JPH0374157B2 - - Google Patents

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JPH0374157B2
JPH0374157B2 JP28838786A JP28838786A JPH0374157B2 JP H0374157 B2 JPH0374157 B2 JP H0374157B2 JP 28838786 A JP28838786 A JP 28838786A JP 28838786 A JP28838786 A JP 28838786A JP H0374157 B2 JPH0374157 B2 JP H0374157B2
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sewage
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
本発明は担体表面に嫌気性微生物を固定化した
嫌気性固定床を形成する方法に関する。
【従来技術とその問題点】
固定床型廃水処理方法として、酸素を供給し、
担体に付着育成させた好気性微生物からなる生物
膜により廃水を処理する接触酸化法と、酸素を供
給することなく嫌気性菌からなる生物膜を用いて
廃水を処理する嫌気性固定床法がよく知られてい
る。これらのうち、嫌気性固定床法は嫌気性微生
物を育成する適温が30〜37℃または55〜65℃であ
ることから、従来主として温度の高い有機性産業
廃水や、発生する消化ガスを利用して容易に加温
することができる高濃度有機性廃水の処理に用い
られている。 所で近年に至り、5〜30℃の室温近傍の温度領
域で加温せずに、嫌気性固定床法を低濃度有機性
廃水である下水処理に適用する試みがなされるよ
うになつてきた。その主な理由は嫌気性固定床法
は好気性特性に比べてエネルギー消費量が少な
く、余剰汚泥の発生量が少ないなどの点ですぐれ
た特徴をもつているからである。しかしながら、
このようにすぐれた特徴をもつている嫌気性固定
床法も下水処理を行なう場合は下記の短所が指摘
されている。 反応速度が遅いため、生物反応槽の容量が大
きくなる。 処理水質が好気性処理に比べて劣る。 下水処理開始から水質が安定するまでに要す
る期間(以下馴養期間と称する)が0.5〜1年
と長い。 これらの短所のうち、、に関しては微生物
を保持する担体の構造や設置方法などを工夫する
ことにより、改善されつつあるが、の馴養期間
をより短縮するための改善はまだ見られていな
い。 ここで馴養期間について言及すると、嫌気性処
理で馴養時間が長くなるのは、嫌気性微生物、な
かでも主要な役割を果たしているメタン発酵菌の
増殖速度が遅く、特に常温下では好気性微生物の
1/15〜1/20の増殖速度しか示さず、担体表面に生
物膜を形成するためには長い馴養期間を必要とす
るからである。 下水処理の場合、馴養期間が長くなると次のよ
うな問題を生ずる。 (1) 処理能力が小さいため、処理水質の劣る期間
が長くなる。 (2) 所望の処理水質を得るためには、処理装置に
当初設定したより少ない流量で下水を流入せざ
るを得なくなり、残りの下水処理を別途行なわ
ねばならない。 (3) 馴養期間中は処理が不安定であり、正常な状
態を維持することがむつかしい。 このような重大な問題を解決するためには、馴
養期間を短縮させねばならず、従来いくつかの対
策が行なわれているが、その最も代表的なものは
嫌気性固定床内に種汚泥を投入する方法である。
例えば砕石、貝がら、プラスチツク小片などを微
生物担体として生物反応槽内に充填し嫌気性処理
を行なうとき、汚泥の嫌気性消化処理を行なつて
いる下水処理場の消化汚泥を種汚泥として嫌気性
固定床内に少量投入する方法が一般的である。こ
の際種汚泥の濃度は固定床の充填容量を基準とし
ておよそ1000mgDS/程度であつて、種汚泥を
多量に投入することは、担体同志の間隙に汚泥が
堆積し、固定床の目づまりを起こすために行なわ
れないのが普通である。種起泥を投入後は少量の
下水を固定床に流入させ、下水中の有機物を基質
