JP3193960B2 - 多加水麺類の製造方法 - Google Patents

多加水麺類の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改良された麺類の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】麺類の品質を改良する方法に関しては、
その目的に応じ従来から多くの提案がなされており、茹
上がりまたは蒸し上がり時間の短縮についても、各種の
澱粉類の添加、製麺時の加水の増量、食塩等の副資材の
増量等のいくつかの方法が提案されてきた。製麺時、原
料粉に澱粉類を添加して麺類の品質を改良する試みとし
ては、例えば、原料粉にワキシーコーンスターチを1〜
20%添加して麺に透明感と滑らかで弾力性のある食感
を与える方法(特公昭48−7342号)、原料粉にタ
ピオカ生澱粉を配合することにより麺の茹時間を短縮
し、かつ優れた食感の麺を得る方法(特公昭62−49
018号)、原料穀粉に品温50〜100℃の温度でα
化が実質的に起こらない程度に蒸熱処理した澱粉類を配
合して常法により製麺することにより、透明感があり、
粘弾性、滑らかさ等の食感に優れた麺を製造する方法
(特公平4−16134号)、原料粉にα化澱粉類を添
加することにより、熱湯復元性に優れ、滑らかで良好な
食感を有する麺類を製造する方法(特開昭59−749
61号)、高アミロペクチン系澱粉を使用し、使用量の
5〜50重量%に相当する高アミロペクチン系澱粉を予
め加水、加熱して澱粉糊化物とした後、残余の澱粉、食
塩、水等を加えて常法により生麺を作り、これを水分含
量が50〜65重量%となるように茹上げることからな
る、長時間経過しても茹上げ直後の食感を保持し、粘弾
性に富んだ食感のよい茹麺類の製造方法(特開昭61−
31054号)、原料穀粉に部分α化された澱粉類を適
量配合して麺類の品質を改善する方法(特開平4−26
2753号)等を挙げることができる。
【0003】茹上げ時間の短縮された麺類を製造する方
法としては、製麺時の加水を原料穀粉の40重量%ある
いはそれ以上に増加させる、いわゆる多加水麺が一応有
効である。しかし、これには作業工程上新たな問題も発
生した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、茹上がりま
たは蒸し上がりが速いとともに、弾力性が強く食感良好
な麺類を製造する方法を提供するのものである。前記の
ように、麺類品質を改良する方法については、種々の提
案がなされてきたが、未だ問題が完全に解決されたとは
云えない。また、多加水麺については、多加水麺専用に
設計されたラインは別として、一般に普及している機械
製麺装置では加水量は35重量%(対穀粉、以下同様)
程度がせいぜいであり、それ以上の多加水ではミキシン
グ中に生地がタンゴ状となってミキシング作業が困難に
なったり、麺帯や麺線がお互いに粘着する等により作業
性が極端に低下し、工業的な生産は不可能であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、改善された
品質を有し、かつ茹上がりの速い麺を製造する方法につ
いて鋭意研究を続けてきた。その結果、穀粉に小麦改質
澱粉を配合し、必要により適量の食塩、かん粉、色素、
植物蛋白質等の副資材を添加して製麺することにより、
上記問題点を解決し、目的を達成できることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0006】本発明は、穀粉50〜98重量部に小麦改
質澱粉2〜50重量部を配合し、該穀粉と小麦改質澱粉
の合計100重量部に対し35〜50重量部の加水を行
って製麺することを特徴とする多加水麺類の製造方法の
発明である。
【0007】本発明の製造方法によれば、通常の機械製
麺装置を使用しても多加水麺を製造することができる。
【0008】本発明の対象となる麺類としては、生うど
ん、生そば、生中華麺、茹うどん、茹そば、茹及び蒸し
中華麺、穀粉の一部または全部を小麦粉以外の雑穀粉で
置き換えた大麦麺、米粉麺、ハト麦麺等各種の麺類が含
まれるが、特にうどんのような比較的太い麺線の製品を
製造する方法として好適である。使用する穀粉は、上記
