JP4161124B2 - 生物的硝化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水族館や陸上養殖施設の循環水あるいは飼育排水中のアンモニア態窒素および亜硝酸態窒素を低減するための生物的硝化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水族館および陸上養殖施設においては、魚類等飼育生物の排泄物、残餌に由来するSS(浮遊懸濁物質)、アンモニア態窒素その他によって水質が著しく悪化する。水質悪化により飼育魚類に悪影響が生じるため、閉鎖循環式の水族館、および陸上養殖施設においては水処理が必要となる。SSは砂濾過槽等で分離・除去され、アンモニアおよびそれが酸化された亜硝酸は砂濾過槽内の砂や、硝化槽内の担体に付着したアンモニア酸化細菌、および亜硝酸酸化細菌の働きにより硝化され硝酸となる。しかし、これらの硝化細菌は独立栄養細菌であり、増殖が極めて遅く、濾過槽や硝化槽が安定した硝化能力を示すようになるには数週間を要する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
アンモニア態窒素が存在する海水を循環させることで自然発生的に濾過槽内の担体表面に硝化細菌が増殖し、それらが利用されている。これ以外にも市販の硝化細菌を循環水に添加することでそれを助長させる方法も用いられているが、大幅な時間短縮には至っていない。
【0004】
一方、現場では、硝化能力が安定化する前にやむを得ず展示魚の搬入が行われることがあり、展示魚の搬入量がその時点での硝化能力を上回った場合、循環水中のアンモニア、亜硝酸濃度が魚類の許容量を超え、弊害が生じることがある。
【0005】
また、硝化細菌は独立栄養細菌であるため、有機物としてのSS等がその増殖に悪影響を与え、硝化能力の律速となるという報告もある反面、水族館の砂濾過槽や循環経路における増殖の場合は、硝化細菌は有機物に依存する従属栄養細菌と共存することで、より高い硝化能を示すという報告もある。
【0006】
このように、硝化細菌は閉鎖循環システムにおける水の浄化の上で非常に重要な役割を果たしているが、まだその利用方法には検討すべき課題が多い。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑み、安定した硝化能力を示す新規構成の生物的硝化装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による生物的硝化装置は、水族館や陸上養殖施設の循環水あるいは飼育排水中のアンモニア態窒素および亜硝酸態窒素を低減するための生物的硝化装置であって、水中に比重1以下の好気性独立栄養細菌付着担体を含み、底部に散気装置を備えてなり、該担体は粒径3〜10mmの天然軽石または発泡コンクリート軽石であり、該好気性独立栄養細菌付着担体は、有機ポリマーの溶液に種菌を懸濁させ、得られた懸濁液を前記軽石担体と混合して、得られた混合物を凍結させた後、室温に戻すことにより、該有機ポリマーを該軽石担体表面にコーティングしてゲル化させることで担体上へ細菌を接種・固定化させたものであることを特徴とするものである。
【0010】
また、好気性独立栄養細菌付着担体は、有機ポリマーの溶液に種菌を懸濁させ、該有機ポリマーを担体表面にコーティングしてゲル化させることで担体上へ細菌を接種・固定化させたものであることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
多孔質で鉱物質の軽石担体は細砂と同じく硝化細菌の付着に適している。また担体自体が水に浮くことで、特に構造的工夫をしなくても収容槽を立体的に効率よく利用できるほか、曝気だけによる撹拌効率も良く好気的条件が必要な硝化細菌の増殖に非常に適している。砂濾過槽の場合のように、濾過砂の表層を中心に硝化能力があり、深部の砂は硝化にはあまり貢献していないといった現象も見られない。また、目詰まりやそれに伴う有機物の蓄積による増殖阻害、或いは部分的な嫌気条件の発生も回避できる。
【0012】
本発明を実際の水族館および陸上養殖施設の循環式水槽で実施する場合は、軽石担体の一部をアンモニア態窒素約200mg/リットル以下を添加した循環装置内で前培養し、これに硝化細菌を予め付着させておく。得られた種担体を実際の循環式水槽内の硝化装置に前述の軽石担体とともに収容する。担体の量、硝化槽の容量、および数量は飼育水槽に収容される魚類等の数量から予測される総アンモニア態窒素量より決定する。
【0013】
