ング周波数ごとに入力端子電圧からループ出力信
号を得る第1の量子化ループと、この第1の量子
化ループと同じ構成の量子化ループを合計N個
(N:2以上の整数)有し、上記第1の量子化ル
ープの入力端子にアナログ入力信号電圧を印加し
かつ第(n−1)の量子化ループの出力を入力端
子に入力とする第nの量子化ループ(n:2から
Nまでの整数)とを備え、上記第1から第(n−
1)までのそれぞれの量子化ループに含まれる積
分回路の伝達特性の積と逆数の関係にある伝達特
性を持つ微分回路に上記第nの量子化ループのル
ープ出力信号を入力し、第2から第Nの量子化ル
ープの微分回路出力と上記第1の量子化ループの
ループ出力信号を全て加算して得られる信号をデ
イジタル出力信号とするようにしたものである。
〔作用〕
ノイズ・シエイビング形A/D変換器を多段に
接続し、前段の発生する量子化誤差を次段によつ
て再量子化する。
〔実施例〕
以下、図面に基づき本発明の実施例を詳細に説
明する。
第1図は本発明によるオーバーサンプリング形
A/D変換器の一実施例を示すブロツク図で、量
子化器を含むループを2個で構成した場合を示す
ものである。
図において、11は信入力端子、12は信号出
力端子、13は入力端子電圧と帰還電圧の差を入
力とする積分回路、14はその積分回路13の出
力電圧をデイジタル信号に量子化する量子化器、
15はその量子化器14の出力を入力とする遅延
回路、16はこの遅延回路15の出力を入力とし
デイジタル信号をアナログ電圧値に変換するD/
A変換回路、17は信号入力端子11からの入力
端子電圧とD/A変換回路16よりの帰還電圧と
を入力とし両者の差を送出する加算器、18は量
子化器14の出力を入力とする遅延回路、19は
積分回路13の出力を入力とする遅延回路で、こ
の遅延回路19の出力と上記D/A変換回路16
の出力は加算器20に供給されるように構成され
ている。
21は加算器20の出力とD/A変換回路25
の出力を入力とする加算器、22はこの加算器2
1の出力を入力とする積分回路、23はこの積分
回路22の出力電圧をデイジタル信号に量子化す
る量子化器、24はその量子化器23の出力を入
力とする遅延回路、25は量子化器23からのデ
イジタル信号をアナログ電圧値に変換するD/A
変換回路、26は量子化器23の出力を微分する
微分回路、27はこの微分回路26の出力と遅延
回路18の出力を加算しデイジタル出力信号とし
て信号出力端子2に送出する加算器である。な
お、細線部はアナログ信号であることを示し、太
線部はデイジタル信号であることを示す。
そして、積分回路13,22は入力信号の周波
数が低いほぼ大きな利得を有するもので、その伝
達特性をH1,H2とする。また、微分回路26は
積分回路と逆特性のもので、その伝達特性を1/
H3とする。
この第1図に示す実施例では、積分回路13、
量子化回路14、遅延回路15、D/A変換回路
16および加算器17によつて第1のループを構
成し、積分回路22、量子化器23、遅延回路2
4、D/A変換回路25および加算器21によつ
て第2のループを構成している。
つぎにこの第1図に示す実施例の動作を説明す
る。
まず、第1ルーブの積分回路13とD/A変換
回路16の出力差を加算器20によつて求め、第
2ループの入力信号としている。そして、第1ル
ープの量子化器14の出力と、第2ループの量子
化器23の出力を微分回路26で処理した信号と
を加算器27で加算してデイジタル出力信号を得
ている。この第1図に示す構成においても、主な
変換誤差は量子化器14,23の発生する量子化
誤差である。ここで、量子化器14,23の量子
化誤差電圧をそれぞれVqN1,VqN2として、デイ
ジタル出力信号に含まれる誤差成分を求める。
第1のループの量子化器14の出力をVO1,積
分回路13の出力をVH1とすると、VO1,VH1はそ
れぞれ(5),(6)式で求められる。
VO1=VIN・H1/1+Z-1・H1+VqN1/1+Z-1・H1…(5
) VH1=VIN・H1/1+Z-1・H1−VqN1・Z-1・H1/1×Z-
1
・H1…(6) 第2のループの入力信号を、VIN2とすると、上
記(5),(6)式より(7)式が導かれる。
