JPH038113Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、シートバツクの傾斜角度を調整する
ために自動車等の座席に取付けられるリクライニ
ング装置に関するものである。

従来、リクライニング装置の強度を向上させる
ため、座席のシートクツシヨン側およびシートバ
ツク側に固定される各ブラケツトは、板厚を増し
たり、大型化したり、或いは補強部材を付加する
等の手段が講じられている。

ところが、上記の従来のリクライニング装置
は、重量が増加して自動車の軽量化による燃量の
効率の向上を計る上で不都合があり、また装置が
大型となつて座席側部の限られた位置への一定範
囲内での取付けが困難となる欠点があつた。

本考案は、斯様な上記従来の不都合、欠点に鑑
み、この問題を解消するためになされたもので、
周辺にリブを設けた略対称な２枚のプレートを組
合せて断面箱型のブラケツトを形成し、当該ブラ
ケツトを用いることにより小型及び軽量にして充
分なる強度を備えることを目的としたリクライニ
ング装置を提供するものである。

以下本考案に係るリクライニング装置の一実施
例を添付図面に基いて具体的に説明する。

１は座席のシートクツシヨン側に固定する第１
ブラケツト１で、この第１ブラケツトとシートバ
ツク側に固定される第２ブラケツト２を、第１ブ
ラケツト１に固着された軸３によつて互いに回転
可能に連結している。

第１ブラケツト１は略対称な薄いプレート１
ａ，１ｂから成り、またプレート１ａ，１ｂのほ
ぼ全周縁には折曲げたリブ１０１ａ，１０１ｂが
形成され、第１ブラケツト１の断面は各プレート
１ａ，１ｂの平面部と、周囲のリブ１０１ａ，１
０１ｂとに囲まれた中空の略箱型となつている。
同様に第２ブラケツト２は略対称な薄いプレート
２ａ，２ｂから成り、また、プレート２ａ，２ｂ
のほぼ全周縁を折曲げリブ２０２ａ，２０２ｂが
形成され、第２ブラケツト２の断面は各プレート
２ａ，２ｂの平面部と周囲のリブ２０２ａ，２０
２ｂで囲まれた中空の略箱型となつている。

第１ブラケツト１の箱型の内部には、歯部４ａ
を設けたロツクギアー４と、カム板５及びカム板
５と一体に回転する作動板６が、各々軸７，８に
よつて回転可能に枢着して配されている。

作動板６には略三角形状の誘導孔６ａが穿た
れ、この誘導孔６ａには、前記ロツクギアー４か
らのピン４ｂが遊嵌されている。第１ブラケツト
１のプレート１ａ，１ｂには軸７の取付部を補強
するためのパツチプレート９ａ，９ｂを内部に溶
接して設け、更にプレート１ｂには第１ブラケツ
ト１をシートクツシヨンフレームに取付けるボル
トを挿通するためのブツシユ１０を固着してあ
る。

またプレート１ａ，１ｂには、第２ブラケツト
２の回転範囲、つまり、シートバツクの傾動範囲
を規制するストツパーピン１１を設け、このスト
ツパーピン１１と前記軸７，８の両端は各々プレ
ート１ａと１ｂにカシメられ、これによりプレー
ト１ａと１ｂとが互いに固定されている。

第２ブラケツト２の下端には、略半円形で外周
に歯部１２ａを有するセクターギアー１２が配設
されてプレート２ａ，２ｂの端部に挾持されてい
る。更にセクターギアー１２には一体に形成した
アーム部１２ｂを有し、このアーム部１２ｂは第
２ブラケツト２の内部に延在し、アーム部１２ｂ
をプレート２ａ，２ｂにリベツト１３，１４で固
定している。

また、セクターギアー１２および第２ブラケツ
ト２の下端部は、前記第１ブラケツト１内に配置
されて前記軸によつて回転可能に枢着されてい
る。第１ブラケツト１には上端部に、第２ブラケ
ツト１の回転を行なわせるためスリツトＳが形成
されるようにリブ１０１ａ，１０１ｂの形状が設
定されている。