硝化槽1m3 あたりの軽石担体の量は0.3〜0.5m3 であり、同担体1m3 あたりの硝化能力は約200〜300gNH3 −N/dayである。これに対し、本来はSSの除去を主目的とした砂濾過槽の二次的機能である硝化能力は細砂2〜3m3 あたり、約150gNH3 −N/dayとされている。これにより、従来よりも非常にコンパクトな容量での硝化処理が可能となり、砂濾過槽で見られるような淡水による逆洗後の硝化能力の低下(洗浄前の1/5〜1/10、回復まで4〜5日を要す)を回避することができる。一方、空き領域となる硝化槽底部にサンゴ石を随時適量敷き詰める。これは、pHコントロールおよび硝化細菌の付着担体として槽内を最大限利用する役割も同時に果たす。
【0014】
また種担体の量を増やすことで硝化能の立ち上げを早めたり、ポリビニルアルコール(PVA)等の高分子ポリマーの溶液に、無機培地上で別途培養した種菌(純粋株、混合株は用途に応じて選択可能)を懸濁させ、PVAを軽石担体表面にコーティングしてゲル化させることで、担体上への細菌の接種・固定化そして増殖を促進させることも可能である。この菌体包接ゲルのコーティングは、細菌の接種・増殖の促進効果に加えて、物理的衝撃により菌体が担体から剥離するのを防止したり、独立栄養細菌の阻害要因である有機物から細菌を保護する効果も示す。以上の方法により硝化能力の安定化、調整が容易になり、硝化だけを目的とした簡便で安価な生物的処理装置を構築することができる。この発明により、硝化も兼ねていた砂濾過装置はSS除去だけを目的として、よりシンプルで安価なプロテインスキマー等に代替可能となり、濾過、硝化、そして脱窒に至る水処理システムをよりコンパクトに設計することができるようになる。
【0015】
本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0016】
実施例1
魚の飼育水槽から出る飼育排水の処理フローを図1に示す。処理すべき飼育排水は、魚の飼育水槽(1) から砂濾過装置(2) 、あるいはプロテインスキマー等を通過し、これらでSS除去が行われた後、原水として硝化槽(3) 内にポンプ(4) により給送する。硝化槽(3) の底部に設置された散気装置(5) により槽内の軽石担体(6) と排水が撹拌される。(9) は散気装置(5) のエアポンプ、(10)は硝化槽(3) の底部に敷き詰めたサンゴ石である。
【0017】
硝化は以下の反応式により好気的条件下で行われる。
【0018】
NH4 + +3/2O2 →NO2 +H2O+2H+ +39.5kcal
NO2 − +1/2O2 →NO3 +21.6kcal
【0019】
曝気量は、硝化槽(3) のサイズ、担体の量により変動するが、1m3 容量の硝化槽(3) に0.5m3 の軽石担体を投入した場合、50〜200リットル/minが好ましい。
【0020】
硝化槽(3) から出る処理水は、一部は直接、残部は脱窒装置(7) を経由して、ポンプ(8) によって飼育水槽(1) へ循環される。
【0021】
実施例2(軽石担体表面への細菌の接種・固定化)
200mlの蒸留水または0.3重量%の人工海水(いずれも表1に示す硝化細菌用ATCC培地を含む)に、高重合度(重合度2000以上)のPVA10gを入れ、90℃前後に加熱して完全に溶解させた後、得られた溶液を室温まで冷却する。この溶液20mlに、別途に無機培地で培養しておいた硝化細菌を2〜4×108 /mlになるよう懸濁させる。得られた懸濁液を粒径約5mmの軽石担体200cm3 と混合して、得られた混合物を−80℃で20分間凍結させた後、室温に戻す。このようにして軽石担体表面にPVAをコーティングしてゲル化させることで、担体上への細菌の接種・固定化する。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、安定した硝化能力を示す生物的硝化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】魚の飼育水槽から出る飼育排水の処理フローを示すフローシートである。
【符号の説明】
(1) :魚の飼育水槽
(2) :砂濾過装置
(3) :硝化槽
(5) :散気装置
(6) :軽石担体
(7) :脱窒装置
Claims (1)
- 水族館や陸上養殖施設の循環水あるいは飼育排水中のアンモニア態窒素および亜硝酸態窒素を低減するための生物的硝化装置であって、水中に比重1以下の好気性独立栄養細菌付着担体を含み、底部に散気装置を備えてなり、該担体は粒径3〜10mmの天然軽石または発泡コンクリート軽石であり、該好気性独立栄養細菌付着担体は、有機ポリマーの溶液に種菌を懸濁させ、得られた懸濁液を前記軽石担体と混合して、得られた混合物を凍結させた後、室温に戻すことにより、該有機ポリマーを該軽石担体表面にコーティングしてゲル化させることで担体上へ細菌を接種・固定化させたものであることを特徴とする生物的硝化装置。
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