JPH036896B2 - - Google Patents

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JPH036896B2
JPH036896B2 JP58130779A JP13077983A JPH036896B2 JP H036896 B2 JPH036896 B2 JP H036896B2 JP 58130779 A JP58130779 A JP 58130779A JP 13077983 A JP13077983 A JP 13077983A JP H036896 B2 JPH036896 B2 JP H036896B2
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JP
Japan
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polypropylene
film
sheet
stretching
roughened
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JP58130779A
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JPS6023023A (ja
Inventor
Mitsuyoshi Fujama
Tomomi Okamoto
Yoshimasa Kawamura
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Publication of JPH036896B2 publication Critical patent/JPH036896B2/ja
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01DHARVESTING; MOWING
    • A01D34/00Mowers; Mowing apparatus of harvesters
    • A01D34/01Mowers; Mowing apparatus of harvesters characterised by features relating to the type of cutting apparatus
    • A01D34/412Mowers; Mowing apparatus of harvesters characterised by features relating to the type of cutting apparatus having rotating cutters
    • A01D34/416Flexible line cutters
    • A01D34/4168Constructional details of the flexible lines

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、新規な粗面化ポリプロピレンフイル
ムの製造方法に関する。 ポリプロピレンフイルムは高い絶縁耐力を有す
ると共に、誘電正接が低く、また軽量であるた
め、従来用いられてきた絶縁紙に代つて電気ケー
ブル、コンデンサー、トランスなど小型軽量化、
耐久性が要求される電気物品用の絶縁材料として
用いることが検討されている。 しかし、ポリプロピレンフイルムは表面が平滑
であるため、該フイルムを、例えば、巻回してコ
ンデンサーを製造する場合、フイルム面同志ある
いはフイルムとアルミ箔などの箔状電極とが密着
し易い欠点を有する。そのため、フイルムの接触
面における脱気が困難となり、これに基因して、
絶縁油の均一な含浸ができず、充分な性能を有す
るコンデンサーを得ることが困難であつた。ま
た、油含浸速度が遅く、コンデンサー製造時の作
業性にも問題があつた。 このような欠点を改良するため、従来ではエン
ボス法、サンドプラスト法、ワイヤーブラツシン
グ法などの機械的方法、溶剤によるケミカルエツ
チングなどの化学的方法、原料のポリプロピレン
に他のポリマーや充填剤などをブレンドするブレ
ンド法、β晶を生成させたポリプロピレンシート
を延伸する方法などによりフイルムの表面を粗化
する方法が提案されていた。 しかしながら、上記した機械的方法、化学的方
法、或いはβ晶生成後延伸する方法によつて粗面
化されたポリプロピレンフイルムは、これを積層
した場合、一般にフイルム間への油含浸速度はあ
る程度良好であるが、フイルムの接触面における
脱気が未だ充分でなく、油含浸後フイルム間に気
