JPH0377270B2 - - Google Patents
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- JPH0377270B2 JPH0377270B2 JP13858787A JP13858787A JPH0377270B2 JP H0377270 B2 JPH0377270 B2 JP H0377270B2 JP 13858787 A JP13858787 A JP 13858787A JP 13858787 A JP13858787 A JP 13858787A JP H0377270 B2 JPH0377270 B2 JP H0377270B2
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- Powder Metallurgy (AREA)
Description
本発明は高温の環境下に相手部材と摺動または
衝接し乍ら作動する機械部品、例えば内燃機関の
動弁機部材や過吸機の部材などに好適な、耐熱耐
摩耗性が優れ、しかも相手部材の摩耗も少ない鉄
系焼結合金に関するものである。 この様な熱間での耐酸化性や対摩耗性を要する
部材には、従来は多量のクロム炭化物を含有する
高Cr鋳鋼や、オーステナイト系ステンレス鋼を
基材としその基地中にC0基金属間化合物を分散
させた焼結合金などが用いられている。 しかし、前者は自らの耐摩耗性は良好な反面、
相手材を摩耗させ易いという問題点がある。また
後者は、耐酸化性が不充分な上に、Co基金属間
化合物の硬さが低いために耐摩耗性がやや劣り、
材質の改善が望まれていた。 本発明はこの様な事情に基づいてなされたもの
で、基材には従来の焼結材料を踏襲してオーステ
ナイト系ステンレス鋼(SUS 316L)を用い、そ
の組織の改良によつて要求特性の改良を図つたも
のである。即ち、本発明の骨子は、この基材のオ
ーステナイト基地中にクロム硼化物を主とする硼
化物の集合相を斑点状に、空孔部を除く基地に対
して面積比で15〜45%相当量を分散させたことに
ある。なおこの様な組織の合金は、SUS 316L
(JIS規格値C…0.03%以下、Cr…16〜18%、Ni
…12〜15%、M0…2〜3%、残部Feおよび不純
物)の粉末を主材料とし、この粉末にこれと同じ
組成でさらにホウ素を2〜3%追加した硼化物含
有合金粉を20〜60%配合して作られる。 この基材を選択する理由は、一つはこの鋼種が
この様な用途に実績が多く、市販の規格合金粉と
して経済的に入手できること、また一つは、現用
部品を設計(材料)変更する場合、従来と同系統
の材料なら比較的容易に変更できるためである。 本発明に係る焼結合金において、クロムは鉄を
不動態化して耐酸化性を向上させる一方、一部は
クロム硼化物として基地中に分散して耐摩耗性を
改善する。その添加量は16〜18%が適当で、16%
未満では耐酸化性が不足し、18%を超えると粉末
の成形系が劣化する。 ニツケルはオーステナイト生成元素として働き
靭性および耐酸化性を向上させ、またクロムとの
共存で非酸化性に酸に対する耐食性を向上させる
作用があるが12%未満ではその効果が少なく、一
方、15%を超えて増量しても、効果がそれに伴わ
ない。従つて添加量は12〜15%が適当である。 モリブデンは2%以上で基地の強度と耐酸性を
著しく良くするが、3%を超えると炭化物を生成
してオーステナイトを不安定にするため、2〜3
%を適当とする。 ホウ素は硼化物生成元素として添加されるが、
その量が0.4%未満では硼化物の生成量が不充分
なため耐摩耗性が不足し、一方1.8%を超えると
基地中の(硼化しない)クロムが減少する結果、
基地の耐酸化性が低下する。従つて0.4〜1.8%を
適量とする。 炭素は耐蝕性を阻害する作用があり、その量が
0.05%を超えると、高温の環境で使用する場合粒
界腐食による基材の劣化が著しくなる。従つて成
形潤滑剤に由来する分や焼結中の浸炭を含め、炭
素量は0.05%以下に限定される。 実施例 以下本発明を、その実施例について詳細に説明
する。 先ず、基材の原料として、市販のSUS 316L合
