JPS63141697A - 嫌気性固定床の形成方法 - Google Patents
嫌気性固定床の形成方法Info
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- JPS63141697A JPS63141697A JP61288387A JP28838786A JPS63141697A JP S63141697 A JPS63141697 A JP S63141697A JP 61288387 A JP61288387 A JP 61288387A JP 28838786 A JP28838786 A JP 28838786A JP S63141697 A JPS63141697 A JP S63141697A
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- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
Landscapes
- Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
- Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
本発明は担体表面に嫌気性微生物を固定化した嫌気性固
定床を形成する方法に関する。
定床を形成する方法に関する。
固定床型廃水処理方法として、酸素を供給し、担体に付
着育成させた好気性微生物からなる生物膜により廃水を
処理する接触酸化法と、酸素を供給することなく嫌気性
菌からなる生物膜を用いて廃水を処理する嫌気性固定床
法がよく知られている。これらのうち、嫌気性固定床法
は嫌気性微生物を育成する適温が30〜37℃または5
5〜65℃であることから、従来上として温度の高い有
機性産業廃水や、発生する消化ガスを利用して容易に加
温することができる高濃度有機性廃水の処理に用いられ
ている。 所で近年に至り、5〜30℃の室温近傍の温度領域で加
温せずに、嫌気性固定床法を低4度有機性廃水である下
水処理に適用する試みがなされるようになってきた。そ
の主な理由は嫌気性固定床法は好気性処理に比べてエネ
ルギー消費量が少なく、余剰汚泥の発生量が少ないなど
の点ですぐれた特徴をもっているからである。しかしな
がら、このようにすぐれた特徴をもっている嫌気性固定
床法も下水処1を行なう場合は下記の短所が指摘されて
いる。 ■反応速度が遅いため、生物反応槽の容量が大きくなる
。 ■処理水質が好気性処理に比べて劣る。 ■下水処理開始から水質が安定するまでに要する期間(
以下馴養期間と称する)が0.5〜1年と長い。 これらの短所のうち、■、■に関しては微生物・を保持
する担体の構造や設置方法などを工夫することにより、
改善されつつあるが、■の馴養期間をより短縮するため
の改善はまだ見られていない。 ここで馴養期間について言及すると、嫌気性処理で馴養
期間が長くなるのは、嫌気性微生物、なかでも主要な役
割を果たしているメタン発酵菌の増殖速度が遅く、特に
常温下では好気性微生物のl/15〜l/20の増殖速
度しか示さず、担体表面に生物膜を形成するためには長
い馴養期間を必要とするからである。 下水処理の場合、馴養期間が長くなると次のような問題
を生ずる。 +11処理能力が小さいため、処理水質の劣る期間が長
くなる。 (2)所望の処理水質を得るt9めには、処理装置に当
初設定したより少ない流量で下水を流入せざるを得なく
なり、残りの下水処理を別途行なわねばならない。 (3)馴養期間中は処理が不安定であり、正常な状態を
維持することがむつかしい。 このような重大な問題を解決するためには、馴養期間を
短縮させねばならず、従来いくつかの対策が行なわれて
いるが、その最も代表的なものは嫌気性固定床内に種汚
泥を投入する方法である。 例えば砕石、貝から、プラスチック小片などを微生物を
旦体として生物反応槽内に充填し嫌気性処理を行なうと
き、汚泥の嫌気性消化処理を行なっている下水処理場の
消化汚泥を種汚泥として嫌気性固定床内に少量投入する
方法が一般的である。この際種汚泥の濃度は固定床の充
填容量を基準としておよそ1000100O/ 1程度
であって、種汚泥を多量に投入することは、担体同志の
間隙に汚泥が堆積し、固定床の目づまりを起こすため行
なわれないのが昔通である0種汚泥を投入後は少量の下
水を固定床に流入させ、下水中の有機物を基質として種
汚泥中に含まれていた嫌気性微生物の増殖。 担体への付着および生物膜の形成を促進させ、嫌気性微
生物の増加とともに下水の流入量を増して行くのである
。この方法は、下水処理装置の運転を開始する季節にも
よるが、運転開始からおよそ4〜6ケ月で処理が安定す
ると言われている。しかし、4〜6ケ月を要するのでは
、馴養期間を短縮するという観点からは問題の解決には
至っていない。 またこれとは異なる方法も行なわれている。すなわち、
種汚泥を投入するまでは上記と同様であるが、その後直
ちに下水処理装置内には下水を流入することなく、まず
高濃度有機性廃水を入れて嫌気性微生物を増殖させ、次
いで下水を流入して馴養を行ない生物相を調節するとい
う方法である。 この方法は有機物濃度の高い環境では微生物の増殖速度
が高まることを利用したものであり、例えば養豚場廃水
などがこのために用いられているが、高濃度有機性廃水
