JP3358629B2 - 改質澱粉及びそれを含む小麦粉加工製品 - Google Patents

改質澱粉及びそれを含む小麦粉加工製品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改質澱粉に関する。さ
らに詳しくは、小麦粉に添加し、小麦粉加工製品の品質
を改良する改質澱粉に関する。
【0002】
【従来の技術】小麦粉製品、たとえば麺類、パン類、菓
子類、プレミックス類等において、製品の品質を改良す
るために、小麦粉に澱粉類を添加することが知られてい
る。特に、麺類においては、食感の改良や茹で時間の短
縮、麺の外見上の艶、透明感の向上のために、小麦澱
粉、モチトウモロコシ等の穀類澱粉、馬鈴薯やタピオカ
等の地下茎澱粉を小麦粉に添加する方法が知られてい
る。しかしながら、澱粉の添加量が少なければ、前述の
効果を得ることができず、添加量が多ければ、相対的に
麺のグルテンの量が減り、生地形成し難く、生麺の場
合、茹で時の煮崩れ流出が多くなり、麺の弾力がなくな
り食感が悪化したり、麺の肌荒れ増加等の問題があっ
た。
【0003】特公平4−16134号公報には、原料穀
粉に蒸熱処理した澱粉類を配合する方法が開示されてい
る。特公平4−16134号公報に記載の方法で得られ
た澱粉は、非複屈折性粒子の存在割合、冷水可溶分、膨
潤容積、保水力等の面で生澱粉と殆ど差がないことが判
明した。従って、小麦粉製品に添加しても、少量では添
加効果が得られず、多量ではグルテンの量が減り、生地
形成し難い等の影響が生じて十分満足のいく結果は得ら
れなかった。
【0004】特開昭60−227622号公報、特開昭
61−31053号公報には、加工食品や麺類にα化澱
粉を添加する方法が開示されている。しかしながら、α
化澱粉を添加したものは、α化澱粉特有の糊状感のた
め、出来上がり製品の表面にヌメリ感が発生して、十分
実用にたえられるものではないことが判明した。特開平
4−262753号公報には、部分α化澱粉を添加する
方法が開示されている。しかしながら、該公報に記載さ
れている部分α化澱粉を得るため、該公報記載の部分α
化澱粉の検出方法に従って測定を試みたが、α化度の測
定ができなかった。このため、該公報に記載の実施例を
追試することはできなかった。
【0005】特公昭59−47600号公報に加工澱粉
の記載がある。該公報に開示される加工澱粉において
も、小麦粉製品の改良効果は認められるものの、「膨潤
容積が大きいものは、粒子が加工中に破壊され易く、加
工時に機械の付着を起こしやすい」、「冷水可溶分が大
きいものは、糊性が高く、製品にヌメリがでて好ましく
ない」、「非複屈折性粒子の比率が多い場合、個々の粒
子の粘着性が高く、加工中に大きな固まりを作り易く好
ましくない」等の欠点があることが判明した。
【0006】特開平2−150238号公報に開示され
る部分アルファー化澱粉は、生澱粉粒の外殻薄膜構造を
実質的に維持しているが、しかし、その製法は、生澱粉
粒を水分の存在下、該澱粉粒に固有な糊化開始温度より
若干高めの温度で加熱するものであり、得られた部分ア
ルファー化澱粉は、本発明の改質澱粉とは異なってい
る。更に、特開平2−157041号公報に開示される
加温された澱粉は、大部分の澱粉粒子において複屈折性
が消失した澱粉であるため、やはり、非複屈折性粒子の
存在割合において、本発明の改質澱粉とは異なってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、小麦
粉製品に添加して適度な保水性を与え、かつ糊状感がな
く加工適性に優れた、改質された新規な澱粉を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の問題を
解決するため、鋭意検討した結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、生澱粉の外殻薄膜構造を実質的に
温存し、全粒子の20〜80%が非複屈折性の澱粉粉末
で、該粉末は目開き250μm以上の留分が5%以下
、かつ、見掛け密度が0.35〜0.80g/ミリリ
ットル、冷水可溶分が4重量%以下、膨潤容積が2〜9
ミリリットル/g、保水力が2〜6の性質を有する改質
澱粉に関する。
【0009】以下に本発明の改質澱粉についてさらに詳
細に説明する。本発明の改質澱粉は、色々な澱粉を出発