VIN2=(VH1−VO1)=−VqN1 …(7) そして、上記(5)式は、VO1の誤差成分は前述の
(1)式で求められる従来回路の誤差と等価であるこ
とを示している。また、VO1とVH1の差を求める
ことによつて、量子化器14の量子化誤差電圧
VqN1のみが検出できることを上記(7)式は示して
いる。
つぎに、信号出力端子2に得られるデイジタル
出力信号VDOは(8)式で求められる。
VDO=VIN・H1/1+Z-1・H1+VqN1(H1−H2+Z-1・H2H3
−Z-1H1H2/(1+Z−1・H1)(1+Z-1・H2)H3)+V
qN2(1/(1+Z-1・H2)H3)…(8) そして、この(8)式より、VqN1の項はH1=H2
H3であれば完全に消去されて、(9)式のようにな
ることがわかる。
VDO=VIN・H1/1+Z-1・H1+VqN2/(1+Z-1・H2
H3…(9) この(9)式の雑音成分をVTN,H1〜H3の伝達特
性を積分器1段の特性であるH1=H2=H3=1/
(1−Z-1)とすると、(10)式が(9)式より導かれる。
VTN=VqN2・(1−Z-12 …(10) そして、この(10)式は、従来回路の前述の(3)式と
同様な周波数特性で雑音電圧が分布することを示
している。ここで、量子化誤差電圧VqN2の大き
さは、量子化器23の分解能が一定の場合、第2
のループの最大入力振幅に比例する。また、第2
のループの入力は上記(7)式より第1のループの量
子化誤差電圧であるから、第1のループの量子化
器14の分解能によつて決定される。
つぎに、信号入力端子1に加わる信号電圧の範
囲を±1とし、量子化器14,23はそれぞれ
Nq1,Nq2ビツトの分解能をもつているとすると、
量子化誤差電圧VqN1,VqN2の振幅電圧範囲は、
(11),(12)式でそれぞれ表わされる。
−2-(Nq1-1)≦VqN1VqN1 2-(Nq1-1) …(11) −〔2-(Nq 1 -1)・2-(Nq2-1)〕VqN2 〔2-(Nq1-1)・2(Nq2-1)〕 …(12) 一方、D/A変換回路16,25の直線性につ
いては前述したように、直線性が素子精度に依存
せずに確保されるのは1〜2ビツトの分解能の場
合だけである。ここで、D/A変換回路と量子化
器の分解能は同じであるから、量子化器について
も1〜2ビツトであるのが一般的なので、上記
(11),(12)式より1ビツトの場合にはVqN1,VqN2
も±1の振幅電圧範囲で、2ビツトの場合には
VqN1は±0.5V、VqN2は±0.25Vの振幅電圧範囲に
なる。従来回路の(3)式におけるVqNと量子化器分
解能の関係もVqN1と同じ(11)式のようになるので、
(3)式におけるVqNと同じ(10)式におけるVqN2の振幅
電圧範囲を比較すると、量子化器分解能が1ビツ
トでは同じだが、2ビツトではVqN2はVqNの1/2
に小さくなることがわかる。そして、量子化器分
解能がさらに大きくなればVqN2はさらに小さく
なる。
第2のループの入力信号VIN2として、(7)式を使
用した場合について説明した。ところが、(6)式は
低周波域でVH1=VIN−VqNIと近似できる。量子化
雑音の成分については(7)式と全く同じであり、入
力信号成分は雑音とはならないので、VIN2に積分
器出力VH1のみを入力しても同様に動作する。
この第1図に示す実施例は、量子化器を含むル
ープを2個で構成した例であるが、本発明では2
個以上で構成することもできる。
第2図は本発明の他の実施例を示すブロツク図
で、3個のループで構成した場合を示すものであ
る。
この第2図において第1図と同一符号のものは
相当部分を示し、28は積分回路22の出力を入
力とする遅延回路、29はこの遅延回路28の出
力とD/A変換回路25の出力を加算する加算
器、30はこの加算器29の出力とD/A変換回
路34の出力を加算する加算器、31はこの加算
器31の出力を入力とする伝達特性H4の積分回
路、32はこの積分回路31の出力をデイジタル
信号に量子化する量子化器、33は量子化器32
の出力を入力とする遅延回路、34はこの遅延回
路33の出力を入力とし上記量子化器32からの
デイジタル信号をアナログ電圧値に変換しアナロ
グ出力を上記加算器30に送出するD/A変換回
路、35は遅延回路18の出力を入力とする遅延
