JPH039161Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はテープレコーダのカセツト収納装置に
関するものである。

従来例の構成とその問題点 第１図に従来のカセツト収納装置を示す。第１
図において、１はカセツト蓋体であり、一端部に
設けた支持部４をテープレコーダ本体５の内部に
設けた支持軸６に嵌合することにより、上記テー
プレコーダ本体５に対して回動可能なように取付
けられている。上記カセツト蓋体１にはその内面
に取付けねじあるいはかしめピン等の締結具２に
よつて板状の押えばね体３が取付けられており、
上記テープレコーダ本体５側に収納したテープカ
セツト７を上記押えばね体３で押圧することによ
り、上記テープカセツト７を上記テープレコーダ
本体５側に正確に装着することができるようにな
つている。しかしながら、上述したカセツト収納
装置ではかしめピンあるいは取付けねじ等の締結
具２で押えばね体３をカセツト蓋体１に取付ける
ものであるため、締結具２を個別に準備しなけれ
ばならず、しかもかしめ、螺じ込み等の作業を必
要とし、組立性が悪いという欠点があつた。ま
た、カセツト蓋体１の開閉を繰り返すうちに押え
ばね体３の取付けが緩んで十分な押圧力が得られ
なくなつたり、テープカセツトの未装着状態で押
えばね３に当接するものがないことからびびりが
発生する等の欠点があつた。

考案の目的 本考案はこのような従来の欠点を解消するもの
であり、カセツト押え用のばね体のカセツト蓋体
への取付け性がよく、かつテープレコーダ本体側
に装着したテープカセツトを確実に、しかも一定
の押圧力で押えることができるカセツト収納装置
を提供することを目的とする。

考案の構成 本考案は、上記の目的を達成するため、テープ
レコーダ本体に回動自在に支持されたカセツト蓋
体の天板部に互に対向する係合リブを設け、これ
らの係合リブと天板部との間に形成される溝内に
リング状に形成した線状ばね体を差し込み保持す
るように構成したことを特長とするものである。

実施例の説明 第２図および第３図は本考案のカセツト収納装
置の一実施例を示しており、図中、１１はカセツ
ト蓋体であり、一端部に形成した取付脚１２を有
する。１３はテープレコーダ本体であり、その内
部に取付脚１４を有する。そして、上記カセツト
蓋体１１はその取付脚１２に設けた透孔１５に上
記テープレコーダ本体１３の取付脚１４に設けた
支持軸１６を挿入することにより、上記テープレ
コーダ本体１３に設けたカセツト装着用凹所２１
を開閉するように支持されている。上記カセツト
蓋体１１は第４図に示すように内面側に天板部１
１ａ、底板部１１ｂおよび側板部１１ｃ，１１ｄ
が突設されており、上記天板部１１ａの中央部に
互に対向するようにＬ字状の係合リブ１７，１７
が形成され、その係合リブ１７，１７と天板部１
１ａの間に形成される溝内にリング状に形成した
線状ばね体１８が差し込まれ保持されている。ま
た、上記カセツト蓋体１１の内面側の両側にはＬ
字状の保持片１９，１９が形成されており、それ
らの保持片１９，１９間にテープカセツト２０が
保持されるようになつている。ここで、上記カセ
ツト蓋体１１の天板部１１ａに設けた線ばね体１
８の取付け部分は第５図に示すように互に対向す
る一対の係合リブ１７，１７間に入口から順次高
くなるような傾面２２ａを有する止めリブ２２
と、その止めリブ２２の後方に先端に引つ掛け部
を有する一対の受けリブ２３，２３を設けてい
る。一方、上記一対の係合リブ１７，１７でなる
溝内に保持されるリング状の線状ばね体は、第６
図に示すように、両端部１８ａ，１８ｂが重なり
合うように形成されており、かつ該両端部１８
ａ，１８ｂは重なり合う部分より接線方向に若干
引き出された状態となつている。したがつて、上
記リング状の線状ばね体１８を上記一対の係合リ
ブ１７，１７間に挿入すると、上記線状ばね体１
８が上記止めリブ２２の傾面２２ａをすべつて入
り込み、上記一対の受けリブ２３，２３との間に
落ち込むことにより、その両端部１８ａ，１８ｂ
が上記一対の受けリブ２３，２３の先端の引掛け
部２３ａ，２３ａに係止され、抜け防止される。
この時、上記リング状の線状ばね体１８は上記一
対の係合リブ１７，１７でなる溝内にあつて、上
記係合リブ１７，１７に内装している。また、上
記テープレコーダ本体１３はカセツト装着用凹所
２１内に受け台２４，２５が突設されており、下
端部にカセツト支え用のばね体２６が突設されて
いる。このような構成のカセツト収納装置では、
カセツト蓋体１１の一対の保持片１９，１９間に
テープカセツト２０を保持した状態での上記カセ
ツト蓋体１１を閉成することにより、上記テープ
カセツト２０が上記テープレコーダ本体１３の凹
所２１内に装着される。この時、上記テープカセ
ツト２０は支えばね体２６での押圧力で保持され
ると共に上記線状ばね体１８での押圧力で上記受
け台２４，２５に保持される。そして、上記線状
ばね体１８はその両端部が重なり合うようになつ
ており、かつ一対の係合リブ１７，１７に内接す
る関係で、受け台２４，２５にテープカセツト２
０が当接されるように線状ばね体１８がテープカ
セツト２０に当接するとき、第３図の破線で示す
ように変形することにより、常に一定の押圧力で
テープカセツト２０を押えることができる。