による馴養と下水による馴養の雨期間を合わせて、35
℃で馴養が完了するのに約3ケ月かかると言われている
。しかし、35℃という温度は嫌気性微生物を育成する
のに極めて適した温度であって、通常の水温である15
〜30℃ではこの方法を用いてもやはり4〜6ケ月を嬰
するものと考えられる。したがって高濃度有機性廃水の
入手や輸送などの煩わしさを考慮すると、この方法が前
述の場合に比べて決して改善されたもので・はなり、g
l養期間の短縮の問題は解決された訳ではない。 以上のように常温で下水処理を行なう場合の馴・養期間
は好気性固定床法では約1ケ月であるのに対し嫌気性固
定床法は4〜6ケ月を要することがら、嫌気性固定床の
すぐれた特徴を活かし、しかも馴養期間をさらに短縮す
ることが望まれている。 なお嫌気性固定床法を用いて高温、高濃度の打機性廃水
を処理するときの馴養期間は約2ケ月であり、下水処理
に比べてかなり短いので比較的問題は小さいとしても、
馴養期間は短い程好ましいことから、この場合も尚一層
の馴養期間の短縮が要求されるのは当然である。
着育成させた好気性微生物からなる生物膜により廃水を
処理する接触酸化法と、酸素を供給することなく嫌気性
菌からなる生物膜を用いて廃水を処理する嫌気性固定床
法がよく知られている。これらのうち、嫌気性固定床法
は嫌気性微生物を育成する適温が30〜37℃または5
5〜65℃であることから、従来上として温度の高い有
機性産業廃水や、発生する消化ガスを利用して容易に加
温することができる高濃度有機性廃水の処理に用いられ
ている。 所で近年に至り、5〜30℃の室温近傍の温度領域で加
温せずに、嫌気性固定床法を低4度有機性廃水である下
水処理に適用する試みがなされるようになってきた。そ
の主な理由は嫌気性固定床法は好気性処理に比べてエネ
ルギー消費量が少なく、余剰汚泥の発生量が少ないなど
の点ですぐれた特徴をもっているからである。しかしな
がら、このようにすぐれた特徴をもっている嫌気性固定
床法も下水処1を行なう場合は下記の短所が指摘されて
いる。 ■反応速度が遅いため、生物反応槽の容量が大きくなる
。 ■処理水質が好気性処理に比べて劣る。 ■下水処理開始から水質が安定するまでに要する期間(
以下馴養期間と称する)が0.5〜1年と長い。 これらの短所のうち、■、■に関しては微生物・を保持
する担体の構造や設置方法などを工夫することにより、
改善されつつあるが、■の馴養期間をより短縮するため
の改善はまだ見られていない。 ここで馴養期間について言及すると、嫌気性処理で馴養
期間が長くなるのは、嫌気性微生物、なかでも主要な役
割を果たしているメタン発酵菌の増殖速度が遅く、特に
常温下では好気性微生物のl/15〜l/20の増殖速
度しか示さず、担体表面に生物膜を形成するためには長
い馴養期間を必要とするからである。 下水処理の場合、馴養期間が長くなると次のような問題
を生ずる。 +11処理能力が小さいため、処理水質の劣る期間が長
くなる。 (2)所望の処理水質を得るt9めには、処理装置に当
初設定したより少ない流量で下水を流入せざるを得なく
なり、残りの下水処理を別途行なわねばならない。 (3)馴養期間中は処理が不安定であり、正常な状態を
維持することがむつかしい。 このような重大な問題を解決するためには、馴養期間を
短縮させねばならず、従来いくつかの対策が行なわれて
いるが、その最も代表的なものは嫌気性固定床内に種汚
泥を投入する方法である。 例えば砕石、貝から、プラスチック小片などを微生物を
旦体として生物反応槽内に充填し嫌気性処理を行なうと
き、汚泥の嫌気性消化処理を行なっている下水処理場の
消化汚泥を種汚泥として嫌気性固定床内に少量投入する
方法が一般的である。この際種汚泥の濃度は固定床の充
填容量を基準としておよそ1000100O/ 1程度
であって、種汚泥を多量に投入することは、担体同志の
間隙に汚泥が堆積し、固定床の目づまりを起こすため行
なわれないのが昔通である0種汚泥を投入後は少量の下
水を固定床に流入させ、下水中の有機物を基質として種
汚泥中に含まれていた嫌気性微生物の増殖。 担体への付着および生物膜の形成を促進させ、嫌気性微
生物の増加とともに下水の流入量を増して行くのである
。この方法は、下水処理装置の運転を開始する季節にも
よるが、運転開始からおよそ4〜6ケ月で処理が安定す
ると言われている。しかし、4〜6ケ月を要するのでは
、馴養期間を短縮するという観点からは問題の解決には
至っていない。 またこれとは異なる方法も行なわれている。すなわち、
種汚泥を投入するまでは上記と同様であるが、その後直
ちに下水処理装置内には下水を流入することなく、まず
高濃度有機性廃水を入れて嫌気性微生物を増殖させ、次
いで下水を流入して馴養を行ない生物相を調節するとい
う方法である。 この方法は有機物濃度の高い環境では微生物の増殖速度
が高まることを利用したものであり、例えば養豚場廃水
などがこのために用いられているが、高濃度有機性廃水
による馴養と下水による馴養の雨期間を合わせて、35
℃で馴養が完了するのに約3ケ月かかると言われている
。しかし、35℃という温度は嫌気性微生物を育成する
のに極めて適した温度であって、通常の水温である15
〜30℃ではこの方法を用いてもやはり4〜6ケ月を嬰
するものと考えられる。したがって高濃度有機性廃水の