原料とすることができる。たとえば、小麦澱粉、トウモ
ロコシ澱粉、モチトウモロコシ澱粉、タピオカ澱粉、馬
鈴薯澱粉等が挙げられる。しかしながら、本来、小麦粉
製品の改質を目的としたものであるがゆえに、出発原料
としては、小麦澱粉を使用することが最も好ましく、こ
れは小麦粉加工製品の品質に違和感を与えない。他に好
ましい澱粉としては、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、モチ
トウモロコシ澱粉がある。
【0010】本発明の改質澱粉は、生澱粉粒の外殻薄膜
構造を実質的に温存していることが必要である。生の澱
粉は、粒子形態を示している。この澱粉粒を、例えば水
分の存在下で加熱することで、粒子は膨潤し、最終的に
は外殻薄膜構造が破壊される。このような外殻薄膜構造
が破壊された澱粉は所謂α化澱粉であって、水を加える
と糊状になる。そのため、小麦粉に添加して使用する場
合、加工の際に添加する水のために生地の粘性を上昇さ
せ、糊状感が生じ、品質に悪影響を与えたり、外観を損
うので好ましくない。本発明の改質澱粉は、生澱粉粒子
由来の外殻薄膜構造が維持され、粒子状態として観察さ
れ、個々の粒子が識別可能である。
【0011】本発明の改質澱粉は、水中に投入して偏光
顕微鏡で観察するとき、全粒子の20〜80%、好まし
くは25〜70%、更に好ましくは30〜60%が実質
的に非複屈折性である。生の澱粉粒子は、水中に投入し
て偏光顕微鏡で観察するとき、明瞭な複屈折性(偏光十
字)を示す。この澱粉粒を水分の存在下で、例えば、加
熱することで、粒子は膨潤し、それに伴い、徐々に複屈
折性が不明瞭になる。最終的には外殻薄膜構造が維持さ
れながらも複屈折性を示さない、つまり非複屈折性粒子
となる。本発明の改質澱粉は、20〜80%の粒子が実
質的に非複屈折性である。言い替えると、80〜20%
の粒子は、不明瞭であっても複屈折性を示し、かつ全体
の粒子が外殻薄膜構造を維持している(複屈折性粒子及
び非複屈折性粒子の観察方法は後述)。
【0012】粒子の外殻薄膜構造が実質的に温存されて
いる非複屈折性粒子が80%を越える澱粉は、粒子の粘
着性が増大してくる。このため小麦粉製品に添加して加
工する際に、大きなダマを作り易く、結果として改質澱
粉に比べて生地が柔らかくなる。また、非複屈折性澱粉
粒子が20%未満の場合、小麦粉製品の保水性の向上効
果が小さく、生澱粉と品質の改良効果の面で差がなくな
る。
【0013】本発明の改質澱粉は、実質的に目開き25
0μm以上の留分を含まない。250μm以上の大粒子
が存在すると、小麦粉に添加した場合、分離偏析を生じ
易く、加工製品の食感に斑が起こるので好ましくない。
本発明の改質澱粉は、0.35〜0.80g/ミリリッ
トルの見掛け密度を有する。小さ過ぎる場合は、粉が軽
質になり、逆に大き過ぎる場合は、粉が重質になりすぎ
て、いずれも小麦粉に添加した場合、分離を起こし易
く、加工製品の食感に斑を生じるので好ましくない。
【0014】本発明の改質澱粉は、4重量%以下の冷水
可溶分を示すことが必要である(冷水可溶分の測定方法
は後述)。4重量%を越えると、糊状感が増大するた
め、加工製品の品質に悪影響を与える。本発明の改質澱
粉は2〜9ミリリットル/g、好ましくは2.5〜7ミ
リリットル/g、さらに好ましくは3〜5.5ミリリッ
トル/gの膨潤容積(定義及び測定法は後述)を有す
る。加工製品への添加効果が現れる膨潤容積の下限は、
2ミリリットル/gであり、これ以下では吸水能が良く
ない。9ミリリットル/g以上では、吸水した粒子の強
度が弱くなり、加工時につぶれて糊状感が増大するので
加工製品の品質に悪影響を与える。
【0015】本発明の改質澱粉の保水力(定義及び測定
法は後述)は、2〜6、好ましくは2.5〜5、さらに
好ましくは3〜4.5である。加工製品で最も大切な特
性である製品保水力を向上させるには、最低2以上必要
であり、6を越えると実質的な製品保水力向上効果が変
化しない。むしろ、その他の悪影響、たとえば糊状感が
でるので良くない。
【0016】なお、本発明の改質澱粉は、後述する方法
で染色し、検鏡した時、加工の程度により、赤紫色、青
紫色、青色等を示す。生澱粉は桃色を示し、α化澱粉は
青色に染色される。本発明の改質澱粉は、外殻薄膜構造
が維持された粒子が染色されるため、α化澱粉を染色し
た場合とは明確に区別できる。本発明の改質澱粉は、
子の外殻薄膜構造を破壊することなく、全体の20〜8
