JP2003013438A - 地盤改良撹拌機 - Google Patents

地盤改良撹拌機

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JP2003013438A JP2001196524A JP2001196524A JP2003013438A JP 2003013438 A JP2003013438 A JP 2003013438A JP 2001196524 A JP2001196524 A JP 2001196524A JP 2001196524 A JP2001196524 A JP 2001196524A JP 2003013438 A JP2003013438 A JP 2003013438A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地盤の土砂が粘土質である場合や地盤に繊維
質の泥炭が含まれる場合であっても、共回り現象を防止
し、地盤の土砂と固化材スラリーを十分に撹拌混合し
て、良質の改良柱体を造設する地盤改良撹拌機を提供す
ること。 【解決手段】 中空状の回転軸3と、該回転軸3の先端
部に設けられた削孔ヘッド4と、前記回転軸3に突設さ
れ、前記回転軸3が回転することにより地盤2の中の土
砂と固化材スラリーを撹拌する撹拌翼5と、を備え、前
記撹拌翼5に、複数の孔5bが穿設された地盤改良撹拌
機1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤の支持力を向
上させる改良柱体を造設するために用いる地盤改良撹拌
機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、軟弱な地盤の支持力を向上させ
るため、図8に示すように、地盤2に改良柱体11を造
設する深層混合処理工法(柱状改良工法)が用いられ
る。前記改良柱体11を造設するにあたっては、例えば
図1に示すように、回転軸3に地盤2を掘削及び撹拌す
る撹拌翼14が複数設けられた地盤改良撹拌機15と、
該地盤改良撹拌機15を昇降自在に支持すると共に、回
転駆動させる支持部7が装備された建設機械6と、水と
セメント等の固化材を混練して固化材スラリーを生成す
るミキサー8、該ミキサー8により生成された固化材ス
ラリーを地盤改良撹拌機15の回転軸3の内部に配管9
を通じて供給するポンプ10等からなるプラントと、を
利用する。
【0003】改良柱体の造設に際しては、まず、前記支
持部7に設けられた回転駆動部7b及び昇降部7aによ
り前記地盤改良撹拌機15を回転させながら降下させて
地盤2に貫入し、所定の深さまで空掘りする。つぎに、
空掘りにより破砕されて形成された土砂中に固化材スラ
リーを注入しつつ、撹拌翼14を回転させて土砂と固化
材スラリーを撹拌混合して改良土を作製する。そして、
作製した前記改良土を所定期間放置して固化させると改
良柱体11となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した柱状改良工法
においては、改良柱体11の強度は土砂と固化材スラリ
ーを混合して作製される改良土に依存することから、質
の高い改良柱体11を安定的に造設するためには、土砂
と固化材スラリーを常に十分に混合して良質な改良土を
作製することが不可欠である。しかし、地盤の土砂が粘
土質である場合や地盤に繊維質の泥炭が含まれる場合
は、土砂と固化材スラリーを撹拌するときに、粘性の高
い土砂や泥炭が地盤改良撹拌機15の撹拌翼14に付着
し、又は絡み付いて団子状の塊となり、撹拌翼14と一
体となって回転する、いわゆる共回り現象が発生し易く
なる。この共回り現象が発生すると土砂と固化材スラリ
ーは十分に混合されず不良質な改良土が作製され、改良
柱体11の性能、つまり、その固化強度が著しく低下し
て期待した支持力を発揮できないことがある。
【0005】本発明は、かかる問題に鑑みてなされたも
のであり、地盤の土砂が粘土質である場合や地盤に繊維
質の泥炭が含まれる場合であっても、共回り現象を防止
し、地盤の土砂と固化材スラリーを十分に撹拌混合し
て、良質の改良柱体を造設する地盤改良撹拌機を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の地盤改良撹拌機は、中空状の回転軸
と、該回転軸の先端部に設けられた削孔ヘッドと、前記
回転軸に突設され、前記回転軸が回転することにより地
盤の中の土砂と固化材スラリーを撹拌する撹拌翼と、を
備えた地盤改良撹拌機において、前記撹拌翼に、複数の
孔が穿設されたことを特徴としている。
【0007】請求項2記載の地盤改良撹拌機は、請求項
1記載の地盤改良撹拌機において、前記撹拌翼の断面形
状が流線型であることを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
地盤改良撹拌機について図面に基づき説明する。図1及
び図2に示すように、前記地盤改良撹拌機1は、回転軸