金粉末を用意した。この合金粉の組成は重量比で
C…0.03%、Cr…17%、Ni…12%、Mo…2.5%お
よびFe残部で、ほかに不純物として少量のSi、
Mn、P、Sが含まれるが、本発明の目的とする
特性には殆ど影響しないので、これらの不純物に
ついての記述は省略する。なおこの合金粉(以下
基材合金分と呼ぶ。)の粒度は100メツシユ以下で
ある。 また、この基材中に分散させる硼化物の担体と
して、基材と同じ組成でこれに2.5%のホウ素を
追加した合金粉を用意した。ホウ素はこの合金粉
の中で、主にクロム硼化物を形成している。 次にこの合金粉(以下区別のために硼化合金粉
と呼ぶ。)40%と成形潤滑剤のステアリング酸亜
鉛0.8%を基材合金粉に配合して成形圧力6t/cm2
で試験片所定の形状に成形後、温度1180℃の真空
炉で30分間焼結した。得られた試料の焼結密度は
7.2g/cm3である。 かくして得られた試料(発明材)は、オーステ
ナイト基地中に硬さMHv1500〜2000の硼化物相
が斑点状に分散した組織を呈している。ホウ素は
Fe、M0、Niとも硼化物を作ることができるとさ
れているが、分析した結果はクロム硼化物が殆ど
で、モリブデン硼化物が僅かに認められる。 次に比較のため、従来の焼結合金を用いた試料
(従来材1)と鋳鋼の試料(従来材2)とを作製
した。 従来材1は、前記の基材合金粉に組成がM0…
30%、Cr…8.5%、Si…2.5%および残部C0の合金
粉を20%配合し、以下発明材の場合と同様にして
成形・焼結したもので、焼結密度は6.7g/cm3で
あり、オーステナイト基地中に丸味を帯びた形の
金属間化合物がほぼ均一に分散した組織を呈して
いる。 また、従来材2はCr…34%、Mo…2%、Si…
1%、V…2%、C…2%および残部Feの高Cr
系鋳鋼材料で、フエライト基地中に金属炭化物が
均一に分散した組織を呈している。 次に、各試料について熱間における耐酸化性と
耐摩耗性を試験し、その結果を第1表に示した。 耐酸化性は試料を高温の大気中に保持し、酸化
による試料の重量増加の多少により判定される。
試料は直径10mm、厚さ5mmの円板状、加熱温度は
1000℃、保持時間は50時間である。 また耐摩耗性は、950℃のプロパン燃焼ガス中
で回転中の耐熱鋼(SUS 4)の円盤に試料を押
し付け、摩耗速度5cm/secで100m摺動後の試料
と相手部材(円盤)の摩耗量を測定した。
衝接し乍ら作動する機械部品、例えば内燃機関の
動弁機部材や過吸機の部材などに好適な、耐熱耐
摩耗性が優れ、しかも相手部材の摩耗も少ない鉄
系焼結合金に関するものである。 この様な熱間での耐酸化性や対摩耗性を要する
部材には、従来は多量のクロム炭化物を含有する
高Cr鋳鋼や、オーステナイト系ステンレス鋼を
基材としその基地中にC0基金属間化合物を分散
させた焼結合金などが用いられている。 しかし、前者は自らの耐摩耗性は良好な反面、
相手材を摩耗させ易いという問題点がある。また
後者は、耐酸化性が不充分な上に、Co基金属間
化合物の硬さが低いために耐摩耗性がやや劣り、
材質の改善が望まれていた。 本発明はこの様な事情に基づいてなされたもの
で、基材には従来の焼結材料を踏襲してオーステ
ナイト系ステンレス鋼(SUS 316L)を用い、そ
の組織の改良によつて要求特性の改良を図つたも
のである。即ち、本発明の骨子は、この基材のオ
ーステナイト基地中にクロム硼化物を主とする硼
化物の集合相を斑点状に、空孔部を除く基地に対
して面積比で15〜45%相当量を分散させたことに
ある。なおこの様な組織の合金は、SUS 316L
(JIS規格値C…0.03%以下、Cr…16〜18%、Ni
…12〜15%、M0…2〜3%、残部Feおよび不純
物)の粉末を主材料とし、この粉末にこれと同じ
組成でさらにホウ素を2〜3%追加した硼化物含
有合金粉を20〜60%配合して作られる。 この基材を選択する理由は、一つはこの鋼種が
この様な用途に実績が多く、市販の規格合金粉と
して経済的に入手できること、また一つは、現用
部品を設計(材料)変更する場合、従来と同系統