回路、36は量子化器23の出力を入力とする遅
延回路、37は量子化器32の出力を微分する伝
達特性1/H5の微分回路、38は遅延回路36を介 した量子化器23からの出力と微分回路37を介
して量子化器32の出力とを加算する加算器、3
9は遅延回路18,35を介した量子化器14か
らの出力と伝達特性1/H3の微分回路26を介した 加算器38の出力とを加算し得られる信号をデイ
ジタル出力信号として信号出力端子12に送出す
る加算器である。
そして、この第2図に示す実施例においては、
積分回路31、量子化器32、遅延回路33、
D/A変換回路34および加算器30の第3のル
ープが第1図に示す実施例に追加されている。
つぎにこの第2図に示す実施例の動作を説明す
る。
まず、第3のループの入力VIN3は量子化器23
の発生する量子化誤差電圧の逆相波形である。つ
まり、第2のループと第3のループの接続関係は
第1図の第1のループと第2のループの関係と全
く同じである。
したがつて、加算器38の出力VO2は(9)式と同
様に(13)式で求められる。
VO2=−VqN2・H2/1+Z-1・H2+VqN3/(1+Z-1・H
4)H5 …(13) そして、信号出力端子2に得られるデイジタル
出力信号VDOは前述の(5)式のVO1と上記(13)式
のVO2の和で求められる。ここで、各伝達特性を
H1=H2=H3=H4=H5とすると、このデイジタ
ル出力信号VDOは(14)式で求められる。
VDO=VIN・H1/1+Z-1・H1+VqN3/(1+Z-1・H4)・
H5・H3 …(14) この(14)式の雑音成分をVTN,H1〜H5の伝
達特性を積分器1段の特性である1/(1−Z-1
とすると、(15)式で上記雑音成分VTNが求めら
れる。
VTN=VqN3・(1−Z-13 …(15) このようにして、量子化器を含むループを2段
から3段に増加したことによつて雑音成分VTN
(10)式から(15)式のように、2次式から3次式に
変わつている。そして、この2段から3段にルー
プ数を増やしたのと同様の手法によつて4段以上
へ増やすこともできることは(13),(14)式が同
様な形式であることから明らかである。
つぎにS/N比の改善について、本発明の実施
例と従来回路を対比して説明する。
まず、第1図に示す実施例と前述の第10図、
第11図に示す従来回路とS/N特性を比較する
ため、第10,11図のS/Nを求めた場合と同
様にしてこの第1図に示す実施例のS/N比を求
める。
そして、第1図に示す実施例における積分回路
13の伝達特性H1、積分回路22の伝達特性H2
および微分回路26の伝達特性1/H3が積分器1段 の特性(H1〜3=1/(1−Z1)である場合、ル
ープの動作速度は前述したように、積分器が支配
的に決定するので、第10図の構成と同じサンプ
リング周波数(fs)で第1図の各ループや並列に
動作することができる。この点が第11図のサン
プリング周波数(fs)が第10図のサンプリング
周波数(fs)の1/2に低下するのと異なつている。
したがつて、fBW=16KHz、fs=2048KHz、量
子化器分解能を2ビツトとした場合、量子化雑音
が広帯域に分散することによる改善量18dB、ノ
イズ・シエイビングによる改善量が(10)式より
59dB、VqN2が1/2になる(11)、(12)式より)ことによ
る改善量6dBBであり、改善量の総和は83dBにな
る。S/N比として6dB×(2ビツト−1)+
1.8dB+83dB=90.8dBが得られる。
つぎに、第2図に示す実施例においても同様
に、ループを3個に増加したことによつてサンプ
リング周波数(fs)は低下しない。
ここで、第1図に示す実施例と異なるのは、ノ
イズ・シエイビングによる改善量が(15)式より
86dBになることおよびVqN3がさらに1/2になつて
VqN1の1/4で改善量が12dBになることである。そ
して、第1図に示す実施例に対する第2図に示す
実施例のS/N改善量増加は33dBで、S/N比
として6dB×(2ビツト−1)+1.8dB+116dB=
123.8dBの高い値が得られる。第11図に示す従
来回路のS/N比が69.8dBであつたから、21dB
以上も高いS/Nを本発明による回路では実現す