3と、回転軸3の先端に設けられた削孔ヘッド4と、回
転軸3に一定間隔で相互に90度ずつ異なる向きに突設
された複数の撹拌翼5と、を備えたものであり、この地
盤改良撹拌機1は、建設機械6の前部に設けられた支持
部7にその長手方向を上下にして支持されている。ま
た、前記地盤改良撹拌機1は、支持部7に装備された昇
降部7aによって昇降され、回転駆動部7bにより回転
駆動力を与えられて回転されるようになっている。以
下、各部について詳細に説明する。
【0009】前記建設機械6は、前記した地盤改良撹拌
機1を支持する支持部7、支持部7に設けられた昇降部
7a及び回転駆動部7bのほか、走行体としてのクロー
ラ6aを装備しており、軟弱地盤等の走行条件の悪いと
ころであっても、オペレータの操作により施工場所に移
動してその前部に支持する地盤改良撹拌機1を所望の位
置に配置する。
【0010】前記回転軸3は、撹拌翼5及び削孔ヘッド
4が設けられて、これらを回転させる回転駆動力を伝達
する役割を果たすほか、固化材スラリーを地中に注入す
るための供給配管としての役割をも果たす。すなわち、
前記回転軸3には鋼管等の中空状のものが使用されてお
り、その基部3aから固化材スラリーが圧入されると先
端部3bから圧入された固化材スラリーが吐出されて土
砂の中に注入されるようになっている。
【0011】前記固化材スラリーは、「従来の技術」の
欄で述べたように、ミキサー8内において生成されて、
該ミキサー8から前記回転軸3の基部3aまで設けられ
た配管9及び配管途中に設置されたポンプ10によって
供給されるようになっている。なお、前記回転軸3の基
部3aと前記配管9の端部の接続には、回転軸3の基部
3aと配管9が回転自在に接続されるようにスイベルジ
ョイント等が用いられている。
【0012】前記削孔ヘッド4は、前記回転軸3の先端
部3bに、固化材スラリーの吐出を妨げないように、設
けられたものであり、使用時に、回転軸3から推進力及
び回転駆動力を与えられて孔底を掘削する。
【0013】前記撹拌翼5は、前記回転軸3に一定間隔
で相互に90度ずつ異なる向きに複数突設されている。
そして、撹拌翼5自体には、一辺端に掘削チップ5aが
複数設けられ、板圧方向に多数の貫通孔5bが穿設され
ている。
【0014】上記した構成を有する地盤改良撹拌機1を
使用して、地盤2に改良柱体を造設する場合は、図3
(a)に示すように、まず最初に、前記建設機械6を操
作して、改良柱体を造設すべき地点に地盤改良撹拌機1
を配置する。
【0015】次に、図3(b)に示すように、地盤改良
撹拌機1を回転させながら下降させて、削孔ヘッド4及
び前記撹拌翼5により地盤2を掘削しながら地盤改良撹
拌機1を地盤2の中に押し進め、改良柱体を造設すべき
深さまで貫入する。
【0016】そして、図3(c)に示すように、前記ミ
キサ8及び前記ポンプ9を稼働させて、固化材スラリー
を回転軸3の内部を通じて先端部3bから土砂に注入し
ながら、地盤改良撹拌機1を回転昇降させて土砂と固化
材スラリーを撹拌翼5によって撹拌混合して改良土を作
製する。その後、地盤改良撹拌機1を撤収して所定期間
放置すると、図3(d)に示すように、改良土が固化し
て改良柱体11となる。
【0017】つぎに、前記撹拌翼5による土砂及び固化
材スラリーの撹拌について説明する。図4(a)に示す
ように、土砂と固化材スラリーを撹拌混合するために、
撹拌翼5が土砂と固化材スラリーの中を回転すると、そ
の撹拌翼5の表面には、固化材スラリーと土砂からなる
付着物12が形成される。そして、この付着物12が大
きく成長すると、団子状の大きな塊となって、共回り現
象を発生し、固化材スラリーと土砂の混合効率の低下を
招く。
【0018】しかしながら、本実施の形態に係る地盤改
良撹拌機1の撹拌翼5には、複数の貫通孔5bが穿設さ
れているため、撹拌翼5の表面とその表面に生じた付着
物12の接触面積は、前記貫通孔5bがない場合と比較
して小さく、従って、付着物12の撹拌翼5への付着力
も小さい。このことから、図4(b)に示すように、撹
拌翼5の表面に発生した付着物12は、大きく成長する
前に、周囲の土砂等との摩擦力により撹拌翼5から剥離
され、或いは、ばらばらに崩壊される。
【0019】このことから明らかなように、前記撹拌翼
5を備えた地盤改良撹拌機1によれば、前記撹拌翼5に
固化材スラリーと土砂からなる団子状の大きな塊が形成
され難く、共回り現象の発生を抑える効果を生じる。
【0020】ところで、付着物12が大きく成長する前
に撹拌翼5から剥離し、又は崩壊され易くなるのは、貫
通孔5bが穿設されていない撹拌翼と比較して、付着物
12と撹拌翼の接触面積の大小によるものであるから、
このような作用効果を得るためには、前記撹拌翼5を、
例えば、図5(a)に示すように、貫通孔ではなく、板
厚途中まで孔5cを穿設したもの5A、図5(b)、
(c)に示すように、円孔ではなくスリット状の孔5
d、5eを設けたもの5B、5Cでもよい。
