JPH0378094B2 - - Google Patents

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JPH0378094B2
JPH0378094B2 JP58244823A JP24482383A JPH0378094B2 JP H0378094 B2 JPH0378094 B2 JP H0378094B2 JP 58244823 A JP58244823 A JP 58244823A JP 24482383 A JP24482383 A JP 24482383A JP H0378094 B2 JPH0378094 B2 JP H0378094B2
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JP
Japan
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food
heating surface
particles
powdered food
powder
Prior art date
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JP58244823A
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Inventor
Shigeo Okonogi
Kunisuke Kuwabara
Soichiro Hori
Tadashi Watanabe
Takashi Suzuki
Tomokazu Obayashi
Jun Horii
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Formation And Processing Of Food Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、独特の魅力的な光輝性を有する即溶
性粉末食品組成物およびその製造法に関し、詳し
くは、即溶性食品本来の外観および風味を損なう
ことなく、これに独特の魅力的な光輝性を付与し
た即溶性粉末食品組成物およびその製造法に関す
る。 〔発明の背景および従来技術〕 これまでに、即溶性粉末食品に限らず、粉末食
品一般においては、インスタントクリーミングパ
ウダー、コーヒーおよび砂糖等のように同一組成
の粉体粒子からなる単一組成物とふりかけ食品、
とうがらしおよび胡麻塩等のように組成の異なる
種々の粉体粒子を混合した組成物とがある。そし
て後者の組成物とする目的は、製品の栄養価値、
香味および呈味等における複合的な効果をもたら
すことにあつて、色相の変化等の食品組成物の外
観をよくして商品としての意匠的価値を高めるも
のではない。 本発明者らは、既製の即溶性粉末食品に対する
一般消費者の興味と購買心をより一層強くかき立
てることを企図して、これらの即溶性粉末食品に
光輝性のある外観、すなわち光が当つたときにキ
ラキラ光る外観を付与することについて研究を重
ねた結果、特定の薄片粒子を、これらの即溶性粉
末食品に加えることによつて、上記の従来の粉末
食品の場合とは異なり、即溶性粉末食品本来の栄
養価値、香味ならびに呈味、および混合組成物全
体としての即溶性を損ねることなく、光輝性を帯
びた即溶性粉末食品組成物が得られることを見出
し、この知見にもとずいて本発明に到達した。 すなわち、本発明者らは、先ず最初にそれ自体
が一定の光沢を有する可食可溶性物質について検
討した結果、これまでに知られている「可食性フ
イルム」を粉末化して光輝性のある粉末とし、こ
れをインスタントクリーミングパウダーに混在さ
せることを試みた。このようにして得られたイン
スタントクリーミングパウダー組成物は、光を当
てるとある程度の光輝性、すなわちキラキラ光る
性質を有することが明らかになり、可食性フイル