ることができる。
上記のS/N比計算には、(10),(15)式を使用
したが、この(10),(15)式は積分回路および微分
回路の伝達特性H1〜H5が等しいと仮定して求め
た式である。ところが、第1図に示す実施例の回
路における積分回路13,22はアナログ回路で
あるから、素子精度によつてその伝達特性H1
H2が変動する可能性がある。
第3図は積分回路の具体的構成例を示す回路図
で、(a),(b)および(c),(d)ともスイツチト・キヤパ
シタ回路によつて構成した場合の回路例である。
この第3図(a)において、40は積分回路であ
る。そして、この第3図(a)に示す積分回路40の
具体的構成例を示す第3図(b)において、40−
1,40−2……40−4はスイツチ回路(アナ
ログスイツチ)、40−5,40−6は容量素子、
40−7は演算増幅器である。また、第3図(c)に
おいて、41,43は積分回路、42は加算器で
ある。そして、この第3図(c)に示す積分回路の具
体的構成例を示す第3図(d)において、44−1〜
44−4と44−8〜44−11および44−1
3〜44−16はそれぞれスイツチ回路(アナロ
グスイツチ)、44−5,44−6,44−12,
44−17,44−18はそれぞれ容量素子、4
4−7,44−19は演算増幅器である。
このようにスイツチト・キヤパシタ回路によつ
て構成された積分回路において、各容量素子40
−5,40−6,44−5,44−6,44−1
2,44−17,44−18の精度で伝達特性も
変化する。そして、その第3図(a),(b)の場合、容
量素子40−5の容量値をCS、容量素子40−
6の容量値をCIとすると、伝達特性H0は(16)
式のようになる。
H0=CS/C1・(1/1−Z-1) …(16) この(16)式より容量値CSと容量値CIの比精
度で伝達特性H0の利得が変動することがわかる。
そして、前述の第1図に示す実施例の回路の場
合には、(8)式においてH1=H2=H3のときVqN1
項を消去して(10)式が導かれた。そこで、H1
α1/(1−Z-1)、H2=α2/(1−Z-1)、H3
1/(1−Z-1)とした場合に残るVqN1項を
(17)式に示す。(H3はデイジタル回路であるか
ら、特性変動はない)ただし、α1,α2はほぼ1,
0の定数であるとして近似した。
(VqN1項) VqN1・Z-1(1−Z-1(1−α1) …(17) この(17)式において、(1−α1)の値は容量
比精度(0.5〜0.05%)で決まる。そして、fs=
2048KHz、fBW=16KHz,α1=0.995の場合に、
(17)式と(10)式の雑音レベルを比較すると、(17)
式のVqN1のレベルがVqN2のレベルより20dB低い
ので、(10)式で求めたS/NのVqN1による劣下量
は0.05dB以下と極めて小さい。
したがつて、本発明によるA/D変換器は高い
精度の素子を使用せずに、高S/N比を得ことが
できる。
前述の第1図および第2図で示した本発明の実
施例における積分回路の具体的回路としては、第
3図a,bおよびc,dに示したものがある。そ
して、この積分回路の設計条件は、 (1) 低周波域、すなわち、信号周波数帯域での利
得が高周波域の利得より大きい周波数伝達特性
であること。
(2) 量子化器、積分回路を含むループが発振せず
に安定に入力信号に追従動作すること。
(3) デイジタル回路の微分回路で逆特性が実現で
きること。
である。
そして、第3図a,bおよびc,dに示す積分
回路はこれらの各条件を満足している。
また、各ループの積分回路の伝達特性(H1
H2……)は等しくなければならないことは前述
したが、信号帯域以上の高い周波数帯域について
は雑音レベルが増加しても信号帯域内のS/N比
を劣化させず問題とならないので、信号帯域内だ
けの伝達特性が正確に等しければよい。ただし、
信号帯域外の高周波雑音レベルを低減したい場合
には、全帯域で伝達特性が等しいことが望まし
い。
第4図は本発明の更に他の実施例を示すブロツ
ク図で、第1図に示す実施例と異なる点は第1図
に示す構成に積分回路45,46を追加したこと
である。47は第1のループの出力と第2のルー
プの出力を加算しデイジタル出力信号として信号