泡が残存し易いという欠点を有する。また、ブレ
ンド法によつて粗面化されたポリプロピレンフイ
ルムは上記気泡の残存は少ないが、フイルム間へ
の油の含浸速度が遅いという欠点を有する。 本発明者等は、ポリプロピレンフイルムの表面
状態と前記した油含浸速度及び油含浸後の気泡の
残存量との関係について長年研究を続けてきた。
その結果、フイルム表面に大小の特定の凹凸を併
せ設けることにより、油含浸速度が速く、しかも
気泡の残存が極めて少ない特性を発揮することを
見い出し本発明を完成するに至つた。 本発明は結晶状ポリブテン−1および/または
高密度ポリエチレンを5〜50重量%含有するポリ
プロピレン組成物のポリプロピレン中のβ晶の含
量を表わすK値が0.01〜0.5のポリプロピレン組
成物シートまたは該ポリプロピレン組成物シート
と他のポリプロピレンシートを積層した積層シー
トを、該シート温度が130℃を越えてから延伸を
開始するまでの時間を20秒以下とし、且つ135℃
より高く145℃より低い温度で、一軸方向に延伸
し、次いで145〜155℃の温度で二軸方向に延伸
し、少なくとも一方向における凹凸部の間隔が5
〜50μで、凸部の高さが0.1〜1μの凹凸表面を有
し、且つ該凹凸表面上に径が該凹凸の間隔より大
きく、300μより小さい弧状の凸部(以下、クレ
ーターともいう)を複数個有するフイルムとする
ことを特徴とする粗面化ポリプロピレンフイルム
(以下、粗面化PPフイルムともいう)の製造方法
である。 尚、本発明においてフイルム表面における横方
向の長さは微分干渉顕微鏡による平面写真により
また、縦方向の長さ(高さ)は該顕微鏡による焦
点深度から測定した値である。 以下、本発明を添付図面に従つて詳細に説明す
る。第1図は本発明の粗面化PPフイルムの拡大
断面図を示す模型図である。 本発明の粗面化PPフイルムにおいて凹凸表面
は凹凸部1の間隔Xが実質的に5〜50μ、好まし
くは10〜40μの範囲内にあり、凸部の高さhが実
質的に0.1〜1μ、好ましくは0.2〜1μの範囲内にあ
る凹凸によつて形成される。また、該凹凸表面に
は、径Dが前記凹凸の間隔より大きく、且つ
300μより小さい、好ましくは実質的に50〜200μ
の範囲内にあるクレーターが複数個存在する。即
ち、本発明の粗面化PPフイルムにおいて、凹凸
表面及びクレーターは比較的小さいものから大き
いものまで多種の大きさのものが存在するが、
夫々の大きさを表わす上記各値が上記範囲内に実
質的に入つていればよい。一般にはフイルム表面
に存在する凹凸及びクレーターの約80%以上が前
記範囲を満足すればよい。本発明の粗面化PPフ
イルムは上記表面構造を有することにより、これ
を巻回してコンデンサーを形成した場合該フイル
ム間における油の含浸速度が速く、しかも気泡残
存量が極めて少ないという優れた特性を発揮す
る。従つて、前記構成を1つでも欠く粗面化PP
フイルムは上記した優れた特性を発揮することが
できない。例えば、前記凹凸表面のみを有する
(クレーターが存在しない)粗面化PPフイルムで
は気泡残存量は少ないが油の含浸速度が著しく低
下する。また、表面に複数のクレーターのみを有
する(凹凸表面は存在しない)粗面化PPフイル
ムでは逆に油の含浸速度は速いが気泡・残存量が
増加する。更に、凹凸表面及びクレーターの双方
を有していても、凹凸部の間隔凸部の高さ及びク
レーターの径が上記範囲を外れた場合は前記効果
を十分に発揮することが困難である。即ち、凹凸
部の間隔及び凹凸表面の凸部の高さが前記範囲か
ら外れると、気泡残存量を低下させる効果が十分
発揮されず、また、クレーターの径が前記範囲か
ら外れると油の含浸速度を向上させる効果が充分
発揮されない。以上のことより、本発明の粗面化
フイルムは特定の凹凸表面とクレーターとを有す
ることにより、積層されたフイルム間でこれらの
形状が相互に働き、前記した優れた特性を発揮す
るものと推定される。 本発明の粗面化PPフイルムにおいて、前記ク
レーター2の高さHは特に制限されないが、1〜
10μ、好ましくは1.5〜7μが好適である。該クレー
ターの平面形状は弧状であれば特に制限されな
い。例えば、円状、だ円状等が一般的である。
尚、だ円状クレーターの径Dとしては長径と短径
の平均値をいう。また、上記クレーターの形状は
完全な円周を形成したものに限らず、部分的な円
周(曲線)或いはそれを組合せた形状であつても
よい。更に、該クレーターを構成する凸部の巾W
は一般に0.5〜10μ、好ましくは1〜7μである。更
に、前記クレーターの密度は1000〜100000個/
cm2、好ましくは2000〜50000個/cm2が油含浸速度