ムの透明度が高ければ、高いほど光輝性の増大す
ることが明らかになつたが、可食性フイルムの粉
末を含む即溶性粉末食品組成物は、これを水また
は熱湯に溶解しても、その中に含まれる可食性フ
イルムの粉末の溶解が不充分であつて、可食性フ
イルムの粉末の存在による異物感を避けることが
できないことが明らかになつた。すなわち従来の
可食性フイルムとしては、デン粉にプルラン分解
酵素を作用して製造される「プルランフイルム」
(特開昭48−44492号公報)およびオブラートが知
られているが、これらの可食性フイルムも後述の
「実験1」に示すとおり、水または温湯に対する
溶解速度が遅いので、即溶性粉末食品が溶解した
後に未溶解のままで残り、このために前記の異物
感を避けることができない。さらにこれらの可食
性フイルムは、元来食品の被覆または包装に利用
されるものであつて、相当な引帳強度を有するの
で、その粉末化も容易でない。さらにオブラート
は膜の厚さを薄くしても、その透明性がそれ程向
上せずに充分なものでないから、光輝性を付与す
る点においても必ずしも充分なものでない。 本発明者らは、可食性フイルムの粉末のもつこ
れらの難点を克服すべくさらに研究を重ね、特定
の原料、すなわちデン粉の加水分解生成物と界面
活性剤からつくられた薄片粒子を即溶性粉末食品
に混在させると、即溶性食品固有の栄養価値、香
味ならびに呈味に影響を与えずに、また即溶性粉
末食品組成物全体の即溶性に影響を与えずに、そ
の即溶性粉末食品組成物に充分な光輝性を与える
ことを見出し、この知見にもとずいて本発明を完
成したのである。 〔発明の目的および発明の要約〕 本発明の目的は、インスタントクリーミングパ
ウダー、ゼリー粉末およびインスタントスキムミ
ルクなどの即溶性粉末食品に、光輝性のある外
観、すなわち光が当つたときにキラキラ輝やき、
あたかもその中に砂金や宝石を散りばめたような
外観を付与した即溶性粉末食品組成物を提供する
ことにある。 本発明のもう1つの目的は、前述の光輝性のあ
る外観を有するにもかかわらず、即溶性粉末食品
が本来有している栄養価値、香味ならびに呈味に
影響を与えず、またその即溶性に何らの影響を与
えることのない即溶性粉末食品組成物を提供する
ことにある。 本発明は、上記目的を達成するものであつて、
その骨子は、()3〜25の範囲のDE値を有する
デン分解物と10以上のHLB値を有する界面活性
剤を水に溶解し、得られた溶液を伝導加熱面で
40μ以下の膜厚の薄膜状に乾燥し、粉末化してな
る光輝性を帯びた薄片粒子からなる即溶性粉末食
品用組成物、()該光輝性を帯びた薄片粒子か
らなる組成物を少なくとも0.5重量%の混合率で
含有することを特徴とする光輝性を帯びた即溶性
粉末食品、および()3〜25の範囲のDE値を
有するデン分解物と10以上のHLB値を有する界
面活性剤を必須成分とする溶液を伝導加熱型乾燥
装置の伝導加熱面で40μ以下の膜厚の透明薄膜状
に乾燥し、得られた透明薄膜状乾燥物を、そのブ
ラシの先端が前記の伝導加熱面と当接して摺動す
るかき取りブラシによつてかき取つて粉末状の薄
片粒子を回収し、得られた薄片粒子の平均粒径
を、該薄片粒子と混合する即溶性粉末食品の平均
粒径の0.5〜2倍に調整し、粒径を調整した薄片
粒子を少なくとも0.5重量%の割合で即溶性粉末
食品と粉末状で混合することを特徴とする光輝性
を帯びた即溶性粉末食品の製造法、である。 〔発明の具体的な説明〕 本発明による即溶性粉末食品組成物は、3〜25
の範囲のDE値を有するデン分解物と10以上の
HLB値を有する界面活性剤を水に溶解し、得ら
れた溶液を伝導加熱面で40μ以下の膜厚の薄膜状
に乾燥し、粉末化してなる光輝性を帯びた薄片粒
子からなるものであり、該光輝性を帯びた薄片粒
子からなる組成物を少なくとも0.5重量%の混合
比率で即溶性粉末食品と混合することにより、光
輝性を帯びた好適な即溶性粉末食品が得られる。 前記の溶解液を薄膜状に乾燥するために、ドラ