入手や輸送などの煩わしさを考慮すると、この方法が前
述の場合に比べて決して改善されたもので・はなり、g
l養期間の短縮の問題は解決された訳ではない。 以上のように常温で下水処理を行なう場合の馴・養期間
は好気性固定床法では約1ケ月であるのに対し嫌気性固
定床法は4〜6ケ月を要することがら、嫌気性固定床の
すぐれた特徴を活かし、しかも馴養期間をさらに短縮す
ることが望まれている。 なお嫌気性固定床法を用いて高温、高濃度の打機性廃水
を処理するときの馴養期間は約2ケ月であり、下水処理
に比べてかなり短いので比較的問題は小さいとしても、
馴養期間は短い程好ましいことから、この場合も尚一層
の馴養期間の短縮が要求されるのは当然である。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目
的は廃水処理の初期から生物膜が形成されて、必要な馴
養期間が大幅に短縮可能な嫌気性固定床を形成する方法
を提供することにある。
的は廃水処理の初期から生物膜が形成されて、必要な馴
養期間が大幅に短縮可能な嫌気性固定床を形成する方法
を提供することにある。
本発明は立体網状化学繊維(以下不織布と称する)、多
孔質セラミック、スポンジなど多数の細孔をもった材料
が汚泥保持力にすぐれていることに着目し、少なくとも
表面がこれらの材料からなる微生物担体を用いて、この
微生物担体に嫌気性微生物を大量に含む汚泥を含浸させ
、ついでこの担体表面および内部に多量の汚泥が保持さ
れた状態で生物反応槽内に設置して、初期から嫌気性微
生物の生物膜を備えた固定床とすることにより、生物膜
の形成に必要な馴養期間を大幅に短縮するようにしたも
のである。
孔質セラミック、スポンジなど多数の細孔をもった材料
が汚泥保持力にすぐれていることに着目し、少なくとも
表面がこれらの材料からなる微生物担体を用いて、この
微生物担体に嫌気性微生物を大量に含む汚泥を含浸させ
、ついでこの担体表面および内部に多量の汚泥が保持さ
れた状態で生物反応槽内に設置して、初期から嫌気性微
生物の生物膜を備えた固定床とすることにより、生物膜
の形成に必要な馴養期間を大幅に短縮するようにしたも
のである。
本発明の具体的な実施例を説明する前に、ここでまず本
発明がなされるに至った従来とは異なる基本的な概念に
ついて述べる。 その第1は担体に生物膜を形成すること、すなわち微生
物の固定化に関するものである。従来用いられている例
えば塩化ビニールシートのような表面が比較的平滑な担
体では、生物膜が形成されるためには、微生物がそれ自
体から分泌する粘物質を介して担体に付着していること
が必要であり、そのため担体表面に生物膜が形成される
までにあ・る程度の長い時間がかかるのである。これに
対し、本発明者らは嫌気性微生物の生物膜を短時間に形
成するのに適した担体を得るために種々の実験を重ねた
結果、不織布、多孔質セラミック、スポンジなど多数の
細孔を有する材料を担体とするのが有効であり、これら
の担体に嫌気性微生物を多量に含む消化汚泥を含浸させ
ると、即時に生物膜状、に汚泥が付着することがわかっ
た。このことは消化汚泥の付着が微生物の分泌する粘物
質によるのではなく、担体材料の細孔に保持されて含浸
状態となっていることと、多量の嫌気性微生物を含む汚
泥を用いたことの相乗的効果に基づ(ものである。本発
明者らはこの汚泥含浸担体は空気中に出しても、水中に
浸漬しても、担体からの汚泥の剥離は僅かであり、これ
ら多孔質担体の有する大きな汚泥保持能力により安定し
た生物膜が簡単に形成されることを確認することができ
た。 従来と異なる概念の第2は嫌気性微生物の性質に関する
ものである。従来嫌気性微生物、特にメタン発酵菌は酸
素に弱く、嫌気性微生物を空気に曝すことは、生物膜の
活性を維持するためには厳禁とされており、したがって
生物膜が空気に触れないように、担体を水中に浸漬した
後、担体表面に嫌気性生物膜を形成すべきであるという
のが定説となっている。これに対して、本発明者らは微
生物量が多い場合、短時間であれば、生物膜が空気に触
れても大きな問題とはならないとの考察の下にその実験
を行なった。その結果、本発明者らは、前述の嫌気性微
生物を多量に含む消化汚泥を多孔質担体に含浸させて生
物膜を形成した場合、この担体を大気中に取り出し、生
物反応槽に設置した後、生物反応槽内に下水を流入する
ときに30分程度の短時間であれば放置しても生物膜の
活性は十分に維持されることを確認している。 以上のごとく本発明者らは微生物の固定化や対酸素につ
いての全く新しい概念、すなわち生物膜の形成は嫌気性
微生物から分泌される粘物質に依存することなく、また
形成された生物膜は微生物の保持状態によっては短時間
大気中に放置することも可能であるという二つの事実を
基調として本発明を遂行することができたものである。 以下本発明を具体的な実施例に基づき説明する。 はじめに多孔質担体、これに含浸する汚泥とその方法に
ついて述べる0本発明に通した多孔質阻体としては不織
布、多孔質セラミック、スポンジなどがある。不織布に
も種々のタイプのものがあるが、例えばフェルトのよう
に繊維密度の高いものより、フィルターなどに用いられ
る空隙率90%以上を有するものの方が好ましく、その
材質は化学繊維が適切である。多孔質セラミックは見掛
けの気孔率が70〜80%であって、直径0.3〜2.