として種汚泥中に含まれていた嫌基性微生物の増
殖、担体への付着および生物膜の形成を促進さ
せ、嫌気性微生物の増加とともに下水の流入量を
増して行くのである。この方法は、下水処理装置
の運転を開始する季節にもよるが、運転開始から
およそ4〜6ケ月で処理が安定すると言われてい
る。しかし、4〜6ケ月を要するのでは、馴養期
間を短縮するという観点からは問題の解決には至
つていない。 またこれとは異なる方法も行なわれている。す
なわち、種汚泥を投入するまでは上記と同様であ
るが、その後直ちに下水処理装置内には下水を流
入することなく、まず高濃度有機性廃水を入れて
嫌気性微生物を増殖させ、次いで下水を流入して
馴養を行ない生物相を調節するという方法であ
る。この方法は有機物濃度の高い環境では微生物
の増殖速度が高まることを利用したものであり、
例えば養豚場廃水などがこのために用いられてい
るが、高濃度有機性廃水による馴養と下水による
馴養の両期間を合わせて、35℃で馴養が完了する
のに約3ケ月かかると言われている。しかし、35
℃という温度は嫌気性微生物を育成するのに極め
て適した温度であつて、通常の水温である15〜30
℃ではこの方法を用いてもやはり4〜6ケ月を要
するものと考えられる。したがつて高濃度有機性
廃水の入手や輸送などの煩わしさを考慮すると、
この方法が前述の場合に比べて決して改善された
ものではなく、馴養期間の短縮の問題は解決され
た訳ではない。 以上のように常温で下水処理を行なう場合の馴
養期間は好気性固定床法では約1ケ月であるのに
対し嫌気性固定床法は4〜6ケ月を要することか
ら、嫌気性固定床のすぐれた特徴を活かし、しか
も馴養期間をさらに短縮することが望まれてい
る。 なお嫌気性固定床法を用いて高温、高濃度の有
機性廃水を処理するときの馴養期間は約2ケ月で
あり、下水処理に比べてかなり短いので比較的問
題は小さいとしても、馴養期間は短い程好ましい
ことから、この場合も尚一層の馴養期間の短縮が
要求されるのは当然である。
【発明の目的】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであ
り、その目的は廃水処理の初期から生物膜が形成
されて、必要な馴養期間が大幅に短縮可能な嫌気
性固定床を形成する方法を提供することにある。
【発明の要点】
本発明は立体網状化学繊維(以下不織布と称す
る)、多孔質セラミツク、スポンジなど多数の細
孔をもつた材料が汚泥保持力にすぐれていること
に着目し、少なくとも表面がこれらの材料からな
る微生物担体を用いて、この微生物担体に嫌気性
微生物を大量に含む汚泥を含浸させ、ついでこの
担体表面および内部に多量の汚泥が保持された状
態で生物反応槽内に設置して、初期から嫌気性微
生物の生物膜を備え固定床とすることにより、生
物膜の形成に必要な馴養期間を大幅に短縮するよ
うにしたものである。
【発明の実施例】
本発明の具体的な実施例を説明する前に、ここ
でまず本発明がなされるに至つた従来とは異なる
基本的な概念について述べる。 その第1は担体に生物膜を形成すること、すな
わち微生物の固定化に関するものである。従来用
いられている例えば塩化ビニールシートのような
表面が比較的平滑な担体では、生物膜が形成され
るためには、微生物がそれ自体から分泌する粘物
質を介して担体に付着していることが必要であ
り、そのため担体表面に生物膜が形成されるまで
にある程度の長い時間がかかるのである。これに
対し、本発明者らは嫌気性微生物の生物膜を短時
間に形成するのに適した担体を得るために種々の
実験を重ねた結果、不織布、多孔質セラミツク、
スポンジなど多数の細孔を有する材料を担体とす
るのが有効であり、これらの担体に嫌気性微生物
を多量に含む消化汚泥を含浸させると、即時に生
物膜状に汚泥が付着することがわかつた。このこ
とは消化汚泥の付着が微生物の分泌する粘物質に
よるのではなく、担体材料の細孔に保持され含浸
状態となつていることと、多量の嫌気性微生物を
含む汚泥を用いたことの相乗的効果に基づくもの
である。本発明者らはこの汚泥含浸担体は空気中
に出しても、水中に浸漬しても担体からの汚泥の