出力端子12に送出する加算器である。
このように構成することにより、積分回路45
の出力と入力信号電圧とを比較することになるの
で、入力信号に含まれる高周波成分のレベルが低
ければ積分回路45の低周波利得によつてD/A
変換回路16の出力電圧小さくても入力信号に追
従することが可能である。すなわち、量子化器1
4で発生する量子化誤差電圧が小さくなり、高い
S/N比を実現できる。そして、信号出力端子1
2に得られるデイジタル出力信号VDOは(18)式
のようになる。ただし、積分回路45,46の伝
達特性をそれぞれH6,H7とし、他は第1図と同
様である。
VDO=VIN(H1H7/1+Z-1H1H6)+VqN1(H7/1+Z-1
H1H6−H2/(1+Z-1H2)H3) +VqN2(1/(1+Z-1H2)H3) …(18) この(18)式のVqN1の項が消去されると、第
1図の説明における(9)式と同様に雑音成分は
VqN2の項だけで、周波数分布特性も同様になる
ことがわかる。そして、VqN1の項が低周波帯域
で消去される条件は、低周波帯域でH1=H2=H3
かつH6=H7の条件が成立すればよい。また、
VqN1の項を完全に消去するためには、H1〜H7
伝達特性を(19)式のように選べばよい。
この(19)式を上記(18)式に代入すると
(20)式が導かれる。
VDO=VIN+VqN2・(1−Z-12 …(20) この(20)式より雑音成分は前述の第1図の説
明における(10)式と同じであることがわかる。
ただし、前述したように、VqN2は第4図に示
す実施例の方が小さくなる。例えば、fBW
16KHz、fs=2048KHzのときH6(積分回路45の
伝達特性)の16KHzの利得は約26dBであるか
ら、この第4図に示す実施例におけるVqN2は第
1図に示す実施例の場合より26dB低く設定する
ことができる。
そして、細線で示すアナログ回路部分の積分回
路はスイツチト・キヤパシタ回路によつて構成す
ると特性変動の少ない伝達特性を実現できる。
第5図は前記第4図に示す実施例の具体的構成
を示す回路図で、第1図の実施例に示した構成で
積分回路を1段の積分器とした場合(H1=H2
H3=1/(1−Z-1)のスイツチト・キヤパシタ
回路による具体回路例を示すものである。太線部
はデイジタル信号であり、細線部はアナログ信号
であることを示す。
この第5図において第4図と同一符号のものは
相当部分を示し、50−1〜50−4,50−8
〜50−11,50−16〜50−19,50−
23〜50−26はスイツチ回路(アナログスイ
ツチ)、50−5,50−7,50−12,50
−20,50−22,50−27は容量素子、5
0−6,50−21は演算増幅器、51は加算
器、52,53はスイツチ制御回路である。そし
て、量子化器14は電圧比較器50−13,50
−14によつて構成され、また、量子化器23は
電圧比較器50−28,50−29によつて構成
されている。
この第5図において、積分回路は第3図a,b
に示したスイツチト・キヤパシタ回路のものと同
じである。
つぎにこの第5図に示す実施例の動作について
説明する。
まず、容量素子50−5(容量値CS1)に信号
入力端子11からの入力端子電圧を充電し、容量
素子50−7(容量値CI1)に演算増幅器50−
6で容量値CS1の電荷を積分することによつて、
入力端子電圧の積分値が演算増幅器50−6の出
力に得られる。これと同様に、演算増幅器50−
6の出力電圧の積分値は演算増幅器50−21の
出力に得られる。量子化器14,23は2ビツト
の分解能をもつもので、量子化器14の量子化電
圧は0,±VREFの3値である。そして、量子化器
14の入力電圧は電圧比較器50−13,50−
14で±1/2VREFと比較され、入力電圧が±1/2 VREF以上なら+VREF,1/2VREF〜−1/2VREFなら 0,−1/2VREF以下なら−VREF,と判定して量子化 する。また、量子化器23の量子化電圧は量子化
器14の1/2振幅でよいので、0,±1/2VREFの3 値である。そのため、電圧比較器50−28,5
0−29は±1/4VREFの電圧と入力電圧を比較し て量子化を行なう。そして、D/A変換機能はス
イツチ制御回路52でスイツチ50−8,50−
