JPH0370644B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、サンバイザ本体がほぼ方形の輪郭を
有し、かつ２つの主面の一方に切欠きを有し、該
切欠きには箱形のケーシングが嵌込まれており、
該ケーシングが、片面に鏡を備えた蓋を枢着・支
持している形式の、自動車用のサンバイザに関す
るものである。

従来の技術 ドイツ連邦共和国特許第2703447号明細書には、
サンバイザ本体に埋込まれた鏡と、該鏡に配属さ
れたカバーキヤツプとを有するサンバイザが示さ
れている。この公知のサンバイザは種々様々な欠
点を有している。まず、このサンバイザにおいて
は鏡枠がサンバイザ本体の平面から突出して安全
要求に反する硬質のへりを形成している。鏡枠に
結合されているカバーキヤツプは上側の鏡枠のへ
りに枢着されていて、90゜しか旋回することがで
きない。従つて、カバーキヤツプの前側の自由な
へりは、開放状態において乗客席に張り出してい
て非常ブレーキをかけたり事故が起こつた場合に
は槍のようになり、ひいては自動車の利用者にと
つては傷害の危険性が高くなることがある。

ドイツ連邦共和国特許出願公開第3222194号明
細書には、冒頭に述べた形式において鏡を有する
蓋が180゜旋回できる自動車用のサンバイザを示し
ている。蓋が開かれている状態では、蓋は下向き
に自由に懸吊されていて揺動したり往復運動しな
いように確保されていない。従つて、鏡使用者
は、鏡を走行中に使用したい場合に蓋と鏡とを強
制的に固定する。又、この公知例からは蓋をサン
バイザ本体に枢着する部分を構造的に解決する方
法が容易には見つからない。

発明が解決しようとする課題 本発明が解決しようとする課題は冒頭に述べた
形式のサンバイザを改良してサンバイザ本体にお
ける蓋の枢着のための構造的な解決手段を明示し
て180゜の蓋の旋回を可能にするだけでなく、蓋が
閉じられた状態ではサンバイザ本体の対応する面
と同一平面を成しており、閉じられた状態でも開
かれた状態でも揺動しないようにサンバイザ本体
に支持されていることが保証されていて、さらに
は、サンバイザ本体での蓋の枢着が安全の要求に
添つているとともに、しかも美的見地において自
動車用のサンバイザに課せられる要求にも添つて
いるように構成することである。

課題を解決するための手段 前記課題を解決する本発明の構成手段は、蓋を
旋回させるための旋回支承部が、180゜の拡開角度
にわたつて前記蓋の旋回を可能にする２つの旋回
軸を備えており、しかも一方の旋回軸がケーシン
グに、また他方の旋回軸が前記蓋に配置されてお
り、かつ両旋回軸が、ほぼＣ字形に形成されたリ
ンク板によつて互いに連結されており、該リンク
板が両端部区域にそれぞれ２つの外向きに開いた
係止用切欠きを有し、かつ、蓋の開放終端位置と
閉鎖終端位置とにおいて前記係止用切欠きに係合
して前記蓋を位置固定するばね負荷されたロツク
部材が設けられており、しかも一方のロツク部材
が前記ケーシングに、また他方のロツク部材が前
記蓋に配置されており、両ロツク部材を負荷する
ばねのばね負荷力と係止用切欠きの構造とが、蓋
を一方の終端位置から他方の終端位置へ移行させ
る際にその都度前記リンク板を、ケーシングに設
けた方の旋回軸を中心として差当つて90゜だけ旋
回させるように互いに調和されている点にある。

発明の効果 本発明の特徴は、蓋の外表面がサンバイザ本体
の外表面と同一平面を成しているように蓋をサン
バイザ本体に埋め込んで配置し、蓋を180゜分だけ
旋回させて終端位置に確実に固定することを可能
にしている。又、本発明のこの新規な構成手段に
より、蓋の運動経過が支障なく制御され、上向き
に突出するケーシング縁又はフレーム条片を越え
てリンク板が滑り出ることが保証されるばかりで
なく、蓋の閉じられた終端位置においては、突出
する縁やかどがもはや存在せず、支承旋回部をお
おつて配置する可能性が与えられたこととによつ
て本発明によるサンバイザの好ましい全体的印象
を高めることができた。