に対して効果的である。 また、本発明の粗面化PPフイルムは、第1図
に示したように、片面のみ粗面化されていてもよ
いし、両面が粗面化されていてもよい。 第2図及び第3図は本発明の代表的な粗面化
PPフイルムの反射型微分干渉顕微鏡による表面
写真(倍率170倍)である。 本発明において、K値は「Makromolecular
Chemie75 135〜137頁(1964)」の記載の方法に
準じて測定される値をいう。ポリプロピレンシー
ト又はフイルムを形成する結晶形態は種々のもの
が知られている。例えばα晶(α変態)は単斜晶
系でその融点が165℃以上であり、β晶(β変態)
は六方晶系でその融点は145〜150℃のものであ
る。またスメチカ晶(スメチカ構造)も知られて
いて、このものは擬六方晶系で、結晶と非晶との
中間的なものである。前記本発明で云うK値はポ
リプロピレン組成物シートのX線回折を測定し、
下記式から算出される。 K=hβ/hβ+hα1+hα2+hα3 但し、 hβはポリプロピレンのβ晶(300)面による回
折強度(高さ) hα1はポリプロピレンのα晶(110)面による
回折強度(高さ) hα2はポリプロピレンのα晶(040)面による
回折強度(高さ) hα3はポリプロピレンのα晶(130)面による
回折強度(高さ) である。また、本発明における延伸温度は、特記
しない限りシート或いはフイルムの温度である。 本発明の方法に使用される結晶性ポリブテン−
1は、結晶性を有するものであればブテン−1の
単独重合体のみならず、ブテン−1と少量のコモ
ノマー、例えばエチレン、プロピレン、ペンテン
−1等との共重合体であつてもよい。結晶性ポリ
ブテン−1のメルトフローインデツクス(以下、
MFIという)は特に制限されないが、一般には
0.01〜50g/10分、好ましくは0.1〜10g/10分
である。また密度は一般に0.91〜0.93g/cm3であ
る。高密度ポリエチレンも特に制限されず、密度
が0.94〜0.97g/cm3、MFIが0.01〜50g/10分、
好ましくは0.1〜10g/10分のエチレンのホモポ
リマー又はエチレンと少量のコモノマー、例えば
プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1等との共
重合体が一般に使用される。 本発明の方法において、ポリプロピレンはプロ
ピレンの単独重合体のみならず、プロピレンと少
量の他のα−オレフインとの共重合体も含まれ
る。就中、前記した特定の範囲のK値を有するポ
リプロピレンを得るために使用されるポリプロピ
レンは、アイソタクチシテイーを表わす、n−ヘ
プタン沸点抽出8時間後の残渣(以下、IIとい
う)が90%以上であり、その重合度としては溶融
成形可能であればどの程度でもよいが、MFIが
0.5〜30g/10分、好ましくは3〜10g/10分の
ものが好適である。また、上記ポリプロピレンに
γ−キナタリドンや安息香酸マグネシウムなどの
β晶核剤、さらに必要に応じて酸化防止剤、熱安
定剤、無機質微粒子、顔料、滑剤、帯電防止剤な
どの添加物を添加、混合したものを使用すること
も可能である。また、後述する態様において、実
質的にα晶及びスメチカ晶からなるポリプロピレ
ンとしては、IIが90%以上、MFIが0.5〜3g/
10分のものが好適に使用される。また、上記ポリ
プロピレンには、必要に応じて酸化防止剤、熱安
定剤、その他の添加剤を添加してもよい。 本発明において、原料のポリプロピレン組成物
は、上記ポリプロピレンに前記した結晶性ポリブ
テン−1および/又は高密度ポリエチレンを5〜
50重量%、好ましくは10〜30重量%の割合で混合
することが極めて重要である。即ち、ポリプロピ
レン組成物中の結晶性ポリブテン−1および/又
は高密度ポリエチレンの含有量が5重量%未満の
場合は得られる粗面化フイルムの生地となる凹凸
表面の凹凸が小さく、気泡残存量を少なくするこ
とが困難となり、また、逆に上記含有量が50重量
%を越えるとクレーターができにくくなり油含浸
速度が遅くなり、本発明の目的を達成することが
できない。 本発明の方法に用いるポリプロピレン組成物シ
ートは、K値が0.01〜0.5、好ましくは0.05〜0.3
であることが必要である。K値が上記範囲より小
さいと後述する条件で該シートを延伸しても、得
られるフイルム表面のクレーターの密度(以下、
クレーター密度という)が極めて低く、前記した
油含浸速度が遅くなる。また、K値が前記範囲よ
り大きくても、得られるフイルム表面のクレータ
ー密度は増大せず、逆に得られるフイルム表面の