剥離は僅かであり、これら多孔質担体の有する大
きな汚泥保持能力により安定した生物膜が簡単に
形成されることを確認することができた。 従来と異なる概念の第2は嫌気性微生物の性質
に関するものである。従来嫌気性微生物、特にメ
タン発酵菌は酸素に弱く、嫌気性微生物を空気に
曝すことは、生物膜の活性を維持するためには厳
禁とされており、したがつて生物膜が空気に触れ
ないように、担体を水中に浸漬した後、担体表面
に嫌気性生物膜を形成すべきであるというのが定
説となつている。これに対して、本発明者らは微
生物量が多い場合、短時間であれば、生物膜が空
気に触れても大きな問題とはならないとの考察の
下にその実験を行なつた。その結果、本発明者ら
は、前述の嫌気性微生物を多量に含む消化汚泥を
多孔質担体に含浸させて生物膜を形成した場合、
この担体を大気中に取り出し、生物反応槽に設置
した後、生物反応槽内に下水を流入するときに30
分程度の短時間であれば放置しても生物膜の活性
は十分に維持されることを確認している。 以上のごとく本発明者らは微生物の固定化や対
酸素についての全く新しい概念、すなわち生物膜
の形成は嫌気性微生物から分泌される粘物質に依
存することなく、また形成された生物膜は微生物
の保持状態によつては短時間大気中に放置するこ
とも可能であるという二つの事実を基調として本
発明を遂行することができたものである。 以下本発明を具体的な実施例に基づき説明す
る。 はじめに多孔質担体、これに含浸する汚泥とそ
の方法について述べる。本発明に適した多孔質担
体としては不織布、多孔質セラミツク、スポンジ
などがある。不織布にも種々のタイプのものがあ
るが、例えばフエルトのように繊維密度の高いも
のより、フイルターなどに用いられる空隙率90%
以上を有するものの方が好ましく、その材質は化
学繊維が適切である。多孔質セラミツクは見掛け
の気孔率が70〜80%であつて、直径0.3〜2.0mm程
度の細孔をもつセラミツクを用いるものがよい。
スポンジも孔径は0.3〜2.0mm程度が望ましく、例
えば一般家庭で広く使用されている洗浄用スポン
ジなどが好適である。これら多孔質材料を微生物
担体として用いるときの厚さは2〜10mmとする。
厚さが2mm以下では後に含浸する汚泥を安定状態
に保持することができなくなり、10mmを超える
と、担体深部まで含浸された汚泥が廃水の浄化作
用にあまり寄与しなくなるからである。担体の
縦、横寸法は生物反応槽の大きさなどに関連して
実状に則して定めればよい。担体に含浸する汚泥
は含水率96〜99.5%程度のものとするのがよい。
含水率がこれより高すぎると担体中での汚泥の保
持力が低下し、含水率がこれより低すぎると汚泥
が担体細孔に浸入しにくくなる。使用する汚泥の
種類は処理すべき廃水と同質の廃水の嫌気性処理
を行なつている生物反応槽の汚泥が最も適してお
り、下水処理の場合は下水汚泥の消化処理を行な
つている槽の消化汚泥が適切であり、人手も容易
である。汚泥を含浸する方法はタンクに満たした
汚泥の中に担体を数分間浸漬するのが最も容易で
確実であるが、その他にも汚泥をスプレーで担体
に吹きつけるか、もしくははけを用いて汚泥を塗
布するなども有効である。 このようにして不織布を担体として汚泥を含浸
した結果を第1表に示す。
【表】 第1表は含水率96.1%を有する下水処理場消化
汚泥を用いて厚さの異なる4種の不織布に含浸し
たときの汚泥保持量を示したものである。第1表
の結果から消化汚泥を0.6〜0.7g/cm3程度保持で
きることがわかる。 以上のごとく汚泥を含浸させた担体の状態を第
1図に模式断面図で示した。第1図において不織
布1に保持されている含浸汚泥2の表面は凹凸状
を呈しており、不織布1の表面のは必ずしもその
位置が一致していない。不織布1の目の大きさが
粗いほどこの凹凸は顕著になる。 次に本発明により得られた嫌気性固定床を用い
た実験装置により、廃水処理を行なつた結果につ
いて述べるが、この実験は比較のため従来法も行
なつているのでこれについても言及する。 実験装置に用いた生物反応槽は全容積84、固
