JPH039026Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、人体等から放射される熱線を検知し
て盗難警報等を行なう熱線式検出器に関する。

（従来技術） 従来、人体から放出される熱線、即ち赤外線を
検知する熱線式の盗難検出器にあつては、天井面
等に設置した検出器のカバー内に多面鏡を用いた
反射ミラーを設け、反射ミラーにより複数の警戒
ビーム領域を形成し、、いずれかの警戒ビームの
中を被検知物体が移動することで得られる熱線の
変化を受光素子で検知し盗難警報を行なうように
している。

ところで、このような従来の熱線検出器では、
天井面や壁面に設置した場合に、警戒領域を任意
に設定できるようにするため、反射ミラーの指向
方向を調整できるように検出器本体に設けてお
り、警戒区画の状況に合わせて反射ミラーにおけ
るメインビームの方向を適宜に設定できるように
している。

しかしながら、このような従来の熱線検出器に
あつては、反射ミラーを調整する際に検出器のカ
バーを取り外さなければならない煩しさがあり、
また調整時にミラーに触れることで鏡面を汚す場
合があり、更に調整を終了してからにカバーを組
み付ける際に反射ミラーに触れることで調整角度
が狂つてしまう恐れもあつた。

（考案の目的） 本考案は、このような従来の問題点に鑑みてな
されたもので、検出器のカバーを取り外すことな
く外部より簡単且つ容易に反射ミラーの角度を調
整できるようにした熱線式検出器を提供すること
を目的とする。

（考案構成） この目的を達成するため本考案は、被検知物体
からの熱線を受光素子に集光する反射ミラーと、
この反射ミラーを覆つて設けたカバーとでなる熱
線式検出器において、反射ミラーをカバー内に指
向方向を調整自在に設けると共にミラー回転軸部
に角度調整用溝と角度目盛り盤を有する角度調整
部を設け、一方、カバーに反射ミラーの角度調整
部に対し外部より調整工具をセツト可能にした角
度調整用溝の表示窓と角度目盛り盤の表示窓を設
けるようにしたものである。

（実施例） 第１図は本考案の一実施例を天井面に対する取
付け状態にて示した説明図である。

まず構成を説明すると、１は検出器本体であ
り、天井面２に固定された取付けベース３に着脱
自在に設けられ、検出器本体１の下側にカバー４
が装着され、このカバー４の内部に熱線ビームを
集光して受光素子に入射させる多面鏡を用いた反
射ミラーが内蔵されている。

第２図は本考案の熱線式検出器の分離組立図で
あり、検出器本体１の内部には一対の軸受部５，
６が起立され、右側の軸受部６の外側には軸穴６
ａを挟んで一対の取付ポスト７が設けられてい
る。８は反射ミラーであり、内側に複数の鏡面を
備えた多面鏡面９を形成すると共に両側に軸部１
０，１１を一体に形成し、右側の軸部１１には回
転軸１２が形成され、且つ軸部１１の表面に反射
ミラーを角度調整するときの摺動抵抗を作り出す
ための溝リング部１３を形成している。

一方、カバー４は熱線の通過損失の少ないプラ
スチツク材料で作られた半透明の部材で成り、検
出器本体１に対する取付部１４と反射ミラー８に
対する熱線の入射面１５とを備え、入射面１５の
側方にカバー４を内側へ窪ませ、その底に角度調
整用溝と角度目盛り用の穴を個別にあけた表示窓
１６を一体に形成している。

次に、第２図において、検出器本体１に装着さ
れる反射ミラー８の角度調整構造を説明すると、
反射ミラー８の軸部１０，１１の外側に突出され
た回転軸１２を検出器本体１の軸受部５，６の軸
穴５ａ，６ａに嵌め入れ、続いて検出器本体１の
取付ポスト７に軸受プレート１７をねじ止め固定
する。軸受プレート１７は板バネ３０を一体に備
え、この板バネ３０が反射ミラー８の軸部１１の
外周面に形成した溝リング部１３に当接し、反射
ミラー８を角度調整するときに回転抵抗が得られ
るようにしている。

このように、軸受プレート１７を取付ポスト７
にねじ止めしたならば、外側より軸部材１８を反
射ミラー８の回転軸１２のボス穴１９に嵌め入れ
て固着し、更に軸部材１８の外側に反射ミラー８
の指向角度を刻んだ角度目盛り盤２０を嵌め入れ
る。