ム表面を伝導加熱面とするドラム乾燥装置または
エンドレスベルト面を伝導加熱面とするエンドレ
スベルト乾燥装置を使用することができる。これ
らの伝導加熱面はステンレススチールまたはクロ
ム合金の材質であることが好ましいが、鋳鉄製の
ものを使用する場合は、乾燥物の剥離性を良好に
するために、その表面にシリコーン樹脂コーテイ
ング等の処理を行なうことが好ましい。いずれに
しても、伝導加熱面の表面は平滑であることが好
ましい。また伝導加熱面の表面温度は70〜110℃
の範囲内で溶解液を乾燥することができるが、そ
の温度が高すぎると、溶解液の薄膜状の乾燥物が
かき取られた場合に得られた粒子がグラスフアイ
バー状になる傾向があるので、通常80〜90℃の温
度にすることが好ましい。このようなドラム乾燥
装置またはエンドレスベルト乾燥装置を使用して
前記の溶解液を薄膜状に乾燥する場合、乾燥物の
膜厚を40μ以下になるようにしなければならな
い。乾燥物の膜厚が40μを超えると、膜の透明性
が低下するとともに、製品の即溶性粉末食品を溶
解した特に液への溶解時間が長くなるので適当で
ない。乾燥物の膜の厚さを調整するには、ドラム
乾燥装置またはエンドレスベルト乾燥装置の伝導
加熱面に対する溶解液の供給量を調整する手段、
伝導加熱面への移動速度を調整する手段あるい
は、これらの手段の組み合わせによつて行なう。 このようにしてドラム乾燥装置またはエンドレ
スベルト乾燥装置の伝導加熱面上に形成された薄
膜状の乾燥物をかき取つて粉末状の薄片粒子にす
る。通常ドラム乾燥装置から膜状の乾燥物を取り
出す場合、乾燥ドラムに当接するドクターナイフ
のようなかき取りナイフで膜状にかき取る方法を
採用するが、本発明では、乾燥物を粉末状の薄片
粒子として、乾燥物を伝導加熱面から取り出すの
である。このために、その回転軸が乾燥用ドラム
または乾燥用エンドレスベルトの回転軸と平行に
設置されている耐熱性のかき取りブラシの先端を
乾燥用ドラムまたは乾燥用エンドレスベルトの伝
導加熱面の乾燥終期の位置に当接させ、乾燥用ド
ラムの回転または乾燥用エンドレスベルトの移動
とかき取りブラシの回転によつて生じる摺動摩擦
によつて、薄片粒子を粉末状でかき取ることがで
きる。しかしながら、このかき取り用ブラシによ
ると、伝導加熱面に乾燥物が小片状に残置付着す
る場合があるので、前記かき取りブラシの後方
に、前記の伝導加熱面に当接するかき取りプレー
トを設置して伝導加熱面に残置付着した乾燥物を
完全にかき取り回収することができる。ここでか
き取り、回収された小片状の乾燥物は、その粒径
が小さい場合はそのまま粉末状の薄片粒子に合す
るが、その粒径が大きい場合は粉砕し、さらに篩
分けした後に、粉末状の薄片粒子の一部として利
用する。前記のかき取りブラシによつて粉末状の
薄片粒子をかき取り、回収するに際して、かき取
りブラシの植毛密度を大きくする(すなわち密植
する)かまたは伝導加熱面とかき取りブラシの先
端の相対速度を大きくする(すなわち両者の摩擦
強度を大きくする)ことによつて、乾燥用ドラム
または乾燥用エンドレスベルトの伝導加熱面から
脱離する薄片粒子の平均粒径は小さくなるととも
に、伝導加熱面に残置付着する乾燥物の量も減少
する。さらにここでかき取られた薄片粒子の平均
粒径が大きくまたは一様でない場合は、薄片粒子
を砕下し、または篩分けすることもできる。 本発明の即溶性粉末食品用組成物を構成する薄
片粒子の構成成分のデン粉分解物としては、デン
粉の酸処理またはアミラーゼ処理によつて得られ
た市販のデン粉分解物を使用することができる
が、そのDE値が3〜25の範囲にあるデン粉分解
物を使用する。デン粉分解物のDE値が3よりも
低い場合は、薄片粒子の溶解性が低下し、そのた
めに、この薄片粒子を含む即溶性粉末食品を水ま
たは湯に溶解する場合に薄片粒子が溶解せずにそ
のままの状態で残留することがある。またデン粉
