JPH0377268B2 - - Google Patents

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JPH0377268B2
JPH0377268B2 JP8544583A JP8544583A JPH0377268B2 JP H0377268 B2 JPH0377268 B2 JP H0377268B2 JP 8544583 A JP8544583 A JP 8544583A JP 8544583 A JP8544583 A JP 8544583A JP H0377268 B2 JPH0377268 B2 JP H0377268B2
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Japan
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temperature
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JP8544583A
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Fujimitsu Masuyama
Takashi Ooguro
Yasutaka Okada
Kunihiko Yoshikawa
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、高温用厚肉部材として使用するの
に好適な、高靭性を有するマルテンサイト系高
Cr鋼に関するものである。 一般に、高速増殖炉等の原子力利用設備、火力
発電設備、或いは一般のボイラ設備等におけるよ
うな高温・高圧の環境下で使用される熱交換チユ
ーブ、配管、継手又はバルブ等の各種部材には、
高い高温強度(クリープ強度)や優れた耐高温酸
化性が要求されることはもちろんのことである
が、同時に、溶接性に優れていることや、熱応力
に起因する事故を誘発することのない十分に小さ
な熱膨張係数であること等も重要な要件とされて
いた。 ところで、従来、このような500〜600℃の高温
で使用される高温用材料として、Crを7〜15%
(以下、%は重量割合とする)含有する高Cr鋼が
知られており、耐高温酸化性に優れていること、
Mo等の合金元素の添加によつて高温強度を一段
と向上できること、熱膨張係数が小さいこと、そ
して価格が比較的低廉であること等の理由から各
方面で広く使用されるようになつてきた。そし
て、例えば、特開昭54−81116号公報にもみられ
るように、高Cr鋼を基本とし、これに特定の合
金元素を添加して所望特性の改善を図つた材料も
多数提案されており、前述のような各種高温設備
の性能や信頼性は一段と向上したものとなつてい
る。 また一方では、このような技術的背景をふま
え、エネルギー需要の目覚しい増大などに対処す
るために前記高温設備の高能率化や大型化が急速
に推進されており、それにともなつて高温用管部
材や継手等に大径厚肉化の要望が強くなされるよ
うにもなつてきたのである。 しかしながら、従来の高Cr系高温用鋼は、例
えば9Cr−1Mo鋼では所定の熱処理の後マルテン
サイト組織を呈するけれども高温強度が低く、ま
た高温強度の高い9Cr−2Mo鋼ではマルテンサイ
ト中にフエライトを含んだ組織を呈するものであ
る。従つて、後者は薄肉管等に使用した場合に良
好な曲げ加工性を示すものではあつたが、厚肉
管、鍛鋼品、或いは鋳造品等の厚肉材として使用
する場合、フエライト量が増加すると所望の強度
を確保することが困難となるほか、特に厚肉材の
場合は長時間の応力除去焼鈍が実施されることが
あり、靭性の一層の向上が強く要求されている。
特に、熱間加工によつて製造される部材の場合に
は、加工方向とこれに直角方向の靭性の差が比較
的大きくなることも明らかとなつた。 本発明者等は、上述のような観点から、まず、
高Cr系高温用厚肉鋼材にみられる前記問題点の
発生原因を究明すべく、数多くの実験・研究を行
つたところ、 (a) 従来の高温強度の高い高Cr系高温用鋼は、
熱処理後の状態でマルテンサイト中に5〜30容
量%程度のフエライトを含有するものであつた
が、厚肉材になると、焼準処理後の冷却速度が
小さくなる上、熱間加工時の加工率を十分に大
きくできないこともあつて、鋼中のフエライト
量が一層増加してしまい、どうしても強度の低
下を招いてしまう、 (b) また、厚肉材は溶接後の応力除去焼鈍を欠か
せないものであるが、フエライト量が増加する
と応力除去焼鈍後に靭性の劣化を来たすことと
なり、その後の高温での長時間使用による脆化
もフエライト量の増加とともに大きくなる、 (c) 特に、熱間加工によつて厚肉材を製造する
