JPH038326B2 - - Google Patents

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JPH038326B2
JPH038326B2 JP57117945A JP11794582A JPH038326B2 JP H038326 B2 JPH038326 B2 JP H038326B2 JP 57117945 A JP57117945 A JP 57117945A JP 11794582 A JP11794582 A JP 11794582A JP H038326 B2 JPH038326 B2 JP H038326B2
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JP
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butanediol
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distillation
aqueous solution
temperature
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KURARE KK
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DAISERU KAGAKU KOGYO KK
KURARE KK
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07C31/18Polyhydroxylic acyclic alcohols
    • C07C31/20Dihydroxylic alcohols
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    • C07C29/132Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring by reduction of an oxygen containing functional group
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    • C07C29/141Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring by reduction of an oxygen containing functional group of >C=O containing groups, e.g. —COOH of a —CHO group with hydrogen or hydrogen-containing gases
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    • C07C29/00Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring
    • C07C29/16Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring by oxo-reaction combined with reduction
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/49Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide

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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は高品質なブタンジオールの取得法に
関するものである。
アリルアルコールのヒドロホルミル化生成物の
ニツケル触媒を用いて水素添加してブタンジオー
ルを製造することは公知である。例えば特公昭53
−19563号公報にはベンゼンなどの有機溶媒中で、
ロジウムを含む触媒の存在下にアリルアルコール
と合成ガス(H2+CO)を反応させて得たヒドロ
キシブチルアルデヒド、即ち4−ヒドロキシブチ
ルアルデヒド(以下HBAと略す)及び3−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピオンアルデヒド
(HMPA)を水抽出によりロジウム触媒と分離し
た反応生成物水溶液をラネーニツケル触媒を用い
て接触水素化し1,4−ブタンジオール(以下
1,4−BGと略す)と2−メチル−1,3−プ
ロパンジオール(以下MPGと略す)との、2種
のブタンジオールを含む液が得られることが示さ
れている。
このような水溶液からブタンジオールを取得す
るには水及び低沸副生物を溜去したのち、その沸
点差にもとづいてMPG(bp213℃)と、1,4−
BG(bp230℃)とを蒸溜分離するのが慣用的な方
法と考えられる。
しかし、ヒドロキシブチルアルデヒドの接触水
素添加で得たブタンジオール混合物について2つ
の問題点が見出された。そのひとつはこれら2種
のブタンジオールのそれぞれの沸点から予期され
るよりもはるかに蒸溜分離が困難であることであ
り、他は蒸溜分離により得られた1,4−BGや
MPGに異臭のあることである。
本発明者はこれ迄知られていなかつたこのよう
な問題点を解決するため検討の結果、MPGと1,
4−BGとの予想外の分離困難性はヒドロキシブ
チルアルデヒドの水素添加法に特有の不純物の存
在によるものであり、製品の異臭をもたらす不純
物と共に慣用的な精製工程中の加熱段階で主とし
て生成することをつきとめた。そして精製工程に
特別な工夫を施すことにより上記のような問題を
生ずる不純物の副生を防ぎ高品質で異臭のない
1,4−BGやMPGを得ることに成功した。
即ち本発明はアリルアルコールのヒドロホルミ
ル化生成物をニツケル触媒を用いて水素添加して
得られる水溶液から蒸溜分離でブタンジオールを
取得するにあたり、 (1) 上記水溶液をPH8.5以上に調整し、生じた沈
澱を除去する処理、及び (2) 残存する4−ヒドロキシブチルアルデヒドを
100℃以下で溜去する処理 を経て得たブタンジオール混合物から2−メチル
−1,3−プロパンジオールと1,4−ブタンジ
オールと高沸分とを蒸溜分離し、その際高沸分の
加熱される温度が180℃以下であることを特徴と
するブタンジオールの取得法に係るものである。
MPGと1,4−BGとの蒸溜分離を妨げる原因
として問題にすべき不純物として2種の2−ヒド
ロキシテトラヒドロフランのエーテル類即ち2−
(3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)テト
ラヒドロフラン(以下HMPTHFと略す)と2−
(4−ヒドロキシブトキシ)テトラヒドロフラン
(以下HBTHFと略す)とがあることが見出され
た。HMPTHFの存在はMPGと1,4−BGとの
分離を非常に困難にし、しばしば殆んど分離不可
能ならしめる。その原因は、HMPTHFが1,4
−BGと共沸混合物をつくり、これがMPGとほゞ
同じ蒸気圧を示すためと考えられる。また
HBTHFも1,4−BGと共沸混合物をつくり、
その沸点がMPGと1,4−BGとの中間になるの
で両者の分離を困難ならしめる。又、両者共
MPGや1,4−BGの製品中に混入して高品質の
ブタンジオールの取得を困難にする。
本発明者はブタンジオールの蒸溜分離性を害す
るかゝる不純物の存在を認識した上でその成因を
検討したところ反応液中に残存するニツケル分
と、ヒドロキシブチルアルデヒドが影響している
ことがわかつた。
本発明の適用される水溶液は、アリルアルコー
ルのヒドロホルミル化生成物にラネ−ニツケルな
どのニツケル触媒を用いた水添反応をおこなつて
得られるが通常多少の酸が生成するためPH4−6
程度の酸性であり、例えば30〜50ppmという比較
的多量のニツケルを含んでおり、また若干の未反
応ヒドロキシブチルアルデヒドも含有している。
従つてこれを脱低沸、脱水後MPGと1,4−BG
を蒸溜分離しようとすると、ブタンジオール分離
塔においては5〜7倍に、又高沸分の除去工程で
は高沸分の濃縮度合いにより異なるが通常30〜50
倍に濃縮されたニツケルの存在下、ヒドロキシブ
チルアルデヒドとブタンジオール(MPG及び1,
4−BG)が130〜200℃の温度で数時間という加
熱を受けることとなる。
慣用的な分離手法を用いた場合に生ずるこのよ
うな事態によりまず問題になることは濃縮された
ニツケルの一部が析出して装置の汚れが起り、更
には閉塞をまねいて長時間の連続蒸溜の続行が困
難になることである(下記比較例1参照)。
このような問題点は小規模実験では見のがしや
すいが高品質のブタンジオールを工業的に取得す
るためには避けることができないものである。
かゝる問題点の存在をはじめて認識した本発明者