考案の効果 以上のように本考案は、カセツト蓋体の内面側
に突設した天板部に互いに対応して設けた係合リ
ブと、これらの係合リブと上記天板部との間に形
成される溝と、上記天板部において上記係合リブ
間に設けた止めリブと、上記溝に挿入し止めリブ
に係止されることにより保持されるリング状に形
成した線状ばね体とを備えたものであり、構造が
簡単なリング状の線状ばね体を溝に挿入して止め
リブにて係止するだけで取付けるため、その線状
ばね体の加工が極めて容易であるとともに、かし
め止めあるいはねじ止め等の作業が不要であつて
大変組み立てやすいものであり、かつその取り付
けは確実なものである。また、リング状の線状ば
ね体はカセツト蓋体の溝に内接するように取り付
けられているため、常に安定した状態でテープカ
セツトを押圧することができるものである。しか
も、線状ばね体は両端部の重なり合う部分より接
線方向に引き出し状態に形成されているため、係
合リブ間に挿入されているにもかかわらず、テー
プカセツトによる押圧に対して容易に変形が可能
となるものであり非常に有効な考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のカセツト収納装置の断面図、第
２図は本考案のカセツト収納装置の一実施例を示
す断面図、第３図は同装置の平面図、第４図は同
装置におけるカセツト蓋体の斜視図、第５図は同
装置の要部の拡大図、第６図は同装置における線
状ばね体を示しａは正面図、ｂは側面図である。 １１……カセツト蓋体、１３……テープレコー
ダ本体、１１ａ……天板部、１７……係合リブ、
１８……線状ばね体、２２……止めリブ、２３…
…受けリブ、２４，２５……受け台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テープレコーダ本体に一端部が回動自在に支持
   されたカセツト蓋体を有し、このカセツト蓋体の
   内面側に突設した天板部に互いに対向して設けた
   係合リブと、これらの係合リブと上記天板部との
   間に形成される溝と、上記天板部において上記係
   合リブ間に設けた止めリブと、上記溝に挿入し止
   めリブに係止されることにより保持されるリング
   状に形成した線状ばね体とを備え、上記線状ばね
   体は両端部の重なり合う部分より接線方向に引き
   出し状態に形成され、上記天板部より突出する上
   記リング状の線状ばね体の円弧部分が上記テープ
   レコーダ本体側に装着されるテープカセツトに当
   接されるように形成したことを特徴とするカセツ
   ト収納装置。