JPH036910Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、撮影用露光機能を予め付与した写真
フイルム包装容器（以下「レンズ付きフイルムユ
ニツト」と称する）に関するものである。

〔従来技術〕

従来の写真撮影においては、カメラにフイルム
を装填して行われるのが通例である。しかしカメ
ラを常時携帯している人は殆どなく、撮影したい
ときにカメラが手元にないという不便があつた。
その場合、通常の写真フイルムを購入するように
低価格でレンズ付きフイルムユニツトを最寄りの
商店から購入することができ、撮影後従来の写真
フイルムと同様に、そのレンズ付きフイルムユニ
ツトごと、DPEを依頼できれば非常に便利であ
る。

本出願人は、先にレンズ付きフイルム「写ルン
です」（商品名）を発売した。このレンズ付きフ
イルムユニツトは、雑誌「カメラ通信」（1987年
６月号第82頁〜85頁）に示されるように、135フ
イルムが利用され、フイルムはパトローネから一
旦引出されてロール状に巻取られた状態でユニツ
トに装填され、撮影操作ごとに撮影済みのフイル
ムは再び元のパトローネに収納されるようになつ
ている。

このユニツトは、外装箱に入つたまま使用され
るようになつており、ユニツト本体背面側を遮光
する裏蓋はＬ字形に形成され、この一部分にパト
ローネ取り出し蓋を一体的に設け、この蓋部分の
みが開けられるようにして、このパトローネを取
出すようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このようなレンズ付きフイルム
ユニツトから、撮影済みフイルムを取り出す為に
は、外装箱を破つて、ユニツト本体を外装箱から
抜き出した後、パトローネ部分の蓋をあければな
らない。特に外装箱はしつかりと糊づけされてお
り、破りにくく現像所でフイルムユニツトからパ
トローネの抜取り操作が面倒であるという欠点が
あつた。

本考案は、このような事情に鑑みてなされたも
ので、簡単な構造で、撮影済みパトローネが取り
出し容易なレンズ付きフイルムユニツトを提案す
ることを目的としている。

〔問題点を解決する為の手段〕

本考案は、前記目的を達成する為に、撮影機能
を有し、フイルム供給室に未露光フイルムをロー
ル状に巻回して収納し、撮影済みフイルムをフイ
ルム巻上部材を操作することによつてフイルム巻
取室に設けたフイルムパトローネ内に巻取るよう
にした撮影ユニツト本体を、撮影機能部分を露出
させる開口を有する外装体で被覆したレンズ付き
フイルムユニツトに於いて、該撮影ユニツト本体
のフイルム巻取室底部に、フイルム取出口を蔽う
遮光部材が設けられ、かつ、この遮光部材の部分
に対応する外装体の一部にミシン目が形成されて
前記外装体の一部が切離し可能であることを特徴
としている。

〔作用〕

本考案は、フイルム巻取室のフイルム取出口に
遮光部材を設けてフイルム取出口を閉じ、撮影終
了後には、外装体のミシン目を破り、遮光部材の
みを露出させ、この遮光部材をはがして撮影済み
フイルムを巻込んだパトローネを取出すことが出
来る。

〔考案の実施例〕

以下添付図面に従つて本考案に係るレンズ付き
フイルムユニツトの好ましい実施例を詳設する。

第１図では直方体状のユニツト本体１０と、こ
のユニツト本体１０が密着して収納される直方体
状の外装箱２２の外観形状が示されている。先ず
ユニツト本体１０について説明すると、１２は撮
影レンズ、１４はフアインダ用開口、１８はシヤ
ツタレリーズボタン、２１はフイルム巻上ノブで
ある。このユニツト本体１０は、前蓋、本体、裏
蓋から構成され、未露光フイルムを装填した後、
３つの部材は超音波溶接等で接合されて未露光フ
イルムを遮光すると共に、ユーザーが勝手に開け
られないようになつている。

外装箱２２は印刷可能なボール紙、薄いプラス
チツクシート等で形成されている。外装箱２２に
は撮影レンズ１４が位置する円形状開口部２４、
フアインダ１４が位置する矩形状開口部２６、シ
ヤツタレリーズボタン１８が位置するシヤツタレ
リーズボタン用開口部２８が形成されている。こ
の外装箱２２は、ユニツト本体１０の加工表面を
隠して外観を良好にする。

第２図ではユニツト本体１０と外装箱２２の底
面が示されている。ユニツト本体１０の底面３０
には開口部３２が形成され、この開口部３２はフ
イルム巻取室３４の底部に開口されている。この
開口部３２は撮影済フイルムの取出口を形成す
る。

一方、外装箱２２には、その底面３１の開口部
３２に対応する部分に剥離片３６が形成されてい
る。剥離片３６はミシン目３８によつて外装箱２
２から分離出来ると共に、裏面は銀箔、黒色塗装
等により遮光性を有する材料で構成されている。
更に、本体１０の開口部３２の周縁には剥離性の
接着剤４０が塗布されている。従つて第３図に示
すようにユニツト本体３０が外装箱２２に収納さ
れ上から軽く押圧されると、剥離片３６は接着剤
４０により開口部３２を閉じる。