分解物のDE値が25よりも大きい場合は、前記の
ドラム乾燥装置またはエンドレスベルト乾燥装置
による溶解液の乾燥において、伝導加熱面上に形
成された乾燥物の剥離が充分に行なわれなくな
り、このために薄片粒子の製造が困難になる。 前記の薄片粒子の構成成分の界面活性剤として
は、いかなる界面活性剤であつても、これを使用
することができるが、即溶性粉末食品が食品であ
る点を考慮すると、食品として有害でない界面活
性剤を使用するべきである。またこの界面活性剤
として、10〜18のHLB値(特に好ましいのは10
〜16のHLB値)を有する界面活性剤を使用する
のが好ましい。HLB値が10未満の界面活性剤は
親油性が大きく、そのために薄片粒子においてデ
ン粉分解物との相溶性が低下するので、薄片粒子
の透明性も低下する。またHLB値が18よりも大
きい界面活性剤を使用すると、薄片粒子の前記の
製造において、乾燥用ドラムまたは乾燥用エンド
レスベルトから溶解液の乾燥物の剥離性が低下す
るという難点を生ずる。このために界面活性剤と
しては、市販のシヨ糖脂肪酸エステル、ポリグリ
セロール脂肪酸エステルまたは同様な脂肪酸エス
テルを使用するのが好ましいが、シヨ糖脂肪酸エ
ステルを使用するのが特に好ましい。さらに界面
活性剤は、前記のデン粉分解物100重量部に対し
て0.1〜6.0重量部の割合で使用するのが好ましい
が、0.5〜3.0重量部の割合で使用するのが特に好
ましい。界面活性剤の使用量が少なくなると、薄
片粒子の製造において乾燥用ドラムまたは乾燥用
エンドレスベルトの平滑な伝導加熱面から溶解液
の乾燥物の剥離性が低下してその製造が困難にな
り、また界面活性剤の使用量が多くなりすぎる
と、溶解液の粘度が大きくなつて乾燥用ドラムま
たは乾燥用エンドレスベルトの平滑な伝導加熱面
に供給される溶解液の膜厚が大きくなり、これに
よつてその乾燥物の膜厚も大きくなつて、結局、
薄片粒子の膜厚が大きくなり、その透明性の低下
をもたらす。 本発明で調製される前記の溶解液の濃度は、通
常10〜40%(重量)の範囲であり、その温度が15
〜90℃の範囲内であれば、溶解液を乾燥用ドラム
または乾燥用エンドレスベルトの平滑な伝導加熱
面に供給することもできるが、その時溶解液の温
度を45〜85℃に調整するのが好ましい。前記の伝
導加熱面に供給する溶解液の温度を45〜85℃に保
持することによつて、溶解液中に気泡が存在して
も、これを除去(脱泡)することができ、また溶
解液の乾燥効率を向上することができる。 前記の溶解液の調製において、前記のデン粉分
解物および界面活性剤の他に、着香物質、着色物
質および炭水化物等を添加することもできるが、
これらの物質の添加によつて薄片粒子の透明性お
よび清澄度を低下させないように注意し、このよ
うな結果を生じない物を選択する必要がある。特
に前記の溶解液の調製において着色物質を添加す
ると、色彩の異なる種々の有色透明な薄片粒子を
製造することができ、このような薄片粒子の使用
によつて最終製品の即溶性粉末食品の光輝性に、
色相による変化を付与することもできる。 また前記の薄片粒子と即溶性粉末食品を混合し
て光輝性を帯びた即溶性粉末食品をつくる場合、
薄片粒子の平均粒径を混合する即溶性粉末食品の
粒径の0.5〜2倍に調整することが好ましい。こ
の平均粒度の調整によつて即溶性粉末食品は充分
な光輝性を有するものとなり、またその中に含ま
れる薄片粒子に異物感を感ずることがなくなる。 さらに前記の薄片粒子と即溶性粉末食品を混合
して光輝性を帯びた即溶性粉末食品をつくる場
合、薄片粒子を、最終組成物中に0.5〜15%(重
量)の量において含むように混合するのが好まし
く、2〜4%(重量)の量において含むように混
合するのが特に好ましい。すなわち、薄片粒子の
含有量が15%(重量)を超えると、光輝性は充分
なものになるが、即溶性粉末食品に固有の外観を
消失し、そのために光輝性を帯びた即溶性粉末食
