JPH0379506B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は大壁、真壁などのモルタル壁を内、外
壁として有する建物の壁を改修し、かつ調湿性、
寸法調整機能を具備せしめた外壁改修工法に関す
るものである。 従来、例えば住宅等の表面に露出している内、
外壁、特にモルタル壁を改修するには、改修すべ
き既存壁を全部取り去るか、洗浄して再度モルタ
ル壁を形成する方法を採つていた。しかしなが
ら、この種方法により改修した壁は工程が多い、
居住を中止する必要がある、コストアツプとな
り、日数も費やし、かつ、断熱性、防水性に欠
け、しかも各部における役物による納めも容易で
ない等の欠点があつた。 また、既存モルタル壁には水分が相当に含浸さ
れた状態となつているため、単に断熱材を敷設、
固定するとカビ等が発生する不利があつた。本発
明はこのような欠点を除去するため、モルタル壁
に対して乾式の外壁材をクツシヨン材付のハツト
型断面の胴縁を介して固定し、モルタル壁の凹凸
を抑制すると共に、モルタル壁と新たな外壁材間
にエアサイクル用の空隙を形成し、かつ、低コス
トで短時間で、しかも美しく、その上に外壁観を
一新しうると共に、熟練を必要とすることなく施
工できる外壁改修工法を提案するものである。 以下に図面を用いて本発明に係る内、外壁工法
について詳細に説明する。第１図は上記発明の代
表例を示す斜視図である。すなわち、第１図は上
記発明の基本的な外壁改修工法により改修された
外壁改修構造の一例を示す斜視図であり、１は既
存壁で主柱２、間柱３、木摺板４、ラス材５、モ
ルタル壁６とからなるものである。なお、既存壁
１の構造には大壁、真壁、あるいは特公昭53−
8129号公報で示されたような下地のモルタル壁、
あるいは内装材と外壁材間にグラスウール、セル
ロースフアイバー、ロツクウール、プラスチツク
フオームを充填した既存壁（例えばラスの代わり
に合板に下塗りを施した下地板にモルタル壁）も
含むものである。７は土台、８はアンカー、９は
布基礎、１０は薄いクツシヨン材でモルタル壁６
の凹凸を調節すると共に、躯体の位置を示すガイ
ドとして機能するものである。１１は胴縁で例え
ば第２図に示す形状、１２は吊子で第３図に示す
形状であり、１３は釘、ねじ等の固定具である。
特に胴縁は薄いクツシヨン材１０上に載置し、こ
れを釘１３で躯体に固定するものである。しかも
胴縁１１はエアサイクルが可能なように、かつ、
安定した状態で固定できるように多数の貫通孔１
１ａと断面をハツト状に形成したものである。１
４は新たな乾式の外壁材（以下、単に外壁材とい
う）で、例えば第４図〜第６図に示すような部
材、例えば金属サイデイング材は、窯業系の外装
材の１種以上からなるものである。その外観は平
葺、あるいは段葺きを行なえる形状の１種からな
るものである。勿論、外装材であれば、上記した
一例に限らず、任意に使用しうるものである。さ
らに説明すると、第４図ａ〜ｐは金属製表面材Ａ
に芯材兼断熱材Ｂ、裏面材Ｃとからなり、第５図
ａ〜ｋは表、裏面材Ａ，Ｃは第４図と同じ材質等
からなり、芯材兼断熱材Ｂだけが肉厚とし、か
つ、雌型連結部Ｄの下縁にも芯材Ｂを充填したサ
イデイング材であり、第６図ａ〜ｌは窯業系のサ
イデイングの一例を示すものである。１５は当て
木、１６は役物、１７はスタータで外壁材１４の
種類によつて異なるものである。 次に施工法につき簡単に説明する。 まず、第１図に示すような外装改修壁を形成す
るには、既存壁１のモルタル壁６面上に主柱２、
間柱３の位置を確認してその対応する位置にクツ
シヨン材１０を固定する。次にこのクツシヨン材
１０上に胴縁１１を載置すると共に、釘１３を介
して躯体にモルタル壁の凹凸をクツシヨン材１０
の弾力によつて排除して固定する。なお、胴縁１
１を固定する前に当て木１５を固定し、次に役物
１６を固定しておくものである。そこで、スター
タ１７を固定し、次に第４図ｃに示すような断面
の外壁材１４をスタータ１７に装着し、吊子１２
を介して固定することにより施工する。従つて、
外壁材１４を全壁面に施工するには、上記したよ
うな工程を順次、繰り返して行なえばよいもので
ある。また、従来方法によりモルタル壁６を破壊
して新しい壁を形成すると、間柱の交換、役物の
交換、防水シートの施工、居住の中止等、種々の
問題が発生した。これに対し、第１図に示すよう
な外壁を施工するには、単に作業員が間柱等の位
置を確認し、次に役物を装着して順次係合し、所
定位置を釘１３で打設し、固定していくだけでよ
く、住宅１棟を３人の作業員によつて約１日で完
成しうるスピードである。勿論、居住の中断もな
く、外観も任意の色、壁構造に一新できるもので
ある。 上述したように本発明に係る外壁改修工法によ
れば、熟練を必要とすることなく、短時間で、し
かも居住を中断することなしに容易に実施できる
大きな特徴がある。さらに、既存モルタル壁と外
装材間にエアサイクルを行ない得る構造としたた
め、結露もなく、かつ、耐衝撃性にすぐれ、さら
に下地面の凹凸も調整し、美しい外観の壁体を形
成することができる特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る外壁改修工法の一例を示
す一部切り欠き斜視図、第２図、および第３図は
上記工法に必要な部材の一例を示す説明図、第４
図〜第６図は新たな外壁材の一例を示す説明図で
ある。 １……既存外壁材、６……モルタル壁、１２…
…吊子、１４……新たな外壁材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 大壁、真壁などのモルタル壁を有する建物に
   おいて、該既存壁を改修するに当たり、既存外壁
   の間柱、主柱の位置に対応するモルタル壁の表面
   に薄いクツシヨン材を固定し、該クツシヨン材上
   に吊子係合孔とエアサイクル孔を有するハツト状
   断面の胴縁を釘を介して既存壁の躯体に固定し、
   次に新たな乾式外壁材を吊子を介して固定して既
   存モルタル壁を改修したことを特徴とする外壁改
   修工法。