定床となる担体充填部の容積45の角型の透明塩
化ビニール製であり、この実験装置に付随するそ
の他の装置や部材については説明を省略する。 まず本発明に用いた微生物担体について第2図
および第3図を参照して説明する。第2図は担体
3を複数個一定の間隔を保つて互いに対向するよ
うに配列固定して立方体状に組み立てたものの部
分断面図であり、第3図は同じく部分斜視図であ
る。第2図、第3図とも共通部分を同一符号で表
わしてある。両図において個々の担体3は塩化ビ
ニール製の基板4とその表裏両面に接着された不
織布5とからなつており、各担体3の間にスペー
サ6を挿入し、これを貫通するボルト7を両端か
らナツト8により固定するが、そのときボルト7
の両端部は押さえ板9を介在させてナツト8を締
める。スペーサ6の形状は長手方向にボルト7の
貫通孔を有する三角柱とする。スペーサ6の三角
柱の頂点が上に位置するようにし、押さえ板9も
第3図のごとく三角板として頂点を上にするのは
スペーサ6や押さえ板9の上に廃水処理中の汚泥
がここに堆積することなく落ちやすくするための
配慮である。各担体3に使われる不織布5の厚さ
は6mm、立法体に組み立てる各担体3のピツチは
30mmとした。 この立方体状に組み立てた担体に含浸する汚泥
は下水処理場消化槽の消化汚泥であり、廃水は下
水を用い水温を30℃として以下の実験を行なつ
た。立方体状担体を含水率96.1%の上記汚泥中に
浸漬した後、これを引き上げ生物反応槽内に設置
して固定床とし、生物反応槽に静かに下水を満た
す。このとき固定床容積当たりの汚泥濃度は第1
表に示した実験結果および立方体状担体から計算
して6000〜7000mgDS/と推定される。その後
少量の下水を添加しつつ消化ガス発生量を測定し
た。 一方、比較すべき従来法の担体は、一般に広く
用いられている波型の塩化ビニールシートを18mm
ピツチで配列したタイプである。種汚泥は本発明
の場合にも用いた下水処理場消化槽の消化汚泥と
し、これを目づまりしないように固定床容積当た
り約800mgDS/を投入して生物反応槽内を間欠
的に撹拌する。水温も本発明の場合と同様30℃で
ある。その結果汚泥は塩化ビニール波板の凹面に
沈降し、担体への固定化が始まつたので少量の下
水を添加しつつ消化ガス発生量を測定した。 得られた実験結果を第4図に示す。第4図は横
軸を水処理の稼動日数、縦軸を消化ガス発生量と
してこれらの関係をプロツトした線図であり、曲
線イは本発明を表わし、曲線ロは従来法を表わし
ている。消化ガス発生量は嫌気性処理の状況を示
す代表的な指標であるが第4図に見られるように
ある程度水質が安定したと見られる約3日目以降
では消化ガス発生量は曲線ロ、すなわち従来は
0.3〜0.5/日であるのに対し、曲線イ、すなわ
ち本発明を適用することより消化ガス発生量は2
〜2.5/日となりほぼ6倍の値が得られる。こ
のことは本発明の場合初期状態が極めて効果的に
行なわれていることを実証するものである。なお
本発明における処理能力はスタートから15日経過
後に固定床容積基準滞留時間36時間で早くも
COD除去率50%以上を示し、極めて順調に遂行
されており、また汚泥を含浸した担体を設置した
後、下水を満たした時に汚泥の剥離は比較的少な
いことも観察されている。これらの実験結果から
本発明により得られた嫌気性固定床を用いて行な
う下水処理は従来に比べて馴養期間を大幅に短縮
するものであることが明らかとなつた。 以上の実験では本発明の方法を適用する担体に
不織布を用いた場合で説明したが、不織布の代わ
りに多孔質セラミツクもしくはスボンジなどを用
いても同様の効果が得られることも明らかであ
る。 さらに以下本発明により得られる嫌気性固定床
を実プラントの廃水処理装置に適用するときの手
順について述べる。第5図は実プラントの生物反
応槽と汚泥タンクを説明するための模式断面図を
示したものである。第5図において、下水は漏斗
状の生物反応槽10の側壁の一部を貫通する流入
管11を通つて生物反応槽10内の沈澱領域Aに
供給され、ここで浮遊性固形物の一部が除去され
て固定床14a,14bを通過した後、処理水と
