JPH0749480Y2 - フィルム一体型カメラ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、本体の前面にストロボの発光部を固定したい
わゆる使い捨てのフィルム一体型カメラに関する。

〔従来の技術〕 近年、カメラ本体内にあらかじめ未露光のフィルムを装
填したフィルム一体型カメラが市販されている。このフ
ィルム一体型カメラは、フィルム全体についての撮影が
終了すると、フィルムを内蔵したままの状態で現像所に
送り、現像所ではカメラ本体からフィルムを巻き取った
パトローネを取出して該フィルムの現像処理を行うもの
で、カメラはこの状態で使命を達したので廃棄される。
従って、フィルム一体型カメラは極めて安価であること
が要求される。

通常、このフィルム一体型カメラは、合成樹脂製のカメ
ラ本体を紙製の保護カバーに収めて使用されるので、撮
影レンズ、ファインダ、シャッタボタン、フィルム巻上
ノブ等は、保護カバーにそれぞれ形成された孔部から露
出している。

また、室内撮影等のためにストロボを備えたフィルム一
体型カメラでは、ストロボの発光部をカメラ本体の一側
に固定し、該発光部を保護カバーに形成した孔部から露
出している。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、ストロボの発光部の有効な配置を考慮して該発
光部をカメラ本体の前面上部の角部に近接して配置する
と、これに対応する保護カバーの孔部も近接して角部に
形成されるため、発光部の角部側を覆う保護カバーの前
面が浮き上がり、保護カバーの剛性が弱くなる。

そこで本考案は、ストロボの発光部をカメラ本体の前面
の角部に近接して配置しても、保護カバーの剛性を確保
できるフィルム一体型カメラを提供することを目的とし
ている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的達成のため本考案は、ストロボを備えたカメラ
本体を保護カバー内に収めたフィルム一体型カメラにお
いて、前記ストロボの発光部枠をカメラ本体の前面の角
部に近接して設け、該発光部枠を保護カバーの前面より
も前方に突出させるとともに、該発光部枠の前記カメラ
角部側を斜めに切欠いて凹部を形成し、前記保護カバー
に、前記発光部枠の凹部前面を覆って保護カバーの側板
とこれに隣接する天板または底板とを連結する接合部を
形成したことを特徴としている。

〔作用〕

かかる構成により、ストロボの発光部枠をカメラ本体の
前面上部の角部に近接して設けても、保護カバーの天板
と側板とが、前面側の接合部で連結されるので、保護カ
バーの剛性を確保できる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

フィルム一体型カメラ１は、カメラ本体10と、該本体10
を収納する保護カバー20とから構成されている。カメラ
本体10は、合成樹脂材料を成型した箱形を呈し、その内
部には、図示していないが、周知のように、パトローネ
より引き出された状態の未露光のフィルムが露光枠を挟
んでパトローネ室と反対側に設けられたフィルム装填室
に装填されている。

このフィルム一体型カメラ１は、１コマ撮影の都度フィ
ルムの巻上を行って露光済のフィルムをパトローネ内に
巻込み、所定枚数の撮影を終了した段階ではフィルムは
全てパトローネ内に収容される構造になっている。

露光済のフィルムは、カメラに収めたままの状態でユー
ザから処理業者に送られ、業者は明室にてカメラよりパ
トローネを取出し、以降通常のD.P.E.作業と同様の処理
作業が行えるシステムになっている。

前記カメラ本体10には、その前面に、撮影レンズ部11
と、ファインダ12と、ストロボの固定発光部13と、スト
ロボスイッチ作動子14とが設けられ、また、上面には、
シャッタレリーズ板15と、フィルムカウンタ窓16と、ス
トロボの充電完了を示すインジケータ窓17aとが設けら
れ、さらに、背面には、フィルム巻上用のノブ18と、ス
トロボのインジケータ窓17bとが設けられている。

撮影レンズ部11は、カメラ本体10の前面略中央部に前方
へ僅かに（１〜4mm）突出して形成され、ファインダ12
は、撮影レンズ部11の前面視右上部にカメラ本体10の表
裏面を貫通する孔からなる枠形式に形成されている。

ストロボの固定発光部13は、発光管、反射鏡、前面ガラ
ス等からなる発光部13aと、該発光部13aを囲繞する枠13
bとで構成され、カメラ本体10の前面視右上角部に設け
られており、ストロボスイッチ作動子14は、固定発光部
13の下部に横方向にスライド可能に設けられ、該スイッ
チ作動子14がカメラ本体10の外縁から突出した時にスト
ロボが作動状態となるようにストロボ回路が形成されて
いる。

また、ストロボの固定発光部13は、発光部枠13bを撮影
レンズ部11と同様に、カメラ本体10の前面から１〜4mm
程度突出させるとともに、発光部枠13bの右上側角部を
斜めに切欠いて、カメラ本体10の前面と面一な三角形の
凹部13cを形成している。

