JP7272628B2 - 蒸しケーキ類及びその製造方法 - Google Patents
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Description
<1>原料において、以下の(1)及び(2)を満たす蒸しケーキ類。
(1)(A)沈降積8~9.8の小麦架橋澱粉又は馬鈴薯架橋澱粉と(B)沈降積0.5~2の架橋澱粉の質量比が、80:20~50:50、(2)(A)と(B)の合計が、澱粉質原料100質量部のうち20質量部以上。
<2>(B)の原料となる澱粉が、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉及び米澱粉からなる群より選ばれる1種以上である、上記<1>記載の蒸しケーキ類。
<3>原料において、以下の(1)及び(2)を満たすよう調整する、蒸しケーキ類の製造方法。
(1)(A)沈降積8~9.8の小麦架橋澱粉又は馬鈴薯架橋澱粉と(B)沈降積0.5~2の架橋澱粉の質量比が、80:20~50:50、
(2)上記(A)と(B)の合計が、澱粉質原料100質量部のうち20質量部以上。
<4>(B)の原料となる澱粉が、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉及び米澱粉からなる群より選ばれる1種以上である、上記<3>記載の蒸しケーキ類の製造方法。
<5> 原料において以下の(1)及び(2)を満たすよう調整することにより、蒸しケーキ類をふんわり及びしっとりさせる方法。
(1)(A)沈降積8~9.8の小麦架橋澱粉又は馬鈴薯架橋澱粉と(B)沈降積2以下の架橋澱粉の質量比が、80:20~50:50、
(2)(A)と(B)の合計が、澱粉質原料100質量部のうち20質量部以上。
蒸しケーキ類に使用する各種架橋澱粉を得るため、表1に記載の澱粉を原料とし、架橋処理を行った。まず、水130質量部に硫酸ナトリウム10質量部を溶解し、そこへ各原料澱粉100質量部を加えてスラリーとした。このスラリーを、3%水酸化ナトリウム水溶液によってpH11.0~pH11.7に保持・撹拌しながら、トリメタリン酸ナトリウムを必要量(対澱粉0.01~10質量部)加え、41℃で10時間反応させた。その後、硫酸で中和、水洗し、表1に記載の架橋澱粉1~18を調製した。
次に、得られた各架橋澱粉について架橋度を確認するため、「沈降積」を測定した。まず、澱粉試料0.15g(固形分換算)を試験管に計量し、あらかじめ調製しておいた試薬(塩化アンモニウム26質量%、塩化亜鉛10質量%、水64質量%により調製)15mlを注ぎ込んだ。次に、卓上バイブレーターを用いて、試験管中の澱粉試料を均一に分散させ、直ちに沸騰浴中に固定して10分間加熱後、30℃まで冷却した。この試験管中の澱粉試料を、卓上バイブレーターを用いて再度分散させ、10ml容量メスシリンダーに10ml流し込み、25℃にて20時間静置後、沈殿物の目盛りを読み取り、この値を沈降積の値とした。測定の結果を表1に示す。
(1)蒸しケーキの作製
次に、小麦粉(薄力粉)を上述の各架橋澱粉に完全に置き換えて、表2に示す配合によって蒸しケーキを作製した。なお、対照は、澱粉質原料として薄力粉のみを配合した蒸しケーキとした。
得られた各蒸しケーキについて、食感を評価した。食感の評価は、よく訓練された10名のパネラーにより官能評価を行った。パネラー10人のうち、対照と比較して、「しっとり」とした食感(ただし、ベチャつく食感の場合を除く。)を有するとした人数が、8~10人のときは「◎」、6~7人のときは「○」、5人以下のときは「×」と評価した。「ふんわり」とした食感についても、同様に評価した。
蒸しケーキ全体のバランス(総合評価)については、しっとり感及びふんわり感の評価がともに「◎」であったときを「◎」、しっとり感又はふんわり感のいずれか一方の評価が「○」であって、かつ、他方の評価が「○」又は「◎」であったときを「○」、しっとり感又はふんわり感のいずれか一方の評価が「×」であったときを「×」と評価した。評価結果は表2に示す。
次に、架橋澱粉の架橋度と組み合わせを検討するため、表3のとおり、小麦粉(薄力粉)を各架橋澱粉にすべて置き換えた配合によって、蒸しケーキを作製した。なお、澱粉質原料以外の配合は表2と同様であるため省略した。また、対照は、澱粉質原料として小麦粉(薄力粉)のみを使用した。得られた各蒸しケーキは上述と同様の方法で評価し、その結果をあわせて表3に示す。
上記で組み合わせた二種類の架橋澱粉の適切な配合割合を検討するため、表4に記載の架橋澱粉を用いて、表4に示す配合によって蒸しケーキを作製した。なお、澱粉質原料の小麦粉(薄力粉)以外の配合は表2と同様であるため、記載を省略した。得られた各蒸しケーキについて、上述と同様の方法で評価し、その結果を表4にあわせて示す。
架橋澱粉の原料となる澱粉種を検討するため、表5に記載の澱粉を原料とする架橋澱粉を用いて、表5に示す配合によって蒸しケーキを作製した。なお、澱粉質原料の小麦粉(薄力粉)以外の配合は表2と同様であるため、記載を省略した。得られた各蒸しケーキについて、上述と同様の方法で評価し、その結果を表5に示す。
小麦粉(薄力粉)と架橋澱粉の適切な配合量を検討するため、表6に記載の架橋澱粉及び配合によって蒸しケーキを作製した。なお、澱粉質原料の小麦粉(薄力粉)以外の配合は表2と同様であるため、記載を省略した。得られた各蒸しケーキは、上述と同様の方法で評価し、その結果は表6にあわせて示す。
Claims (3)
- 原料において、以下の(1)~(3)を満たす蒸しケーキ類:
(1)(A)沈降積8~9.8の小麦架橋澱粉又は馬鈴薯架橋澱粉と(B)沈降積0.5~2の架橋澱粉の質量比が、80:20~50:50、
(2)(A)と(B)の合計が、澱粉質原料100質量部のうち20質量部以上、
(3)(B)の原料となる澱粉が、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉及び米澱粉からなる群より選ばれる1種以上。 - 原料において、以下の(1)~(3)を満たすよう調整する、蒸しケーキ類の製造方 法:
(1)(A)沈降積8~9.8の小麦架橋澱粉又は馬鈴薯架橋澱粉と(B)沈降積0.5~2の架橋澱粉の質量比が、80:20~50:50、
(2)(A)と(B)の合計が、澱粉質原料100質量部のうち20質量部以上、
(3)(B)の原料となる澱粉が、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉及び米澱粉からなる 群より選ばれる1種以上。 - 原料において以下の(1)~(3)を満たすよう調整することにより、蒸しケーキ類 をふんわり及びしっとりさせる方法:
(1)(A)沈降積8~9.8の小麦架橋澱粉又は馬鈴薯架橋澱粉と(B)沈降積2以下の架橋澱粉の質量比が、80:20~50:50、
(2)(A)と(B)の合計が、澱粉質原料100質量部のうち20質量部以上、
(3)(B)の原料となる澱粉が、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉及び米澱粉からなる群より選ばれる1種以上。
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