JPH0730373Y2 - リボンカセット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、転写プリンタに使用する転写リボンカセット
に関する。

〔従来の技術〕

従来、文字及び画像を紙面にプリントする転写プリンタ
用リボンカセットは、ケース内にリボンを保持して回転
可能な繰出側ボビンと、該繰出側ボビンからのリボンを
巻取る回転可能な巻取側ボビンとを内蔵しており、この
リボンカセットをプリンタに装着した時、巻取側ボビン
をプリンタの駆動装置に連結し、その駆動装置によって
巻取側ボビンを回転させ、繰出側ボビンからリボンを繰
り出し、巻取側ボビンに巻き取っている。

そして、このリボンカセットの搬送中の振動、或いは未
使用時の不用意な扱いによってボビンが回転して、リボ
ンがゆるみ汚損する虞のあることから、その対策として
実開昭61−130448号、特開昭60−27579号および実開昭6
1−122853号などの発明・考案にみられるように、ばね
を用いてボビンをその軸線方向に押圧する方式が採ら
れ、さらに使用時には押圧を解除する方式なども作用さ
れている。

また、繰出側ボビン及び巻取側ボビンの各ボビンの両端
縁に鍔を設けたフランジ付ボビンを用いその両ボビンの
間にブレーキ用ばねを介在させてボビンの回転を調整す
る方式の提唱されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このようなリボンカセット特に、前記繰出側ボビン及び
巻取側ボビンの双方にフランジ付ボビンを用いたリボン
カセットにおいては両ボビン間に介在するブレーキ用ば
ねにより、リボンカセット未使用時におけるリボンの弛
みは解消されるが、なおもリボンのシワ寄りによる印字
シワ、ボビンとケースのせり合いによるテンションのア
ップ等の問題が発生することが多く、これらは主として
リボンの蛇行に起因することから一般的には機械および
カセットの精度アップ、摺動性の改善等の対応策を採る
が、それら性能アップにも限度があって未だ的確な解決
の方策は見出されていない。

本考案は、これらの問題を解決せんとするもので、ボビ
ン自体にリボンの蛇行防止機能を備えたリボンカセット
を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記目的を達成するため考案された新規なリ
ボンカセットを提供するものであって、リボンを収容す
るカセットが側壁と底からなるケース本体とケース蓋か
ら構成され、該ケース本体内にリボンを保有して回転可
能に保持した繰出側フランジ付ボビンと、該繰出側ボビ
ンのリボンを巻取るよう回転可能に保持した巻取側フラ
ンジ付ボビンとを内蔵したリボンカセットにおいて、前
記繰出側フランジ付ボビンのフランジ部の片面と前記巻
取側フランジ付ボビンのフランジ部の片面に、それぞ
れ、ケース蓋に当接して前記各フランジ付ボビンをケー
ス蓋側からケース本体の底側に押す片持板ばねあるいは
両持板ばねを一体に形成したことを特徴とする。

〔作用〕

上記構成のリボンカセットによれば、リボンの走行中に
おいても、繰出側フランジ付ボビンと巻取側フランジ付
ボビンが、それぞれカセット内でフランジに形成された
片持板ばねあるいは両持板ばねによりケース蓋側からケ
ース本体の底側へ押されて、定位置に保持されるから、
リボンの蛇行が防止できそれに付随する問題を解決する
ことができる。

しかも、使用する片持板ばねあるいは両持板ばねは繰出
側フランジ付ボビンと巻取側フランジ付ボビンのそれぞ
れのフランジに一体に形成してあるので部品点数が増す
ことはなく、さほどリボンカセットのコストを増すこと
はない。

〔実施例〕

以下、図面に示す本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案のリボンカセットの一実施例を示す分解
斜視図、第２図はそのリボンカセットのケース蓋を取り
外して示す上面図である。