実施態様 本発明の特に有利な実施態様によれば、一方の
ロツク部材はケーシングに、他方のロツク部材は
蓋に配置されていて、ロツク部材を負荷するばね
及び（又は）係止用切欠きの構造が互いに調和さ
れていることによつて、蓋を一方の終端位置から
他方の終端位置へ移す場合に、リンク板の、ケー
シングに設けられた旋回軸を中心とした旋回がそ
のつどまず90゜分だけ与えられている。これによ
つて、蓋の運動経過がきちんと制御されて、リン
ク板が上向きに突出しているケーシング縁又はフ
レーム条片の上側に滑り出ることができるという
ことが保証されている。

本発明のさらに有利な実施態様によれば、ケー
シングに配置された旋回軸がヘアピン状に曲げら
れたばね線材区分の一方の脚部から成つていて、
ばね線材区分の他方の脚部がリンク板の隣り合う
係止用切欠きに係合しているロツク部材を形成し
ていて、ばね線材区分の脚部を互いに結合する湾
曲部範囲が直角に上方に曲げられていて支承アイ
として構成されている。この実施態様の利点は、
旋回軸とロツク部材とが単純であり安いコストで
製作できる一体の構成部分から成つているという
ことである。

本発明の他の実施態様によれば蓋が袋穴を有し
ていて、該袋穴に圧縮コイルばねとロツクピンと
して構成されたロツク部材とが挿入されている。

さらに、本発明の実施態様によれば、箱形のケ
ーシングが一貫したフレーム条片を備えて構成さ
れていて、該フレーム条片がサンバイザ本体の対
応する外表面とほぼ一平面を成して接続されてい
て、旋回軸がケーシングのところでカバーされて
フレーム条片の後ろ側に配置されていて、旋回軸
も蓋のところでカバーされて蓋の後ろ側のへりに
配置されているように構成することができる。

実施例 サンバイザは上側の長手へり２の一方の端部範
囲に配置されかつ支承ケーシング（図示せず）と
サンバイザ軸３とから成る旋回支承部と、前記長
手へり２のもう一方の端部範囲に配置された対向
支承軸４とを有するほぼ方形でプレート状に構成
されたサンバイザ本体１から成つている。対向支
承軸４は対向支承部ケーシング（図示せず）内に
解離可能に差込まれている。サンバイザ本体１は
発泡プラスチツクから成つていて、このサンバイ
ザ本体１の中に埋め込まれた線材フレーム５によ
つて補強されている。

サンバイザ本体１は使用状態において使用者に
向かう面に、内部にケーシング６を挿入された切
欠きを有しており、このケーシング６は外側に、
サンバイザ本体１の面と一平面を成して接続され
た一貫したフレーム条片７を備えた構成されてい
る。ケーシング６は照明装置（図示せず）に有し
ていると有利であり、この照明装置の構成部分は
光を通す材料から成るガラス板８によつて仕切ら
れたケーシング内室９に取付けられている。

ケーシング６は下側のへりに２つの旋回支承部
１０を介して蓋１１を支持している。この蓋１１
はケーシング６をおおう位置から180゜下向きに旋
回することができる。蓋１１を下向きに旋回され
た状態において使用者に向かう側では蓋が鏡１２
に結合されている。