に例示した麺の種類に応じ、小麦粉、そば粉、大麦粉、
米粉、小麦粉澱粉、コーンスターチその他の澱粉類等か
ら選ばれる一種またはそれ以上を用いることができる。
【0009】本発明の方法において特徴的に使用される
「小麦改質澱粉」とは、小麦澱粉に対して生澱粉粒の外
殼薄膜構造を実質的に温存し、全粒子の20%〜80%
が実質的に非複屈折性の澱粉粉末で、該粉末は実質的に
目開き250μm以上の留分を有さず、かつ見掛け密度
が0.35〜0.85g/ml、冷水可溶分が4重量%
以下、膨潤容積が、2〜9ml/g、保水力が2〜6と
なるように物性を改良された小麦澱粉である。上記のよ
うな改良された物性を有する小麦改質澱粉は、種々の方
法で加工して得ることができるが、その1例を参考例1
に示してある。
【0010】上記穀粉類及び小麦改質澱粉の使用量は、
穀粉50〜98部と小麦澱粉2〜50部の範囲であり、
より好ましくは穀粉80〜95部と小麦改質澱粉5〜2
0部が適当である。上記の範囲である限り多加水にして
も作業性が損なわれることもない。
【0011】上記穀粉類及び小麦改質澱粉には、必要に
より適量の食塩、かん粉、色素、植物蛋白質等の副資材
を添加し、加水を行い、ミキシングする。ミキシング時
の加水は、穀粉及び小麦改質澱粉の合計量100部に対
し、35〜60部、より好ましくは40〜50部であ
る。これよりも加水量が少ないと茹上げ後の麺が粉っぽ
いものとなり、食味の良好な麺を得ることができない。
逆に加水量が上記範囲を超える場合は、生地や麺線の粘
着性が増し、機械生産での作業性が著しく低下すること
となる。
【0012】木発明の目的を達成するためには、改質澱
粉は小麦改質澱粉であることが必須である。すなわち、
澱粉の起源としては、小麦の他にコーンスターチ、タピ
オカ、馬鈴薯、甘藷等の各種原料があるが、小麦澱粉以
外の改質澱粉を原料穀粉全体の5%を超えて添加した麺
では、これら異種澱粉の特徴が強く影響してしまい、小
麦粉を主体とする本来の麺とは異質のものになってしま
う。したがって、小麦改質澱粉を使用することによって
のみ、原料穀粉全体の2〜50部の多量の改質澱粉を配
合しても小麦粉の特性をそのまま活かした麺類を製造す
ることが可能となる。
【0013】麺線等の調製には常法を用いることができ
る。すなわち、ミキシンクを行った麺生地は、ロールに
よる重ね、圧延を行い、必要により熟成工程を経たう
え、適宜の切り刃を用いて麺線に切り出し生麺を得る。
得られた生麺は、沸騰水中に投入して茹上げるか、また
は適度に散水しつつ水蒸気と接触させ蒸し上げる。
【0014】
【作用】本発明の方法で製造した麺は、茹時間が短縮さ
れ、かつ粘弾性に富み優れた食感を有する麺類を得るこ
とができる。すなわち、小麦改質澱粉を使用せずに製造
した麺類に比して、調理時間は2〜5割程度の大幅な短
縮が達せられる。例えば、3.1mm厚の麺帯を9番の
切り刃で切り出した同一形状の生うどんについて比較す
るならば、通常の小麦粉のみで調製したものでは茹上げ
に20〜30分を要するのに対し、小麦粉の10%を小
麦改質澱粉で置き換えた本発明品では10〜15分で済
み(表1、表2)、茹時間の短縮による省エネルギー効
果も多大である。
【0015】また、本発明では、多加水量であっても、
ミキシングにあたって、多加水用の特殊なミキサーを用
いることなく、パドル型等の通常の機械製麺用として普
及しているミキサーをそのまま使用し、効率的に工業生
産することができる。これら通常の器具を使用した場合
であっても、生地がダンゴ状となったり、麺線が互いに
粘着する等の障害の発生は防止される。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を述べるが、もとより
本発明の範囲が実施例に限定されるものではない。
【0017】まず、本発明で使用する「小麦改質澱粉」
を参考例に示すように調製した。 参考例1 市販の小麦澱粉を5重量%の固形分濃度で水に分散さ
せ、56.5℃および57.5℃で10分加温した。こ
れを二流体ノズルを有する実験室規模の噴霧乾燥機を用
いて、入口温度180℃、出口温度90℃の雰囲気中に
5リットル/時のスラリー供給速度で噴霧乾燥して、小
麦改質澱粉の試料1、2を調製した。得られた小麦改質