上記のように構成されたカメラ本体10を収納する保護カ
バー20は、紙製の箱形に形成され、該保護カバー20にカ
メラ本体10を収納してフィルム一体型カメラ１は常時使
用される。

従って、保護カバー20には、前板21の略中央に撮影レン
ズ部11に対応するレンズ孔部22が、前板21と天板23とに
かけてファインダ12に対応するファインダ孔部24が、前
板21の右上部にストロボの固定発光部13とストロボスイ
ッチ作動子14とに対応するストロボ孔部25がそれぞれ開
設され、また、天板23には、シャッタレリーズ板15に対
応するシャッタ孔部26と、フィルムカウンタ窓16に対応
するカウンタ孔部27と、ストロボのインジケータ窓17a
に対応するインジケータ孔部28aがそれぞれ開設され、
さらに、後板29には、ストロボのインジケータ窓17bに
対応するインジケータ孔部28bと、フィルム巻上用のノ
ブ18に対応するノブ孔部29と、ファインダ12の覗き孔部
30とがそれぞれ開設されている。

また、保護カバー20の側板31,31は、保護カバー20内に
カメラ本体10を収納した後、糊代32,32と接着剤等によ
って貼着される蓋に形成されている。

前記保護カバー20のストロボ孔部25は、ストロボの固定
発光部13の発光部枠13bとストロボスイッチ作動子14よ
りもやや大きく、前板21の前面視右上部の角部に、上部
は右角部を除いて天板23との折り線まで、右側部は上部
を除いて側板31の折り線まで開設されており、ストロボ
スイッチ作動子14がスライドする前面視右側部は、側板
31の前面側に亘って連続している。

また、該ストロボ孔部25の前面視右上部の角部には、側
板31とこれに隣接する天板23とを連結する三角形の接合
部33が形成されている。この接合部33は、保護カバー20
内にカメラ本体10を収納してストロボの固定発光部13と
ストロボスイッチ作動子14とをストロボ孔部25から保護
カバー20の前面に突出させると、ストロボの発光部枠13
bの凹部13cの前面を覆う。

以上のように、ストロボ孔部25の右上角部に、側板31と
これに隣接する天板23とを連結する三角形の接合部33を
形成することにより、側板31は、下部は前板21と連続
し、上部は接合部33に連続するので、その剛性が確保で
き、また、接合部31は三角形に形成されているので、カ
メラ本体の前面から浮き上がることもなくすっきりした
外観を呈する。

したがって、ストロボの固定発光部13をカメラ本体10の
右上角部に近設して配置することができ、カメラ本体10
の小型化が図れる。

尚、上記実施例では、ストロボの固定発光部をカメラ本
体の右上角部に近設して設けたもので説明したが、他の
角部に近設して固定発光部を設けた場合には、保護カバ
ーの側板とこれに隣接する天板または底板の前面側を連
結する接合部を設ければよい。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、ストロボを備えたフィルム一体
型カメラにおいて、前記ストロボの発光部枠をカメラ本
体の前面の角部に近接して設け、該発光部枠を保護カバ
ーの前面よりも前方に突出させるとともに、前記カメラ
角部側の一部を斜めに切欠いて凹部を形成し、カメラ本
体を収納する、保護カバーに、発光部枠の凹部前面を覆
って保護カバーの側板とこれに隣接する天板または底板
とを連結する結合部を形成したので、側板とこれに隣接
する天板または底板とが接合部によって保護カバーの前
面側で連結されて、側板の剛性が確保でき、また、スト
ロボの発光部枠が保護カバーの前面から突出するので、
保護カバーの接合部がカメラ本体から浮き上がることも
なくすっきりした外観を呈する。

したがって、ストロボの固定発光部をカメラ本体の角部
に近設して配置することができ、カメラ本体の小型化が
図れる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示し、第１図はカメラ本体と保
護カバーとを分離した状態の斜視図、第２図はフィルム
一体型カメラの前面側斜視図、ダイ３図は同じく背面側
斜視図である。 １……フィルム一体型カメラ、10……カメラ本体、11…
…撮影レンズ部、12……ファインダ、13……ストロボの
固定発光部、13a……発光部、13b……発光部枠、13c…
…ストロボ発光枠の凹部、14……ストロボスイッチ作動
子、15……シャッタレリーズ板、18……ノブ、20……保
護カバー、21……保護カバーの前板、23……保護カバー
の天板、25……ストロボ孔部、31……保護カバーの側
板、33……接合部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ストロボを備えたカメラ本体を保護カバー
   内に収めたフィルム一体型カメラにおいて、前記ストロ
   ボの発光部枠をカメラ本体の前面の角部に近接して設
   け、該発光部枠を保護カバーの前面よりも前方に突出さ
   せるとともに、該発光部枠の前記カメラ角部側を斜めに
   切欠いて凹部を形成し、前記保護カバーに、前記発光部
   枠の凹部前面を覆って保護カバーの側板とこれに隣接す
   る天板または底板とを連結する接合部を形成したことを
   特徴とするフィルム一体型カメラ。