の材料なら比較的容易に変更できるためである。 本発明に係る焼結合金において、クロムは鉄を
不動態化して耐酸化性を向上させる一方、一部は
クロム硼化物として基地中に分散して耐摩耗性を
改善する。その添加量は16〜18%が適当で、16%
未満では耐酸化性が不足し、18%を超えると粉末
の成形系が劣化する。 ニツケルはオーステナイト生成元素として働き
靭性および耐酸化性を向上させ、またクロムとの
共存で非酸化性に酸に対する耐食性を向上させる
作用があるが12%未満ではその効果が少なく、一
方、15%を超えて増量しても、効果がそれに伴わ
ない。従つて添加量は12〜15%が適当である。 モリブデンは2%以上で基地の強度と耐酸性を
著しく良くするが、3%を超えると炭化物を生成
してオーステナイトを不安定にするため、2〜3
%を適当とする。 ホウ素は硼化物生成元素として添加されるが、
その量が0.4%未満では硼化物の生成量が不充分
なため耐摩耗性が不足し、一方1.8%を超えると
基地中の(硼化しない)クロムが減少する結果、
基地の耐酸化性が低下する。従つて0.4〜1.8%を
適量とする。 炭素は耐蝕性を阻害する作用があり、その量が
0.05%を超えると、高温の環境で使用する場合粒
界腐食による基材の劣化が著しくなる。従つて成
形潤滑剤に由来する分や焼結中の浸炭を含め、炭
素量は0.05%以下に限定される。 実施例 以下本発明を、その実施例について詳細に説明
する。 先ず、基材の原料として、市販のSUS 316L合
金粉末を用意した。この合金粉の組成は重量比で
C…0.03%、Cr…17%、Ni…12%、Mo…2.5%お
よびFe残部で、ほかに不純物として少量のSi、
Mn、P、Sが含まれるが、本発明の目的とする
特性には殆ど影響しないので、これらの不純物に
ついての記述は省略する。なおこの合金粉(以下
基材合金分と呼ぶ。)の粒度は100メツシユ以下で
ある。 また、この基材中に分散させる硼化物の担体と
して、基材と同じ組成でこれに2.5%のホウ素を
追加した合金粉を用意した。ホウ素はこの合金粉
の中で、主にクロム硼化物を形成している。 次にこの合金粉(以下区別のために硼化合金粉
と呼ぶ。)40%と成形潤滑剤のステアリング酸亜
鉛0.8%を基材合金粉に配合して成形圧力6t/cm2
で試験片所定の形状に成形後、温度1180℃の真空
炉で30分間焼結した。得られた試料の焼結密度は
7.2g/cm3である。 かくして得られた試料(発明材)は、オーステ
ナイト基地中に硬さMHv1500〜2000の硼化物相
が斑点状に分散した組織を呈している。ホウ素は
Fe、M0、Niとも硼化物を作ることができるとさ
れているが、分析した結果はクロム硼化物が殆ど
で、モリブデン硼化物が僅かに認められる。 次に比較のため、従来の焼結合金を用いた試料
(従来材1)と鋳鋼の試料(従来材2)とを作製
した。 従来材1は、前記の基材合金粉に組成がM0…
30%、Cr…8.5%、Si…2.5%および残部C0の合金
粉を20%配合し、以下発明材の場合と同様にして
成形・焼結したもので、焼結密度は6.7g/cm3で
あり、オーステナイト基地中に丸味を帯びた形の
金属間化合物がほぼ均一に分散した組織を呈して
いる。 また、従来材2はCr…34%、Mo…2%、Si…
1%、V…2%、C…2%および残部Feの高Cr
系鋳鋼材料で、フエライト基地中に金属炭化物が
均一に分散した組織を呈している。 次に、各試料について熱間における耐酸化性と
耐摩耗性を試験し、その結果を第1表に示した。 耐酸化性は試料を高温の大気中に保持し、酸化
による試料の重量増加の多少により判定される。
試料は直径10mm、厚さ5mmの円板状、加熱温度は
1000℃、保持時間は50時間である。 また耐摩耗性は、950℃のプロパン燃焼ガス中
で回転中の耐熱鋼(SUS 4)の円盤に試料を押
し付け、摩耗速度5cm/secで100m摺動後の試料
と相手部材(円盤)の摩耗量を測定した。
【表】
この結果を見ると、先ず、発明材は重量の増加
率が小さく耐酸化性が優れているが、これは従来
材1に比べて耐熱耐蝕性に寄与するCr、Niの含
