JPH0377972B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、写真焼付機に関し、特に一葉の印画
紙にデイスクフイルム１枚分の写真のプリントを
行なつて、写真のテーマ別編集、整理保存を行な
うのに適切な写真プリントを作製するのに適切な
写真焼付機に関する。

［従来技術及び発明が解決しようする課題］ 従来、一葉の印画紙に複数写真のプリントを行
なう写真焼付機としては、例えば特開昭52−
104918号公報に記載されている如く、フイルムと
してロールフイルムを用いたもので２コマ〜８コ
マのプリントを行なうものが知られている。この
技術は、印画紙一葉をアルバムの一葉として写真
を整理保存する際の便宜を計ろうとするものであ
り、アルバムの一葉にプリントされるコマ数は多
くて８枚程度が限界であつた。これは、１コマの
プリントを通常のプリントサイズのままで、複数
コマをプリントしようとするもので、画面が小さ
くなるのを嫌つたことによる限界であり、本発明
のようなテーマ別の編集、整理保存の便宜性を全
く考慮していないことによる限界であつた。従つ
て、その焼付機を見ても、印画紙の巾方向に２コ
マが並べられる構成が開示されているだけで、そ
れ以上並べる具体的構成は開示されていない。

一方、近時において所謂デイスクフイルムと呼
ばれる円盤状フイルムが市販されるに至つた。こ
の市販のデイスクフイルムは、複数コマ（現在15
コマ）を放射状に配列したもので、回転式によつ
て写真撮影および焼付け作業が行なわれるのに適
しており、現在の安価な市販カメラにおいてすら
１秒毎に１コマの如き連続シーン写真撮影が楽し
めるばかりでなく、小型・計量の要請にも合致し
た写真フイルムとして期待されている。しかし、
このデイスクフイルムは１コマ短辺の長さが8.2
mmであるため画面の面積が小さく、プリントに際
して拡大し過ぎの焼付けを行なうと画像のアレが
目立つ場合がある、という不都合がある。

本発明者等は、上記デイスクフイルムの特長を
生かし、且つ上記不都合ないし欠点も解消する技
術について研究した結果、本発明に至つた。即
ち、本発明は前記特開昭52−104918号公報記載の
技術とはその着想ないし技術思想を全く異にする
もので、デイスクフイルムの欠点を解消すると共
にその特長を最大限に発揮できる技術の開発に成
功したものである。

［発明の目的］ 本発明の目的は、テーマ別の編集、整理保存を
行なうのに適切な写真プリントを作製するのに適
切なデイスクフイルム用写真焼付機を提供するに
ある。すなわち１枚のデイスクフイルムによる高
速連写シーンの写真撮影の場合は勿論のこと、１
枚のデイスクフイルム毎にテーマ撮影（例えば運
動会、入学式、誕生会などの或るテーマの内容を
もつ撮影）を行なつた際、そのプリントを依頼す
るだけで、そのテーマ撮影デイスクフイルムの撮
影コマ全部が１枚の印画紙に二次元的に焼付けら
れてくるため、特別の編集作業等が不要である、
写真プリントを作製するのに適切なデイスクフイ
ルム用写真焼付機を提供するにある。

本発明の他の目的は、テーマ別編集、整理保存
を主目的とする写真プリントの作製に適切なデイ
スクフイルム用写真焼付機であるので、１コマの
焼付け拡大画面の大きさは、例えば41×53mm〜49
×64mmと従来のサービスサイズ等に比べて比較的
小さくしてもプリント商品の価値は低下せず、か
つ引伸率が約５〜６倍程度と低くても済むので画
像粒子の荒れなどが目立つこともない写真プリン
トを製造できるデイスクフイルム用写真焼付機を
提供するにある。

更に本発明の他の目的は、構造をコンパクト化
することが容易であり、円盤状のデイスクフイル
ムのプリントに適切な写真焼付機を提供するにあ
る。

［課題を解決するための手段］ 本発明の上記目的を達成する写真焼付機は、印
画紙を搬送する手段と、１コマの短辺長さが8.2
mmであるデイスクフイルムを１コマずつ回転する
手段を有し、かつ印画紙搬送方向と直交方向の左
右にデイスクフイルム中の１コマ分ずつである
8.2mm×２＋2α（αはプリント画面周囲の白ブチ形
成分）の範囲で移動可能なネガキヤリアと、光源
からの光によりデイスクフイルム中の画像を３コ
マ１列として印画紙上へ焼き付けるために前記ネ
ガキヤリアと印画紙との間であつて前記ネガキヤ
リア移動範囲の中央に固定された35mm用の有効画
角を持つ一つのレンズとを有することを特徴とす
る。