0%の粒子が実質的に非複屈折性となるまで加工し、次
いで該外殻薄膜構造を破壊することなく乾燥して得られ
る。 例えば、生澱粉を、水の存在下で加熱処理する方
法、蒸熱処理する方法、減圧・加圧加熱方法により湿熱
処理する方法、ボールミル等による機械的衝撃を加える
方法、エクストルーダー処理方法など生澱粉をα化する
一般的な方法を用い、さらにフラッシュドライヤーやス
プレードライヤーなどで乾燥して得られる。より具体的
には、例えば、生澱粉を水分の存在下、該生澱粉に固有
な糊化開始温度以下の条件で緩やかに加熱し、粒子の外
殻薄膜構造を破壊することなく、全体の20〜80%の
粒子が実質的に非複屈折性となるまで膨潤させ、次いで
該外殻薄膜構造を破壊することなく乾燥する。
【0017】この場合、加熱の方法及び時間は自由であ
る。また、そのとき共存させる水分の澱粉に対する割合
も自由である。しかし、急激な加熱は一部の粒子に対
し、局部加熱されるため、緩やかにかつ均一に加熱膨潤
させる方が良い。好ましくは、60%以上、特に好まし
くは、80%以上の水分領域が良い。また、加熱に際
し、加熱状態を均一にする目的で、撹拌や混合を行うの
は自由だが、本発明においては、大部分の粒子を破壊す
ることなく加熱し、次いで乾燥することが重要である。
【0018】乾燥工程で留意すべき点は、乾燥温度と乾
燥速度である。例えば、スラリー状態で懸濁している澱
粉を、その糊化開始温度以上で、かつ緩慢な乾燥速度の
もとで乾燥すれば、乾燥する以前に糊化が起こるために
本発明の効果が得られない。このような、水分過剰の状
態のものを乾燥する場合は、たとえば瞬時にして減率乾
燥の状態に達するような、フラッシュドライヤーやスプ
レードライヤー等の装置を使うこと好ましい。勿論、糊
化開始温度以下の温度で、ゆっくり乾燥したり、減圧あ
るいは真空乾燥等の乾燥方法を採るのは自由である。
【0019】なお、数種類の澱粉を混合して、改質澱粉
を製造することは差し支えないが、糊化開始温度が異な
る澱粉種の場合は、加工の程度が不均一になるので注意
を必要とする。また、本発明はこのような改質澱粉を3
〜50重量%含む小麦粉加工製品を提供する。改質澱粉
の含有量が3重量%未満では、目的とする品質改良効果
が得られない。また、50重量%を越えると、小麦粉の
特性、たとえばグルテンの生成等に悪影響が起こるので
好ましくない。改質澱粉の含有量の特に好ましい範囲
は、5〜20重量%である。当然のことながら、小麦粉
に添加して使用する場合、予め均一になるよう良く混合
してから加工することが望ましい。勿論、澱粉種の異な
る改質澱粉を混合して使用することも差し支えない。
【0020】本発明の小麦粉加工製品としては、麺類、
パン類、菓子類、プレミックス類などが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。本発明の改質澱粉の
出発原料は、目的とする品質改良効果に応じて、小麦澱
粉、トウモロコシ澱粉、モチトウモロコシ澱粉、タピオ
カ澱粉、馬鈴薯澱粉などの澱粉を選択できる。小麦粉に
添加して、小麦粉製品本来の風味を維持しつつ、品質改
良を目的とする場合は、小麦澱粉を選択することが好ま
しい。その他、麺類の食感に硬めの歯切れのある弾力感
を与え、透明感を増したいときは、馬鈴薯澱粉、軟らか
く粘りのある食感を与えたいときは、ワキシーコーンス
ターチ、軟らかい弾力感を与えたいときは、タピオカ澱
粉を選択すれば良い。
【0021】次に、本発明で用いた用語の定義及び測定
法を一括して示す。 (1)冷水可溶分 試料3g(無水換算)を精秤し、20℃の純水300g
を加え、1500rpmで2分間高速撹拌する。つい
で、No5C濾紙を用いて分散液の全量を濾過する。秤
量瓶に濾液約40ミリリットルをとり、精秤した後<W
(g)>、105℃で蒸発乾固し、固形分重量を求め<
0 (g)>、次式により冷水可溶分を求める。 冷水可溶分(重量%)=W0 /W×104 (2)膨潤容積 試料5gを共栓付100ミリリットルメスシリンダーに
採り、25℃の純粋80ミリリットルを加え軽く振盪し
て脱泡させた後、全量を純粋で100ミリリットルとす
る。密栓し24時間静置し、吸水膨潤した試料の容積を
読み、それを5で除して膨潤容積とする。 (3)保水力 膨潤容積の測定法に準じて作成し、得られた分散液を遠
心沈降管に移し、2000Gで10分間遠心分離する。