蓋１１の各旋回支承部１０は２つの旋回軸１
３，１４を有している。これらの旋回軸１３，１
４のうちで第１の旋回軸１３はケーシング６に配
置され、第２の旋回軸１４は蓋１１に配置されて
いる。旋回軸１３，１４はリンク板１５によつて
互いに結合されている。リンク板１５はほぼＣ字
形に構成されていて、自由端部の範囲に旋回軸１
３と１４とのための支承孔を有している。リンク
板１５は端部範囲にそれぞれ２つの外側の係止用
切欠き１６，１７，１８，１９を有している。こ
れらのうちの、係止用切欠き１６又は１７にはリ
ンク板１５の旋回位置に応じて、ケーシング６に
配置されてばね負荷された第１のロツク部材２０
が係合し、係止用切欠き１８又は１９には蓋１１
の拡開角度に応じて蓋１１に配置されて同様にば
ね負荷された第２のロツク部材２１が係合してい
る。

旋回軸１３はヘアピンの形状に折り曲げられた
ばね線材区分２２（第６図）の一方の脚部から成
つている。もう一方の脚部はロツク部材２０を形
成している。ばね線材区分２２の脚部を互いに結
合している湾曲範囲は直角に上方向に曲げられて
おり、ケーシング６に設けられた支承ピン２４に
被せ嵌めることのできる支承アイ２３として構成
されている。

旋回軸１４は軸線方向で移動しないように例え
ば旋回軸１４に形成されたリベツトヘツドによつ
て確保されている丸ピンから成つている。ロツク
部材２１はロツクピン２５として構成されて圧縮
コイルばね２６によつて負荷されている。ロツク
ピン２５と圧縮コイルばね２６とは、図示のよう
に段状に段付けされていることができるような、
蓋１１内に形成された袋穴２７内に配置されてい
る。圧縮コイルばね２６はばね線材区分２２の、
ロツク部材２０を形成している脚部よりもはるか
に硬質のばねの特性曲線を有している。

今、蓋１１を閉鎖位置（第４図）から拡開位置
へ動かそうとするならば、次のような運動経過が
与えられる。すなわち、蓋１１は上側のへりをつ
かまれて下向きに旋回させられる。このときに比
較的に弱いばね力によつて負荷されたロツク部材
２０が係止用切欠き１７から滑り出て、90゜の蓋
拡開角度が与えられた後に係止用切欠き１６に滑
り込む。第１の旋回過程においてはリンク板１５
が旋回軸１３を中心として旋回運動を行なつてい
る。リンク板１５が第５図に示した位置を得ると
ただちに、リンク板１５は略示されたストツパに
よつて、又は図示のようにフレーム条片７のへり
に支持されていることによつてこれ以上旋回しな
いように止められている。これによつて、旋回運
動の継続の際にはロツク部材２１が係止用切欠き
１８から滑り出て、蓋１１が旋回軸１４を中心と
してさらに90゜旋回された後に、ロツク部材２１
が係止用切欠き１９に係合する。一方ではリンク
板１５がロツク部材２０によつて固定され、他方
では蓋１１がロツク部材２１によつて固定されて
いるので、蓋１１の安定的な拡開位置が得られ
る。

蓋１１を閉鎖位置へ移す場合には前述とは逆の
順序で運動経過が与えられている。すなわち、ま
ず第１に蓋１１がリンク板１５と一緒に旋回軸１
３を中心として旋回され、その後で蓋１１だけが
旋回軸１４を中心としてさらに旋回させられる。
蓋１１は閉じられた位置においても係止用切欠き
１７，１８に係合するロツク部材２０，２１によ
つて確実に保持されている。