0fi程度の細孔をもつセラミックを用いるのがよい。 スポンジも孔径は0.3〜2.ON程度が望ましく、例
えば一般家庭で広く使用されている洗浄用スポンジなど
が好適である。これら多孔質材料を微生物担体として用
いるときの厚さは2〜10mとする。 厚さが2@−以下では後に含浸する汚泥を安定状態に保
持することができなくなり、10flを超えると、担体
深部まで含浸された汚泥が廃水の浄化作用にあまり寄与
しなくなるからである。担体の縦、横寸法は生物反応槽
の大きさなどに関連して実状に則して定めればよい、担
体に含浸する汚泥は含水率96〜99.5%程度のもの
とするのがよい、含水率がこれより高すぎると担体中で
の汚泥の保持力が低下し、含水率がこれより低すぎると
汚泥が担体細孔に浸入しにくくなる。使用する汚泥の種
類は処理すべき廃水と同質の、廃水の嫌気性処理を行な
っている生物反応槽の汚泥が最も適しており、下水処理
の場合は下水汚泥の消化処理を行なっている槽の消化汚
泥が適切であり、入手も容易である。 汚泥を含浸する方法はタンクに満たした汚泥の中に担体
を数分間浸漬するのが最も容易で確実であるが、その他
にも汚泥をスプレーで担体に吹きつけるか、もしくはは
けを用いて汚泥を塗布するなども有効である。 このようにして不織布を担体として汚泥を含浸した結果
を第1表に示す。 第1表 第1表は含水率96,1%を有する下水処理場消化汚泥
を用いて厚さの異なる4種の不織布に含浸したときの汚
泥保持量を示したものである。第1表の結果から消化汚
泥を0.6〜0.7 g7cm3程度保持できることが
わかる。 以上のごとく汚泥を含浸させた担体の状態を第1図に模
式断面図で示した。第1図において不織布1に保持され
ている含浸汚泥2の表面は凹凸状を呈しており、不織布
1の表面とは必ずしもその位置が一致していない、不織
布1の目の大きさが粗いほどこの凹凸は顕著になる。 次に本発明により得られた嫌気性固定床を用いた実験装
置により、廃水処理を行なった結果について述べるが、
この実験は比較のために従来法も行なっているのでこれ
についても言及する。 実験装置に用いた生物反応槽は全容積841.固定床と
なる担体充填部の容積45fの角型の透明塩化ビニール
製であり、この実験装置に付随するその他の装置や部材
については説明を省略する。 まず本発明に用いた微生物担体について第2図および第
3図を参照して説明する。第2図は担体3を複数個一定
の間隔を保って互いに対向するように配列固定して立方
体状に組み立てたものの部分断面図であり、第3図は同
じく部分斜視図である。第2図、第3図とも共通部分を
同一符号で表わしである0両図において個々の担体3は
塩化ビニール製の基板4とその表裏両面に接着された不
織布5とからなっており、各担体3の間にスペーサ6を
挿入し、これを貫通するボルト7を両端からナンド8に
より固定するが、そのときボルト70両端部は押さえ板
9を介在させてナフト8を締める。スペーサ6の形状は
長手方向にボルト7の貫通孔を有する三角柱とする。ス
ペーサ6の三角柱の頂点が上に位置するようにし、押さ
え仮9も第3図のごとく三角板として頂点を上にするの
はスペー、す6や押さえ板9の上に廃水処理中の汚泥が
ここに堆積することなく落ちやすくするための配慮であ
る。各担体3に使われる不織布5の厚さは6龍、立方体
に組み立てる各担体3のピンチは30璽真とした。 この立方体状に組み立てた担体に含浸する汚泥は下水処
理場消化槽の消化汚泥であり、廃水は下水を用い水温を
30℃として以下の実験を行なった。 立方体状担体を含水率96.1%の上記汚泥中に浸漬し
た後、これを引き上げ生物反応槽内に設置して固定床と
し、生物反応槽に静かに下水を満たす。 このとき固定床容積当たりの汚泥濃度は第1表に示した
実験結果および立方体状担体から計算して6000〜1
000100O/ lと推定される。その後少量の下水
を添加しつつ消化ガス発生量を測定した。 一方、比較すべき従来法の担体は、−Cに広く。 用いられている波型の塩化ビニールシートを18flピ
ツチで配列したタイプである0種汚泥は本発明の場合に
も用いた下水処理場消化槽の消化汚泥とし、これを目づ
まりしないように固定床容積当たり約800yggDS
/ 1を投入して生物反応槽内を間欠的に攪拌する。水
温も本発明の場合と同様30℃である。その結果汚泥は
塩化ビニール波板の凹面に沈降し、担体への固定化が始
まったので少量の下水を添加しつつ消化ガス発生量を測
定した。 得られた実験結果を第4図に示す、第4図は横軸を水処
理の稼動日数、縦軸を消化ガス発生量としてこれらの関
係をプロットした線図であり、曲線イは本発明を表わし
、曲線口は従来法を表わしている。消化ガス発生量は嫌
気性処理の状況を示す代表的な指標であるが第4図に見
られるようにある程度水質が安定したと見られる約3日
月以降では消化ガス発生量は曲線口、すなわち従来は0
.3〜0.517日であるのに対し、曲線イ、すなわち
本発明を適用することにより消化ガス発生量は2〜2.