１は側壁と底からなるケース本体、２はケース蓋であ
る。これらのケース本体１及びケース蓋２はリボンを収
容するカセットを構成する。

３はリボン、４はリボン３を巻く紙管、5A,5Bは繰出側
のフランジ付ボビンのフランジである。

繰出側のフランジ付ボビンは、リボン３を巻いた紙管４
とフランジ5A、5Bからなり、カセット内に回転可能に保
持される。

巻取側のフランジ付ボビンは、フランジ6A、6Bとリボン
３を巻取る紙管４からなり、カセット内に回転可能に保
持される。

繰出側フランジ付ボビンのフランジ5A、巻取側フランジ
付ボビンのフランジ6Aの第１図で上側に位置する側に
は、共にケース蓋２に形成した穴７から外部に突出する
ラッチ部８を有しており、このリボンカセットをプリン
タに装着した時、プリンタ側の駆動部（プリンタ側ラッ
チ部）に連結しうるようになっている。10は、繰出側フ
ランジ付ボビンのフランジ5Aと巻取側フランジ付ボビン
のフランジ6Aとの間に配置されたブレーキ用ばねであっ
て、両ボビンのフランジに同時に接触するよう配置され
ている。

繰出側フランジ付ボビン及び巻取側フランジ付ボビンの
各フランジ5A,6Aには複数（図面では３個）の片持板ば
ね14（第３図参照）をケース蓋２側に延び出すように一
体に形成している。

この片持板ばね14は、リボンカセットを組み立てた状態
ではケース蓋２に弾性的に押し当てられており、ケース
蓋２を基準として、各フランジ付ボビンを第１図矢印Ａ
で示す軸線方向にケース蓋２側からケース本体の底側へ
押している。

これにより、繰出側フランジ付ボビンのフランジ5A、5B
及びその間の紙管４と、巻取側フランジ付ボビンのフラ
ンジ6A、6B及びその間の紙管４とは、常に、リボンカセ
ットのピボット側（第１図の下側）に押し付けられてお
り、このリボンカセットは、この状態でプリンタに装着
され、使用される。かくして、リボンの蛇行が防止さ
れ、それに付随する問題点が解決される。

なお、繰出側フランジ付ボビンのフランジ5A、巻取側フ
ランジ付ボビンのフランジ6Aに一体に形成するばねとし
ては、第３図に示す片持板ばね14に限定されず種々変更
可能であり、例えば第４図、第５図に示す両持板ばね14
aを使用しても良い。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案のリボンカセットは、繰
出側フランジ付ボビンのフランジ5Aと巻取側フランジ付
ボビンのフランジ6Aの各フランジに一体に片持板ばね14
あるいは両持板ばね14Aを設けて繰出側フランジ付ボビ
ンと巻取側フランジ付ボビンをケース蓋２側からケース
本体の底側へ押すように構成したものであるので、簡単
な構造によって、また、部品点数を増やすことなく、リ
ボンの蛇行を防止することができ、しかも部品点数が増
えないので組立が容易であり、コストアップがほとんど
ないという効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例によるリボンカセットを示す
分解斜視図、第２図はそのリボンカセットをケース蓋を
取り外して示す上面図、第３図はそのリボンカセットに
使用するボビンのフランジの例を示す斜視図、第４図は
そのボビンに形成するばねの変形例を示す断面図、第５
図はその斜視図である。 １…ケース本体、２…ケース蓋 ３…リボン、４…紙管 5A,5B…繰出側フランジ付ボビンのフランジ 6A、6B…巻取側フランジ付ボビンのフランジ ８…ラッチ部、14…片持板ばね 14a…両持板ばね

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】リボンを収容するカセットが側壁と底から
   なるケース本体とケース蓋から構成され、該ケース本体
   内に、リボンを保有して回転可能に保持した繰出側フラ
   ンジ付ボビンと、該繰出側ボビンのリボンを巻取るよう
   回転可能に保持した巻取側フランジ付ボビンとを内蔵し
   たリボンカセットにおいて、前記繰出側フランジ付ボビ
   ンのフランジ部の片面と前記巻取側フランジ付ボビンの
   フランジ部の片面に、それぞれ、ケース蓋に当接して前
   記各フランジ付ボビンをケース蓋側からケース本体の底
   側に押す片持板ばねあるいは両持板ばねを一体に形成し
   たことを特徴とするリボンカセット。