JPH0378915B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は地中に横坑を築造する場合に用いられ
るシールド掘進機に関する。

（従来の技術およびその問題点） シールド工法のうち、泥水シールド、土圧シー
ルド、泥土圧シールド、発泡剤を使用する土圧シ
ールド（俗に気泡シールドとも云う）、また、空
気と発泡剤と使用するシールドで、掘削土砂自身
あるいは掘削土砂に、水、粘性付与剤、泥しよう
剤、作泥土材、発泡剤、空気あるいはこれらの混
合体にてなる土砂改良剤を適宜選択して加えて撹
拌混合し塑性流動性の土砂、あるいは泥水、泥
土、あるいは泥状の撹拌体にし、この撹拌体にシ
ールドジヤツキあるいは添加する土砂改良材の加
圧力等を作用させて切羽を安定させる工法があ
る。

この場合、切羽を安定させる上で、泥土や泥状
の撹拌体等を速やかに作るために掘削土砂土砂改
良材と、あるいは掘削土砂のみを混合撹拌するこ
とは重要なことである。

しかるに、従来においてはシールド掘進機の回
転カツター後部の適位置に、シールド筒の軸方向
後方に延びる練り混ぜ翼を設けるなどしていた
が、この構造では掘削土砂が切羽室内に固着した
り、シールド掘進機が大口径のものであつたりす
ると切羽室内の掘削土砂および土砂改良材を均一
に、しかも効率良く切羽室内全域を撹拌するには
やや難点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記の点に鑑み提案されたもので、そ
の目的とするところは、掘削土砂の固着を防ぎ、
また、小口径のものは勿論のこと大口径であつて
も掘削土砂と土砂改良材とを速やかに、かつ均一
に撹拌混合し得る機能を備えたシールド掘進機を
提供することにある。

すなわち、本発明はその目的を達成するため
に、切羽室に、回転自在に配設された適数の駆動
軸から偏心した位置に回転自在に適数の連結撹拌
具を連結して平行クランク機構状に構成された撹
拌装置を設けたことを要旨としている。

（作用） 本発明では撹拌装置を回転掘削具とは異なる平
行リンクを応用した平行クランク機構状撹拌装置
で構成し、切羽室内の空間の略全域にわたつてフ
ードに対し偏心回動運動を行なわせて掘削土砂と
土砂改良材との撹拌を向上させている。

（実施例） 第１図イ，ロは本発明の一実施例を示すもの
で、図中１はシールド筒で、このシールド筒１の
前部は隔壁２で仕切られフード１ａとなつてい
る。３，４は隔壁２にそれぞれ軸受５，６により
貫通、軸支された周知の駆動機構により回転自在
な駆動軸である。駆動軸３はシールド筒１の略中
心に位置し、駆動軸３の前端面にフイツシユテー
ル状の掘削刃７を設け、かつ同じくその前端側面
の半径方向に前面に多数の掘削刃８を設けた回転
カツター９を取り付けて回転掘削具を構成してい
る。回転カツター９はスポーク形でも面板状でも
良い。

しかして、回転自在な駆動軸４は回転掘削具の
後方であつて隔壁２の外周寄りに位置し、駆動軸
４の前端には駆動軸４に対し直角に回転子１０を
固定してある。また、隣り合う駆動軸４の間は、
前後面に適数の撹拌羽根１１，１２をそれぞれ並
設した円弧状の連結撹拌具１３をピン１４により
回転子１０の先端にそれぞれ枢着して連結してあ
る。これらの回転子１０と連結撹拌具１３は平行
クランク機構状に構成された撹拌装置１５となつ
ている。また、１６′は隔壁２の上部に開口部を
もつ注入管であり、１７は隔壁２の下部に開口部
をもつ、例えばスクリユーコンベア、排泥パイ
プ、排土ポンプ等の排土装置である。

動作にあたつては、先ず回転掘削具を駆動する
ことにより地山が掘削される。そして、掘削土砂
は切羽室１６に取込まれる。これらの過程で必要
に応じ注入管１６′を介し所望の土砂改良材が地
山および／もしくは切羽ないしは掘削土砂に対し
注入される。しかして、切羽室１６内において掘
削土砂と土砂改良材等が撹拌装置１５によつて撹
拌混合される。この場合、回転子１０の長さや連
結撹拌具１３の形状を好適に選定しておけば切羽
室１６内の空間部分略全域を平行クランク運動に
よつて動かすことができフード１ａに対し撹拌装
置１５が偏心しながら回動するため、掘削土砂と
作泥土材等を短時間で均一に効率良く撹拌混合
し、切羽を押えるに足りる混合撹拌体に変換する
ことができる。

例えば含水比の大きいシルト層や粘土層などの
軟弱な地層においては、作泥土材等を切羽室の掘
削土砂ないしは切羽へ注入しないで、単に撹拌の
みで所望の流動性を有する泥状撹拌体をつくるこ
とができる場合もある。

なお、この撹拌体は周知の如く図示しないシー
ルドジヤツキ等により加圧され、これによつて切
羽は押えられる。また、掘進に際しては圧力は保
持され、かつ余分な撹拌体は排土装置１７を介し
て排土される。

なお、上記実施例の他の応用例として隔壁より
切羽室の内部へ固定撹拌翼を設けることも可能で
ある。また、土砂改良材の切羽室への注入は駆動
軸を中空にして掘削刃の先端より切羽面へ注出す
ることも可能である。さらには回転掘削具も中空
にして表面に注入口を穿ち、切羽室ないしは地山
へ噴射することも可能である。また、撹拌具の駆
動軸に土砂改良材等の注入管を設け、この軸先端
より噴出させることも可能である。

尚、本発明に係る撹拌装置は、回転体の取付位
置、数、結撹拌具の長さ、形状、数等を適切に配
置することによつて、円形断面のみならず長円
形、略角形、楕円形状その他の断面にも適用でき
るものである。

（発明の効果） 以上のように本発明のシールド掘進機では地山
の回転掘削具とは別にその後方に、平行リンクに
より構成された撹拌装置を設けたから、従来の撹
拌羽根が掘削具の後部に取付けられたものでは泥
土等が固着したりした時に取除くことが難しかつ
たが、回転掘削具の回動と異なる方向や異なる回
転数で撹拌羽根を回動することが可能となり、泥
土や掘削土砂の切羽室内や撹拌羽根への固着がな
くなる効果がある。

また、従来の撹拌装置は単に回転運動のみであ
つたが、本発明では連結撹拌具と撹拌羽根がフー
ドに対して偏心回動をするので撹拌効率が極めて
大きい効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例であり、イ図は正面
図、ロ図は概略側断面図である。 ４……駆動軸、１０……腕、１３……連結撹拌
具、１４……ピン、１５……撹拌装置、１６……
切羽室。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 切羽室内の掘削土砂、あるいはこの掘削土砂
   と注入された土砂改良材とを撹拌混合した撹拌体
   によつて切羽を安定させて掘進するシールド掘進
   機において、前記切羽室に、回転自在に配設され
   た適数の回転体と適数の連結撹拌具とが平行リン
   クの動きをなす両クランク機構状撹拌装置として
   形成して設けられていることを特徴とするシール
   ド掘進機。