!1M/日となりほぼ6倍の値が得られる。 このことは本発明の場合初期状態が極めて効果的に行な
われていることを実証するものである。なお本発明にお
ける処理能力はスタートから15日経過後に固定床容積
基準滞留時間36時間で早くもCOD除去率50%以上
を示し、極めて順調に遂行されており、また汚泥を含浸
した担体を設置した後、下水を満たした時に汚泥の剥離
は比較的少ないこ、とも観察されている。これらの実験
結果から本発明により得られた嫌気性固定床を用いて行
なう下水処理は従来に比べて馴11JI間を大幅に短縮
するものであることが明らかとなった。 以上の実験では本発明の方法を適用する担体に不織布を
用いた場合で説明したが、不織布の代わりに多孔質セラ
ミックもしくはスポンジなどを用いても同様の効果が得
られることも明らかである。 さらに以下本発明により得られる嫌気性固定床を実プラ
ントの廃水処理装置に通用するときの手順について述べ
る。第5図は実プラントの生物反応槽と汚泥タンクを説
明するための模式断面図を示したものである。第5図に
おいて、下水は漏斗杖の生物反応槽lOの側壁の一部を
貫通する流入管11を通って生物反応槽10内の沈澱領
域Aに供給され、ここで浮遊性固形物の一部が除去され
て固定床14a、 14bを通過した後、処理水として
排水管12から流出する。沈澱領域Aの下方、生物反応
槽10の底部には、廃水中の固形物および固定床14a
、14bから剥離した微生物が堆積汚泥19となってた
まってくるので、これを引抜管13から適宜取り出す。 15a、15bはそれぞれ固定床14a、 14bを安
定に設置するためのサポートである。なお生物反応槽1
0の上端開口部は蓋をして塞いでおくのが普通であるが
第5図では便宜上図示を省略しである。 固定床14a、14bを生物反応!!10内に設置する
には次のようにして行なう、生物反応槽10とは別に置
かれている汚泥タンク16には下水処理場嫌気性消化槽
から採取した嫌気性消化汚泥17を満たしてあり、この
中に例えば第2図、第3図に示した形状を有する担体1
8を浸漬して汚泥17を含浸させる。 嫌気性消化汚泥17を含浸させた担体18は、順次図示
してないクレーンにより生物反応槽10内に搬送し、固
定床14aとして所定数をサポート15aを介して設置
する0次に同様に嫌気性消化汚泥17を含浸させた担体
18を、固定床14bとして既に配設されている固定床
14aの上方にサポート15bを介して設置するが、こ
のとき流入管11から導入される下水はサポート15b
のある水位りまで満たしておく、すなわち固定床14a
に含浸されている嫌気性微生物が剥離するのを保護し、
長時間空気に触れるのを防ぐために、下水を上向流で水
位りまで満たし、その水位りのままで固定床14bの設
置を行なうのである。少量の堆積汚泥19は主として固
定床14aから剥離したものである。なお点線で示した
固定床14bの位置すべき個所には担体18が一点鎖線
で示した経路でクレーンにより運搬され設置されること
を各担体の搬送経路の一例として示したものである。こ
のように本発明による固定床14a。 14bはいずれも短時間ではあるが大気中に曝されるに
も拘らず、多孔質担体に多量の消化汚泥を含浸させてい
るために生物膜の活性が十分に維持されるという特徴が
よく活かされている。 かくして固定床14bの設置が完了した後、下水をすみ
やかに排水管12のレベルまで満たして、図示してない
蓋で生物反応槽10をカバーし、馴養運転が始まるので
ある。 なお固定床14a、 14bは第2図、第3図に示した
ような一定の形状を有することなく、例えば多孔質セラ
ミックの小片を多数ランダムに積層した形態のものでも
よいが、その場合は一定量を耐食性のネットで包み、こ
れを嫌気性消化汚泥17に浸漬した後引きあげて生物反
応槽lO内へ運搬、設置するのがよい、また下水は生物
反応槽10の上端開口部から注入することもできるが、
このようにすると下水流の衝撃を受けて固定床14a、
14bに含浸保持されている消化汚泥の一部が剥離し
やすくなるので、前述のごとく下水は生物反応槽10の
下方側壁を通して注入する方が好ましい、さらに下水は
固定床14a、 14bを設置する以前に当初から生物
反応槽】0内の排水管12のレベルまで満たしておくこ
とも可能であるが、これでは固定床14a、14bを設
置するときの作業性が悪くなるので実用的ではない0本
実施例では固定床を14aと14bの2段として説明し
たが、固定床は実状に応じて所望の段数に定めればよい
ことは勿論であり、担体18に消化汚泥17を含浸させ
るのは浸漬のほかにスプレーや塗布などの方法を用いて
もなんら差し支えないことは前述した通りである。した
がって消化汚泥17の含浸は担体18をまず生物反応槽
10内に設置した後、スプレーにより行なうことも可能
である。 以上説明してきたように、本発明により得られる嫌気性
固定床を実プラントにおける生物反応槽に設置するとき
は、下水処理を行なうことが極めて容易であるばかりで
なく、下水処理の初期における馴養期間が短縮されると
いう大きな利点をもつものであり、さらに下水処理のほ
かにも食品工場廃水など産業廃水の処理に適用しても同
様の効果が得られるものである。
発明がなされるに至った従来とは異なる基本的な概念に
ついて述べる。 その第1は担体に生物膜を形成すること、すなわち微生
物の固定化に関するものである。従来用いられている例
えば塩化ビニールシートのような表面が比較的平滑な担
体では、生物膜が形成されるためには、微生物がそれ自
体から分泌する粘物質を介して担体に付着していること
が必要であり、そのため担体表面に生物膜が形成される
までにあ・る程度の長い時間がかかるのである。これに
対し、本発明者らは嫌気性微生物の生物膜を短時間に形
成するのに適した担体を得るために種々の実験を重ねた
結果、不織布、多孔質セラミック、スポンジなど多数の
細孔を有する材料を担体とするのが有効であり、これら
の担体に嫌気性微生物を多量に含む消化汚泥を含浸させ
ると、即時に生物膜状、に汚泥が付着することがわかっ
た。このことは消化汚泥の付着が微生物の分泌する粘物
質によるのではなく、担体材料の細孔に保持されて含浸
状態となっていることと、多量の嫌気性微生物を含む汚
泥を用いたことの相乗的効果に基づ(ものである。本発
明者らはこの汚泥含浸担体は空気中に出しても、水中に
浸漬しても、担体からの汚泥の剥離は僅かであり、これ
ら多孔質担体の有する大きな汚泥保持能力により安定し
た生物膜が簡単に形成されることを確認することができ
た。 従来と異なる概念の第2は嫌気性微生物の性質に関する
ものである。従来嫌気性微生物、特にメタン発酵菌は酸
素に弱く、嫌気性微生物を空気に曝すことは、生物膜の
活性を維持するためには厳禁とされており、したがって
生物膜が空気に触れないように、担体を水中に浸漬した
後、担体表面に嫌気性生物膜を形成すべきであるという
のが定説となっている。これに対して、本発明者らは微
生物量が多い場合、短時間であれば、生物膜が空気に触
れても大きな問題とはならないとの考察の下にその実験
を行なった。その結果、本発明者らは、前述の嫌気性微
生物を多量に含む消化汚泥を多孔質担体に含浸させて生
物膜を形成した場合、この担体を大気中に取り出し、生
物反応槽に設置した後、生物反応槽内に下水を流入する
ときに30分程度の短時間であれば放置しても生物膜の
活性は十分に維持されることを確認している。 以上のごとく本発明者らは微生物の固定化や対酸素につ
いての全く新しい概念、すなわち生物膜の形成は嫌気性
微生物から分泌される粘物質に依存することなく、また
形成された生物膜は微生物の保持状態によっては短時間
大気中に放置することも可能であるという二つの事実を
基調として本発明を遂行することができたものである。 以下本発明を具体的な実施例に基づき説明する。 はじめに多孔質担体、これに含浸する汚泥とその方法に
ついて述べる0本発明に通した多孔質阻体としては不織
布、多孔質セラミック、スポンジなどがある。不織布に
も種々のタイプのものがあるが、例えばフェルトのよう
に繊維密度の高いものより、フィルターなどに用いられ
る空隙率90%以上を有するものの方が好ましく、その
材質は化学繊維が適切である。多孔質セラミックは見掛
けの気孔率が70〜80%であって、直径0.3〜2.