有率が高く、高温で酸化しやすいM0は少ないた
めと考えられる。 また対摩耗性は、従来材1は自己の、従来材2
は相手部材の摩耗が多く、それぞれ両部材の総合
で約50μ摩耗しているのに対し、発明材の場合は
個々の摩耗も少なく、総合摩耗量は従来の僅か6
割に過ぎない。これは基地中に分散して対摩耗性
を受け持つ硼化物の硬さや分布状態が適切で、基
地との相性もよいためと考えられる。 ところで、摩耗は相手部材との摺動面に生じる
現象であるから、その表面状態、とくに本発明の
場合は主に基地と硼化物相との比率によつて左右
される。そこでその適正範囲を求めるため、基材
合金粉への硼化合金粉の配合量だけを変化させた
試料を前記の発明材の場合と同様にして作製し、
硼化合金粉の配合量と焼結材の諸特性との関係を
調べた結果を第1図、第2図のグラフに示した。
なお試料の方法および条件は第1表の場合と同様
である。 先ず耐酸化性については、焼結体の加熱による
重量増加は硼化合金粉の配合量が25〜60%の範囲
でほぼ一様に最も少なく、配合量20%未満および
60%を超える範囲で急に増加している。一方、強
度と密接な焼結密度は硼化合金粉の配合量20〜65
%の間でピークを示し、この範囲を離れるにつれ
て低下している。 また対摩耗性については、当該試料自身の摩耗
は硼化合金粉の増量につれて配合量20%までは急
激に、それ以上では緩慢に減少している反面、そ
の相手部材の摩耗は配合量が60%までは緩慢に、
それ以上ではやや急激に増加している。 これらの知見に混合粉の成形性を総合すると、
本発明に係る合金を製造する際の、硼化合金粉の
適正配合量は重量比20〜60%と定められる。 ただし、前述のように本発明は対摩耗性を主眼
とする合金で、摩耗は摺動面の現象であるから、
この合金の特定には原材料の配合比よりも、その
表面ないし任意の断面の組織状態で特定するのが
適切と考えられる。この観点から配合量と組織中
に存在する硼化物相の面積比との対応を見ると、
硼化合金粉の配合量20〜60%は、合金の基地中に
認められる硼化物相の面積比15〜45%に相当す
る。 本発明で使用する硼化合金粉は基材合金の溶湯
にホウ素を添加してアトマイズ法により作られる
ので、添加できるホウ素の量は製法上の理由から
3%が上限となる。また溶湯中のCrを充分硼化
させるため、2%が添加量の下限値となる。 以上に詳述したように、本発明に係る合金では
その基地中に分散して耐摩耗性を受け持つ硬質相
の種類および量と耐熱耐蝕性を受け持つ基材とが
適切に組み合わされ、その相乗効果により、熱間
における総合摩耗が従来材の約6割に過ぎないと
いう、優れた特性を発揮するものである。
率が小さく耐酸化性が優れているが、これは従来
材1に比べて耐熱耐蝕性に寄与するCr、Niの含
有率が高く、高温で酸化しやすいM0は少ないた
めと考えられる。 また対摩耗性は、従来材1は自己の、従来材2
は相手部材の摩耗が多く、それぞれ両部材の総合
で約50μ摩耗しているのに対し、発明材の場合は
個々の摩耗も少なく、総合摩耗量は従来の僅か6
割に過ぎない。これは基地中に分散して対摩耗性
を受け持つ硼化物の硬さや分布状態が適切で、基
地との相性もよいためと考えられる。 ところで、摩耗は相手部材との摺動面に生じる
現象であるから、その表面状態、とくに本発明の
場合は主に基地と硼化物相との比率によつて左右
される。そこでその適正範囲を求めるため、基材
合金粉への硼化合金粉の配合量だけを変化させた
試料を前記の発明材の場合と同様にして作製し、
硼化合金粉の配合量と焼結材の諸特性との関係を
調べた結果を第1図、第2図のグラフに示した。
なお試料の方法および条件は第1表の場合と同様
である。 先ず耐酸化性については、焼結体の加熱による
重量増加は硼化合金粉の配合量が25〜60%の範囲
でほぼ一様に最も少なく、配合量20%未満および
60%を超える範囲で急に増加している。一方、強
度と密接な焼結密度は硼化合金粉の配合量20〜65
%の間でピークを示し、この範囲を離れるにつれ
て低下している。 また対摩耗性については、当該試料自身の摩耗
は硼化合金粉の増量につれて配合量20%までは急