品全体が混合する即溶性粉末食品の外観とは非常
に異なつたものとなり、この結果、光輝性はある
が、正体不明の粉末食品のようになつて適当なも
のでなくなる。さらに即溶性粉末食品を水または
温湯に溶解した場合に、即溶性粉末食品に固有の
本来の風味が損なわれる傾向になるので、商品と
しては好ましくないものになる。 次に、デン粉分解物のDE値の変化が薄片粒子
の溶解速度に及ぼす影響およびデン粉分解物を使
用した薄片粒子と「プルランフイルム」ならびに
「オブラート」から得られた薄片粒子の溶解速度
を比較した実験例を記述する。 (実験1) 水69.5Kgに、表1に示すデン粉分解物30Kgおよ
びシヨ糖脂肪酸エステル0.5Kgを加え、よく混合
して分散させ、得られた液状混合物を75℃に加温
して完全に溶解し、80℃に10分間加熱して殺菌し
た後、60℃に冷却して、デン粉分解物濃度が30%
の溶解液を調製した。この溶解液を、60℃の温度
に保持しながら、90℃の伝導加熱面の表面温度お
よび2回/分の回転数の運転条件に設定されたド
ラム乾燥装置(ドラムの径:35cm、長さ100cm、
ステンレス製)の乾燥ドラムに、伝導加熱面の表
面積の1m2当り100g/分の割合で供給して、薄
膜状の透明な乾燥物とし、これを、乾燥ドラムに
当接した薄刃のドクターナイフによつて薄膜状に
剥離して、透明薄膜状の乾燥物A〜Dを得た。 これらの薄膜状の乾燥物A〜D、プルランフイ
ルムおよびオブラートをそれぞれ1cm2の方形に切
り取つて試料とし、これらの各試料を水およびコ
ーヒーの各溶媒500mlの液面上に置き、完全に溶
解するまでの時間を肉眼で測定した。各試料の膜
厚は、オブラートが約10μであり、その他は約
20μである。この試験結果を第1表に示す。 第1表において、試料AおよびBは、アミラー
ゼで処理して得たデン粉分解物を使用した薄膜状
の乾燥物であり、また試料CおよびDは、酸で処
理して得たデン粉分解物を使用した薄膜状の乾燥
物である。
【表】
【表】 第1表の結果によると、従来の可食性フイルム
の「オブラート」および「プルランフイルム」
は、本発明で使用する透明薄膜状乾燥物に比べ
て、いずれの場合でも、溶解速度が著るしく遅い
ことがわかる。またDE値の低いデン粉分解物を
用いた透明薄膜状乾燥物はDE値の高いデン粉分
解物を用いたものよりも溶解速度が遅いことがわ
かる。 次に本発明における薄片粒子の平均粒径とこれ
と混合する即溶性粉末食品の平均粒径の相対比が
製品の光輝性に与える影響を試験した結果を記述
する。 (実験2) 水69.5Kgに、アミラーゼ処理によつて得られた
市販のデン粉分解物(DE:8)30Kgおよびシヨ
糖脂肪酸エステル(HLB:14)0.5Kgを加え、よ
く混合して分散させ、得られた液状混合物を75℃
に加温して完全に溶解し、80℃に10分間加熱して
殺菌した後、60℃に冷却して、デン粉分解物濃度
が30%の溶解液を調製した。 この溶解液を、60℃の温度に保持しながら、90
℃の伝導加熱面の表面温度および2回/分の回転
数の運転条件に設定されているドラム乾燥装置
(ドラムの径:35cm、長さ:100cm、ステンレス
製)に、伝導加熱面の表面積1m2当り150g/分
の割合で供給して薄膜状の透明な乾燥物とし、次
いで耐熱性のかき取り用ブラシの先端をこの乾燥
物が被着している伝導加熱面に当接させてこの乾
燥物を粉末化された薄片粒子としてかき取り、引
続き粉砕工程および篩分け工程を経て第2表に示
す平均粒度(メツシユ)を有する薄片粒子を得
た。 このようにして得られた薄片粒子(第2表に示
す種々の平均粒度を有する)を、32〜40メツシユ
の平均粒径を有するインスタントクリーミングパ
ウダーおよび80〜100メツシユの平均粒径を有す
るインスタントクリーミングパウダーの各々と混
合し、得られたインスタントクリーミングパウダ
ー組成物の光輝性についての肉眼によるパネルテ
ストを行なつた。この実験に使用したインスタン