はまず(1)水素添加反応後の水溶液をPH8.5以上に
調整し、生じた沈澱を除去する処理によりこの問
題を解決するとを着想した。水素添加反応液中に
溶解しているニツケルの含有量はアルカリ性物質
で処理してアルカリ性にする事により著るしく低
下する。一例を挙げれば水添反応後60ppmのNi
を含んでいた溶液をPH7に調整した段階では未だ
48ppmのNiイオンを含んでいるがPH8.5に調整し
生じた沈澱を除去する事によりNi含有量は
20ppmと3分の1の量になり、更にはPH9.5にす
る事により液中のNiは3ppmと殆んどニツケル
含有量が無視し得る程度になる。これにより脱低
沸脱水後のブタンジオールの蒸溜分離におけるニ
ツケルの折出が防止され長時間の連続蒸溜が可能
になることは実施例2に示す通りである。
蒸溜分離に際し存在するニツケルは析出問題の
他にもHMPTHFやHBTHFの副生をもたらし、
また多量のニツケルの存在は1,4−BGの脱水
素触媒的な作用により新たなるヒドロキシブチル
アルデヒドを生成しHMPTHFやHBTHFの副生
を増加せしめることがわかつた。
PH調節と沈澱除去がニツケル減少を通じて不純
物低減に及ぼす効果を具体例で説明すると、PH
7.5にアルカリ物質で調整した場合のMPG,1,
4−BG分離塔の濃縮部にあたる液はニツケルを
約280ppm(水素添加反応後の水溶液中40ppmに相
当)溶存しており、この液は180℃5時間の加熱
で0.22%存在したHBTHFが1.25%にも増加し
た。しかもニツケルのほとんどが析出した。又PH
を9.5に調整し沈澱物を除いた後のMPG,1,4
−BG分離塔の濃縮部にあたる液はニツケルの溶
存量は45ppmであり、180℃5時間の加熱に於い
てもHBTHFの増加はほとんど認められずニツ
ケルの折出もほとんどなかつた。両液とも加熱前
の4−ヒドロキシブチルアルデヒドの存在は微量
であつた。この様にアリルアルコールのヒドロホ
ルミル化生成物をニツケル触媒を用いて水素添加
して得られる水溶液から蒸溜分離でブタンジオー
ルを取得するにあたり、水素添加反応後の水溶液
をアルカリでPH8.5以上更に好ましくはPH9.5以上
に調整し生じた沈澱を除去する処理を行なう事が
本発明の目的物であるブタンジオール類を不純物
の含有量の非常に少ない商品質の製品として得る
のに有用であり、かつ装置内でのニツケルの析出
もなく装置の汚れ、閉塞等のトラブルも起こらな
い事がわかつた。高品質のブタンジオールを得る
ために上記(1)に記したPH調節による溶存ニツケル
の除去はきわめて有力な手段であるが更に別の問
題があることが見出された。
すなわち、前記HMPTHFやHBTHFの副生は
ヒドロキシブチルアルデヒドの存在下ではニツケ
ルが存在しなくても起ることである。アリルアル
コールのヒドロホルミル化生成物のニツケル触媒
による水素添加が完全に100%の反応率で達成さ
れるのは期し難く、水添液中には通常、ブタンジ
オールに対し0.1−0.3%程度のヒドロキシブチル
アルデヒドが残存する。この水添液は通常、まず
n−プロパノールなどの低沸副生物に続いて水を
蒸発させ濃縮される。即ち、脱水蒸溜処理であ
る。4−ヒドロキシブチルアルデヒドは水よりも
はるかに高沸点であるから(bp約170℃)通常の
脱水蒸発ではほとんど除去されずブタンジオール
と共にMPG,1,4−BG分離塔に入りMPG中
の不純物として処理されることになる。しかし高
沸点のジオールを扱うこの塔は処理温度が高く
(例えば133〜162℃/50mmHg)このような高温の
蒸溜塔内では4−ヒドロキシブチルアルデヒドが
ブタンジオール例えばMPGと反応して2−ヒド
ロキシテトラヒドロフランのエーテルが生ずる。
これを具体的に説明すると、MPG,1,4−
BG分離塔内組成にあたる液(ニツケルは含まな
い)は、165℃1時間の加熱により1.15%存在し
たHBAは0.02%に減少し、代つてHMPTHFは
0.45%から3.9%へと著るしく増加した。同様に
HBTHFは不検出量から0.41%へと増加した(%
はガスクロ分析のピークエリア%であり、以下も
同様である。)。
このような不純物の生成を未然に防ぐために本
発明でとる対策が(2)残存するHBAを100℃以下で
溜去する処理である。先に挙げた水溶液の例につ
いて説明すると、常圧又は若干の減圧下で大部分
の水を蒸発除去したのち減圧度を高めることによ
り100℃以下、好ましくは50−70℃の温度で水の
残分と共に4−ヒドロキシブチルアルデヒドを溜
