JPH0380692B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は非正弦波形モードで水平方向に振動す
る振動フイーダに関する。

〔従来の技術及びその問題点〕

一般に振動コンベヤもしくはフイーダにおいて
は、トラフすなわち材料載置面に対し一定の角度
を有する振動力が与えられ、これによりトラフ面
の搬送材料は周期的なジヤンプ運動をくり返しな
がら所定の方向へと移送されていく。然るに、塊
状の金属製の材料、例えばボルト、ナツト、ビレ
ツトなどを上述した振動フイーダで移送する場合
材料がジヤンプ運動をくり返すために、トラフ面
（金属でなつている場合が多い）との衝突時、騒
音を発し、場合によつては公害問題ともなる。ま
た、こわれ易い材料、例えばビスケツトやセンベ
イを振動フイーダで移送する場合、やはりトラフ
面との周期的な衝突により、いわゆる「われ」や
「かけ」の問題を生じ、それだけトラフ面の材質
や振動条件に面倒な制約が加えられていた。

更に、ほこりをたて易い材料、例えば微粉材料
振動コンベアで移送する場合、ほこりがたち衛生
上好ましくない場合もあつた。

以上のような問題を解決するために実公昭60−
16570号では、トラフを水平方向に振動させて、
材料もしくは物体を移送する機構として、「所定
方向に延びる被加振部と、この被加振部をほゞ前
記所定方向に振動可能に支持する弾性部材と、前
記被加振部に固定された加振機構とから成り、こ
の加振機構は（偏心半径×質量）の大なる第一の
不平衡重錘及び（偏心半径×質量）の小なる第二
の不平衡重錘と、これら不平衡重錘をそれぞれ固
定させる第一回転軸と第二回転軸とを具備する加
振部の対と、前記第一回転軸の軸端部に固定され
た大径のギアと、該大径のギアに噛合し前記第二
回転軸の軸端部に固定された小径のギアとから成
るギア機構の対と、駆動源とから成り、各前記大
径のギアを相互に噛合させ、前記第一及び第二の
不平衡重錘は相互に相反する方向にかつ前記第二
の不平衡重錘は前記第一の不平衡重錘の整数倍の
速度で回転し、前記加振部の対の一方の前記第一
及び第二の不平衡重錘は他方の前記第一及び第二
の不平衡重錘とはそれぞれ相反する方向に同一速
度で回転するように前記ギア機構の対を介して前
記第一回転軸と前記第二回転軸及び前記加振部の
対の一方の前記第一回転軸と他方の前記第一回転
軸とが結合されると共に、前記第一及び第二の不
平衡重錘はそれぞれ前記第一、第二回転軸に、前
記駆動源の駆動により前記第一、第二回転軸がそ
れぞれ回転するとき前記被加振部の前記所定方向
に対し垂直方向の遠心力成分は前記加振部の対に
おいて相互に打ち消し合うように、固定されてい
ることを特徴とする振動コンベヤ」を開示してい
る。これでは非正弦波形のモードの振動力を発生
するのであるが、構造が非常に複雑であり、被加
振部すなわちトラフの振巾を一定にすることが非
常に困難である。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明は上記問題に鑑みてなされ、簡単な構造
でトラフを水平方向に非正弦波形のモードで振動
させ、振巾の調整も容易な振動フイーダを提供す
ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

以上の目的は、基台上に前後一対の垂直な板ば
ねにより水平方向に振動可能に支持され、直線的
に延在するトラフに電磁コイルと該電磁コイルに
同心的に、その径外方又は径内方に配設される磁
石のうちいづれか一方を固定し、このうち他方を
前記基台側に固定させ、前記電磁コイルに非正弦
波形の電流を通電することにより、前記トラフに
水平方向に非正弦波形の振動力を加えて、前記ト
ラフに沿つて所定方向に物を移送させるようにし
たことを特徴とする振動フイーダによつて達成さ
れる。