して排水管12から流出する。沈澱領域Aの下
方、生物反応槽10の底部には、廃水中の固形物
および固定床14a,14bから剥離した微生物
が堆積汚泥19となつてたまつてくるので、これ
を引抜管13から適宜取り出す。15a,15b
はそれぞれ固定床14a,14bを安定に設置す
るためのサポートである。なお生物反応槽10の
上端開口部は蓋をして塞いでおくのが普通である
が第5図では便宜上図示を省略してある。 固定床14a,14bを生物反応槽10内に設
置するには次のようにして行なう。生物反応槽1
0とは別に置かれている汚泥タンク16には下水
処理場嫌気性消化槽から採取した嫌気性消化汚泥
17を満たしてあり、この中に例えば第2図、第
3図に示した形状を有する担体18を浸漬して汚
泥17を含浸させる。嫌気性消化汚泥17を分浸
させた担体18は、順次図示してないクレーンに
より生物反応槽10内に搬送し、固定床14aと
して所定数サポート15aを介して設置する。次
に同様に嫌気性消化汚泥17を含浸させた担体1
8を、固定床14bとして既に配設されている固
定床14aの上方にサポート15bを介して設置
するが、このとき流入管11から導入される下水
はサポート15bのある水位Lまで満たしてお
く。すなわち固定床14aに含浸されている嫌気
性微生物が剥離するのを保護し、長時間空気に触
れるのを防ぐために、下水を上向流で水位Lまで
満たし、その水位Lのままで固定床14bの設置
を行なうのである。少量の堆積汚泥19は主とし
て固定床14aから剥離したものである。なお点
線で示した固定床14bの位置すべき個所には担
体18が一点鎖線で示した経路でクレーンにより
運搬され設置されることを各担体の搬送経路の一
例として示したものである。このように本発明に
よる固定床14a,14bはいずれも短時間では
あるが大気中に曝されるにも拘らず、多孔質担体
に多量の消化汚泥を含浸させているめに生物膜の
活性が十分に維持されるという特徴がよく活かさ
れている。 かくして固定床14bの設置が完了した後、下
水をすみやかに排水管12のレベルまで満たし
て、図示してない蓋で生物反応槽10をカバー
し、馴養運転が始まるのである。 なお固定床14a,14bは第2図、第3図に
示したような一定の形状を有することなく、例え
ば多孔質セラミツクの小片を多数ランダム積層し
た形態のものでもよいが、その場合は一定量を耐
食性のネツトで包み、これを嫌気性消化汚泥17
に浸漬した後引きあげて生物反応槽10内へ運
搬、設置するのがよい。また下水は生物反応槽1
0の上端開口部から注入することもできるが、こ
のようにすると下水流の衝撃を受けて固定床14
a,14bに含浸保持されている消化汚泥の一部
が剥離しやすくなるので、前述のごとく下水は生
物反応槽10の下方側壁を通して注入する方が好
ましい。さらに下水は固定床14a,14bを設
置する以前に当初から生物反応槽10内の排水管
12のレベルまで満たしておくことも可能である
が、これでは固定床14a,14bを設置すると
きの作業性が悪くなるので実用的ではない。本実
施例では固定床を14aと14bの2段として説
明したが、固定床は実状に応じて所望の段数に定
めればよいことは勿論であり、担体18に消化汚
泥17を含浸させるのは浸漬のほかにスプレーや
塗布などの方法を用いてもなんら差し支えないこ
とは前述した通りである。したがつて消化汚泥1
7の含浸は担体18をまず生物反応槽10内に設
置した後、スプレーにより行なうことも可能であ
る。 以上説明してきたように、本発明により得られ
る嫌気性固定床を実プラントにおける生物反応槽
に設置するときは、下水処理を行なうことが極め
て容易であるばかりでなく、下水処理の初期にお
ける馴養期間が短縮されるという大きな利点をも
つものであり、さらに下水処理のほかにも食品工
場排水など産業廃水の処理に適用しても同様の効
果が得られるものである。
【発明の効果】
従来嫌気性固定床による廃水処理は、常温では
好気性固定床に比べて馴養期間が非常に長いとい
う問題があるにもかかわらず、有効な対策が実現
