JP2001317036A - 共回り防止翼付き地盤改良撹拌機、及び改良柱体製造方法 - Google Patents

共回り防止翼付き地盤改良撹拌機、及び改良柱体製造方法

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JP2001317036A
JP2001317036A JP2000135001A JP2000135001A JP2001317036A JP 2001317036 A JP2001317036 A JP 2001317036A JP 2000135001 A JP2000135001 A JP 2000135001A JP 2000135001 A JP2000135001 A JP 2000135001A JP 2001317036 A JP2001317036 A JP 2001317036A
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rotating
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Yoshinori Sumitomo
義則 住友
Tomohiko Okuno
智彦 奥野
Kazuo Hori
一夫 堀
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Sekisui House Ltd
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Sekisui House Ltd
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地盤の支持力を高めるための改良柱体を造設
する場合に、共回り現象が起こることを確実に防止し
て、良質な改良土を作製する手段を提供する。 【解決手段】 本共回り防止翼付き地盤改良撹拌機10
0は、その先端に吐出口14aが形成された中空状の第
1の回転軸14と、その先端部分に掘削チップ110を
有し、第1の回転軸14の先端部分に前記吐出口14a
を塞がないように設けられた削孔ヘッド11と、第1の
回転軸14に一定の間隔で、水平面に対して一定角度の
傾斜を有するように相対向して設けられた一対の掘削撹
拌翼12H、12M、12Lと、第1の回転軸14にお
ける掘削撹拌翼12Mと掘削撹拌翼12Lとの間の位置
に設けられた共回り防止翼回転装置101とを備えたも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤の支持力を高
めるための改良柱体を造設する地盤改良撹拌機、及び改
良柱体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、軟弱な地盤上に住宅等を建築す
る場合には、地盤中に図5(a)に示すような改良柱体6
を複数造設して地盤の支持力を向上させる地盤改良工法
が施工される。また、前記改良柱体6の一本当たりの支
持力を向上させるために、図5(b)に示すように、改良
柱体に複数の節部8を設けた節付き改良柱体7を造設す
る地盤改良工法もある。前記節付き改良柱体7は、改良
柱体の外径が拡大した節部8を有するので、通常の改良
柱体6と比べて、地盤との摩擦力が増大する。このた
め、造設すべき改良柱体の本数を少なくしたり、改良柱
体の長さを短くすることができ、地盤改良工法を簡略化
することができる。
【0003】前記改良柱体6又は節付き改良柱体7は、
図6に示すような装置を用いて造設される。すなわち、
地盤を掘削、撹拌する掘削撹拌翼を備えた地盤改良撹拌
機1が、建設機械2により固定された支柱3に昇降自在
かつ回転自在に設けられ、ミキサー4により、水と固化
材を混錬した固化材スラリーが作製され、該固化材スラ
リーがポンプ5により、前記地盤改良撹拌機1に圧送さ
れる構成となっており、適当な駆動源により地盤改良撹