〔作 用〕

電磁コイルに非正弦波形の電流を通電すると、
このコイル内に配設されている磁石と該コイル間
に該電流の波形に対応する電磁吸引力が発生し、
これによりトラフが水平方向にこの波形モードで
振動する。トラフ上の材料もしくは物体はジヤン
プすることなく滑り移送される。

トラフの振巾を検出し、これによりコイルに通
電する電流の強さを調整すればよいので容易に振
巾を一定にすることができる。

また種々の非正弦波形は電気的には簡単に形成
し得るので、材料や物体の特性に応じた適正な振
動力を発生することができる。

〔実施例〕

以下、本発明の各実施例について図面を参照し
て説明する。

第１図乃至第３図は本発明の第１実施例による
振動フイーダを示す。図においてトラフ１はベー
ス２と前後一対の垂直に配設された板ばね３，３
によつて結合されている。トラフ１の底部には下
方に突出する突出部１ａを有しこの両側には第２
図で明示されるように細長い一対のカウンタウエ
イト４ａ，４ｂが配設され、これらも同様に前後
一対の垂直に配設された板ばね５ａ，５ａ，５
ｂ，５ｂによつてベース２と結合されている。

トラフ１の突出部１ａには第１図で明示される
ように前後一対の下方に突出する支持アーム６
ａ，６ｂが固定されており、これらアーム６ａ，
６ｂ間に永久磁石８を固定させたロツド７が結合
されている。永久磁石８の周囲には電磁コイル９
が配設され、これはカウンタウエイト４ａ，４ｂ
の下面から下方に突出する支持アーム１０ａ，１
０ｂに対し第２図に示すように固定されている。
ベース２は防振ばね１１によつて床上に支持され
ている。

次に上記電磁コイル９に非正弦波形の電流を与
える制御回路について第１図を参照して説明す
る。

トラフ１には振巾センサー２０が取付けられて
おり、この出力は振巾検出器２１に供給される。
振巾検出器２１の出力は比較器２３に供給されこ
こで振巾設定器２２の設定値と比較される。比較
器２３の出力は増巾器２６に供給される。増巾器
２６には波形発生器２４の出力が供給され、又こ
の波形発生器２４には発振器２５の出力端子が接
続されている。増巾器２６の出力が電磁コイル９
に供給される。

波形発生器２４には所望の非線形振動力に対応
する電流波形が数種、記憶されているものとす
る。これは図示せずとも切換ボタンによりその時
に所要の非線形波形が選ばれるようになつてい
る。発振器２５は所望の周波数のクロツクパルス
又は非弦波形を発生させるがこの周波数も必要に
応じて調整可能となつている。増巾器２６の増巾
度は比較器２３の出力により振巾設定器２２の設
定入力にトラフ１の振巾が一致するように自動調
整されるものとする。

本発明の第１実施例は以上のように構成される
が次にこの作用について説明する。

所望の周波数が発振器２５で設定され、所望の
非正弦波形が波形発生器２４で設定される。波形
発生器２４の出力は増巾器２６で増巾され電磁コ
イル９に供給される。電磁コイル９と永久磁石８
との間には非正弦波形の電磁力が発生し永久磁石
８は第１図において左右方向の駆動力を受ける。
これにより支持アーム６ａ，６ｂを介してトラフ
１は矢印ａで示す方向、即ち水平方向に所望の非
正弦波形の振動を行う。電磁コイル９は永久磁石
８に対し反発力を受け、これによりカウンタウエ
イト４ａ，４ｂはトラフ１とは反対方向に同様な
非正弦波形の振動を行う。従つてベース２にはト
ラフ１から板ばね３，３を介して加えられる振動
反力とカウンタウエイト４ａ，４ｂから板ばね５
ａ，５ａ，５ｂ，５ｂを介して加えられる振動反
力とは相殺されベース２に加えられる振動反力は
ほゞ零となる。防振ばね１１は床に伝わる振動を
更に小さくするため設けられているが場合によつ
てはこれを省略してもよい。振巾検出器２１によ
り検出器２１により検出された検出出力は比較器
２３に供給され、設定振巾値と比較され、これと
一致するように増巾器２６の増巾度が定められ
る。よつてトラフ１は所定の振巾で所望の非正弦
波形の振動を行う事が出来る。図示せずともトラ
フ１内の物体はジヤンプすることなくすべりなが
ら第１図において左方へと移送されて行く。