0fi程度の細孔をもつセラミックを用いるのがよい。 スポンジも孔径は0.3〜2.ON程度が望ましく、例
えば一般家庭で広く使用されている洗浄用スポンジなど
が好適である。これら多孔質材料を微生物担体として用
いるときの厚さは2〜10mとする。 厚さが2@−以下では後に含浸する汚泥を安定状態に保
持することができなくなり、10flを超えると、担体
深部まで含浸された汚泥が廃水の浄化作用にあまり寄与
しなくなるからである。担体の縦、横寸法は生物反応槽
の大きさなどに関連して実状に則して定めればよい、担
体に含浸する汚泥は含水率96〜99.5%程度のもの
とするのがよい、含水率がこれより高すぎると担体中で
の汚泥の保持力が低下し、含水率がこれより低すぎると
汚泥が担体細孔に浸入しにくくなる。使用する汚泥の種
類は処理すべき廃水と同質の、廃水の嫌気性処理を行な
っている生物反応槽の汚泥が最も適しており、下水処理
の場合は下水汚泥の消化処理を行なっている槽の消化汚
泥が適切であり、入手も容易である。 汚泥を含浸する方法はタンクに満たした汚泥の中に担体
を数分間浸漬するのが最も容易で確実であるが、その他
にも汚泥をスプレーで担体に吹きつけるか、もしくはは
けを用いて汚泥を塗布するなども有効である。 このようにして不織布を担体として汚泥を含浸した結果
を第1表に示す。 第1表 第1表は含水率96,1%を有する下水処理場消化汚泥
を用いて厚さの異なる4種の不織布に含浸したときの汚
泥保持量を示したものである。第1表の結果から消化汚
泥を0.6〜0.7 g7cm3程度保持できることが
わかる。 以上のごとく汚泥を含浸させた担体の状態を第1図に模
式断面図で示した。第1図において不織布1に保持され
ている含浸汚泥2の表面は凹凸状を呈しており、不織布
1の表面とは必ずしもその位置が一致していない、不織
布1の目の大きさが粗いほどこの凹凸は顕著になる。 次に本発明により得られた嫌気性固定床を用いた実験装
置により、廃水処理を行なった結果について述べるが、
この実験は比較のために従来法も行なっているのでこれ
についても言及する。 実験装置に用いた生物反応槽は全容積841.固定床と
なる担体充填部の容積45fの角型の透明塩化ビニール
製であり、この実験装置に付随するその他の装置や部材
については説明を省略する。 まず本発明に用いた微生物担体について第2図および第
3図を参照して説明する。第2図は担体3を複数個一定
の間隔を保って互いに対向するように配列固定して立方
体状に組み立てたものの部分断面図であり、第3図は同
じく部分斜視図である。第2図、第3図とも共通部分を
同一符号で表わしである0両図において個々の担体3は
塩化ビニール製の基板4とその表裏両面に接着された不
織布5とからなっており、各担体3の間にスペーサ6を
挿入し、これを貫通するボルト7を両端からナンド8に
より固定するが、そのときボルト70両端部は押さえ板
9を介在させてナフト8を締める。スペーサ6の形状は
長手方向にボルト7の貫通孔を有する三角柱とする。ス
ペーサ6の三角柱の頂点が上に位置するようにし、押さ
え仮9も第3図のごとく三角板として頂点を上にするの
はスペー、す6や押さえ板9の上に廃水処理中の汚泥が
ここに堆積することなく落ちやすくするための配慮であ
る。各担体3に使われる不織布5の厚さは6龍、立方体
に組み立てる各担体3のピンチは30璽真とした。 この立方体状に組み立てた担体に含浸する汚泥は下水処
理場消化槽の消化汚泥であり、廃水は下水を用い水温を
30℃として以下の実験を行なった。 立方体状担体を含水率96.1%の上記汚泥中に浸漬し
た後、これを引き上げ生物反応槽内に設置して固定床と
し、生物反応槽に静かに下水を満たす。 このとき固定床容積当たりの汚泥濃度は第1表に示した
実験結果および立方体状担体から計算して6000〜1
000100O/ lと推定される。その後少量の下水
を添加しつつ消化ガス発生量を測定した。 一方、比較すべき従来法の担体は、−Cに広く。 用いられている波型の塩化ビニールシートを18flピ
ツチで配列したタイプである0種汚泥は本発明の場合に
も用いた下水処理場消化槽の消化汚泥とし、これを目づ
まりしないように固定床容積当たり約800yggDS
/ 1を投入して生物反応槽内を間欠的に攪拌する。水
温も本発明の場合と同様30℃である。その結果汚泥は
塩化ビニール波板の凹面に沈降し、担体への固定化が始
まったので少量の下水を添加しつつ消化ガス発生量を測
定した。 得られた実験結果を第4図に示す、第4図は横軸を水処
理の稼動日数、縦軸を消化ガス発生量としてこれらの関
係をプロットした線図であり、曲線イは本発明を表わし
、曲線口は従来法を表わしている。消化ガス発生量は嫌
気性処理の状況を示す代表的な指標であるが第4図に見
られるようにある程度水質が安定したと見られる約3日
月以降では消化ガス発生量は曲線口、すなわち従来は0
.3〜0.517日であるのに対し、曲線イ、すなわち
本発明を適用することにより消化ガス発生量は2〜2.