拌機1の掘削撹拌翼を回転させて、改良柱体6又は改良
柱体7を造設すべき地盤を空掘りした後、固化材スラリ
ーを吐出しながら掘削撹拌翼を回転させて、固化材スラ
リーと土砂とを混合してなる改良土を作製し、地盤改良
撹拌機1を引き上げて該改良土を固化させることによ
り、改良柱体6又は節付き改良柱体7を造設する。な
お、節付き改良柱体7を増設する場合には、地盤改良撹
拌機の回転方向の正反により回転外径が拡大又は縮小す
る拡大翼を備えた地盤改良撹拌機を用いる。
【0004】上述した地盤改良工法では、改良柱体6の
強度や均一性等は土砂と固化材スラリーを混合してなる
改良土の固化反応に依存したものとなるので、良質で安
定した改良柱体を造設するには、土砂と固化材スラリー
とを良く混合することが重要となるが、土砂が粘土質で
ある場合等には、地盤改良撹拌機1を用いて土砂と固化
材スラリーとを混合撹拌する際に、未改良土が団子状と
なり地盤改良撹拌機1の掘削撹拌翼と共に回転する現
象、いわゆる共回り現象が生じ、未改良土が塊のまま残
ったり、外側のみ固化したような改良柱体となるおそれ
がある。これを防止するために、共回り防止翼を備えた
地盤改良撹拌機が考案されている。
【0005】以下、従来の共回り防止翼を備えた地盤改
良撹拌機9について説明する。図7に示すように、本地
盤改良撹拌機9は、その先端に吐出口10aが形成され
た中空状の回転軸10と、その先端部分に掘削チップ1
10を有し、回転軸10の先端部分に前記吐出口10a
を塞がないように設けられた削孔ヘッド11と、回転軸
10に一定の間隔で、水平面に対して一定角度の傾斜を
有するように相対向して設けられた一対の掘削撹拌翼1
2H、12M、12Lと、掘削撹拌翼12Mと掘削撹拌
翼12Lとの間の回転軸10に設けられた共回り防止翼
13とからなるものである。前記掘削撹拌翼12H、1
2M、12Lは、各々水平方向に突出して設けられてお
り、掘削撹拌翼12H、12Lが突出する方向と、掘削
撹拌翼12Mが突出する方向とは、回転軸10を中心と
して位相が90度異なるものとなっている。また、掘削
撹拌翼12Lの一辺縁側には、掘削チップ110が設け
られている。
【0006】前記共回り防止翼13は、回転軸10に外
嵌された管状体31の側部から、一対の矩形の平板を、
その面が回転軸10の軸線方向となるように、水平方向
に突設されたものであり、管状体31は、回転軸10に
固定された止具32により挟持されている。これによ
り、共回り防止翼13は、回転軸10に対して回転自在
なものとなっている。また、共回り防止翼13は、その
長手方向の長さが、掘削撹拌翼12H、12M、12L
よりも長いものであり、したがって、その先端部分は、
掘削撹拌翼12H、12M、12Lの回転外径の外側に
位置するものとなっている。
【0007】図8は、前記地盤改良撹拌機9の使用状態
を現したものであり、改良柱体を造設すべき地盤を空掘
りした後、土砂と固化材スラリーとを混合撹拌して改良
土を作製する工程における前記地盤改良撹拌機9を示し
ている。図に示すように、回転軸10は時計回りに回転
しており、これに伴って掘削撹拌翼12H、12M、1
2Lも時計回りに回転する。一方、共回り防止翼13
は、その先端部分が掘削されていない地盤中に貫入して
保持されているため、掘削撹拌翼12H、12M、12
Lの回転により、土砂及び固化材スラリーが回転軸10
を中心として時計回りに回転し、共回り防止翼13の面
に時計回りの方向の圧力を与えたとしても、共回り防止
翼13は、土砂等と共に回転することはなく静止状態を
維持する。これにより、粘土質の土砂等が掘削撹拌翼1
2H、12M、12Lと共に回転し始めたとしても、共
回り防止翼13により、その回転が抑止され、土砂等が
強制的にせん断されるので、共回り現象が起こることを
防止して、土砂と固化材スラリーとを確実に混合撹拌す
ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記地盤改良
撹拌機9においては、地盤中に岩石等の障害物がある場
合に、共回り防止翼13の先端部分が該障害物に当たっ
て、地盤改良撹拌機9を地盤中に押し込めないことが起
こり得る。また、改良柱体の周囲の地盤が軟らかい場合
には、地盤が共回り防止翼13を静止状態に維持するこ
とができず、共回り防止翼13も土砂等と共に回転して
共回り現象を防止することができず、また、改良柱体の
周囲の地盤まで乱してしまうこととなる。本発明は、前
記の点に鑑みてなされたものであり、地盤の支持力を高
めるための改良柱体を造設する場合に、共回り現象が起
こることを確実に防止して、良質な改良土を作製する手
段を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
になされた本発明に係る共回り防止翼付き地盤改良撹拌
機は、中空状の第1の回転軸と、該第1の回転軸の先端
近傍に設けられた削孔ヘッドと、該第1の回転軸に一定
の間隔で複数突設され、地盤を掘削又は撹拌の一方又は
双方をする掘削撹拌翼と、該第1の回転軸に設けられ、
土砂の共回り現象を防止する共回り防止翼回転装置とを
備えてなる共回り防止翼付き地盤改良撹拌機において、
前記共回り防止翼回転装置は、前記第1の回転軸におけ
る前記掘削撹拌翼近傍に固定された第1の傘歯車と、前
記第1の回転軸における第1の傘歯車と隣り合う位置
に、回転自在に外嵌された管状の第2の回転軸と、該第
2の回転軸に、その軸線と直交する方向に突設された固
定軸と、該固定軸に回転自在に軸支された前記第1の傘
歯車と噛合する第2の傘歯車と、前記固定軸の先端近傍
に設けられた板状の回転抑止翼と、前記第1の回転軸に
おける第2の回転軸と隣り合う位置に、回転自在に外嵌
された第3の回転軸と、該第3の回転軸に固定された前
記第2の傘歯車と噛合する第3の傘歯車と、前記第3の
回転軸に、その軸線と交わる方向に突設された共回り防
止翼とを備えたものである。
【0010】また、本発明の請求項2に係る発明は、固
化材スラリーを吐出する中空状の回転軸と、該回転軸の
先端近傍に設けられた削孔ヘッドと、前記回転軸に一定
の間隔で複数突設され、地盤を掘削又は撹拌の一方又は
双方をする掘削撹拌翼と、前記回転軸の回転方向と逆方
向に回転して、土砂の共回り現象を防止する共回り防止
翼とを備えてなる共回り防止翼付き地盤改良撹拌機を用
いた改良柱体製造方法であって、基礎が配設されるべき
地盤を、前記地盤改良撹拌機を回転させて円柱状に掘削
する空掘工程と、円柱状に掘削された地盤中に固化材ス
ラリーを吐出しながら、前記回転軸を回転させて掘削撹
拌翼を回転させるとともに、前記共回り防止翼を回転軸
の回転方向と逆方向に回転させて、土砂と固化材スラリ
ーとを混合してなる改良土を作製する改良土作製工程
と、前記改良土を固化する固化工程とを含むものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形
態に係る共回り防止翼付き地盤改良撹拌機の構成を説明
するための図であり、共回り防止翼付き地盤改良撹拌機
100の正面及び側面を示すものである。図1に示すよ
うに、本共回り防止翼付き地盤改良撹拌機100は、そ
の先端に吐出口14aが形成された中空状の第1の回転
軸14と、その先端部分に掘削チップ110を有し、第
1の回転軸14の先端部分に前記吐出口14aを塞がな
いように設けられた削孔ヘッド11と、第1の回転軸1
4に一定の間隔で、水平面に対して一定角度の傾斜を有
するように相対向して設けられた一対の掘削撹拌翼12
H、12M、12Lと、第1の回転軸14における掘削
撹拌翼12Mと掘削撹拌翼12Lとの間の位置に設けら
れた共回り防止翼回転装置101とを備えたものであ
る。
【0012】なお、図示しないが、本共回り防止翼付き
地盤改良撹拌機100も、上述と同様に、建設機械2に