第４図及び第５図は本発明の第２実施例による
振動フイーダを示すが図においてトラフ３１はベ
ース３２と前後一対の垂直な板ばね３３，３３に
よつて結合されている。トラフ３１の底部から一
対の支持アーム３４ａ，３４ｂが突出しており、
これらを結合するロツド３５に永久磁石３６が固
定されている。そして第１実施例と同様にこの永
久磁石３６のまわりに電磁コイル３７が配設され
るが本実施例ではこの電磁コイル３７はベース３
２に対し取付部材３８を介して固定される。

電磁コイル３７に第１実施例と同様に非正弦波
形の電流が供給されるとトラフ３１は水平方向に
所望の非正弦波形の振動を行うが本実施例の場合
にはコイル３７に対する反力は直接ベース３２に
伝達されるので第１実施例のようにベース３２に
加えられる振動反力は相殺されることがなくこの
場合には防振ばね３９は必ず必要とされる。しか
しながら第１実施例の場合よりは構造ははるかに
簡単となる。

第６図及び第７図は本発明の第３実施例を示す
が図においてトラフ４１はベース４２と前後一対
の垂直の板ばね４３，４３によつて結合されてい
る、ベース４２上には取付部材４４を介して同心
円筒形の永久磁石４５が固定されている。本実施
例の場合、中心のボール４５ａはＳ極であり、外
周部４５ｂはＮ極となつている。又トラフ４１に
は取付部材４６及び４７を介して電磁コイル４８
が固定されている。この電磁コイル４８は永久磁
石４５の中心磁極４５ａを挿通させている。即ち
本実施例はコイル可動型でありコイル４８に非正
弦波形の電流が供給され上記実施例と同様にトラ
フ４１は非正弦波形の水平方向の振動を行う事が
出来る。防振の点については第２実施例と同様に
防振ばね４９が必要となる。

以上本発明の各実施例について説明したが勿論
本発明はこれらに限定することなく本発明の技術
的思想にもとづいて種々の変形が可能である。

又、以上の実施例では永久磁石と電磁コイルは
一つづつであつたが、これ等を複数対、用いてト
ラフを振動させるようにしてもよい。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本発明の振動フイーダによ
れば極めて簡単な構成でトラフに水平方向に所望
の非正弦波形の振動を行わせる事が出来、トラフ
上の物体をジヤンプ運動させることなく滑りのみ
で移送する事が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例による振動フイー
ダによる部分破断側面図であり、この電磁コイル
に供給する電流を制御する回路と共に示してい
る。第２図は第１図の−線方向断面図、第３
図は第１図の正面図、第４図は本発明の第２実施
例による振動フイーダの部分破断側面図、第５図
は第４図におけるＶ−Ｖ線方向断面図、第６図は
本発明の第３実施例による振動フイーダの部分破
断側面図、及び第７図は第６図における−線
方向断面図である。 なお図において、８，３６，４５……永久磁
石、９，３７，４８……電磁コイル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基台上に前後一対の垂直な板ばねにより水平
   方向に振動可能に支持され、直線的に延在するト
   ラフに電磁コイルと該電磁コイルに同心的に、そ
   の径外方又は径内方に配設される磁石のうちいづ
   れか一方を固定し、このうち他方を前記基台側に
   固定させ、前記電磁コイルに非正弦波形の電流を
   通電することにより、前記トラフに水平方向に非
   正弦波形の振動力を加えて、前記トラフに沿つて
   所定方向に物を移送させるようにしたことを特徴
   とする振動フイーダ。