［発明の構成］ 以下、本発明を添付図面に基づき説明する。

装置の説明に先立ち、まず、本発明の写真焼付
機によつて作製される写真プリントについて説明
する。

第１図は、本発明の写真焼付機によつて１コマ
プリントA′が行なわれたデイスクフイルムによ
る15コマの写真プリントＡの１例を示すものであ
る。

一般に写真撮影を行なう場合、デイスクフイル
ム１枚にわたつて関連する被写体が撮影されるの
が普通であり、従つて、これらを一葉の印画紙に
プリント出来れば、写真のテーマ別編集、整理に
とつて便利である。更にこのような写真プリント
は、動きのある連続シーン、組写真、学校のクラ
ス・グループあるいはチームメイト等の名簿を兼
ねた顔写真といつたように様々に活用することが
出来る利点がある。

しかる処、従来の複数コマのプリントを行なう
写真焼付機では一般的なサービスサイズのプリン
ト画面の大きさで焼付けを行なうため、せいぜい
４コマづつ２列の合計８コマ程度のプリントを行
なうのが限界で、デイスクフイルム１枚分中に撮
影されているコマ数の画像を一葉の印画紙にプリ
ントすることは出来なかつたことは前述の通りで
ある。

これに対し、本発明に係る写真焼付機は、デイ
スクフイルム１枚に撮影された有効コマ数の全部
を焼付けできる点において従来の技術とはその技
術思想を全く異にするものであることは、以下の
説明によつて明らかになるであろう。なお、ここ
に「有効コマ数」とは、ブレ、ピンボケ、空撮り
等の不適画面があつた場合に、それらの画面を除
いても良いことを意味する。

次に本発明の写真焼付機の実施例を第２図〜第
３図に従つて詳細に説明する。

第２図は、デイスクフイルム１枚分のプリント
をロール状に用意されている印画紙に行なう実施
例を示しており、１は光源、２は防熱ガラス、３
はフイルタ、４は鏡筒、５はレンズ、６はシヤツ
タ、７はロール状印画紙であつて、送りローラ８
によつて図面上右方向に一定量づつ送られる。９
は焼枠であつて、後述するネガキヤリア１０に連
動して、あるいはこれとは別個に設けられている
駆動装置により印画紙上の区分された焼付位置に
順次セツトされる。

なお、図示の如き焼枠を移動させる構成とせ
ず、光源１〜フイルタ３の各位置に対応して、焼
付画面に対応した焼付窓をもつ焼枠を固定的に配
置しても良い。またネガマスク窓をプリントの焼
付枠で代用させペーパー面上の焼枠を不要とする
ことも出来る。

ネガキヤリア１０の一端はスライド軸１１にゆ
るやかに支持されており、他端にはモータ１２に
よつて駆動されるネジ棒１３が係合されており、
モータ１２の回転に従つて、矢符方向に往復運動
を行なう。

デイスクフイルム１４はモータ１５によつてギ
ヤ機構を介して駆動される回転軸１６上に載置さ
れ焼付が行なわれるコマ部分は、ネガマスク基板
１７のマスク１８上に位置して圧着板１９によつ
て圧着される。圧着板１９によるネガフイルムの
圧着−圧着解除はソレノイド２０によつて行なわ
れる。２１は画面位置検出器、２２は第１画面検
出器、２３はデイスクフイルム１４の周縁に設け
られているノツチに係合するラチエツト爪であ
る。

さて、次にこの写真焼付機を用いて前記した写
真プリントを作製する方法を説明する。まず、デ
イスクフイルム１４を、図示しないフイルム搬送
装置により、デイスクフイルム１４のキー溝が回
転軸１６のキーに合致する状態で回転軸１６上に
載置する。デイスクフイルム１４の各コマがマス
ク１８に正確に位置するようデイスクフイルム１
４の周縁のノツチとラチエツト爪２３との係合が
働き、第１画面検出器２２によつてデイスクフイ
ルム１４の第１コマがマスク１８上に位置するこ
とが検出されると、ソレノイド２０が作動して圧
着板１９によりフイルムの圧着が行なわれる。

他方、ロール状に巻装されていた印画紙７は、
印画紙搬送装置の送りローラ８の働きにより搬送
されて、図示の如く焼付位置に供給され、同時に
焼枠９も第１焼付画面上にセツトされる。

以上の準備が完了すると、光源１による露光が
行なわれ、ロータリーソレノイドが作動しシヤツ
タ６が露光軸から移動して、デイスクフイルム１
４の第１コマのプリントが印画紙７の第１の焼付
画面に対して行なわれる。