されていなかつたのに対し、本発明では実施例で
説明したように、、微生物保持能力の大きい多孔
質材料を担体として用いるときは、嫌気性微生物
から分泌する粘物質による担体への付着力に依存
することなく生物膜の形成が可能であることと、
この担体に高濃度汚泥を含浸保持させれば、すみ
やかに生物膜を形成し、しかも短時間大気中に放
置しても微生物の活性は失われることがないとい
う新しい着想に基づき、少なくとも主表面が不織
布などのような多孔質材料からなる担体を用い
て、廃水中に浸漬される直前にこの担体に嫌気性
微生物を多量に含む嫌気性消化汚泥を含浸させて
これを固定床として使用したために、この固定床
は生物反応槽内でははじめから多量の嫌気性微生
物をもつているから、増殖速度の遅い嫌気性微生
物の馴養に要する期間を大幅に短縮することが容
易に可能となり、その結果処理水質の向上に寄与
する所が極めて大きいというすぐれた効果が得ら
れるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いられる汚泥含浸担体の模
式断面図、第2図は本発明に用いられる担体構造
の一例を示した部分断面図、第3図は同じく部分
斜視図、第4図は本発明により得られる固定床を
用いた実験装置の稼動日数と消化ガス発生量の関
係を従来法との比較で示した線図、第5図は本発
明により得られる固定床を実装置に適用したとき
の手順と作用を説明するための生物反応槽と汚泥
タンクの模式断面図である。 1,5:不織布、2:含浸汚泥、3,18:担
体、4:基板、10:生物反応槽、11:流入
管、12:排水管、13:引抜管、14a,14
b:固定床、15a,15b:サポート、16:
汚泥タンク、17:嫌気性消化汚泥、19:堆積
汚泥。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 保持された嫌気性微生物により廃水を浄化す
    る担体からなり、生物反応槽内の廃水中に浸漬し
    て用いられる嫌気性固定床を形成するに際して、
    担体として少なくとも主表面が多孔質材料からな
    るものを用いて、廃水中に浸漬される直前にこの
    担体に別途用意した嫌気性微生物を含む汚泥を含
    浸し嫌気性微生物を固定化することを特徴とする
    嫌気性固定床の形成方法。 2 特許請求の範囲第1項記載の方法において、
    多孔質材料は不織布もしくはセラミツクであるこ
    とを特徴とする嫌気性固定床の形成方法。 3 特許請求の範囲第1項記載の方法において、
    汚泥として嫌気性消化汚泥を用いることを特徴と
    する嫌気性固定床の形成方法。 4 特許請求の範囲第1項記載の方法において、
    含浸は汚泥中に担体を浸漬して行なうことを特徴
    とする嫌気性固定床の形成方法。
JP61288387A 1986-12-03 1986-12-03 嫌気性固定床の形成方法 Granted JPS63141697A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61288387A JPS63141697A (ja) 1986-12-03 1986-12-03 嫌気性固定床の形成方法

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JPS63141697A JPS63141697A (ja) 1988-06-14
JPH0374157B2 true JPH0374157B2 (ja) 1991-11-26

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ID=17729540

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JP61288387A Granted JPS63141697A (ja) 1986-12-03 1986-12-03 嫌気性固定床の形成方法

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