JP2006511683A - 高分子量プロピレンポリマーから製造される成形組成物 - Google Patents

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Abstract

230℃および5kgでのISO1133による0.3〜1g/10分の溶融マスフロー速度MFRと、2〜20質量%の範囲のβ型クリスタライト比率とを備えた、高分子量プロピレンポリマーから製造される成形組成物。本発明の成形組成物は、好ましくはキナクリドン顔料を核形成剤として含む。好適に使用される高分子量プロピレンポリマーには、10個以下の炭素原子を有する他の共重合オレフィンを30質量%以下で含む高分子量プロピレンコポリマーが含まれる。本発明の成形組成物は、パイプの材料として使用することができる。

Description

本発明は、230℃および5kgの条件下でのISO1133による溶融マスフロー速度MFRが0.3〜1g/10分で、β型クリスタライト比率が2〜20質量%の範囲にある、高分子量プロピレンポリマーから製造される成形組成物に関する。
本発明はさらに、上記発明による成形組成物を製造する方法、これら組成物をパイプ材料として使用する方法、および上記発明による成形組成物から製造されたパイプにも関する。
プロピレンポリマーは、液相重合により、あるいはモノマー中で(バルク相重合)、または懸濁物(スラリー)中で重合することにより、あるいは気相重合により、製造することができる。重合は、この場合に、チーグラーナッタ触媒系を使用して行われる。この触媒系は、通常、チタン含有固体成分から、有機アルミニウム化合物から、および有機シラン化合物から構成される(EP−B45977、EP−A171200、US−A4857613、US−A5288824)。しかし、プロピレンポリマーは、メタロセン化合物、あるいは重合活性を有する金属錯体を使用しても得ることができる。
プロピレンポリマーから得られる生成物の例には、成形体、例えばパイプ(管)、フィッティング(付属品)、ブロー成形体、ロッド、およびシートが挙げられる。
これら工業的に有用なプロピレンポリマーは、イソタクチック構造を有する。イソタクチックポリプロピレンは、多数の結晶型で結晶可能であることが知られている。最もよく見られるものは、単結晶系α型である。β型クリスタライトの比率は、特殊な核形成剤の添加によって特に増大させることができる(K.H.Moos、B.Tilger、Angewandte Makromoleculare Chemie 94(1981年)、頁213−225)。EP−A177961は、40〜60%の範囲のβ型クリスタライト比率であるポリプロピレンが、直鎖トランスキナクリドンのガンマ相を核形成剤として使用することにより得ることができること、70%を超えるβ型クリスタライト比率であるポリプロピレンが、直鎖トランスキナクリドンとキナクリドンキノンとの混合結晶を使用することにより得ることができることを、教示している。
DE−A4019053は、ブロードな分散性を有するプロピレンホモポリマーを開示している。これらのプロピレンホモポリマーは、パイプの材料としても使用可能である。しかし、得られたパイプは比較的に脆く、粗い表面を有し、そのために実用性がない。
さらにEP−A808870は、プロピレンと少ない比率のエチレンと高分子量共重合体を記載しており、これらは通常のツーリングによって処理をしてパイプを製造することができる。このパイプは、脆さが低減され、同時に平滑な表面と高い靭性と剛性とを備え、長期内部静水圧試験での良好な結果をも同時に示す。しかし、肉厚のプロピレンパイプ(例えば、500mmの外径daと28.4mmの肉厚とを備えたパイプ)をこのポリプロピレンから製造する場合には、平均外径および楕円率の寸法制限、さらに肉厚の寸法制限に関して、DIN8077の要求が満たされない。これらのパイプは、製造後の外径が非円形であり、肉厚分布が非均一である。この種のパイプは、DIN8077の要求を満たさない。これは実用に適さない。
EP−B45977 EP−A171200 US−A4857613 US−A5288824 EP−A177961 DE−A4019053 EP−A808870 K.H.Moos、B.Tilger、Angewandte Makromoleculare Chemie 94(1981年)、頁213−225
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を解消すること、そして、平滑な表面を有し、長期内部静水圧試験において非常に良好な結果を示し、優れた衝撃強さを有し、その寸法安定性が平均外径と楕円率の寸法制限と、肉厚の寸法制限を満たすパイプを、製造可能である新規な成形組成物を提供することにある。さらに本発明の目的には、これらの成形組成物、およびこれらの成形組成物から製造されたフィルム、ファイバー、成形体、特にパイプを製造するための、最も単純化され且つ費用対効果の最大化された製造方法を提供することも含まれる。
本発明者等は、この目的が、230℃および5kgの条件下でのISO1133による0.3〜1g/10分の溶融マスフロー速度MFRと、2〜20質量%の範囲のβ型クリスタライト比率とを備えた、高分子量プロピレンポリマーから製造される成形組成物によって達成されることを見いだした。
この高分子量プロピレンポリマーは、0.3〜1g/10分、好ましくは0.6〜0.9g/10分、特に好ましくは0.75〜0.9g/10分の溶融マスフロー速度MFR(230/5)を有している。この溶融マスフロー速度MFRは、230℃の温度と5kgの負荷でISO1133により標準化された試験装置から10分間の間に押出成形されたポリマーの量で規定される。0.3〜1g/10分の溶融マスフロー速度MFR(230/5)は、230℃の温度と2.16kgの負荷で測定された0.1〜0.3g/10分の溶融マスフロー速度MFR(230/2.16)にほぼ相当するが、規定された流動性範囲内での種々のポリマーをより厳密に区別することができる。