図面からさらにわかるように、旋回軸１３と１
４とはケーシングの前側にあつてＣ字形のリンク
板１５の大きい湾曲部は、蓋が閉じられた状態に
おいてケーシング６の底部に向けられている。さ
らに、旋回軸１３はフレーム条片７の後ろ側に配
置されていることがわかる。その結果、リンク板
１５の支障ない旋回運動を可能にするためにケー
シング６は下向きに拡張された旋回空間又はスリ
ツトを備えていることが必要である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるサンバイザの平面図、第
２図は第１図に示したサンバイザの、蓋が開かれ
た状態での部分平面図、第３図は第２図に示した
サンバイザを−線に沿つて断面した断面図、
第４図は閉じられた蓋の旋回支承部の範囲を第３
図と同様に断面した断面図、第５図は開かれた蓋
の旋回支承部の範囲を第４図と同様に断面した断
面図、第６図は本発明によるサンバイザのばね線
材区分の拡大図である。 １……サンバイザ本体、２……長手へり、３…
…サンバイザ軸、４……対向支承軸、５……線材
フレーム、６……ケーシング、７……フレーム条
片、８……ガラス板、９……ケーシング内室、１
０……旋回支承部、１１……蓋、１２……鏡、１
３，１４……旋回軸、１５……リンク板、１６，
１７，１８，１９……係止用切欠き、２０，２１
……ロツク部材、２２……ばね線材区分、２３…
…支承アイ、２４……支承ピン、２５……ロツク
ピン、２６……圧縮コイルばね、２７……袋穴。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ サンバイザ本体１がほぼ方形の輪郭を有し、
   かつ２つの主面の一方に切欠きを有し、該切欠き
   には箱形のケーシング６が嵌込まれており、該ケ
   ーシング６が、片面に鏡１２を備えた蓋１１を枢
   着・支持している形式の、自動車用のサンバイザ
   において、蓋１１を旋回させるための旋回支承部
   １０が、180゜の拡開角度にわたつて前記蓋の旋回
   を可能にする２つの旋回軸１３，１４を備えてお
   り、しかも一方の旋回軸１３がケーシング６に、
   また他方の旋回軸１４が前記蓋１１に配置されて
   おり、かつ両旋回軸１３，１４が、ほぼＣ字形に
   形成されたリンク板１５によつて互いに連結され
   ており、該リンク板１５が両端部区域にそれぞれ
   ２つの外向きに開いた係止用切欠き１６，１７；
   １８，１９を有し、かつ、蓋１１の開放終端位置
   と閉鎖終端位置とにおいて前記係止用切欠き１
   ６，１７；１８，１９に係合して前記蓋１１を位
   置固定するばね負荷されたロツク部材２０，２１
   が設けられており、しかも一方のロツク部材２０
   が前記ケーシング６に、また他方のロツク部材２
   １が前記蓋１１に配置されており、両ロツク部材
   ２０，２１を負荷するばね２２，２６のばね負荷
   力と係止用切欠き１６，１７；１８，１９の構造
   が、蓋１１を一方の終端位置から他方の終端位置
   へ移行させる際にその都度前記リンク板１５を、
   ケーシング６に設けた方の旋回軸１３を中心とし
   て差当つて90゜だけ旋回させるように互いに調和
   されていることを特徴とする、自動車用のサンバ
   イザ。 ２ ケーシング６に配置された旋回軸１３がヘア
   ピン状に曲げられたばね線材区分２２の一方の脚
   部から成り、該ばね線材区分２２の他方の脚部が
   リンク板１５のケーシング寄りの端部区域の隣接
   した係止用切欠き１６，１７に係合するロツク部
   材２０を形成しており、かつ前記ばね線材区分２
   ２の両脚部を互いに結合する湾曲部範囲が直角に
   上方に曲げられていて支承アイ２３として構成さ
   れている、特許請求の範囲第１項記載のサンバイ
   ザ。 ３ 蓋１１が袋穴２７を有し、該袋穴２７内には
   圧縮コイルばね２６と、ロツクピン２５として構
   成されたロツク部材２１とが挿入されている、特
   許請求の範囲第１項又は第２項記載のサンバイ
   ザ。 ４ 箱形のケーシング６が蓋１１をめぐるフレー
   ム条片７を備え、該フレーム条片７がサンバイザ
   本体１の、対応する外表面とほぼ面整合してお
   り、一方の旋回軸１３が前記フレーム条片７の後
   ろ側に遮蔽されてケーシング６に配置されてお
   り、また他方の旋回軸１４も蓋１１の後縁域に遮
   蔽されて該蓋１１に配置されている、特許請求の
   範囲第１項から第３項までのいずれか１項に記載
   のサンバイザ。