9,50−10,50−11を制御して、容量素
子50−12(容量値CD1)にVREF電圧を充電
し、容量値CD1の電荷を容量値CI1に積分するこ
とで実現される。
つまり、CD1にVREF電圧を充電するときに、ス
イツチ制御回路52で正方向に充電するか、負方
向に充電するか、グランド電圧を充電するかを切
換えて±VREF,0の3値に対応するアナログ電圧
値を積分値に加算できる。一方、スイツチ制御回
路53、スイツチ50−23,50−24,50
−25,50−26、容量素子50−27(容量
値CD2)も同様に動作する。そして、容量値CS1
の電荷の積分はサンプリング周期の前半で行い、
容量値CD1の電荷の積分は後半で行う。すると、
演算増幅器50−6の出力にはサンプリング周期
の前半に量子化器14への入力電圧が、後半に第
1図の加算器27の出力に相等する電圧がそれぞ
れ得られる。そこで、量子化器14はサンプリン
グ周期の前半に動作させ、後半に演算増幅器50
−6の出力電圧を容量値CS2に充電すれば、第1
図に示す実施例と同じ機能をこの第5図で実現す
ることができる。そして、デイジタル信号の遅延
回路である遅延回路50−15,50−30は、
D形フリツプ・フロツプ回路などで容易に実現で
きる。また、微分回路26は1/H3=(1−Z-1
の特性を遅延回路50−30と加算器50−31
で実現している。
第6図はこの第5図のデイジタル出力信号の周
波数スペクトル分布特性を示す特性図、すなわち
本発明によるA/D変換器の出力雑音周波数スペ
クトル分布特性を示す。ただし、fs=2048KHz,
0dB=1Vop,スペクトル幅=500Hzであり、こ
れは前述の第8図、第9図と同じ条件である。そ
して、この第6図と第9図と比較して、低周波領
域の雑音レベルが大幅に低下していることがわか
る。
また、第7図は第5図に示す実施例のS/N特
性で、本発明によるA/D変換器のS/N特性を
示す特性図である。
この第7図に示すS/N特性は、fs=
2048KHz、fBW=16KHzの場合で、横軸は入力信
号振幅レベル、縦軸はS/N比である。そして、
この第7図に示すS/N特性ら明らかなように、
入力信号振幅レベルに対して直線的にS/N比が
変化することがわかる。この特性は一般のリニア
15bitA/D変換器とほぼ同じものである。また、
前述した計算式より求めたS/N比は90.8dBで
あつたが、この第7図の0dB入力レベルのS/N
比とほぼ一致していることがわかる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、複数の
量子化ループによつて多段の量子化処理を行うこ
とによつて、低周波帯域の雑音レベルを大幅に低
減できるからサンプリング周波数fsに比較して十
分に低い信号周波数帯域で非常に高いS/N特性
を得られる利点がある。また、複数の量子化ルー
プは並列処理可能であるから、高速処理が可能で
高いサンプリング周波数fsが実現でき、このfsが
高いことによつてS/N改善効果も大きくなると
ともに、入力信号の帯域を制限するためA/D変
換器の前に置かれる折り返し防止フイルタのカツ
トオフ周波数fcも高く設計できる利点がある。さ
らに、カツトオフ周波数fcの高いフイルタは使用
する抵抗素子や容量素子を小形化できるので、集
積回路上に経済的に搭載することができる利点も
ある。また、量子化器分解能は素子精度に依存せ
ず高い直線性の実現できる1〜2bitの低分解能で
あつても高いS/N特性が実現できることおよび
複数の量子化ループの比精度も集積回路上に容易
に実現できる程度で十分なことから、高い精度の
素子は不要なため製造後に微調整などの後処理が
なく経済的に製造できる利点もあるので、実用上
の効果は極めて大である。
さらに、第5図に示す実施例からも明らかなよ
うに、アナログ回路規模は非常に小さいが、信号
帯域外の成分を除去するのにデイジタル・フイル
タが必要である。そして、デイジタル・フイルタ
の回路規模は少なくないが、集積回路の微細化が
進むにつれて、アナログ回路よりデイジタル回路
の方が集積度が高くなつてきたのでチツプ面積は
小さくすることが可能である。A/D変換器とフ
イルタを同一のチツプ上に集積化する場合、従来