と、硬いマルテンサイト相中に存在する軟質の
大きなフエライト相が薄く押し延ばされ、熱間
加工方向に粗大なフエライトが延びた組織を形
成することとなつて材料に異方性が生じ、これ
が加工方向と直角方向の靭性や強度を著しく低
下する原因となる、 との新しい事実を見出したのである。 そこで、本発明者等は、高Cr鋼において、
室温或いは高温での強度を十分に確保し、しか
も応力除去焼鈍後或いは長時間の使用後の靭性
低下を最小限にとどめるには、焼準処理後にお
いてもフエライトを生成することのない、マル
テンサイト単相の成分系を選べば良いとの結論
に達し、高温強度や耐高温酸化性に優れている
ことはもちろんのこと、低熱膨張係数を有し、
廉価であり、しかも良好な靭性をも兼備したマ
ルテンサイト鋼を実現すべく更に研究を重ねた
結果、 (d) Crを7〜15%添加して高温耐酸化性を確保
した鋼のSi含有量を極めて低く抑えるとともに
所定量のNを添加すると、フエライトの生成が
極めて少なくなつて実質的にマルテンサイト単
相の鋼材が得られる上、Si含有量を特定の低い
範囲に調整することで炭化物が微細に分散する
こととなつて炭化物析出に伴う靭性い劣化が防
止され、これらによつて鋼材の靭性が大幅に向
上すること、 (e) Nを添加することによつて、上述のようにフ
エライト量そのものを減らすことができる上、
高温強度も大幅に向上すること、 (f) 更にC含有量を低減すると、応力除去焼鈍や
高温での使用中における炭化物析出量が抑制さ
れて、靭性が一層改善されること、 (g) C含有量低減による強度低下は、マルテンサ
イト単相鋼となることによつて十分にカバーで
きること、 (h) このような高Cr鋼に、所定量のNi,Cu,
Ca,Ma及び希土類元素のうちの1種以上を添
加すると、その靭性がより向上すること、 以上(d)〜(h)に示される如き知見を得るに至つた
のである。 この発明は、上記知見に基づいてなされたもの
であり、高Cr鋼を、 C:0.09%以下、Si:0.01〜0.15%、 Mn:3.0%以下、Cr:7.0〜15.0%、 Mo:3.0以下、N:0.05〜0.15%、 P:0.015%以下、 を含有するとともに、更に必要に応じて、 Ni:1.0%以下、Cu:1.0%以下、 Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、 希土類元素(REM):0.01%以下、 のうちの1種以上をも含み、 Fe及び不可避不純物:残り、 から成る成分組成とすることによつて、靭性が極
めて良好で、高温強度及び高温耐酸化性とも申し
分のないマルテンサイト単相組織鋼とした点に特
徴を有するものである。 なお、この発明の高Cr鋼は、熱間加工によつ
て厚肉品とされたり、或いは鋳造品として使用さ
れることにより、所望の十分な効果が発揮される
ものであるが、従来の高Cr鋼におけるように薄
肉品にまで熱間加工して使用することによつても
良好な結果が得られることは当然のことである。 次に、この発明の鋼において、化学成分の組成
割合を前記の如くに数値限定した理由を説明す
る。 C Cには、フエライト量を低減するとともに常
温並びに高温強度を上昇させる作用があるが、
その含有量が0.09%を越えると、応力除去焼鈍
或いは高温での使用中に炭化物の析出量が多く
なつて靭性を著しく低下させる上、溶接時の高
温割れ感受性をも極端に高くすることから、C
含有量を0.09%以下と定めた。 Si Siは鋼の脱酸に有効な元素として知られてい
るが、その含有量が0.15%を越えるとフエライ
ト量が増加して靭性の劣化を招くこととなる。
そして、Si含有量が0.15%以下の範囲であれ
ば、鋼中の炭化物が微細に分散することとな
り、炭化物析出に伴う靭性劣化も抑制されるこ
とが判明したのである。また、Si含有量は低け
れば低いほど良好な結果が得られ、最近の
AOD又はVODによる鋼の溶製ではSi含有量を
低くしても十分な脱酸が可能となつたが、経済
性を考慮してその下限を0.01%とした。このよ
うなことから、Si含有量を0.01〜0.15%と定め
たのである。 なおSi含有量は0.10%以下であることが好ま
しく、この範囲で炭化物析出に伴う靭性劣化が
顕著に抑制されるものであるが、0.05%以下の
Si含有量の範囲ではその効果は一層顕著にな
る。 Mn Mn成分はオーステナイト生成元素としてフ
エライト量を減少させるのに有効なものである
が、3.0%を越えて含有させると、逆にマルテ
ンサイト部の靭性が劣化するので、Mn含有量
を3.0%以下と定めた。 Cr Cr成分には、鋼の耐酸化性及び高温強度を
改善する作用があるが、その含有量が7.0%未
満では前記作用、特に耐酸化性改善作用に所望
の効果が得られず、他方15.0%を越えて含有さ