上澄み液を捨て湿潤沈積物の重量を測定し<W(g)
>、次いで該沈積物を絶乾秤量し<W0 (g)>、次式
により保水力を算出する。
【0022】保水力 = W / W0 (4)複屈折性粒子と非複屈折性粒子の観察 試料に0.5重量%になるよう純水を添加し、TKホモ
ミキサー10000rpm、5分間分散する。この試料
を顕微鏡の視野の中で、自然光で観察される全粒子数の
うち、偏光で粒子の一部でも光る粒子を複屈折性粒子、
光らない粒子を非複屈折性粒子と定義する。 (5)粒子の染色 試料0.5gを10ミリリットル用の遠心沈降管にと
り、サフラニンT(カラーインデックス50240)の
1%水溶液を約3ミリリットル加え、ガラス棒でよく撹
拌して15分間静置して染色する。次に蒸留水を加え
て、遠心分離を3〜5回繰り返し、過剰の染料を洗い流
す。このように、よく洗浄した試料をスライドガラス上
にとり、Sky Blue 5B(カラーインデックス
24400)の1%水溶液を加え均一に混合し、カバー
ガラスをかけて顕微鏡で観察する。
【0023】また、検鏡するときの光源の色で、被検物
の色が若干変化することもあるので注意を要する。可能
な限り、自然光を用いるべきである。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例によって本発明をさら
に詳細に説明する。
【0025】
【実施例1】小麦澱粉を15重量%の固形分濃度で水中
に分散させ、このスラリーを55.5℃、56.5℃の
2条件で10分間加温した。ついで、実験室規模の噴霧
乾燥機を用いて、入り口温度約180℃、出口温度90
℃の雰囲気中に5リットル/時のスラリー供給速度で噴
霧して、サンプルA、Bを得た。各サンプルの物性を表
2に示す。
【0026】
【比較例1】小麦澱粉を5重量%の固形分濃度で水中に
分散させ、このスラリーを68℃の条件で40分間加温
した。ついで、実験室規模の噴霧乾燥機を用いて、入り
口温度約180℃、出口温度90℃の雰囲気中に5リッ
トル/時のスラリー供給速度で噴霧して、サンプルCを
得た。サンプルの物性を表2に示す。
【0027】
【比較例2】小麦澱粉を温度80℃、湿度95RH%に
調整した恒温恒湿機で、品温80℃、15分間蒸熱処理
して、サンプルDを得た。サンプルの物性を表2に示
す。
【0028】
【比較例3】小麦澱粉をエクストルーダー法によりα化
した後粉砕し、目開き250μmの篩いで篩分し、サン
プルEを得た。サンプルの物性を表2に示す。
【0029】
【実施例2】トウモロコシ澱粉を15重量%の固形分濃
度で水中に分散させ、このスラリーを65.0℃の条件
で10分間加温した。ついで、実験室規模の噴霧乾燥機
を用いて、入り口温度約180℃、出口温度90℃の雰
囲気中に5リットル/時のスラリー供給速度で噴霧し
て、サンプルFを得た。サンプルの物性を表2に示す。
【0030】
【実施例3】モチトウモロコシ澱粉を10重量%の固形
分濃度で水中に分散させ、このスラリーを63.0℃の
条件で10分間加温した。ついで、実験室規模の噴霧乾
燥機を用いて、入り口温度約180℃、出口温度90℃
の雰囲気中に5リットル/時のスラリー供給速度で噴霧
して、サンプルGを得た。サンプルの物性を表2に示
す。
【0031】
【実施例4】タピオカ澱粉を10重量%の固形分濃度で
水中に分散させ、このスラリーを58.0℃の条件で1
0分間加温した。ついで、実験室規模の噴霧乾燥機を用
いて、入り口温度約180℃、出口温度90℃の雰囲気
中に5リットル/時のスラリー供給速度で噴霧して、サ
ンプルHを得た。サンプルの物性を表2に示す。
【0032】
【実施例5】馬鈴薯澱粉を10重量%の固形分濃度で水
中に分散させ、このスラリーを58.0℃の条件で10
分間加温した。ついで、実験室規模の噴霧乾燥機を用い
て、入り口温度約180℃、出口温度90℃の雰囲気中
に5リットル/時のスラリー供給速度で噴霧して、サン
プルIを得た。サンプルの物性を表2に示す。
【0033】なお、参考までに、以上の実施例、比較例
に使用した各澱粉の物性を表3に記す。
【0034】
【実施例6】小麦粉90部、実施例1で得たサンプルA
10部、水40部、食塩3部の割合で混捏し、整形した
後、2回複合し、約4mmの厚さに生地Jを調整した。
この生地をレオメーター(フドー工業製)で、粘性用の
アダプターを用いて、2cm/分のスピードで3秒間
(約1mm)押し込むのに必要な力を測定した。結果を