澱粉の物性を表1に示す。なお、各物性の測定方法は、
以下のとおりである。 (1)冷水可溶分 試料3g(無水換算)を精秤し、20℃の純水300g
を加え、1500rpmで2分間高速攪拌する。つい
で、No.5C瀘紙を用いて分散液の全量を瀘過する。
秤量瓶に瀘液約40mlをとり、精秤したのち、105
℃で蒸発乾固し、固形分重量を求め、次式により冷水可
溶分を求める。但し、Wは 固形分重量(g)、Wは
採取した瀘液の重量(g)である。 冷水可溶分重量(%):W×W+10 (2)膨潤容積 試料2gを共栓付き100ml容メスシリンダーに採
り、25℃の純水80mlを加え、軽く振盪して脱泡さ
せた後、全量を純水で100mlとする。密栓し24時
間静置し、吸水膨潤した試料の容積を読み、それを5で
除いて膨潤容積とする。 (3)保水力 膨潤容積の測定法に準じて作成し、得られた分散液を遠
心沈降管に移し、200Gで10分間遠心分離する。上
澄み液を捨て、湿潤沈降物の重量に策定し、次いで該沈
降物の絶乾秤量し、次式により保水力を算出する。但
し、Wは湿潤沈降物の重量(g)、Wは絶乾物の重量
(g)である。 保水力=W/W (4)複屈折性粒子と非複屈折性粒子の観察 試料に0.5重量(%)の濃度になるよう純水を添加
し、TKホモミキサー(特殊化工機(株)製)内で10
000rpm、5分間分散する。この試料を顕微鏡の視
野の中で、自然光で観察される全粒子のうち、偏光で粒
子の一部でも光る粒子を複屈折性粒子、光らない粒子を
非複屈折性粒子と定義する。
【0018】
【表1】
【0019】実施例1、2 表2に示す配合原料100重量部に対し、食塩3重量部
を加え混合し、生地が適性なそぼろ状態になるよう加水
を行ない、パドル型ミキサーで15分間ミキシングを行
った。混練生地を常法により製麺ロールで複合及び圧延
を行い、最終厚3.1mmの麺帯とし、幅3.3mmの
麺線に切り出し生うどんとした(実施例1、2.比較例
1〜3.対照)。製麺時の適正な加水量、喫食に先立っ
て必要な茹時間、および茹上がったうどんの官能評価を
表2にまとめた。
【0020】
【表2】
【0021】本発明により小麦改質澱粉を配合した麺
は、作業性を全く損なうことなく製麺時に多加水とする
ことができ、茹時間も短縮できた。さらに表3に示すよ
うに、食感も極めて良好であった。
【0022】
【表3】
【0023】実施例3 小麦改質澱粉試料1を用い、以下の配合で常法により製
麺し、生中華麺を作った。 小麦粉(昭和産業(株)製 商品名「金蘭」) 80部 小麦改質澱粉(試料1) 20 かん水 2 水 40 本配合によれば、ミキシング中に生地のミキサー攪拌羽
根への付着も、麺帯の粘着性も殆どなく作業性は極めて
良好であった。
【0024】対照として、上記配合中の小麦改質澱粉に
代えて、未処理の小麦澱粉を用いたものでは、生地や麺
帯の粘着性が顕著であった。実施例3と同等の作業性の
麺を得るには加水量は最大でも35%が限度であった。
【0025】これらの生中華麺を茹上げてその品質を比
較した結果、本発明の製造方法により得られた中華麺は
対照品に比べて粘弾性に富み、良好な食感を有してい
た。
【0026】
【発明の効果】本発明の方法で製造した麺は、茹時間が
短縮され、かつ麺は粘弾性に富んだ良好な食感を有す
る。本発明は、特に多加水麺の製造において作業性を著
しく改善でき、通常の機械製麺装置を使用して多加水麺
を製造することができる。このように、本発明の方法で
は品質の優れた麺類を、効率的に製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−219875(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/16 - 1/162

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】穀粉50〜98重量部に小麦改質澱粉2〜
    50重量部を配合し該穀粉と小麦改質澱粉の合計100
    重量部に対し35〜50重量部の加水を行って製麺する
    ことを特徴とする多加水麺類の製造方法
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