第１ブラケツト１の外部には操作レバー１５が
配設され、この操作レバー１５は前記軸３に枢着
されている。操作レバー１５には長孔１５ａが穿
つてあり、この長孔１５ａ内に、前記作動板６に
基端が固着されると共に、プレート１ａに穿つた
弧状の長孔１ｃを通したピン１６を遊嵌してあ
る。前記操作レバー１５には第１ブラケツト１の
プレート１ａとの間にスプリング１７を張設し、
操作レバー１５と常時反時計方向に付勢してい
る。従つて操作レバー１５を操作しない第１図、
第２図の状態においては、ロツクギアー４の歯部
４ａがセクターギアー１２の歯部１２ａに噛合
し、第１ブラケツト１に対するセクターギアー１
２の相対位置、つまり、第２ブラケツトの相対位
置が固定され、シートバツクの傾斜角度が固定さ
れている。また操作レバー１５をスプリング１７
に抗して時計方向に回転操作すると、ピン１６を
介して作動板６とカム板５が軸８を支点に反時計
方向に回転される。すると、カム板５と一体の作
動板６の誘導孔６ａに遊嵌されたロツクギアー４
からのピン４ｂが誘導され、ロツクギアー４が軸
６を支点に反時計方向に回転し、ロツクギアー４
の歯部４ａとセクターギアー１２の歯部１２ａと
の歯合が解除され、第２ブラケツト２は軸３を支
点に第１ブラケツト１に対して回転可能となる。
この状態でシートバツクが所望の角度となるよう
第２ブラケツト２を回転させ、操作レバー１５の
操作を解除すると、スプリング１７によつて操作
レバー１５が反時計方向に回転し、ピン１６を介
して作動板６とカム板５とが軸８を支点に時計方
向に回転される。すると、作動板６によつてロツ
クギアー４が誘導されて軸７を支点に時計方向に
回転し、かつカム板５がロツクギアー４を押圧
し、再びロツクギアー４の歯部４ａがセクターギ
アー１２の歯部１２ａに噛合し、第１ブラケツト
１と第２ブラケツト２との相対位置が固定され
る。

１８はシートバツクを常時前方に回転するよう
に付勢する渦巻バネで、この渦巻バネ１８の一端
は前記軸３に、他端は第２ブラケツト２に固定し
た係止片１９に各々係止されている。

２０は第１ブラケツト１のプレート１ａに固着
されたパツチプレート、２１，２２は操作レバー
１５の両側に配され、軸３に嵌装されたサークリ
ツプである。

本考案は前記の構成で明らかなように、周辺に
リブを設けた略対称な２枚のプレートを組合せた
箱型断面のブラケツトをリクライニング装置に採
用したものであつて、特にリクライニング装置に
作用するひねり方向の荷重に対して、従来の一枚
板からなるブラケツトに比べてリクライニング装
置を小型、軽量に構成することができる。

更に本考案に係るリクライニング装置におい
て、箱型断面のブラケツト内部に、セクターギア
ー、ロツクギアー等からなるロツク機構を配設す
れば、ロツク機構部をブラケツトの各プレートに
よつて確実に保護することができ、更にロツク機
構部に塗布したグリスにより座席が汚れる不都合
がなく、実用上の効果が優れている。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るリクライニング装置の実施
例を示すもので、第１図は側面図、第２図は内部
の構成を示した破断側面図、第３図は第１図Ｘ−
Ｘ線の縦断正面図、第４図は第１図Ｙ−Ｙ線の断
面図、第５図は第１図Ｚ−Ｚ線の断面図である。 １……第１ブラケツト、１ａ，１ｂ……プレー
ト、２……第２ブラケツト、２ａ，２ｂ……プレ
ート、３……軸、４……ロツクギアー、４ａ……
歯部、４ｂ……ピン、５……カム板、６……作動
板、６ａ……誘導孔、７，８……軸、１２……セ
クターギアー、１２ａ……歯部、１２ｂ……アー
ム部、１５……操作レバー、１５ａ……長孔、１
６……ピン、１７……スプリング、１８……渦巻
バネ、１０１ａ，１０１ｂ，２０１ａ，２０１ｂ
……リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 座席のシートクツシヨン側に固定される第１ブ
   ラケツトと、シートバツク側に固定される第２ブ
   ラケツトとを同一軸に軸支し、また、前記軸に関
   する両ブラケツトの相対回転位置をロツク機構を
   介して調整固定するための調整機構を有するリク
   ライニング装置において、前記第１ブラケツトと
   第２ブラケツトは少なくとも一方が周辺にリブが
   設けられた略対称な２板のプレートから成る断面
   が略箱型のブラケツトとし、かつ前記第１ブラケ
   ツト内部にセクターギアー及びロツクギアーを有
   するロツク機構を配設したことを特徴とするリク
   ライニング装置。