より固定された支柱3に昇降自在に設けられ、ミキサー
4により、水と固化材を混錬した固化材スラリーが作製
され、該固化材スラリーがポンプ5により、サンプラー
付き地盤改良撹拌機100に圧送されるものとなってお
り、また、適当な駆動源により、回転軸14が回転され
るものとなっている。
【0013】前記掘削撹拌翼12H、12M、12L
は、各々水平方向に突出して設けられており、掘削撹拌
翼12H、12Lが突出する方向と、掘削撹拌翼12M
が突出する方向とは、第1の回転軸14を中心として位
相が90度異なるものとなっている。また、掘削撹拌翼
12Lの一辺縁側には、掘削チップ110が設けられて
いる。
【0014】図2は、本発明に係る共回り防止翼付き地
盤改良撹拌機100の共回り防止翼回転装置101近傍
の拡大図であるが、共回り防止翼回転装置101は、第
1の回転軸14に固定された第1の傘歯車41と、該第
1の傘歯車41の上方で、第1の回転軸14に回転自在
となるように外嵌された第2の回転軸15と、該第2の
回転軸15の側部から、第2の回転軸15の軸線と直交
するように、四方向に突設された四本の固定軸53と、
該各固定軸53に、前記第1の傘歯車41と噛合するよ
うに回転自在に軸支された第2の傘歯車51と、各固定
軸53の先端に、その面が第2の回転軸15の軸線方向
となるように固定された矩形平板状の回転抑止翼52
と、前記第2の回転軸15の上方で、第1の回転軸14
に回転自在となるように外嵌された第3の回転軸16
と、該第3の回転軸16の下端近傍に、前記各第2の傘
歯車51と噛合するように外嵌固定された第3の傘歯車
61と、前記第3の回転軸16の側部から、水平面に対
して一定角度の傾斜を有するように相対向して突設され
た共回り防止翼62とからなるものである。
【0015】なお、図に示すように、第1の回転軸14
と第1の傘歯車41とは、キー42により固定され、こ
れにより、第1の傘歯車41は、第1の回転軸14とと
もに回転するものとなっている。また、各第2の傘歯車
51は、第2の回転軸15の側部から四方に突設された
各固定軸53の所定の位置に回転自在に設けられ、各固
定軸53に固定された止具54により挟持されて固定軸
53上を摺動しないものとなっている。また、回転抑止
翼52は、その大きさが、掘削撹拌翼12H、12M、
12Lの回転外径内に納まるものとなっている。
【0016】第3の回転軸16の上端は、第1の回転軸
14に固定された止具43と接することにより、第1の
回転軸14に外嵌された位置が維持されるようになって
いる。止具43は円環状のものであり、第1の回転軸1
4に固定されている。また、共回り防止翼62は、その
大きさが、掘削撹拌翼12H、12M、12Lの回転外
径内に納まるものとなっている。なお、止具43は、第
3の回転軸16を第1の回転軸14における所定の位置
に維持できるものであれば、その形状は特に限定される
ものではなく、例えば、ピン状のものを第1の回転軸1
4から水平方向に突出し、かつ、第3の回転軸16の上
端に接するように設けてもよい。
【0017】ここで、回転抑止翼52の大きさ、形状等
は、共回り防止翼62との関係で設定されている。本共
回り防止翼付き地盤改良撹拌機100は、第1の回転軸
14の回転を、第1の傘歯車41、第2の傘歯車51及
び第3の傘歯車61を介して回転方向を逆転して第3の
回転軸16に伝達し、共回り防止翼62を、第1の回転
軸14の回転方向と逆方向に回転させるものであり、こ
の動作を成し遂げるには、第2の回転軸15が第1の回
転軸14とともに、同じ速度で回転することを防止する
必要がある。したがって、回転防止翼52が回転する際
に土砂や固化材スラリーから受ける抵抗力が、共回り防
止翼62が回転する際に土砂や固化材スラリーから受け
る抵抗力より大きなものとなるように、回転防止翼52
の大きさや形状等を設定する。ただし、第2の回転軸1
5の回転を完全に抑止する必要はなく、若干回転したと