トクリーミングパウダー組成物における薄片粒子
の混合比率は総べて5%(重量)であつた。この
パネルテストの結果を第2表−1および−2に示
す。パネルテストによる採点は、次の区別によつ
た。 4点:インスタントクリーミングパウダー組成物
に、光輝性が充分にあるものと認められ、異物
感がない。 3点:インスタントクリーミングパウダー組成物
に、光輝性がかなりあるものと認められ、異物
感がない。 2点:インスタントクリーミングパウダー組成物
に、光輝性が少しあるものと認められ、異物感
がない。 1点:インスタントクリーミングパウダー組成物
に、光輝性がほんの少しあるものと認められ、
異物感がない。 0点:インスタントクリーミングパウダー組成物
に、光輝性は全く認められないか、または薄片
粒子に異物感を感じる。
【表】
【表】
【表】 第2表の結果によると、薄片粒子の平均粒径と
インスタントクリーミングパウダーの平均粒径の
相対比と組成物の光輝性の間に密接な関係のある
ことが明らかである。すなわち、インスタントク
リーミングパウダーの平均粒径(メツシユ)を
100とした場合、これに対する薄片粒子の平均粒
径(メツシユ)が200を超えて小さくなりすぎる
と、インスタントクリーミングパウダー組成物に
光輝性が認められず、逆に50未満となつて大きく
なりすぎると、組成物中の薄片粒子に異物感を感
ずるようになる。 このような薄片粒子の平均粒径と即溶性粉末食
品の平均粒径の相対比と光輝性の関係は、インス
タントクリーミングパウダー以外の即溶性粉末食
品、たとえば、ゼリー粉末およびインスタントス
キムミルクにおいても認められた。この結果か
ら、平均粒径においては、薄片粒子のそれが即溶
性粉末食品のそれの0.5〜2倍になるように調整
すると、即溶性粉末食品(薄片粒子を含む)に充
分な光輝性が認められるということができる。 実施例 1 水69.5Kgに、アミラーゼ処理によつて得られた
市販のデン粉分解物(DE:8)30Kgおよびシヨ
糖脂肪酸エステル(HLB:14)0.5Kgを加え、よ
く混合して分散させ、得られた液状混合物を75℃
に加温して完全に溶解し、80℃に10分間加熱して
殺菌した後、60℃に冷却して、デン粉分解物濃度
が30%の溶解液を調製した。 この溶解液を、60℃の温度に保持しながら、90
℃の伝導加熱面の表面温度および2回/分の回転
数の運転条件に設定されているドラム乾燥装置
(ドラムの径:35cm、長さ:100cm、ステンレス
製)に、伝導加熱面の表面積1m2当り、100g/
分の割合で供給して薄膜状の透明な乾燥物とし、
次いで耐熱性のかき取り用ブラシの先端をこの乾
燥物が被着している伝導加熱面に当接させてこの
乾燥物を粉末化された薄片粒子としてかき取り、
引続き粉砕工程および篩分け工程を経て、32〜40
メツシユの平均粒径および10μの膜厚を有する薄
片粒子29Kgを得た。 この薄片粒子2Kgを、32〜40メツシユの平均粒
径を有するインスタントクリーミングパウダー98
Kgと混合して、光輝性を帯びた外観とインスタン
トクリーミングパウダー本来の風味および溶解性
を有するインスタントクリーミングパウダー組成
物100Kgを得た。 実施例 2 水59Kgに、アミラーゼ処理によつて得られた市
販のデン粉分解物(DE:3)40Kgおよびポリグ
リセロール脂肪酸エステル(HLB:10)1Kgを
加え、よく混合して分散させ、得られた液状混合
物を70℃に加温して完全に溶解し、次いで80℃に
10分間加熱して殺菌した後、40℃に冷却して、デ
ン粉分解物濃度が40%の溶解液を得た。 この溶解液を、70℃に保持しながら、80℃の伝
導加熱面の表面温度および2回/分の回転数の運
転条件に設定された実施例1と同じドラム乾燥装
置に、伝導加熱面の表面積1m2当り150g/分の
割合で供給して薄膜状の透明な乾燥物とし、耐熱
性の回転型ブラシをドラムの回転軸方向と平行に