はA/D変換器の前にアナログ回路のフイルタが
必要であり、大部分の回路がアナログであつたの
に対して、本発明ではフイルタもデイジタル回路
であるからアナログ回路は非常に少ない。したが
つて、本発明は集積化に適した方式であり、小形
で経済的に高精度A/D変換器を実現できるとい
う点において極めて有効である。
このように、本発明によれば、従来ののA/D
変換器に比して多大の効果があり、信号周波数と
比較して非常に高い周波数で変換動作を行うこと
によつて、高い変換精度を実現するオーバーサン
プリング形アナログ・デイジタル変換器としては
独自のものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるオーバーサンプリング形
アナログ・デイジタル変換器の一実施例を示すブ
ロツク図、第2図は本発明の他の実施例を示すブ
ロツク図、第3図は本発明に用いる積分回路の具
体的構成例を示す回路図、第4図は本発明の更に
他の実施例を示すブロツク図、第5図は第4図の
具体的構成例を示す回路図、第6図および第7図
は本発明によつて得られるA/D変換器の出力雑
音周波数スペクトル分布特性およびA/D変換器
のS/N特性を示す特性図、第8図は本発明の説
明に供する量子化雑音の周波数スペクトル分布特
性を示す特性図、第9図は従来のオーバーサンプ
リングA/D変換器の出力雑音周波数スペクトル
分布特性を示す特性図、第10図および第11図
はそれぞれ従来のΔ−Σ形オーバーサンプリング
A/D変換器の構成例を示すブロツク図、第12
図は従来のA/D変換器の非線形誤差と出力雑音
周波数スペクトル分布特性の関係を示す説明図で
ある。 13……積分回路、14……量子化器、15…
…遅延回路、16……D/A変換回路、17,2
0,21……加算器、22……積分回路、23…
…量子化器、24……遅延回路、25……D/A
変換回路、26……微分回路、27……加算器、
30……加算器、31……積分回路、32……量
子化器、33……遅延回路、34……D/A変換
回路、37……微分回路、38,39……加算
器、45,46……積分回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 入力端子電圧と帰還電圧の差を入力とする積
    分回路と、この積分回路の出力電圧をデイジタル
    信号に量子化する量子化器と、この量子化器出力
    のデイジタル信号をデイジタル・アナログ変換器
    で変換したアナログ電圧を帰還信号として構成さ
    れる量子化ループにおいて、前記デイジタル・ア
    ナログ変換器出力を直接に帰還電圧として量子化
    器出力を量子化ループの出力信号とするか、ある
    いは前記デイジタル・アナログ変換器出力をフイ
    ルタ、積分器などの周波数特性変換回路を介して
    帰還電圧として量子化器出力から周波数特性変換
    回路と同じ伝達特性を持つデイジタル回路を介し
    て得られる信号を量子化ループの出力信号とし、
    アナログ入力信号周波数より十分に高いサンプリ
    ング周波数ごとに入力端子電圧を量子化ループは
    デイジタル出力信号に変換し、上記の量子化ルー
    プと同じ構成の量子化ループを合計N(2以上の
    整数)個有し、第1の量子化ループの入力端子に
    アナログ入力信号電圧を印加しかつ第(n−1)
    (nは2からNまでの整数)の量子化ループの積
    分回路出力とデイジタル・アナログ変換器出力の
    差電圧信号を第nの量子化ループの入力端子に入
    力し、前記第1から第(n−1)までのそれぞれ
    の量子化ループに含まれる積分回路の伝達特性の
    積と逆数の関係にある伝達特性を持つ微分回路に
    前記第nの量子化ループの出力信号を入力し、第
    2から第Nの量子化ループの微分回路出力と前記
    第1の量子化ループの出力信号を全て加算して得
    られる信号をデイジタル出力信号とするようにし
    たことを特徴とするオーバーサンプリング形アナ
    ログ・デイジタル変換器。
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