去すればよい。ブタンジオール中に10%程度の水
分が残つていた方が4−ヒドロキシブチルアルデ
ヒドを低温で溜去するのに有利である。
溜去温度が100℃以下であれば4−ヒドロキシ
ブチルアルデヒドをブタンジオールと共に加熱し
てもHMPTHFなどの生成がおさえられることは
次のような具体例から理解されよう。即ち、先に
165℃の加熱の影響を例示したものと同じやり方
で62℃に加熱した場合の液組成をみるとHBAは
1.11%とほとんど失なわれず、HMPTHF0.52%,
HBTHF不検出とブタンジオールの分離性に害
のある不純物の増加はほとんど認められない。加
熱温度95℃の場合はHBA0.46%,HMPTHF2.77
%,HBTHF0.03%と劣るものの一応の抑制効果
は認められる。
脱水蒸溜の塔底温度が135℃のときにみられた
HBTHFの生成(比較例3)が缶温85℃に下げ
ることにより防止された実施例3も上記(2)の処理
の効果を示すものである。
このように(1)水素添加反応後の水溶液をPH8.5
以上に調整し、生じた沈澱を除去する処理及び(2)
残存する4−ヒドロキシブチルアルデヒドを100
℃以下で溜去する処理を経て得たブタンジオール
混合物につきMPGと1,4−BGと高沸分とを蒸
溜分離する。こゝで高沸分とはアリルアルコール
のヒドロホルミル化工程あるいは水素添加反応工
程で生成するアルデヒド類の縮合物等からなる高
沸点物質であり通常ブタンジオールに対し0.5〜
1.0%の割合で生じている。この蒸溜分離に際し
て高沸分の加熱される温度を180℃以下とするこ
とが異臭のない高品質のブタンジオールを得る本
発明の第3の特徴である。
このような条件で蒸溜分離をおこなう必要のあ
る理由は下記の通りである。
即ち先に記したように水添反応液中に含まれい
るニツケルは(1)で記した処理により大部分除かれ
るが完全に零にはなり難い。またPH調整による沈
澱除去処理では除き難い他の金属成分の存在もあ
りうる。これらの金属成分は高沸分と共に精製工
程で濃縮される。例えばPH調整後の溶解ニツケル
分は3ppmになつても、高沸分除去工程で50倍に
濃縮されると150ppmになる。このように濃縮さ
れた金属の存在下にブタンジオールと高沸副生物
が加熱される蒸溜塔底の高温域では触媒的な反応
が起る。この反応は2つの不都合を生む。そのひ
とつは高沸分の分解により生ずる新たな低沸分に
より、溜出するブタンジオールに異臭を伴なうこ
とであり、他は1,4−BGの脱水素によるHBA
の生成、このHBAとブタンジオールとの反応に
よるHMPTHF,HBTHFなど分離性に害のある
不純物がここでもまた生じやすいことである。こ
のような事情を具体的に示したものが比較例2で
ある。
異臭物質及びブタンジオールの分離性を害する
不純物の生成を防ぐため本発明では高温で滞留時
間の長い高沸分分離工程を180℃以下の温度で行
なう。例えば水素添加反応液からPH調整でニツケ
ル分を除き低沸分や水、HBAを除去した後薄膜
蒸発器等の液ホールド量の少ない蒸発装置を使用
する事により短時間でかつ180℃以下更に好まし
くは170℃以下の条件下でブタンジオール類を蒸
発させ高沸分との分離を行なう。
高沸分がブタンジオール類との間に十分な比揮
発性を持つていることにより高沸分とブタンジオ
ール類の分離は単純なフラツシユ蒸発で十分分離
出来る。又、高沸分はブタンジオールの収率面か
ら考えて出来るだけ濃縮する方が有利であり缶出
液量は少なくなる。それがために缶での滞留時間
が長くなるので薄膜蒸発器等の液ホールド量の少
ない装置を使用するのが好ましい。
このようにして高沸分を180℃以下の温度で分
離した後、MPGと1,4−BGを蒸溜分離するこ
とにより高品質のブタンジオールを得ることがで
きる。MPGと1,4−BGと高沸分との蒸溜分離
はこのようにまず高沸分を除く方法が最も好まし
い。MPGを先に分離し、ついで1,4−BGと高
沸分を蒸溜分離するやり方も本質的に可能である
が、高温部での液滞溜時間がより長くなる。
水の溜去前の段階での高沸分離はエネルギーを
多く必要とするので本発明では前記(1)及び(2)の処
理を経て実質的に水を含まないブタンジオール混
合物について蒸溜分離をおこなうべきである。
高沸分の分離を前記(2)に記した処理と同時に行
なうこと、即ち100℃以下の塔頂部では残存する
水とHBAとの溜去がおこなわれ(2)の処理がなさ
れたブタンジオール混合物が流下してくる塔底部
では、缶の発生蒸気としてブタンジオール類を溜