クレーターを形成する凸部の高さH(以下、クレ
ーター深度という)が浅くなり、これにより油含
浸速度の低下を招く。また、後述する一軸延伸に
おいても、延伸時にフイルムが破断し易いという
問題も生じる。 本発明で用いる原料であるポリプロピレン組成
物シートは前記したようにK値が0.01〜0.5であ
ればよい。そしてこのK値が後述するフイルム表
面の粗面化に影響を与えるものであるから、粗面
化されたフイルム面に相当するシートの表層部例
えば50μ以上の厚み、好ましくは100μ以上の厚み
のポリプロピレン結晶形態が前記K値の範囲にお
さまればよい。また本発明のシート原料として積
層シートを使用する場合は、粗面化されたフイル
ム面に相当するシートが結晶性ポリブテン−1お
よび/又は高密度ポリエチレンを5〜50重量%含
み、且つ前記K値を有するものであればよい。勿
論フイルム両面を粗面化する場合は原料シートの
両面に結晶性ポリブテン−1および/又は高密度
ポリスチレンを5〜50重量%含み、且つ前記K値
を有するシートが位置するように積層すればよ
い。該積層シートを原料とするときは前記したよ
うに粗面化されるフイルム面に相当するシート面
以外はその結晶形態等に特に限定されない。例え
ば、該シート面以外のポリプロピレンはα晶、ス
メチカ晶からなるもの或いは更にβ晶が組合さつ
たものであつてもよい。 本発明で使用する前記ポリプロピレン組成物シ
ート或いは前記積層シートは、前記のように結晶
性ポリブテン−1および/又は高密度ポリエチレ
ンを5〜50重量%含み、且つK値が0.01〜0.5と
なるものであれば特に限定されないが、通常は未
延伸シートを使用するのが一般的である。勿論結
晶性ポリブテン−1および/又は高密度ポリエチ
レンの含量およびK値が上記範囲内にあれば部分
的に延伸されたものを使用することも出来る。 また、上記特定の結晶性ポリブテン−1およ
び/又は高密度ポリエチレン含量およびK値を有
するポリプロピレン組成物シートを得る方法は、
特に制限されず、公知の方法に準じて行なえばよ
い。例えば、結晶性ポリブテン−1および/又は
高密度ポリエチレンを予めポリプロピレンに5〜
50重量%混合し190〜300℃、好ましくは200〜260
℃の樹脂温度で溶融状態でシート状に押出し、次
いで30〜130℃、好ましくは60〜120℃に維持して
該シートを固化させる方法が一般的である。この
場合、樹脂温度及び固化温度を適宜調節すること
によつてK値をコントロールすることができる。
また、例えば実質的にα晶及びスメチカ晶からな
るポリプロピレンシートの片面或いは、両面に、
前記範囲の結晶性ポリブテン−1および/又は高
密度ポリエチレン含量およびK値を有するポリプ
ロピレン組成物シートを積層したシートは、予め
成形された実質的にα晶及びスメチカ晶からなる
ポリプロピレンシートに前記方法と同一の条件で
溶融したポリプロピレン組成物をラミネートし、
次いで前記方法と同一の条件で該ラミネート層を
固化させる方法、あるいはシートにした場合実質
的にα晶及びスメチカ晶となるようなポリプロピ
レンを主押出機に供給し、ポリプロピレン組成物
を副押出機に供給し、前記方法と同一の条件で溶
融し、共押出ダイに導きシート状に共押出しした
後、前記方法と同一の条件で固化する方法が一般
的である。 本発明において、前記した特定量の結晶性ポリ
ブテン−1および/又は高密度ポリエチレンおよ
びβ晶を有するポリプロピレン組成物シートを、
該シート温度が130℃を越えてから延伸を開始す
るまでに要する時間を20秒以下、好ましくは15秒
以下とし、且つ135℃より高く145℃より低い温
度、好ましくは140〜144℃で、一軸方向に延伸し
た後、145〜155℃、好ましくは147〜153℃の温度
で二軸方向に延伸することは、油含浸速度を向上
させ、しかも均一な厚みを有する粗面化ポリプロ
ピレンフイルムを得るために極めて重要である。
即ち、ポリプロピレン組成物シート温度が130℃
を越えて延伸を開始するまでに要する時間が前記
時間を越えると、β晶のα晶への転化率が著しく
高くなり、得られるフイルムのクレーター密度が
著しく低下する。また、一軸方向の延伸温度が前
記範囲より低いと、得られるフイルムのクレータ
ー深度が浅くなり、本発明の目的とするフイルム
を得ることができない。上記、一軸方向の延伸温
度が前記範囲より高いと、β晶のほとんどが溶融
してしまい、これを延伸して得られるフイルムは
クレーター深度が浅く、また、延伸時にフイルム
の破断が起こり易くなる。尚、本発明において、
一軸方向(縦方向でも横方向であつてもよい)へ