激に、それ以上では緩慢に減少している反面、そ
の相手部材の摩耗は配合量が60%までは緩慢に、
それ以上ではやや急激に増加している。 これらの知見に混合粉の成形性を総合すると、
本発明に係る合金を製造する際の、硼化合金粉の
適正配合量は重量比20〜60%と定められる。 ただし、前述のように本発明は対摩耗性を主眼
とする合金で、摩耗は摺動面の現象であるから、
この合金の特定には原材料の配合比よりも、その
表面ないし任意の断面の組織状態で特定するのが
適切と考えられる。この観点から配合量と組織中
に存在する硼化物相の面積比との対応を見ると、
硼化合金粉の配合量20〜60%は、合金の基地中に
認められる硼化物相の面積比15〜45%に相当す
る。 本発明で使用する硼化合金粉は基材合金の溶湯
にホウ素を添加してアトマイズ法により作られる
ので、添加できるホウ素の量は製法上の理由から
3%が上限となる。また溶湯中のCrを充分硼化
させるため、2%が添加量の下限値となる。 以上に詳述したように、本発明に係る合金では
その基地中に分散して耐摩耗性を受け持つ硬質相
の種類および量と耐熱耐蝕性を受け持つ基材とが
適切に組み合わされ、その相乗効果により、熱間
における総合摩耗が従来材の約6割に過ぎないと
いう、優れた特性を発揮するものである。
第1図は硼化合金粉の配合量と試料の焼結密度
および耐酸化性との関係を示すグラフ、第2図は
同じく試料自身および相手材の耐摩耗性との関係
を示すグラフである。
および耐酸化性との関係を示すグラフ、第2図は
同じく試料自身および相手材の耐摩耗性との関係
を示すグラフである。
Claims (1)
- 1 全体の組成が重量比にてC…0.05%以下、Cr
…16〜18%、Ni…12〜15%、M0…2〜3%、B
…0.4〜1.8%およびFe残部であり、オーステナイ
ト基地中に硼化物の集合相が斑点状に分散析出し
た組織を呈し、且つ組織中に占める硼化物の面積
比が空孔を除く基地の15〜45%であることを特徴
とする耐熱耐摩耗性鉄系焼結合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13858787A JPS63303039A (ja) | 1987-06-02 | 1987-06-02 | 耐熱耐摩耗性鉄系焼結合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13858787A JPS63303039A (ja) | 1987-06-02 | 1987-06-02 | 耐熱耐摩耗性鉄系焼結合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63303039A JPS63303039A (ja) | 1988-12-09 |
JPH0377270B2 true JPH0377270B2 (ja) | 1991-12-10 |
Family
ID=15225598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13858787A Granted JPS63303039A (ja) | 1987-06-02 | 1987-06-02 | 耐熱耐摩耗性鉄系焼結合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63303039A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2354260A (en) * | 1999-07-10 | 2001-03-21 | Univ Bradford | Sintering stainless steels |
-
1987
- 1987-06-02 JP JP13858787A patent/JPS63303039A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63303039A (ja) | 1988-12-09 |
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