JPH038450Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、タイプライターのインクリボンカ
セツトにおいて、インクリボンが送られるとき
に、インクリボンのスプールが廻りすぎないよう
にリボンスプールの芯である円筒体に制動をかけ
るとともに印字されるリボンに緊張を与えるバツ
クテンシヨンばねを保持する保持体に関する。

従来、バツクテンシヨンばねを保持する保持体
は、リボンスプールの円筒体内面に上下方向に平
行に設け、円筒体の下端部で開口する複数の溝に
対して、下方より嵌合する係止部を突設したもの
が提案されていたが、円筒体の溝が上端部より中
間部まで形成され下端部まで開口されていない他
の種類のスプールにはその係止部が嵌合せず、別
の保持体を準備しなければならない欠点があつ
た。

この考案は、上記の欠点を除くため、リボンス
プールの円筒体の溝に嵌合する保持体の係止部を
弾性部材により形成し、その自由端部の外側面に
膨出部を設けることにより、保持体を溝の下端が
開口されていない円筒体に嵌合するとき、円筒体
の溝の開口されていない内周面で保持体の係止部
の自由端部を内側にたわませたのち、その自由端
部の膨出部を円筒体の溝に嵌合するように元の位
置に複帰するようにしたものである。

この考案の実施例を図面により説明すると、１
はカートリツジで、１対の保持部２ａ，２ｂをも
ち、その保持部２ａ，２ｂにはそれぞれ開口３
ａ，３ｂを対向配置する。

４はリボンスプールで、リボンＲを巻いた円筒
体５には、上端部に上方に突出する複数の突起５
ａを設けるとともに、その内周面５ｂに上下方向
に平行な複数の凹部たる溝５ｃを円筒体５の上端
部から中間部に穿設する。円筒体５の突起５ａ
は、カートリツジ１の上蓋１ａの図示を省略した
部分に形成した孔に遊嵌し円筒体５を回転自在に
支持する。

６は保持体であつて、外周部に円周に円溝６ａ
を設けるとともに、上方向に延出して直径方向へ
の弾性をもつ複数の係止部６ｄを突設し、係止部
の自由端部６ｃ外側にはその基部６ｂ面より突出
する膨出部を設け、それら膨出部先端は外周方向
に向けて低くなる傾斜面を形成し、且つそれら傾
斜面先端を結ぶ円の直径を、円筒体５の下端内周
円の直径よりやや小さく形成し、円筒体５の溝５
ｃと係止部６ｄにより係止機構を構成する。

７は弾性体からなる針がね状のバツクテンシヨ
ンばねで、中間部７ａは湾曲して保持体６の円溝
６ａに遊嵌し保持体６を挾圧するとともに、一端
７ｂはカートリツジ１の一方の保持部２ａに保持
されたリボンスプール４が他方の保持部２ｂに設
けた巻き取り装置により巻き取られリボンＲが引
き出されるとき、保持部２ａの開口３ａにおいて
リボンＲの表面に圧接し、リボンの送り方向と反
対方向への弾性力により、リボンＲに張力を与え
るように構成する。

このリボンスプール４のリボンを送るには、リ
ボンＲの巻かれた円筒体５に下方からバツクテン
シヨンばね７を支持した保持体６の係止部６ｄを
挿入する。この時、保持体６の係止部６ｄの自由
端部６ｃは円筒体５の内周面５ｂにより内側にた
わんだのち元の位置に復帰して自由端部６ｃの膨
出部が円筒体５の溝５ｃに嵌合する。

このようにして保持体６を装着したリボンスプ
ール４をカートリツジ１の保持部２ａに収納し、
リボンＲを一方の保持部２ａの開口３ａから引き
出し、他方の保持部２ｂの開口３ｂを通して保持
部２ｂ内の巻き取り装置にセツトする。巻き取り
装置を作動してリボンＲをカートリツジ１の一方
の保持部２ａの開口から他方の保持部２ｂの開口
３ｂに送るようにする。

以上のべたように、この考案は、バツクテンシ
ヨンばねを支持する保持体６に弾性のある係止部
６ｄを設け、その係止部６ｄの自由端部６ｃに基
部６ｂより外方向に膨出する膨出部を形成するこ
とにより、保持体６がリボンスプール４の円筒体
５に嵌合するとき、円筒体５の内周面５ｂに係止
部６ｄの自由端部６ｃの膨出部が当つて、保持体
６の係止部６ｄが内側にたわむようにしたので、
円筒体５の溝の下端が開口したものに嵌合できる
とともに、下端が開口していないものにも嵌合で
きるので、汎用的効果がある。

この考案の実施例として、リボンスプール４の
円筒体５の内周面５ｂに複数の溝５ｃを設け、そ
の溝５ｃに嵌合する膨出部を形成した自由端部６
ｃをもつ弾性ある係止部６ｄを形成した保持体６
を挙げたが、保持体６の係止部６ｄを円筒体５の
内周面５ｂに嵌合する円筒にして、その外周に円
筒体５の内周面５ｂで没したのち、円筒体５の溝
５ｃ内に突出嵌合するように板ばねを設けても同
一の効果がある。

また、円筒体５の溝５ｃにかえて、円筒体５の
内周面５ｂに円型の複数の凹みを設け、この凹み
に嵌合するように円型の膨出部を係止部６ｄの自
由端部６ｃに形成してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、カートリツジの一部を省略した斜視
図であり、第２図はリボンスプールの断面斜視図
であり、第３図はバツクテンシヨンばねを装着し
た保持体の斜視図である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 少なくとも軸線方向一方に開口する溝上の凹部
   を内周面に複数形成した円筒体５にリボンＲを巻
   装しカートリツジ１に収納するリボンスプール４
   と、 リボンスプールから送り出されるリボンに弾性
   作用力を付与するようにリボンスプールから巻き
   だされるリボンに係合するバツクテンシヨンばね
   ７を支持し円筒体の内周面に嵌合係止する係止部
   ６ｄを有する保持体６、 とを備え、バツクテンシヨンばねをリボンスプー
   ルに保持させるようにしたインクリボンカセツト
   において、 上記係止部をして、上記軸線方向に沿い円筒体
   の凹部に係合可能に配列して保持体より複数突設
   し、その突設端を自由端とし、自由端の外側面に
   は上記凹部に嵌合するように基部外側面よりも外
   側方向に突出する膨出部を形成し、該係止部は内
   側方向へのたわみを可能とする弾性を有すること
   を特徴としたバツクテンシヨンばねの保持体。