しても、第1の回転軸14の回転速度より遅いものであ
れば、逆方向の回転力を第3の回転軸16に伝達するこ
とができる。
【0018】以下、本共回り防止翼付き地盤改良撹拌機
100を用いた改良柱体製造方法について説明する。図
3に示すように、本改良柱体製造方法は、基礎が配設さ
れるべき地盤を、地盤改良撹拌機100を回転させて円
柱状に掘削する空掘工程と(S1)、円柱状に掘削され
た地盤中に固化材スラリーを吐出しながら、第1の回転
軸14を回転させて掘削撹拌翼12H、12M、12L
を回転させるとともに、共回り防止翼回転装置101の
共回り防止翼62を第1の回転軸14の回転方向と逆方
向に回転させて、土砂と固化材スラリーとを混合してな
る改良土を作製する改良土作製工程(S2)と、該改良
土を固化する固化工程(S3)とからなるものである。
【0019】さらに詳しく説明すると、最初に、基礎を
配設すべき地盤に地盤改良撹拌機100の位置決めをし
た後、第1の回転軸14を回転して、削孔ヘッド11及
び掘削撹拌翼12H、12M、12Lにより地盤を空掘
りする(S1)。そして、地盤改良撹拌機100の先端
が設定した深さに到達した後、ポンプ5により固化材ス
ラリーを地盤改良撹拌機100の第1の回転軸14中空
部内に圧送して、該固化材スラリーを第1の回転軸14
の吐出口14aから吐出させながら、地盤改良撹拌機1
00を引き上げる(S2)。
【0020】図4は、改良土作製工程における共回り防
止翼付き地盤改良撹拌機100を現すものである。ここ
で、第1の回転軸14を時計回りに回転させるとすれ
ば、第1の回転軸14に固定された第1の傘歯車41も
時計回りに回転し、該回転が、第1の傘歯車41と噛合
する各第2の傘歯車51に伝達される。このとき、第2
の回転軸15を時計回りに回転させる駆動力も生ずる
が、回転抑止翼52が土砂及び固化材スラリーの抵抗を
受けて、第2の回転軸15の回転を抑止する。したがっ
て、第2の回転軸15は回転せず、又は、微回転するの
みで、各第2の傘歯車51が、第1の傘歯車41の回転
に伴って回転する。第2の傘歯車51の該回転は、第2
の傘歯車51と噛合する第3の傘歯車61に伝達され、
その結果、第3の傘歯車61は、第1の傘歯車41と逆
方向、すなわち反時計回りに回転する。このようにし
て、第1の回転軸14の回転が、第1の傘歯車41、第
2の傘歯車51及び第3の傘歯車61を介して回転方向
が逆転して第3の回転軸16に伝達され、共回り防止翼
62に、第1の回転軸14の回転方向と逆方向に回転す
る駆動力が生じる。これにより、粘土質の土砂等が掘削
撹拌翼12H、12M、12Lと共に回転し始めたとし
ても、掘削撹拌翼12H、12M、12Lと逆方向に回
転する共回り防止翼62により、土砂等の回転が抑止さ
れ、土砂等が強制的にせん断される。
【0021】土砂と固化材スラリーの混合撹拌を終えた
後、一定時間放置して改良土を固化させる(S3)。こ
れにより、地盤中に改良柱体を製造することができる。
一般に、改良柱体は基礎が配設されるべき地盤に複数造
設されるので、前記一連の作業を繰り返して複数の改良
柱体を造設する。
【0022】このように、本実施の形態に係る共回り防
止翼付き地盤改良撹拌機100によれば、第1の回転軸
14に固定された第1の傘歯車41と、該第1の傘歯車
41の上方で、第1の回転軸14に回転自在となるよう
に外嵌された第2の回転軸15と、該第2の回転軸15
の側部から、第2の回転軸15の軸線と直交するよう
に、四方向に突設された四本の固定軸53と、該各固定
軸53に前記第1の傘歯車41と噛合するように回転自
在に軸支された第2の傘歯車51と、各固定軸53の先
端に、その面が第2の回転軸15の軸線方向となるよう
に固定された矩形平板状の回転抑止翼52と、前記第2
の回転軸15の上方で、第1の回転軸14に回転自在と
なるように外嵌された第3の回転軸16と、該第3の回