!1M/日となりほぼ6倍の値が得られる。 このことは本発明の場合初期状態が極めて効果的に行な
われていることを実証するものである。なお本発明にお
ける処理能力はスタートから15日経過後に固定床容積
基準滞留時間36時間で早くもCOD除去率50%以上
を示し、極めて順調に遂行されており、また汚泥を含浸
した担体を設置した後、下水を満たした時に汚泥の剥離
は比較的少ないこ、とも観察されている。これらの実験
結果から本発明により得られた嫌気性固定床を用いて行
なう下水処理は従来に比べて馴11JI間を大幅に短縮
するものであることが明らかとなった。 以上の実験では本発明の方法を適用する担体に不織布を
用いた場合で説明したが、不織布の代わりに多孔質セラ
ミックもしくはスポンジなどを用いても同様の効果が得
られることも明らかである。 さらに以下本発明により得られる嫌気性固定床を実プラ
ントの廃水処理装置に通用するときの手順について述べ
る。第5図は実プラントの生物反応槽と汚泥タンクを説
明するための模式断面図を示したものである。第5図に
おいて、下水は漏斗杖の生物反応槽lOの側壁の一部を
貫通する流入管11を通って生物反応槽10内の沈澱領
域Aに供給され、ここで浮遊性固形物の一部が除去され
て固定床14a、 14bを通過した後、処理水として
排水管12から流出する。沈澱領域Aの下方、生物反応
槽10の底部には、廃水中の固形物および固定床14a
、14bから剥離した微生物が堆積汚泥19となってた
まってくるので、これを引抜管13から適宜取り出す。 15a、15bはそれぞれ固定床14a、 14bを安
定に設置するためのサポートである。なお生物反応槽1
0の上端開口部は蓋をして塞いでおくのが普通であるが
第5図では便宜上図示を省略しである。 固定床14a、14bを生物反応!!10内に設置する
には次のようにして行なう、生物反応槽10とは別に置
かれている汚泥タンク16には下水処理場嫌気性消化槽
から採取した嫌気性消化汚泥17を満たしてあり、この
中に例えば第2図、第3図に示した形状を有する担体1
8を浸漬して汚泥17を含浸させる。 嫌気性消化汚泥17を含浸させた担体18は、順次図示
してないクレーンにより生物反応槽10内に搬送し、固
定床14aとして所定数をサポート15aを介して設置
する0次に同様に嫌気性消化汚泥17を含浸させた担体
18を、固定床14bとして既に配設されている固定床
14aの上方にサポート15bを介して設置するが、こ
のとき流入管11から導入される下水はサポート15b
のある水位りまで満たしておく、すなわち固定床14a
に含浸されている嫌気性微生物が剥離するのを保護し、
長時間空気に触れるのを防ぐために、下水を上向流で水
位りまで満たし、その水位りのままで固定床14bの設
置を行なうのである。少量の堆積汚泥19は主として固
定床14aから剥離したものである。なお点線で示した
固定床14bの位置すべき個所には担体18が一点鎖線
で示した経路でクレーンにより運搬され設置されること
を各担体の搬送経路の一例として示したものである。こ
のように本発明による固定床14a。 14bはいずれも短時間ではあるが大気中に曝されるに
も拘らず、多孔質担体に多量の消化汚泥を含浸させてい
るために生物膜の活性が十分に維持されるという特徴が
よく活かされている。 かくして固定床14bの設置が完了した後、下水をすみ
やかに排水管12のレベルまで満たして、図示してない
蓋で生物反応槽10をカバーし、馴養運転が始まるので
ある。 なお固定床14a、 14bは第2図、第3図に示した
ような一定の形状を有することなく、例えば多孔質セラ
ミックの小片を多数ランダムに積層した形態のものでも
よいが、その場合は一定量を耐食性のネットで包み、こ
れを嫌気性消化汚泥17に浸漬した後引きあげて生物反
応槽lO内へ運搬、設置するのがよい、また下水は生物
反応槽10の上端開口部から注入することもできるが、
このようにすると下水流の衝撃を受けて固定床14a、
14bに含浸保持されている消化汚泥の一部が剥離し
やすくなるので、前述のごとく下水は生物反応槽10の
下方側壁を通して注入する方が好ましい、さらに下水は
固定床14a、 14bを設置する以前に当初から生物
反応槽】0内の排水管12のレベルまで満たしておくこ
とも可能であるが、これでは固定床14a、14bを設
置するときの作業性が悪くなるので実用的ではない0本
実施例では固定床を14aと14bの2段として説明し
たが、固定床は実状に応じて所望の段数に定めればよい
ことは勿論であり、担体18に消化汚泥17を含浸させ
るのは浸漬のほかにスプレーや塗布などの方法を用いて
もなんら差し支えないことは前述した通りである。した
がって消化汚泥17の含浸は担体18をまず生物反応槽
10内に設置した後、スプレーにより行なうことも可能
である。 以上説明してきたように、本発明により得られる嫌気性
固定床を実プラントにおける生物反応槽に設置するとき
は、下水処理を行なうことが極めて容易であるばかりで
なく、下水処理の初期における馴養期間が短縮されると
いう大きな利点をもつものであり、さらに下水処理のほ
かにも食品工場廃水など産業廃水の処理に適用しても同
様の効果が得られるものである。
従来嫌気性固定床による廃水処理は、常温では好気性固
定床に比べて馴養期間が非常に長いという問題があるに
もかかわらず、有効な対策が実現されていなかったのに
対し、本発明では実施例で説明したように、微生物保持
能力の大きい多孔質材料をt旦体として用いるときは、
嫌気性微生物から分泌する粘物質による担体への付着力
に依存することなく生物膜の形成が可能であるというこ
とと、この担体に高(度汚泥を含浸保持させれば、すみ
やかに生物膜を形成し、しかも短時間大気中に放置して
も微生物の活性は失われることがないという新しい着想
に基づき、少なくとも主表面が不織布などのような多孔