去する方法も可能であるが缶温を180℃以下に更
に好ましくは170℃以下にする為系内をかなりの
減圧下(例えば20〜50mmHg)にする必要があり
この為塔頂の温度が下がり過ぎ(例35〜40℃
at50mmHg)塔頂コンデンサーに比較的低温の冷
媒を用いねばならない難点があるので有利でな
い。イオン交換膜等による金属類の除去では異臭
物質を生ずるもととなる。高沸点の有機物が除か
れず高品質のブタンジオール類の製品取得のため
には高沸分分離を180℃以下でおこなう処理は不
可欠である。
上記の様な3つの処理を組み合せて実施する本
発明方法の一例を述べる。まず水素添加反応後の
水溶液をPH9.5以上に調整し析出する沈澱物を除
いた後、n−プロパノールの如き低沸分と大部分
の水を留去する。しかる後残存する水と4−ヒド
ロキシブチルアルデヒドを100℃以下の温度で留
去し次にブタンジオール類と高沸物とを180℃以
下更に好ましくは170℃以下の温度で蒸発分離し
た後MPGと1,4−BGの蒸溜分離を行なう。
本発明においては、この様に3つの処理を組み
合せる事により高い温度域での大量のニツケル及
び4−ヒドロキシブチルアルデヒドを排除し、ブ
タンジオール類の分離性を害しかつ製品の純度を
低下せしめるHMPTHF,HBTHF等の不純物な
らびに異臭の原因となる物質の生成を防ぐことが
出来、従来技術で存在していたトラブルを回避し
て高品質のMPG及び1,4−BGを得る事が出来
る。
以下、実施例により本発明を更に詳述する。
実施例 1 アリルアルコールのヒドロホルミル化反応で得
られた生成物を水で抽出しラネーニツケル触媒の
存在下水素添加反応を行なつて得られた水溶液は
ニツケル30ppmを含んでいた。この水溶液に1%
NaOH水溶液を添加してPH9.5に調整した後析出
した固形物を市販カートリツジ式フイルター(日
本AMF社MICRO−WYNDフイルターD−
PPSB)により過分離した。得られた水溶液中
のニツケル量は3ppmであり溶存していたニツケ
ルの90%を分離した。
この水溶液をn−プロパノール、水の共沸蒸溜
塔に仕込み低沸物を留去して得られた水溶液を減
圧脱水蒸溜塔に仕込み50〜100℃で大部分の水を
留去した。塔底抜き取り液の組成は水14.27重量
%、4−ヒドロキシブチルアルデヒド0.06重量
%、MPG12.87重量%、1,4−BG71.95重量%、
HBTHF0.04重量%、高沸分0.68重量%、その他
0.13重量%、溶存ニツケル15ppmであつた。
この液を減圧蒸溜塔に仕込んで残存する水と4
−ヒドロキシブチルアルデヒドを留去した。塔頂
は50mmHg,39℃で仕込量の14.3%を留出し、留
出量に対し1/2量を還流として塔内に戻した。得
られた留出液の組成は4−ヒドロキシブチルアル
デヒド0.42重量%,MPG痕跡量、その他0.02重量
%、水99.56重量%であり塔底液中の水及び4−
ヒドロキシブチルアルデヒドは不検出であつた。
又この塔の場合、塔底の温度は157℃であつたが
塔内の液分析を行なつた結果温度が80℃以上の部
分の4−ヒドロキシブチルアルデヒドは不検出で
あつた。塔底から抜き出した液の組成は
MPG15.0重量%、1,4−BG84.0重量%、
HBTHF0.05重量%、高沸物0.79重量%であり、
塔内における副生物の生成はほとんど観られな
い。
この液を次の減圧蒸溜塔に仕込み高沸分の分離
を行なつた。塔頂の圧力は50mmHgでMPG15.3重
量%、1,4−BG4.5重量%、HBTHF0.05重量
%,その他0.15重量%から成る液を仕込量に対し
97.9%の割り合いで留出した。又、留出量に対し
1/10量を塔内に還流した。塔底は170℃で
MPG0.33重量%、1,4−BG61.6重量%、
HBTHF0.01重量%、高沸分38.0重量%から成る
液を抜き取つた。系内での4−ヒドロキシブチル
アルデヒドの生成及びHBTHF等の副生成物の
生成はほとんど観られない。
次に塔頂から留出した液を減圧蒸留塔に仕込み
MPG及び1,4−BGの分離を行ない各々の製品
を得た。塔頂は50mmHg、133℃で仕込量に対し
15.4%を留出し留出量の8倍の量を塔内に還流し
た。塔底は93mmHgで165℃であつた。留出した
MPG製品は、1,4−BG0.1重量%を含んだ純
度98.9%のものであり1,4−BG製品はMPG0.1
重量%、HBTHF0.06重量%を含む純度99.8%の
品質であり両製品ともほとんど臭いのないもので
あつた。
比較例 1 アリルアルコールのヒドロホルミル化反応で得