転軸16の下端近傍に、前記各第2の傘歯車51と噛合
するように外嵌固定された第3の傘歯車61と、前記第
3の回転軸16の側部から、その面が第3の回転軸16
の軸線方向となるように、水平方向に突設された一対の
矩形の平板からなる共回り防止翼62とからなる共回り
防止翼回転装置101を有するので、第1の回転軸14
の回転が、第1の傘歯車41、第2の傘歯車51及び第
3の傘歯車61を介して、回転方向が逆転して第3の傘
歯車16に伝達され、共回り防止翼62が、掘削撹拌翼
12H、12M、12Lと逆方向に回転する。これによ
り、混合撹拌されている土砂等が強制的にせん断され
て、土砂等が掘削撹拌翼12H、12M、12Lととも
に回転することが抑止され、土砂と固化材スラリーとを
確実に混合撹拌することができる。
【0023】また、共回り防止翼62は、掘削撹拌翼1
2H、12M、12Lの回転外径内に納まるものである
から、共回り防止翼62と地盤中の岩石等の障害物が干
渉することがなく、また、地盤の強度等に依存せず、確
実に共回り現象を防止することができる。
【0024】なお、本実施の形態では、共回り防止翼回
転装置101を、掘削撹拌翼12Mと掘削撹拌翼12L
との間の第1の回転軸14に設けることとしたが、その
他の位置、例えば、掘削撹拌翼12Hと掘削撹拌翼12
Mとの間の第1の回転軸14に設けることとしても前記
と同様の効果が得られる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る共回
り防止翼付き地盤改良撹拌機によれば、第1の回転軸に
おける掘削撹拌翼近傍に固定された第1の傘歯車と、第
1の回転軸における第1の傘歯車と隣り合う位置に、回
転自在に外嵌された管状の第2の回転軸と、該第2の回
転軸に、その軸線と直交する方向に突設された固定軸
と、該固定軸に回転自在に軸支された前記第1の傘歯車
と噛合する第2の傘歯車と、前記固定軸の先端近傍に設
けられた板状の回転抑止翼と、前記第1の回転軸におけ
る第2の回転軸と隣り合う位置に、回転自在に外嵌され
た第3の回転軸と、該第3の回転軸に固定された前記第
2の傘歯車と噛合する第3の傘歯車と、前記第3の回転
軸に、その軸線と交わる方向に突設された共回り防止翼
とを備えてなる共回り防止翼回転装置を設けたので、第
1の回転軸の回転が、第1の傘歯車、第2の傘歯車及び
第3の傘歯車を介して、回転方向が逆転して第3の回転
軸に伝達され、共回り防止翼が掘削撹拌翼と逆方向に回
転して、土砂等を強制的にせん断し、共回り現象の発生
を防止する。
【0026】また、本発明に係る改良柱体製造方法によ
れば、固化材スラリーを吐出する中空状の回転軸と、該
回転軸の先端近傍に設けられた削孔ヘッドと、前記回転
軸に一定の間隔で複数突設され、地盤を掘削又は撹拌の
一方又は双方をする掘削撹拌翼と、前記回転軸の回転方
向と逆方向に回転して、土砂の共回り現象を防止する共
回り防止翼とを備えてなる共回り防止翼付き地盤改良撹
拌機を用いた改良柱体製造方法であって、基礎が配設さ
れるべき地盤を、前記地盤改良撹拌機を回転させて円柱
状に掘削する空掘工程と、円柱状に掘削された地盤中に
固化材スラリーを吐出しながら、前記回転軸を回転させ
て掘削撹拌翼を回転させるとともに、前記共回り防止翼
を回転軸の回転方向と逆方向に回転させて、土砂と固化
材スラリーとを混合してなる改良土を作製する改良土作
製工程と、前記改良土を固化する固化工程とを含むもの
としたので、土砂と固化材スラリーとを確実に混合撹拌
することができ、これにより、良質な改良柱体を安定し
て製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る共回り防止翼付き地
盤改良撹拌機100の構成を示す正面図及び側面図であ
る。
【図2】共回り防止翼付き地盤改良撹拌機100の共回
り防止翼回転装置101近傍を示す拡大図である。
【図3】共回り防止翼付き地盤改良撹拌機100を用い
