JPH037857B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は室内を冷暖房するヒートポンプ式空気
調和機に係り、特に暖房時に室外熱交換器に付着
した霜を逆サイクル運転により除去する除霜方法
に関する。

(ロ) 従来の技術 逆サイクル除霜時には除霜用熱源を室内空気か
ら汲み上げるために特公昭52−17255号公報で提
示されているように室内フアンを運転すると冷風
が室内へ吹き出され、暖房効果が低減する欠点が
あつた。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 冷風吹出し防止のために室内フアンを停止して
除霜運転を行なうと室外熱交換器に霜が残り、除
霜運転を繰り返すと室外熱交換器の表面に氷が成
長し、熱交換性能が著しく低下して暖房能力が充
分発揮されなくなる問題点を有していた。

本発明はかかる問題点を解決したヒートポンプ
式空気調和機の除霜方法を提供するものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 室内フアンを除霜運転の間隔時間が所定時間よ
りも長い時は停止し、所定時間よりも短い時は運
転して逆サイクル除霜を行なうようにしたもので
ある。

(ホ) 作用 一般に着霜は外気の湿り度で大きく左右され、
着霜しにくい外気状態（相対湿度が低い）では除
霜運転の終了後に霜残りがあつても室外熱交換器
の熱交換性能はそれほど阻害されないが、着霜し
やすい外気状態（相対湿度が高い）では除霜して
もすぐに着霜し、除霜サイクルを繰り返すと室外
熱交換器の表面に氷が成長して熱交換性能が著し
く低下する。このように着霜しにくい外気状態と
着霜しやすい外気状態とでは前者よりも後者の方
が除霜運転の間隔時間が短くなる。

本発明はこの間隔時間をとらえ、霜残り状態が
一定以上になつたと思われる時は室内フアンを運
転して逆サイクル除霜することにより室外熱交換
器の霜を完全に除去し、通常は室内フアンを停止
して逆サイクル除霜することにより暖房効果が低
減するのを防止する。

(ヘ) 実施例 図面に基づいて説明すると、第１図において、
１は圧縮機、２は室外熱交換器、３は室内熱交換
器、４はこの両熱交換器に冷媒を可逆的に通すた
めの四方弁、５は毛細管等の減圧素子で、これら
機器を図示の如く接続している。

６は室外熱交換器２に付設されこの熱交換器に
外気を強制的に熱交換させるための室外フアン、
７は室内熱交換器３に付設されこの熱交換器に室
内空気を強制的に熱交換させるための室内フア
ン、８は室外熱交換器２の着霜検知を行なうセン
サーである。

９はセンサー８からの信号を受けて四方弁４、
室外フアン６、室内フアン７の運転を制御するマ
イクロコンピユータからなる制御器で、着霜する
と、四方弁４を通電停止（OFF）して破線状態
に切換えると共に室外フアン６を停止（OFF）
し、且つ室内フアン７を除霜運転の間隔時間が所
定時間（40分）よりも長い時は停止（OFF）し、
この所定時間よりも短い時は微風で運転させるも
のである。

次に動作を第２図の暖房及び除霜のフローチヤ
ートに基づいて説明する。暖房運転スイツチを投
入（スタート）すると、圧縮機１と室外フアン６
と室内フアン７と四方弁４とがONし、圧縮機１
から吐出された冷媒は実線状態にある四方弁４−
室内熱交換器３−減圧素子５−室外熱交換器２−
四方弁４を順次介して圧縮機１に帰還され、蒸発
器として作用する室外熱交換器２で外気より熱源
を汲みとつて凝縮器として作用する室内熱交換器
３で室内が暖房される。

かかる暖房運転時に室外熱交換器２に着霜し、
これをセンサー８で検出され制御器９から除霜運
転指令が発せられると、四方弁４と室外フアン６
と室内フアン７とがOFFされ、破線状態に切換
わつた四方弁４により圧縮機１から吐出された高
温高圧の冷媒が室外熱交換器２に導かれてこの熱
交換器の霜を溶かすと共に凝縮液化し、この液化
した冷媒は減圧素子５を経て室内熱交換器３に流
し蒸発気化する。この蒸発気化時、室内フアン７
が停止しているので室内の冷風が吹き出されず、
暖房効果の低減を図つている。そして、この気化
冷媒は四方弁４を経て圧縮機１に帰還される。

かかる逆サイクル除霜運転により室外熱交換器
２が除霜されると、これをセンサー８で検出して
制御器９から除霜終了の指令が発せられ、室外フ
アン６と室内フアン７と四方弁４とがONして上
述の暖房運転が再開始される。そしてこの暖房運
転により再び室外熱交換器２が着霜して、センサ
ー８からの検出信号を制御器９で受けた際、除霜
運転の間隔時間（再開始された暖房運転の時間）
を制御器９内のタイマー手段でカウントし、この
タイマー時間が40分よりも長い時は室内フアン７
を停止して上述と同様の逆サイクル除霜運転が行
なわれ、タイマー時間が40分よりも短い時は室内
フアン７を微風で運転して逆サイクル除霜運転が
行なわれる。

このように除霜運転の間隔時間が短い時は外気
が着霜しやすい状態にあり、除霜してもすぐに着
霜して室外熱交換器２の表面に氷が成長する虞れ
があるが、室内フアン７の微風運転により除霜能
力を高めて室外熱交換器２の霜を完全に除去して
いるため、氷が成長することはない。

冷房時は四方弁４が破線状態に切換えられ、上
述の除霜運転と同じサイクルで運転され、室外熱
交換器２が凝縮器として、室内熱交換器３が蒸発
器として作用して通常の冷房運転が行なわれる。

(ト) 発明の効果 本発明は暖房運転時において、着霜しにくい外
気状態と着霜しやすい外気状態とでは前質よりも
後者の方が除霜運転の間隔時間が短い点に着目
し、着霜しにくい通常の外気状態では室内フアン
を停止して逆サイクル除霜することにより、冷風
が室内へ吹き出されて暖戻効果が低減するのを防
止すると共に、着霜しやすい外気状態では室内フ
アンを運転することにより除霜能力を高めて室外
熱交換器に氷が成長するのを防止し暖房能力の低
減を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は
ヒートポンプ式空気調和機の冷媒回路図、第２図
はヒートポンプ式空気調和機の除霜方法を示すフ
ローチヤートである。 １……圧縮機、２……室外熱交換器、３……室
内熱交換器、４……四方弁、７……室内フアン、
９……制御器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 圧縮機と室外熱交換器と室内熱交換器とこの
   両熱交換器に冷媒を可逆的に通すための四方弁と
   を備え、この四方弁切換えによる逆サイクル運転
   で室外熱交換器の除霜を行なうヒートポンプ式空
   気調和機において、室内熱交換器に付設した室内
   フアンを除霜運転の間隔時間が所定時間よりも長
   い時は停止し、所定時間よりも短い時は運転して
   逆サイクル除霜を行なうことを特徴とするヒート
   ポンプ式空気調和機の除霜方法。