このような検出器本体１に対する反射ミラー８
の取付け構造において、軸部１１側に設けた角度
目盛り盤２０及び角度調整用溝２１に相対した位
置で且つ軸部材８の平らな面と接触して略密閉さ
れるようにカバー４の表示窓１６が形成されてお
り、表示窓１６を介して外部より角度調整用溝２
１に対しドライバ等の調整工具をセツトすること
ができ、ドライバにより角度調整用溝２１を回す
と反射ミラー８の角度が変わり、この反射ミラー
８の動きに応じて角度目盛り盤２０の表示窓１６
に対する表示角度も変わるようになる。

次に、上記の実施例による反射ミラーの角度調
整を説明する。

まず、第１図に示す天井面２に対する熱線式検
出器の取付け状態において、カバー４の表示窓１
６には角度目盛り盤２０の角度目盛り及び角度調
整用溝２１の頭部が表われており、角度目盛り盤
２０により表示角度は反射ミラーにおける警戒ゾ
ーンの内のメインゾーン２４の天井面２に対する
設定角度θを表示している。

ここで、反射ミラーのメインゾーン２４は第３
図に示すように、熱線式検出器２６の反射ミラー
で形成される複数の警戒ゾーンの内、例えば最も
外側となる警戒ゾーンをメインゾーン２４として
定めており、このメインゾーン２４の天井面２に
対する設定角度θを変えることで警戒区画内にお
ける適宜の警戒領域を定めることができる。

即ち、表示窓１６に表われた角度目盛り盤２０
の角度表示は、熱線式検出器におけるメインゾー
ン２４の天井面２に対する設定角度θを表示して
いることから、反射ミラーの向きを調整したいと
きには、図示のようにドライバ２５を表示窓１６
を介して角度調整用溝２１の頭部に嵌め込み、ド
ライバ２５により角度調整用溝２１を回すことで
一体に角度目盛り盤２０が動き、第３図から明ら
かなように、角度調整用溝２１によつて反射ミラ
ー８を一体に回転し、表示窓１６における角度目
盛り盤２０の角度表示を所定の角度に合せること
で反射ミラーにおけるメインゾーン２４の方向を
決めることができる。このような反射ミラーの角
度調整は、カバー４を取り外すことなくドライバ
２５を使用して簡単に行なうことができ、且つメ
インゾーン２４の方向は角度目盛り盤２０によつ
て表示窓１６に表示されるため、正確な反射ミラ
ーの角度設定を行なうことができる。

（考案の効果） 以上説明してきたように本考案によれば、被検
知物体からの熱線を受光素子に集光する反射ミラ
ーと、この反射ミラーを覆つて設けたカバーとで
なる熱線式検出器において、反射ミラーをカバー
内に指向方向を調整自在に設けると共に、ミラー
回転軸部に角度調整用溝と角度目盛り盤を有する
角度調整部を設け、この角度調整部に相対したカ
バーの部分に外部よりドライバー等の調整工具を
セツト可能にした角度調整用溝の表示窓と角度目
盛り盤の表示窓を設けるようにしたため、熱線式
検出器の天井面等に対する据付け後にカバーを取
り外すことなくドライバー等を使用して簡単、且
つ容易に反射ミラーの指向方向を調整することが
でき、外部からの角度調整であることから反射ミ
ラーを汚したり調整後に反射ミラーに触れて調整
角度が狂つてしまうことを確実に防止でき、また
調整角度が目盛り表示されることから正確な反射
ミラーの角度設定を行なうことができ、更にまた
警戒区画の条件が変わつたときの警戒ゾーンの変
更も簡単に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を天井面に対する据
付け状態にて示した説明図、第２図は第１図の実
施例の組立分解図、第３図は第１図のメインゾー
ンの説明図である。 １……検出器本体、２……天井面、３……取付
けベース、４……カバー、５，６……軸受部、７
……取付ポスト、８……反射ミラー、９……多面
鏡面、１０，１１……軸部、１２……回転軸、１
３……溝リング部、１４……取付部、１５……入
射面、１６……表示窓、１７……軸受プレート、
１８……軸部材、１９……ボス穴、２０……角度
目盛り盤、２１……角度調整用溝、２４……メイ
ンゾーン、２５……ドライバ、２６……熱線式検
出器、３０……板バネ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 被検知物体からの熱線を受光素子に集光する反
   射ミラーと、該反射ミラーを覆つて設けたカバー
   とでなる熱線式検出器において、 前記反射ミラーをカバー内に指向方向を調整自
   在に設けると共にミラー回転軸部に角度調整用溝
   と角度目盛り盤を有する角度調整部を設け、該角
   度調整部に相対した前記カバーの部分に、外部よ
   り調整工具をセツト可能にした前記角度調整用溝
   の表示窓と前記角度目盛り盤の表示窓を設けたこ
   とを特徴とする熱線式検出器。