第１コマのプリントが完了すると、圧着板１９
の圧着が解除されて、デイスクフイルム１４は第
２コマがマスク１８の位置に来るよう画面位置検
出器２１およびモータ１５によつて定量の回転が
行なわれ、再びソレノイド２０が働いて圧着板１
９による圧着が行なわれる。これと同時にネガキ
ヤリア１０は、モータ１２によつて駆動されるネ
ジ棒１３の回転に従つて第３図に示すネガ位置１
から２までの量だけ移動される。また焼枠９も印
画紙７の第２の焼付画面の位置に移動する。この
状態でネガフイルム１４の第２コマのプリントが
行なわれる。同様にして、第３コマのプリントが
完了すると、ネガキヤリア１０は元の位置に復帰
されると同時に、印画紙７は送りローラ８の回転
に従つて第４の焼付画面が焼付位置に来るよう搬
送される。

以下、順次、第15コマまでのプリントが完了す
ると、カツトマーク７ａが焼き込まれて、デイス
クフイルム１枚分の写真焼付が完了し、デイスク
フイルム１４は図示しないフイルム搬送装置によ
つて露光部から取り去られ、次回焼付用のデイス
クフイルムが供給される。

本発明において３コマ１列として印画紙上へ焼
き付けるためのネガキヤリア１０の移動範囲は印
画紙搬送方向と直交する方向の左右に１コマ分ず
つ、即ち、移動量はデイスクフイルム１４の１コ
マの短辺長さ8.2mmにα分（印画紙にプリントを
行なう際、画面周囲に白ブチを形成する分に相
当）を加算した長さの２倍である。これを式で表
すと8.2mm×２＋2αの範囲となる。

通常、α分は約１mm前後であるから、使用する
レンズ５の有効画角は、その長辺が8.2×３＋2α
≒26.6（mm）以上であれば良いことになる。従つ
て、一般の35mmフイルムの有効画角は、その長辺
が36mmであるから、特別のものを製造する必要が
なく、35mm用の有効画角を持つレンズが利用出来
ることになる。このように、本発明においては、
１本のレンズ５の有効画角の範囲内であれば、焼
付を行なおうとするネガフイルムが露光部のどの
位置にあつても適正なプリントが可能であること
を応用したもので、例えば多眼レンズを用いる従
来のマルチプリント（スクールフオト）との基本
的な違いがある。

以上説明した各実施例は図示したものに限定さ
れるものではなく、ネガキヤリア・レンズ・焼枠
台・印画紙等の移動機構は、様々に設計可能であ
るほか、図示した実施例を組み合わせて、あるい
は一部を入れ換えた他の実施例を設計することが
出来る。

［発明の効果］ 本発明の写真焼付機は上記の如く構成されてい
るので、頭記した従来にない写真プリントの作製
が可能となる。特に従来のロールフイルム用の焼
付機と比べ、フイルム搬送手段が必要ないことか
ら、構造は簡単となり、搬送上の弊害の心配がな
い。またネガキヤリア、レンズ、印画紙の各移動
機構によつてプリントの二次元配置は極めて容易
となり、デイスクフイルム用として開発された本
発明の効果は非常に大きいものがある。なお、本
発明の写真焼付機は、他の用途にも利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の写真焼付機で作製される写
真プリントの一例を示す平面図、第２図は、本発
明の実施例を示す分解斜視図、第３図は本発明の
実施例の要部を示す斜視図である。 図中において、１は光源、２は防熱ガラス、３
はフイルタ、４は鏡筒、５はレンズ、６はシヤツ
タ、７はロール状印画紙、７ａはカツトマーク、
７ｂはカツトされた印画紙、８は送りローラ、９
は焼枠、１０はネガキヤリア、１１はスライド
軸、１２はモータ、１３はネジ棒、１４はデイス
クフイルム、１５はモータ、１６は回転軸、１７
はネガマスク基板、１８はマスク、１９は圧着
板、２０はソレノイド、２１は画面位置検出器、
２２は第１画面検出器、２３はラチエツト爪、を
各々指示する。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 印画紙を搬送する手段と、１コマの短辺長さ
   が8.2mmであるデイスクフイルムを１コマずつ回
   転する手段を有し、かつ印画紙搬送方向と直交方
   向の左右にデイスクフイルム中の１コマ分ずつで
   ある8.2mm×２＋2α（αはプリント画面周囲の白ブ
   チ形成分）の範囲で移動可能なネガキヤリアと、
   光源からの光によりデイスクフイルム中の画像を
   ３コマ１列として印画紙上へ焼き付けるために前
   記ネガキヤリアと印画紙との間であつて前記ネガ
   キヤリア移動範囲の中央に固定された35mm用の有
   効画角を持つ一つのレンズとを有することを特徴
   とする写真焼付装置。