せるとフエライト量が急激に増加してもはやど
のような手段を講じてもフエライトを無くする
ことができなくなり、室温での強度並びに靭性
を大幅に劣化することから、Cr含有量を7.0〜
15.0%と定めた。 Mo Mo成分は鋼の強度及び靭性の向上に有効な
元素であるが、MoもCrと同様にフエライト生
成元素であり、3.0%を越えて含有させると多
量にフエライトが生成して靭性低下を招くこと
から、Mo含有量を3.0%以下と定めた。 N N成分には、Cと同様にフエライトの生成を
抑制し、しかも室温及び高温強度を向上する作
用があるが、その含有量が0.05%未満では前記
作用に所望の効果を得ることができない。一
方、N成分はCに比べて、応力除去焼鈍後や高
温での使用による靭性劣化が小さいので比較的
多量の添加が許容されるが、0.15%を越えて含
有させると窒化物が生成して靭性の劣化を招く
こととなる。従つて、N含有量を0.05〜0.15%
と定めた。 P Pは、鋼中に不可避的に随伴される不純物と
して存在するものであり、Crを7〜15%含む
マルテンサイト鋼の高温長時間使用による靭性
低下を加速する元素であるが、その含有量が
0.015%以下になると前記靭性劣化作用が大幅
に緩和されるので、P含有量を0.015%以下と
定めた。 なお、P含有量を0.010%以下に抑えると、
靭性向上効果が一層顕著になることも確認され
た。 Ni,Cu,Ca,Mg、及び希土類元素 これらの元素は、この発明の高Cr鋼に添加
することによつてその靭性を改善する作用があ
るので、鋼の靭性をより向上させる必要がある
場合に1種以上添加されるものであるが、以
下、付属的な効果をも含めて、添加量限定理由
をより詳細に説明する。 ○…

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量割合にて、 C:0.09%以下、Si:0.01〜0.15%、 Mn:3.0%以下、Cr:7.0〜15.0%、 Mo:3.0%以下、N:0.05〜0.15%、 P:0.015%以下、 を含有し、残りがFeとその他の不可避不純物か
    らなる組成を有することを特徴とする、靭性の良
    好なマルテンサイト系高Cr鋼。 2 重量割合にて、 C:0.09%以下、Si:0.01〜0.15%、 Mn:3.0%以下、Cr:7.0〜15.0%、 Mo:3.0%以下、N:0.05〜0.15%、 P:0.015%以下、 を含有し、更に、 Ni:1.0%以下、Cu:1.0%以下、 のうちの1種以上、 を含有し、残りがFeとその他の不可避不純物か
    らなる組成を有することを特徴とする、靭性の良
    好なマルテンサイト系高Cr鋼。 3 重量割合にて、 C:0.09%以下、Si:0.01〜0.15%、 Mn:3.0%以下、Cr:7.0〜15.0%、 Mo:3.0%以下、N:0.05〜0.15%、 P:0.015%以下、 を含有し、更に、 Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、 希土類元素:0.01%以下、 のうちの1種以上、 を含有し、残りがFeとその他の不可避不純物か
    らなる組成を有することを特徴とする、靭性の良
    好なマルテンサイト系高Cr鋼。 4 重量割合にて、 C:0.09%以下、Si:0.01〜0.15%、 Mn:3.0%以下、Cr:7.0〜15.0%、 Mo:3.0%以下、N:0.05〜0.15%、 P:0.015%以下、 を含有し、更に、 Ni:1.0%以下、Cu:1.0%以下、 のうちの1種以上と、 Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、 希土類元素:0.01%以下、 のうちの1種以上、 を含有し、残りがFeとその他の不可避不純物か
    らなる組成を有することを特徴とする、靭性の良
    好なマルテンサイト系高Cr鋼。
JP8544583A 1983-05-16 1983-05-16 靭性の良好なマルテンサイト系高Cr鋼 Granted JPS59211552A (ja)

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JPS59211552A JPS59211552A (ja) 1984-11-30
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US10655195B2 (en) 2015-04-21 2020-05-19 Jfe Steel Corporation Martensitic stainless steel
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