の延伸倍率は、一般に3〜6倍、特に4〜5倍が
適当である。本発明の二軸方向の延伸温度が前記
範囲より低いと、延伸時フイルムの破断が起こり
易く、充分な延伸を行なうことができない。その
ため、クレーター深度を深くすることができず、
得られるフイルムの油含浸速度が著しく低下す
る。また、二軸方向の延伸温度が前記範囲より高
いと、得られるフイルムのクレーター深度が浅く
なり、上記と同様、その油含浸速度が著しく低下
する。前記二軸方向(通常は横方向)への延伸倍
率は、一般に3〜12倍、特に6〜10倍が適当であ
る。 従来提案されている粗面化ポリプロピレンフイ
ルムの製造方法において、β晶を表層部に有する
ポリプロピレンシートを延伸する方法は数多く存
在している。しかしながら、これらの方法のほと
んどは、β晶の融点以上の温度、即ち、145℃以
上、一般には150℃以上で同時二軸延伸する方法
であり、この方法によつて得られる粗面化PPは
クレーター状粗面はできるが、生地が平滑であ
り、気泡残存量が多いという欠点を有する。これ
らの方法に対して、本発明は、結晶性ポリブテン
−1および/又は高密度ポリエチレンを含有する
ポリプロピレン組成物を原料として用い、且つ逐
次二軸延伸法を採用し、β晶が完全に溶融しない
特定の条件下に一軸方向の延伸を行なつた後、β
晶の融点以上の温度で二軸方向の延伸(通常は横
延伸)を行なうことにより、従来の方法によつて
は達成することが困難であつた油含浸速度が速
く、しかも気泡残存量が極めて低い良好な粗面化
ポリプロピレンフイルムを製造することが可能で
ある。また、逐次二軸延伸を採用したことによ
り、前記同時二軸延伸に比べて得られるフイルム
の厚みが均一で、しかもその厚みを大巾に薄くす
ることも可能である。 本発明において、ポリプロピレンの延伸は公知
の逐次二軸延伸機を用いて行なうことができる。 以上の説明より理解される如く、本発明の方法
によつて得られる粗面化ポリプロピレンフイルム
は、表面のクレーター密度が高く、クレーター深
度が深く、しかも生地に一様に凹凸を有するため
その表面における油の拡散性が極めて良好であ
る。従つて、これを巻回してコンデンサーフイル
ムとして用いる場合において、フイルム間への絶
縁油の含浸速度を大巾に向上させることができる
と共に該フイルム間の気泡残存量も極めて低く抑
えることができる。また厚みが均一であること
も、上記コンデンサーフイルムとしての用途に有
利である。勿論、本発明によつて得られた粗面化
ポリプロピレンフイルムは、コンデンサーフイル
ムとしてのみではなく、他の電気物品用の絶縁材
料など、その他種々の用途にも有用である。 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明
する。尚、油の含浸特性は以下のようにして測定
した。即ち、直径50mmのガラス管にフイルムの粗
面状態がより良好な面が外側に来るようにして2
周巻き回し、これを油(日石コンデンサオイル
S、PXE)の入つたガラスシヤーレ中に立て、
23℃において毛管現象によつてフイルム面間を上
昇する油の含浸高さを経時的に測定し、含浸高さ
(cm)対時間の平方根(hr1/2)の関係の直線の勾
配を油含浸速度とした。また、上記フイルム間の
気泡の残存は、該フイルム間に存在するエア・ポ
ケツトを観察して評価した。また、測定値は平均
値を示す。 実施例1〜6、比較例1〜7 MFI=7.8g/10分、II=97%のアイソタクチ
ツクポリプロピレン粉末に表1に示すような割合
でMFI=0.4g/10分、密度=0.915g/cm3の結晶
性ポリブテン−1およびγ−キナクリドンを混合
し、ペレタイザー押出機を用い250℃で溶融混練
ペレタイズを行い、各種ポリプロピレン組成物を
得た。これら各種ポリプロピレン組成物をT−ダ
イ押出機に供給し、220℃の樹脂温度でシート状
に押出し、90℃に維持されたチルロールにより冷
却固化し、厚さ750μのポリプロピレン組成物シ
ートを作つた。これらのシートのK値を表1に示
す。次にこれらのシートを加熱ロール延伸機によ
り、表1に示すようにシート温度が130℃を越え
て延伸を開始するまでの時間および延伸温度を変
えて縦方向に5倍延伸した。次にこれらの縦延伸
シートを空気加熱式横延伸機を用いて150℃にお
いて10倍延伸した。得られたフイルムの表面状態
および油含浸性を表1に示す。
【表】
【表】 * クレーターが観察されなかつた。
比較例 8 実施例2において、ポリプロピレンとして
MFI=1.0g/10分、II=96%のポリプロピレン
を用い、シート形成時の樹脂温度を280℃、チル