設けてその先端を上記の透明乾燥物が被着してい
る伝導加熱面に当接させて、ドラムの回転方向と
逆方向に回転させて、透明な乾燥物を薄片粒子と
し、さらにテフロン樹脂製のかき取り用プレート
を前記のブラシよりもドラムの回転方向の先の位
置の伝導加熱面に当接させて、残つた透明な乾燥
物を完全にかき取り、これを薄片粒子に加えた。
このようにして32〜40メツシユの平均粒径および
30μの膜厚を有する薄片粒子39Kgを得た。 この薄片粒子5Kgを、32〜40メツシユの平均粒
径を有するインスタントクリーミングパウダー95
Kgと混合し、光輝性を帯びた外観とインスタント
クリーミングパウダー本来の風味および溶解性を
有するインスタントクリーミングパウダー100Kg
を得た。 実施例 3 水89.9Kgに、酸処理によつて得られた市販のデ
ン粉分解物(DE:20)10Kgおよびシヨ糖脂肪酸
エステル(HLB:16)0.1Kgを加え、よく混合し
て分散させ、得られた液状混合物を80℃に加温し
て完全に溶解し、次いで80℃に10分間加熱して殺
菌し、デン粉分解物濃度が10%の溶解液を調製し
た。 この溶解液を、80℃に保持しながら90℃の伝導
加熱面の表面温度および1.5回/分の回転数の運
転条件に設定された実施例1と同じドラム乾燥装
置に、伝導加熱面の表面積1m2当り80g/分の割
合で供給して薄膜状の透明な乾燥物とし、これを
かき取つて60〜80メツシユの平均粒径および5μ
の膜厚を有する薄片粒子9.5Kgを得た。 この薄片粒子10Kgを、32〜40メツシユの平均粒
径を有するインスタント粉末ゼリー90Kgと混合
し、光輝性を帯びた外観とインスタント粉末ゼリ
ー本来の風味および溶解性を有するインスタント
粉末ゼリー組成物100Kgを得た。 実施例 4 水69.2Kgに、アミラーゼ処理した市販のデン粉
分解物(DE:12)30Kg、シヨ糖脂肪酸エステル
(HLB:14)およびリボフラビン0.3Kgを加え、
よく混合して分散させ、75℃に加温して完全に溶
解し、次いで80℃に10分間加熱して殺菌した後、
60℃に冷却し、デン粉分解物濃度が30%の溶解液
を調製した。 この溶解液を、60℃に保持しながら、90℃の伝
導加熱面の表面温度および2回/分の回転数の運
転条件に設定された実施例1と同じドラム乾燥装
置に、伝導加熱面の表面積1m2当り100g/分の
割合で供給して薄膜状の透明な乾燥物とし、これ
を実施例1と同様に処理して、32〜40メツシユの
平均粒径および10μの膜厚を有する黄色薄片粒子
29Kgを得た。 この黄色薄片粒子5Kgを、32〜42メツシユの平
均粒径を有するインスタントクリーミングパウダ
ー95Kgと混合し、黄色の光輝性を帯びた外観とイ
ンスタントクリーミングパウダー本来の外観と程
よく調和し、風味および溶解性の良好なインスタ
ントクリーミングパウダー組成物100Kgを得た。 〔発明の効果〕 光輝性のある外観を付与した特異な効果を有
する即溶性粉末食品を得ることができる。 即溶性粉末食品本来の風味を害することがな
く、またその溶解性が低下することのない光輝
性のある外観を有する即溶性粉末食品を得るこ
とができる。 本発明において使用する薄片粒子は、乾燥装
置の伝導加熱面から直接粉末状にかき取ること
ができるので、所望の平均粒度を有する薄片粒
子を簡単に得ることができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 3〜25の範囲のDE値を有するデン分解物と
    10以上のHLB値を有する界面活性剤を水に溶解
    し、得られた溶液を伝導加熱面で40μ以下の膜厚
    の薄膜状に乾燥し、粉末化してなる光輝性を帯び
    た薄片粒子からなる即溶性粉末食品用組成物。 2 3〜25の範囲のDE値を有するデン分解物と
    10以上のHLB値を有する界面活性剤を水に溶解
    し、得られた溶液を伝導加熱面で40μ以下の膜厚