られた生成物を水で抽出し、ラネーニツケル触媒
の存在下水素添加反応を行なつて得られた水溶液
はニツケルを60ppm溶存していた。この液をロー
タリーエバポレーターに仕込み、5mmHgの減圧
下100℃以下の温度でn−プロパノールの如き低
沸物と水を留去して得られた液は緑色をおびてお
り250ppmのニツケルを含んでいた。この液を315
g/Hrでガラス製オールダーシヨウ塔に仕込ん
で減圧蒸留を行なつたが仕込開始後除々に仕込段
より下側が黒く着色し約2.0仕込んだ時点で塔
内棚段の目詰りが起り蒸留出来なくなつた。又缶
フラスコ内も壁に黒い被膜が出来ていた。
実施例 2 比較例1と同じ水素添加反応後の水溶液を
NaOHによりPH9.5に調整し析出物を紙により
過して得た液中のニツケルは3ppmであつた。
この液を比較例1と同様に低沸物と水を留去し得
られた液を315g/Hrでガラス製オールダーシヨ
ウ塔に仕込み真空蒸留を行なつた。塔底は170℃
でMPG0.1重量%とHBTHF0.02重量%、及び高
沸分を含んだ1,4−BGを主体とする液を230
g/hrで抜き取つた。この缶出液は少し濁色を滞
びていたが臭いはほとんどなかつた。又18時間の
連続運転でも塔内、缶フラスコ内とも汚れは認め
られなかつた。
比較例 2 実施例2で得られたMPG0.1重量%と
HBTHF0.02重量%、及び高沸分を含んだ1,4
−BGを主体とする液をガラス製オールダーシヨ
ウ塔に270g/hrで仕込み真空蒸留を行なつた。
塔底からの液の抜き取りは行なわなかつたので高
沸分が濃縮されるに従がい塔底温度は170℃から
徐々に上昇し10時間の連続運転経過時は193℃で
あつた。塔頂は50mmHgで温度は10時間経過中ほ
とんど一定で151℃であつたが留去した液は時間
の経過に従がい刺激臭がする様になつた。又留去
した液中には0.1重量%のHBAが生成しており
HBTHFも0.09重量%と増えていた。
比較例 3 比較例1と同様にして得られた水素添加反応後
の液を1%NaOH水溶液でPH9.5に調整し析出し
た固形物を市販カートリツジ式フイルターで過
除去して得たブタンジオール水溶液からn−プロ
パノール等の低沸副生成物を留去して水85.2重量
%、HBA0.05重量%、HBTHF0.02重量%、
MPG1.77重量%、1,4−BG12.88重量%からな
る液を得た。この液を充填塔に18.0Kg/hrで仕込
み常圧脱水蒸留を行なつた。塔頂からほとんど水
から成る液を約15.0Kg/Hrで留去し同量の液を
塔内に還流した。塔底の温度は135℃であり、約
3Kg/Hrの液を塔底から抜き出した。この液は
水9.94重量%、HBA0.05重量%、HBTHF0.58重
量%、MPG10.80重量%、1,4−BG78.59重量
%から成つておりHBAの約83%が反応し
HBTHFが生成していた。
実施例 3 比較例3と同様にPH調整沈澱除去及び低沸分溜
去をして得られた水溶液を150mmHgの真空蒸発器
に仕込んで脱水蒸発を行なつた。缶の温度は85℃
であり150g/Hrで抜き取つた液は水9.17重量
%、HBTHF0.13重量%、MPG9.28重量%、1,
4−BG81.42重量%から成つており850g/Hrで
留去した水を主成分とする液にはHBA0.06重量
%、MPG0.45重量%、1,4−BG0.84重量%が
含まれていたがHBAはほとんど変質しておらず
HBTHFも生成していなかつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アリルアルコールのヒドロホルミル化生成物
    をニツケル触媒を用いて水素添加して得られる水
    溶液から蒸溜分離でブタンジオールを取得するに
    あたり、 (1) 上記水溶液をPH8.5以上に調整し、生じた沈
    澱を除去する処理、及び (2) 残存する4−ヒドロキシブチルアルデヒドを
    100℃以下で溜去する処理 を経て得たブタンジオール混合物から、2−メチ
    ル−1,3−プロパンジオールと1,4−ブタン
    ジオールと高沸分とを蒸溜分離し、その際高沸分
    の加熱される温度が180℃以下であることを特徴
    とするブタンジオールの取得法。
JP57117945A 1982-07-07 1982-07-07 ブタンジオ−ルの取得法 Granted JPS5910537A (ja)

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