ロール温度を50℃にすること以外は実施例1と同
様に行なつた。シートのK値は0であり、得られ
たフイルムに凹凸はあつたが、クレーターは生成
していなかつた。生地の凹凸の高さは0.5μ、凹凸
の間隔は25μであつた。得られたフイルムは油含
浸後、エアーポケツトは発生しなかつたが、油含
浸速度は1.6cm/hr-1/2と非常に遅かつた。 実施例 7 MFI=1.8g/10分、II=96%のアイソタクチ
ツクポリプロピレン粉末90重量部にMI=1.0g/
10分、密度=0.96g/cm3の高密度ポリエチレン10
重量部およびγ−キナクリドン0.1ppmを混合し、
ペレタイザー押出機を用い250℃で溶融混練ペレ
タイズを行ない、ポリプロピレン組成物を得た。
主押出機からMFI=1.0g/10分、II=96%のポ
リプロピレンを250℃で、副押出機から前述のポ
リプロピレン組成物を220℃で二層複合用T−ダ
イに供給して溶融押出しし、90℃に維持されたチ
ルロールに接触固化させ、MFI=1.0g/10分の
ポリプロピレンの層700μ、ポリプロピレン組成
物の層100μ、全厚さ800μの積層シートを得た。
この積層シートのMFI=1.0g/10分のポリプロ
ピレン層のK値は0、ポリプロピレン組成物層の
K値は0.28であつた。この積層シートを加熱ロー
ル延伸機を用いて、シート温度が130℃を越えて
延伸を開始するまでの時間が6秒の条件で予熱し
て、144℃で5倍縦延伸した。次に空気加熱式横
延伸機で153℃で10倍延伸した。得られたフイル
ムのポリプロピレン組成物層側のクレーターの径
は180μ、クレーター密度は5700個/cm2、クレー
ターを形成する弧状の凸部の高さは4.1μ、その幅
は2.5μ、生地の凹凸の高さは0.8μ、凹凸の間隔は
40μであつた。このフイルムの油含浸速度は7.5
cm・hr-1/2であり、エアーポケツトはほとんど発
生しなかつた。 比較例 9 実施例7において高密度ポリエチレンを混合し
なかつた以外は実施例7と同様に行なつた。得ら
れたシートのMFI=1.0g/10分のポリプロピレ
ン層のK値は0、γ−キナクリトーンを含む
MFI=1.8g/10分のポリプロピレン層のK値は
0.35であつた。得られたフイルムのγ−キナクリ
トーンを含むポリプロピレン層側にクレーターは
観察されたが、生地は平滑であつた。クレーター
の径は200μ、クレーター密度は4600個/cm2、ク
レーターを形成する弧状凸部の高さは4.3μ、その
幅は2.8μであり、油含浸速度は7.1cm/hr-1/2であ
つた。しかし、油含浸時に多数のエアーポケツト
が発生した。 比較例 10 実施例7においてポリプロピレン組成物にγ−
キナクリトーンを添加しなかつた以外は実施例7
と同様に行なつた。二層シートのK値は両層とも
0であり、それから得られたフイルム表面に凹凸
はあつたがクレーターは観察されなかつた。凹凸
の高さは0.7μ、凹凸の間隔は40μであつた。この
フイルムは油含浸時にエアーポケツトは発生しな
かつたが、油含浸速度は1.8cm/hr-1/2と非常に遅
かつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の粗面化フイルムの断面拡大模
型図、第2図及び第3図は本発明で得られた粗面
化フイルムの反射型微分干渉顕微鏡による表面写
真である。 1は凹凸部、2はクレーターである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 結晶状ポリブテン−1および/または高密度
    ポリエチレンを5〜50重量%含有するポリプロピ
    レン組成物のポリプロピレン中のβ晶の含量を表
    わすK値が0.01〜0.5のポリプロピレン組成物シ
    ートまたは該ポリプロピレン組成物シートと他の
    ポリプロピレンシートを積層した積層シートを、
    該シート温度が130℃を越えてから延伸を開始す
    るまでの時間を20秒以下とし、且つ135℃より高
    く145℃より低い温度で、一軸方向に延伸し、次
    いで145〜155℃の温度で二軸方向に延伸し、少な
    くとも一方向における凹凸部の間隔が5〜50μ
    で、凸部の高さが0.1〜1μの凹凸表面を有し、且
    つ該凹凸表面上に径が該凹凸の間隔より大きく、
    300μより小さい弧状の凸部を複数個有するフイ
    ルムとすることを特徴とする粗面化ポリプロピレ
    ンフイルムの製造方法。
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