表4に示す。
【0035】また、同一処方で製麺し、生麺Kを得、茹
でた後、10人のパネラーにより食感の評価を行った。
結果を表5に示す。
【0036】
【比較例4】小麦粉90部、小麦澱粉10部、水40
部、食塩3部の割合で、実施例6と同様に生地L及び生
麺Mを調整し評価した。結果を表4、表5に示す。
【0037】
【比較例5】小麦粉90部、比較例1で得たサンプルC
10部、水40部、食塩3部の割合で、実施例2と同様
に生地N及び生麺Oを調整し評価した。結果を表4、表
5に示す。
【0038】
【比較例6】小麦粉90部、比較例2で得たサンプルD
10部、水40部、食塩3部の割合で、実施例2と同様
に生地P及び生麺Qを調整し評価した。結果を表4、表
5に示す。
【0039】
【比較例7】小麦粉90部、比較例3で得たサンプルE
10部、水40部、食塩3部の割合で、実施例2と同様
に生地R及び生麺Sを調整し評価した。結果を表4、表
5に示す。
【0040】
【比較例8】小麦粉100部、水40部、食塩3部の割
合で、実施例2と同様に生地T及び生麺Uを調整し評価
した。結果を表4、表5に示す。表4に示される通り、
サンプルAを用いた場合、比較例より生地が硬く加工特
性に優れていた。
【0041】また、表5では、サンプルUを標準とした
場合の食感の相対評価を◎、○、△、▲で表わしてい
る。
【0042】
【実施例7】小麦粉90部、実施例1で得たサンプルB
10部、水66部、イースト2部、イーストフード0.
1部、砂糖6部、食塩2部、脱脂粉乳2部、油脂5部の
割合で直捏法により食パンVを得、10人のパネラーに
より食感の評価を行った。結果を表6に示す。
【0043】
【比較例9】小麦粉100部、水62部、イースト2
部、イーストフード0.1部、砂糖6部、食塩2部、脱
脂粉乳2部、油脂5部の割合で直捏法により食パンWを
得、実施例7と同様の評価を行った。結果を表6に示
す。
【0044】
【比較例10】小麦粉90部、比較例1で得たサンプル
C10部、水66部、イースト2部、イーストフード
0.1部、砂糖6部、食塩2部、脱脂粉乳2部、油脂5
部の割合で直捏法により食パンXを得、実施例7と同様
の評価を行った。結果を表6に示す。
【0045】表6では、サンプルWを標準とした場合の
食感の相対評価を◎、○、△で表わしている。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
【発明の効果】本発明の改質澱粉は、従来知られたよう
な、強い加熱により変性された澱粉に比較して、加工の
程度が緩やかである。従って、小麦粉に添加して加工す
る場合、良好な加工適性を与え、更に、小麦粉加工製品
の品質改良が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08B 30/00 A23L 1/10 C08B 30/06 A21D 2/36 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生澱粉粒の外殻薄膜構造を実質的に温存
    し、全粒子の20〜80%が非複屈折性の澱粉粉末で、
    該粉末は目開き250μm以上の留分が5%以下で、か
    つ、見掛け密度が0.35〜0.80g/ミリリット
    ル、冷水可溶分が4重量%以下、膨潤容積が2〜9ミリ
    リットル/g、保水力が2〜6の性質を有する改質澱
    粉。
  2. 【請求項2】 生澱粉を水分の存在下、粒子の外殻薄膜
    構造を破壊することなく、全体の20〜80%の粒子
    複屈折性となるまで加工し、次いで該外殻薄膜構造を
    破壊することなく乾燥することを特徴とする請求項1記
    載の改質澱粉の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の改質澱粉を、3〜50重
    量%含む小麦粉加工製品。
JP02121393A 1992-02-13 1993-02-09 改質澱粉及びそれを含む小麦粉加工製品 Expired - Lifetime JP3358629B2 (ja)

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JP12184892 1992-05-14
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