た改良柱体製造方法を説明するための模式図である。
【図4】改良土作製工程における共回り防止翼付き地盤
改良撹拌機100を説明するための模式図である。
【図5】地盤の支持力を高めるための改良柱体6及び節
付き改良柱体7を示す模式図である。
【図6】地盤改良工法に用いられる装置を示す模式図で
ある。
【図7】従来の共回り防止翼を備えた地盤改良撹拌機9
の構成を示す正面図及び側面図である。
【図8】従来の共回り防止翼を備えた地盤改良撹拌機9
の使用状態を説明するための模式図である。
【符号の説明】
100 地盤改良撹拌機 101 共回り防止翼回転装置 11 削孔ヘッド 12H、12M、12L 掘削撹拌翼 14 第1の回転軸 15 第2の回転軸 16 第3の回転軸 41 第1の傘歯車 51 第2の傘歯車 52 回転抑止翼 53 固定軸 61 第3の傘歯車 62 共回り防止翼
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 一夫 大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハ ウス株式会社内 Fターム(参考) 2D040 AA01 AB05 BA08 BB01 BD05 CB03 EA11 EB01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空状の第1の回転軸と、該第1の回転
    軸の先端近傍に設けられた削孔ヘッドと、該第1の回転
    軸に一定の間隔で複数突設され、地盤を掘削又は撹拌の
    一方又は双方をする掘削撹拌翼と、該第1の回転軸に設
    けられ、土砂の共回り現象を防止する共回り防止翼回転
    装置とを備えてなる共回り防止翼付き地盤改良撹拌機に
    おいて、 前記共回り防止翼回転装置は、 前記第1の回転軸における前記掘削撹拌翼近傍に固定さ
    れた第1の傘歯車と、 前記第1の回転軸における第1の傘歯車と隣り合う位置
    に、回転自在に外嵌された管状の第2の回転軸と、 該第2の回転軸に、その軸線と直交する方向に突設され
    た固定軸と、 該固定軸に回転自在に軸支された前記第1の傘歯車と噛
    合する第2の傘歯車と、 前記固定軸の先端近傍に設けられた板状の回転抑止翼
    と、 前記第1の回転軸における第2の回転軸と隣り合う位置
    に、回転自在に外嵌された第3の回転軸と、 該第3の回転軸に固定された前記第2の傘歯車と噛合す
    る第3の傘歯車と、 前記第3の回転軸に、その軸線と交わる方向に突設され
    た共回り防止翼とを備えたものであることを特徴とする
    共回り防止翼付き地盤改良撹拌機。
  2. 【請求項2】 固化材スラリーを吐出する中空状の回転
    軸と、該回転軸の先端近傍に設けられた削孔ヘッドと、
    前記回転軸に一定の間隔で複数突設され、地盤を掘削又
    は撹拌の一方又は双方をする掘削撹拌翼と、前記回転軸
    の回転方向と逆方向に回転して、土砂の共回り現象を防
    止する共回り防止翼とを備えてなる共回り防止翼付き地
    盤改良撹拌機を用いた改良柱体製造方法であって、 基礎が配設されるべき地盤を、前記地盤改良撹拌機を回
    転させて円柱状に掘削する空掘工程と、 円柱状に掘削された地盤中に固化材スラリーを吐出しな
    がら、前記回転軸を回転させて掘削撹拌翼を回転させる
    とともに、前記共回り防止翼を回転軸の回転方向と逆方
    向に回転させて、土砂と固化材スラリーとを混合してな
    る改良土を作製する改良土作製工程と、 前記改良土を固化する固化工程とを含むことを特徴とす
    る改良柱体製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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