前記の如く構成された本考案に係るレンズ付き
フイルムユニツトの作用は次の通りである。撮影
済フイルムは巻取ノブ２１を回動操作することに
より、巻取室３４に巻取られる。外装箱にはユー
ザが外装箱を勝手に破らないような注意書きが配
されており、撮影終了後、フイルムはユニツトに
入れたまま、現像所へ出すようになつている。剥
離片３６をミシン目３８から分離して外装箱２２
から離すと、外装箱２２のミシン目３８で区画さ
れる部分は剥離性の接着剤４０によつて開口部３
２を覆つているので簡単にはがれ、開口部３２が
露出する。この状態から簡単にフイルムを取出す
ことができる。

第４図は本考案に係る第２実施例の構造が示さ
れている。第２実施例においては外装箱２２は開
口部３２の回りが矩形状部３９に切り取られてお
り、この切り取られた部分には剥離可能なシール
材４１が本体１０に接着されている。シール材４
１は裏面が銀箔等で構成され、遮光性を持つた材
料で形成されている。このシール材４１にはツマ
ミ４２が形成され、撮影終了後使用者はこのツマ
ミ４２からシール材４２をはがし、開口部３２か
ら撮影済フイルムを取出すことができる。

第５図は前記第１，２の実施例に対して、外装
箱はそのままとして、本体１０の改良部のみを示
した第３実施例の構造を示したものである。開口
部３２内の巻取室３４には略円形状の縁部５０が
形成され、この縁部５０にはフイルムが出入りす
る為のスリツト部５０Ａが形成されている。この
縁部５０にはキヤツプ５２が被せられる。キヤツ
プ５２は裏面に黒色着色等が施され、遮光性を持
つようになつている。又、このキヤツプ５２は例
えば市販の135フイルムパトローネを防湿包装す
るためのケース用キヤツプ蓋を黒色に塗装して使
用するようにしてもよい。このように構成された
第３実施例では、従来のように背蓋に一体的に形
成された蓋に比べて、製造が容易であり、使用者
は撮影終了後外装箱２２のパトローネ取出部分に
対応した位置に設けられたミシン目３８を破つ
て、キヤツプ５２が露出するようにした後、キヤ
ツプ５２を開け、巻取室３４からフイルムを巻込
んだパトローネを取出すことができる。前記第
１、第２実施例では外装箱につめるまで遮光状態
での作業が必要となるに対し、この実施例によれ
ば、ユニツトが完成した後に外装箱で被覆される
ので外装箱の被覆作業を明室で行うことができ
る。

尚この外装箱２２は、使用中に使用者が誤つて
落とした時にキヤツプ５２が外れるのを防止する
機能を有している。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係るレンズ付きフ
イルムユニツトによれば、フイルム巻取室に形成
されたフイルム取出口に遮光部材を設けて閉じ、
この部分に対応する外装体にミシン目が設けられ
ているので、従来のようにユニツト本体に設けら
れた蓋が不要になるので、ユニツト本体の構造が
簡単になると共に、ミシン目部分のみを破り、本
体を部分的に露出させるだけでパトローネ取り出
しが可能となる利点がある。

また、ミシン目を形成したので、上述したパト
ローネの取り出し方に限らず、ドライバー等を蓋
の位置まで差込み蓋を開く動作で同時に外装体の
一部をミシン目から切り離すようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のレンズ付きフイルムユニツト
を正面から見た斜視図、第２図は本考案に係るレ
ンズ付きフイルムユニツトの裏側から見た斜視
図、第３図は本考案に係るレンズ付きフイルムユ
ニツトの組立て完了状態を示す斜視図、第４図は
本考案に係る第２実施例の構造を示す部分斜視
図、第５図は本考案に係る第３実施例の構造を示
す部分斜視図である。 １０……レンズ付きフイルムユニツト本体、２
２……外装箱、３２……開口部、３４……フイル
ム巻取室、３６……剥離片、３８……剥離性接着
剤。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 撮影機能を有し、フイルム供給室に未露光フ
   イルムをロール状に巻回して収納し、撮影済み
   フイルムをフイルム巻上部材を操作することに
   よつてフイルム巻取室に設けたフイルムパトロ
   ーネ内に巻取るようにした撮影ユニツト本体
   を、撮影機能部分を露出させる開口を有する外
   装体で被覆したレンズ付きフイルムユニツトに
   於いて、 該撮影ユニツト本体のフイルム巻取室底部
   に、フイルム取出口を蔽う遮光部材が設けら
   れ、かつ、この遮光部材の部分に対応する外装
   体の一部にミシン目が形成されて前記外装体の
   一部が切離し可能であることを特徴とするレン
   ズ付きフイルムユニツト。 (2) 前記遮光部材は、フイルムユニツト本体とは
   別体の蓋であることを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第(1)項記載のレンズ付きフイルムユ
   ニツト。