質材料からなる担体を用・いて、廃水中に浸漬される直
前にこの担体に嫌気性微生物を多量に含む嫌気性消化汚
泥を含浸させてこれを固定床として使用したために、こ
の固定床は生物反応槽内でははしめから多量の嫌気性微
生物をもっているから、増殖速度の遅い嫌気性微生物の
馴養に要する期間を大幅に短縮することが容易に可能と
なり、その結果処理水質の向上に寄与する所が極めて大
きいというすぐれた効果が得られるものである。
定床に比べて馴養期間が非常に長いという問題があるに
もかかわらず、有効な対策が実現されていなかったのに
対し、本発明では実施例で説明したように、微生物保持
能力の大きい多孔質材料をt旦体として用いるときは、
嫌気性微生物から分泌する粘物質による担体への付着力
に依存することなく生物膜の形成が可能であるというこ
とと、この担体に高(度汚泥を含浸保持させれば、すみ
やかに生物膜を形成し、しかも短時間大気中に放置して
も微生物の活性は失われることがないという新しい着想
に基づき、少なくとも主表面が不織布などのような多孔
質材料からなる担体を用・いて、廃水中に浸漬される直
前にこの担体に嫌気性微生物を多量に含む嫌気性消化汚
泥を含浸させてこれを固定床として使用したために、こ
の固定床は生物反応槽内でははしめから多量の嫌気性微
生物をもっているから、増殖速度の遅い嫌気性微生物の
馴養に要する期間を大幅に短縮することが容易に可能と
なり、その結果処理水質の向上に寄与する所が極めて大
きいというすぐれた効果が得られるものである。
第1図は本発明に用いられる汚泥含浸担体の模式断面図
、第2図は本発明に用いられる担体構造の一例を示した
部分断面図、第3図は同しく部分斜視図、第4図は本発
明により得られる固定床を用いた実験装置の稼動日数と
消化ガス発生量の関係を従来法との比較で示した線図、
第5図は本発明により得られる固定床を実装置に適用し
たときの手順と作用を説明するための生物反応槽と汚泥
タンクの模式断面図である。 1.5:不織布、2:含浸汚泥、3.18:担体、4:
基板、lO:生物反応槽、lに流入管、12;徘水管、
13:引抜管、14a、 14b :固定床、15a、
15b :サポート、16:汚泥タンク、17:嫌気
性消化汚泥、19:堆積汚泥。 181図 第2図 第3図
、第2図は本発明に用いられる担体構造の一例を示した
部分断面図、第3図は同しく部分斜視図、第4図は本発
明により得られる固定床を用いた実験装置の稼動日数と
消化ガス発生量の関係を従来法との比較で示した線図、
第5図は本発明により得られる固定床を実装置に適用し
たときの手順と作用を説明するための生物反応槽と汚泥
タンクの模式断面図である。 1.5:不織布、2:含浸汚泥、3.18:担体、4:
基板、lO:生物反応槽、lに流入管、12;徘水管、
13:引抜管、14a、 14b :固定床、15a、
15b :サポート、16:汚泥タンク、17:嫌気
性消化汚泥、19:堆積汚泥。 181図 第2図 第3図
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1)保持された嫌気性微生物により廃水を浄化する担体
からなり、生物反応槽内の廃水中に浸漬して用いられる
嫌気性固定床を形成するに際して、担体として少なくと
も主表面が多孔質材料からなるものを用いて、廃水中に
浸漬される直前にこの担体に別途用意した嫌気性微生物
を含む汚泥を含浸し嫌気性微生物を固定化することを特
徴とする嫌気性固定床の形成方法。 2)特許請求の範囲第1項記載の方法において、多孔質
材料は不織布もしくはセラミックであることを特徴とす
る嫌気性固定床の形成方法。 3)特許請求の範囲第1項記載の方法において、汚泥と
して嫌気性消化汚泥を用いることを特徴とする嫌気性固
定床の形成方法。 4)特許請求の範囲第1項記載の方法において、含浸は
汚泥中に担体を浸漬して行なうことを特徴とする嫌気性
固定床の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61288387A JPS63141697A (ja) | 1986-12-03 | 1986-12-03 | 嫌気性固定床の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61288387A JPS63141697A (ja) | 1986-12-03 | 1986-12-03 | 嫌気性固定床の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63141697A true JPS63141697A (ja) | 1988-06-14 |
JPH0374157B2 JPH0374157B2 (ja) | 1991-11-26 |
Family
ID=17729540
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61288387A Granted JPS63141697A (ja) | 1986-12-03 | 1986-12-03 | 嫌気性固定床の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS63141697A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63189399U (ja) * | 1987-05-26 | 1988-12-06 | ||
JPH0239877A (ja) * | 1988-07-29 | 1990-02-08 | Kirin Brewery Co Ltd | 連続多孔セラミック担体を用いたバイオリアクタ |
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