    の薄膜状に乾燥し、粉末化してなる光輝性を帯び
    た薄片粒子からなる組成物を少なくとも0.5重量
    %の混合率で含有することを特徴とする光輝性を
    帯びた即溶性粉末食品。 3 前記薄片粒子が、混合する即溶性粉末食品の
    平均粒径の0.5〜2倍の平均粒径を有することを
    特徴とする請求項2記載の光輝性を帯びた即溶性
    粉末食品。 4 前記即溶性粉末食品が、インスタントクリー
    ミングパウダーである請求項2または3に記載の
    光輝性を帯びた即溶性粉末食品。 5 3〜25の範囲のDE値を有するデン分解物と
    10以上のHLB値を有する界面活性剤を必須成分
    とする溶液を伝導加熱型乾燥装置の伝導加熱面で
    40μ以下の膜厚の透明薄膜状に乾燥し、得られた
    透明薄膜状乾燥物を、先端が前記の伝導加熱面と
    当接して摺動するかき取りブラシによつてかき取
    つて粉末状の薄片粒子を回収し、得られた薄片粒
    子の平均粒径を、該薄片粒子と混合する即溶性粉
    末食品の平均粒径の0.5〜2倍に調整し、粒径を
    調整した薄片粒子を少なくとも0.5重量%の割合
    で即溶性粉末食品と粉末状で混合することを特徴
    とする光輝性を帯びた即溶性粉末食品の製造法。 6 伝導加熱乾燥装置が、ドラム乾燥装置である
    ことを特徴とする請求項5に記載の光輝性を帯び
    た即溶性粉末食品の製造法。 7 かき取り用ブラシによつてかき取られた伝導
    加熱面に当接するかき取り用ブレードによつて、
    残置付着した乾燥物をかき取り、かき取られた乾
    燥物を薄片粒子の一部とすることを特徴とする請
    求項5または請求項6に記載の光輝性を帯びた即
    溶性粉末食品の製造法。 8 薄片粒子の平均粒径の調整が、伝導加熱面と
    かき取り用ブラシの先端の摺動摩擦強度を変更す
    ることによつて行なわれることを特徴とする請求
    項5ないし請求項7のいずれかに記載の光輝性を
    帯びた即溶性粉末食品の製造法。 9 薄片粒子の平均粒径の調整が、伝導加熱面か
    らかき取られた薄片粒子の粉砕および篩分けによ
    つて行なわれることを特徴とする請求項5ないし
    請求項8のいずれかに記載の光輝性を帯びた即溶
    性粉末食品の製造法。 10 前記即溶性粉末食品が、インスタントクリ
    ーミングパウダーである請求項5ないし請求項9
    のいずれかに記載の光輝性を帯びた即溶性粉末食
    品の製造法。
JP58244823A 1983-12-27 1983-12-27 光輝性を帯びた薄片粒子からなる即溶性粉末食品用組成物、該薄片粒子を含有する光輝性を帯びた即溶性粉末食品および該即溶性粉末食品の製造法 Granted JPS60141269A (ja)

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5621570A (en) * 1979-08-01 1981-02-28 Kibun Kk Preparation of potage soup
JPS5632972A (en) * 1979-08-27 1981-04-02 Kibun Kk Preparation of potage soup

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5621570A (en) * 1979-08-01 1981-02-28 Kibun Kk Preparation of potage soup
JPS5632972A (en) * 1979-08-27 1981-04-02 Kibun Kk Preparation of potage soup

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