【0021】次に前記地盤改良撹拌機1の変形例に係る
地盤改良撹拌機1Aについて説明する。図6に示すよう
に、変形例に係る地盤改良撹拌機1Aは、前記地盤改良
撹拌機1と撹拌翼の断面形状を除いて同様の構成となっ
ている。すなわち、変形例に係る地盤改良撹拌機1Aの
撹拌翼5Dの断面形状は、図示するように流線型であ
る。このため、撹拌翼5Dを土砂と固化材スラリーの中
で回転させたとき、撹拌翼5Dの表面における土砂及び
固化材スラリーの流れが、断面形状が流線型でないもの
と比較して、スムースになり、土砂等が撹拌翼5Dの表
面に付着し難くくなる。このことから、変形例に係る地
盤改良撹拌機1Aを利用すれば、断面形状が流線型でな
い撹拌翼5を有する前記地盤改良撹拌機1より一層共回
り現象の発生が抑制される。
【0022】以上説明した地盤改良撹拌機1及び変形例
に係る地盤改良撹拌機1Aは、撹拌翼自体への土砂の付
着を防止して、共回り現象を防止するものであるが、従
来から提案されている共回り防止機構など、特に撹拌翼
に付着した大きな塊を剪断する機構等と組み合わせて構
成すれば、更に一層の共回り防止効果が期待できる。例
えば、図7に示すように、前記地盤改良撹拌機1の回転
軸3に共回り防止翼13を設けた地盤改良撹拌機1Bで
あってもよい。前記共回り防止翼13は、撹拌翼5より
大径であり、且つ、前記回転軸3に回転自在に設けられ
たものであり、掘削されていない固い地盤にその両端部
が係止されて、回転する撹拌翼5及び回転軸3に対して
静止した状態を保持することにより、撹拌翼5と共回り
する土砂を剪断して共回りを防止するものである。従っ
て、この地盤改良撹拌機1Bによれば、撹拌翼5に大き
な付着物が発生し難く、また、付着物が成長して大きな
塊となった場合であっても、前記共回り防止翼13によ
り剪断破壊して共回り現象の発生を防止する。
【0023】
【発明の効果】請求項1記載の地盤改良撹拌機は、中空
状の回転軸と、該回転軸の先端部に設けられた削孔ヘッ
ドと、前記回転軸に突設され、前記回転軸が回転するこ
とにより地盤の中の土砂と固化材スラリーを撹拌する撹
拌翼と、を備えた地盤改良撹拌機において、前記撹拌翼
に、複数の孔が穿設されたものであるので、撹拌翼に孔
が穿設されていないものと比較して、撹拌翼と土砂等の
接触面積が小さいことから、土砂等からなる大きな塊が
撹拌翼に付着し難くく、共回り現象を防止することがで
きる。従って、該地盤改良撹拌機によれば、地盤の土砂
と固化材スラリーは十分に撹拌混合されるので、良質の
改良柱体を造設することができる。
【0024】請求項2記載の地盤改良撹拌機は、請求項
1記載の地盤改良撹拌機において、前記撹拌翼の断面形
状が流線型であるものであるので、撹拌翼を土砂と固化
材スラリーの中で回転させたとき、撹拌翼の表面におけ
る土砂等の流れが、断面形状が流線型でないものと比較
して、スムースになり、土砂等が撹拌翼の表面に付着し
難くくなる。このことから、該地盤改良撹拌機を利用す
れば、請求項1記載の地盤改良撹拌機より一層共回り現
象の発生を防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】改良柱体を造設するときに使用されるプラント
の例を示した図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る地盤改良撹拌機を示
した図である。
【図3】改良柱体を造設する際の手順を表した説明図で
ある。
【図4】本発明の実施の形態に係る地盤改良撹拌機の撹
拌翼の撹拌作用についての説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る地盤改良撹拌機の撹
拌翼の孔形状のバリエーションを示した図である。
【図6】本発明の実施の形態の変形例に係る地盤改良撹
拌機を示した図である。
【図7】共回り防止翼を装着した地盤改良撹拌機の例を
示した説明図である。
【図8】改良柱体を示した斜視図である。
【符号の説明】
1、1A、 地盤改良撹拌機 3 回転軸 4 削孔ヘッド 5、5A乃至5D 撹拌翼 5b乃至5e 孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空状の回転軸と、該回転軸の先端部に
    設けられた削孔ヘッドと、前記回転軸に突設され、前記
    回転軸が回転することにより地盤の中の土砂と固化材ス
    ラリーを撹拌する撹拌翼と、を備えた地盤改良撹拌機に
    おいて、 前記撹拌翼に、複数の孔が穿設されたことを特徴とする
    地盤改良撹拌機。
  2. 【請求項2】 前記撹拌翼の断面形状が流線型であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の地盤改良撹拌機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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