本発明の成形組成物の高分子量ポリプロピレンにおけるβ型クリスタライト比率は、2〜20質量%、好ましくは2〜10質量%、特に4〜8質量%である。β型クリスタライトの含有量は、本発明においてはX線回折分析によって測定される。ターナージョーンズの式(A.Turner−Jones等、Makromol.Chem.75(1964)134)):
Figure 2006511683
が、クリスタリンβ型の相対的比率を示すkを決定するために好適に使用される。H(110)α、H(040)α、およびH(130)αは、α型の3つの顕著なピーク(110)、(040)、および(130)の高さを意味し、H(300)βは、β型の顕著なピーク(300)の高さを意味する。β型が無ければkの値は0であり、材料中にβ型のみが存在すればkの値は1である。
本発明の実施の一態様において、ISO11357−1による本発明の成形組成物のDSC結晶化の開始は、122℃よりも高く、好ましくは130℃よりも低く、特に好ましくは123〜129℃、最も好ましくは123〜127℃の温度である。記載したDSC結晶化開始の範囲が満たされれば、得られる成形組成物は特に好適な性質を有する。
さらに本発明の成形組成物は、好ましくはキナクリドン顔料を、成形組成物の全体に対して、0.001〜0.5質量%、好ましくは0.002〜0.2質量%、特に好ましくは0.002〜0.1質量%の量で含む。使用される核形成剤は、直鎖トランスキナクリドンのガンマ相を含むことが特に好ましく、これはPV Echtrot E3BまたはE5Bの商品名でフランクフルトのClariant GmbHから販売されている。
さらに本発明の成形組成物は、特に、通常の添加剤、例えば中性化剤、安定化剤、潤滑剤、フィラー、または着色顔料を、通常の量で含むこともできる。
本発明の成形組成物は、180〜320℃、好ましくは200〜280℃、特に好ましくは220〜260℃の温度下の混合装置中で、高分子量プロピレンポリマーをキナクリドン顔料と混合して溶融することにより得ることができる。使用される混合装置は、特に押出成形装置(エクストルーダー)または混練装置(ニーダー)、特に好ましくはツインスクリューエクストルーダーである。ポリマーが粉末状である場合には、室温の混合装置中で、ポリマーと核形成剤またはその他の添加剤をプレミックス(予備混合)することが好適である。
外観のために、本発明の成形組成物に適切な着色顔料を添加して、所望のRAL色数(color number)を得ることも推奨される。
使用される高分子量プロピレンポリマーは特に、高分子量プロピレンホモポリマー、あるいは10個以下の炭素原子を有する他のオレフィンを共重合して30質量%以下で有する高分子量プロピレンコポリマーを、含んでもよい。他のオレフィンは、特にC2〜C10−アルケン、例えばエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、または1−オクテンであり、エチレンまたは1−ブテンまたはエチレンと1−ブテンの使用が好ましい。
本発明の成形組成物に特に適した材料は、プロピレンのホモポリマー、あるいは10個以下の炭素原子を有する他のオレフィンを共重合して30質量%以下で含むプロピレンのコポリマーである。プロピレンのコポリマーは、ブロックまたはインパクトコポリマー、または好ましくはランダムコポリマーである。プロピレンのコポリマーがランダム構造を有する場合には、これらは一般に、コモノマーとして、10個以下の炭素原子を有する15質量%以下、好ましくは6質量%以下、特に好ましくは2質量%以下の他のオレフィン、特にエチレンまたは1−ブテン、またはエチレンと1−ブテンの混合物を含む。
プロピレンのブロックまたはインパクトコポリマーは、第1段階で、10個以下の炭素原子を含む15質量%以下、好ましくは6質量%以下、特に好ましくは2質量%以下の他のオレフィンを、コモノマーとして使用して、プロピレンホモポリマーまたはプロピレンのランダムコポリマーを製造し、その上に次の第2段階で、15〜99質量%のエチレン含有量のプロピレン−エチレンコポリマーを重合させる。プロピレン−エチレンコポリマーも他のC4〜C10オレフィンを含むことができる。第1ポリマー上に重合されたプロピレン−エチレンコポリマーの量は、一般には、最終生成物が、第2段階で製造されたコポリマーの含有量を3〜90質量%で有するような量である。
プロピレンのランダムコポリマーは、第1段階で、10個以下の炭素原子を含む15質量%以下、好ましくは6質量%以下、特に好ましくは2質量%以下の他のオレフィンを、コモノマーとして使用して、プロピレンホモポリマーまたはプロピレンのランダムコポリマーを製造し、その上に次の第2段階で、プロピレンホモポリマー、あるいは10個以下の炭素原子を有する15質量%以下、好ましくは6質量%以下、特に好ましくは2質量%以下の他のオレフィンのコモノマーを有するプロピレンのランダムコポリマーを重合する。2つの段階のポリマーは、モル質量およびコモノマー含有量が異なる。エチレン含有量は、ポリマー生成物において、コモノマーとして15質量%、好ましくは6質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。
本発明の成形組成物において使用されるプロピレンポリマーは、特に、チーグラーナッタ触媒系によって対応するモノマーを重合させることによって、製造することができる。使用される触媒系は特に、チタン含有固体成分a)のみならず、有機アルミニウム化合物b)および電子供与体化合物の形態で、共触媒をも含むものである。
しかし、本発明の成形化合物に存在するプロピレンポリマーを製造するために使用する触媒は、メタロセン化合物に基づいた、あるいは触媒活性を有する金属錯体に基づいたチーグラーナッタ触媒系を含むことができる。
チタン含有固体成分a)を製造するために通常使用されるチタン化合物は、通常、3価または4価のチタンのハロゲン化物またはアルコラートを含むが、ハロゲン化チタンアルコキシ化合物、または種々のチタン化合物の混合物を使用することもできる。ハロゲンとして塩素が存在するチタン化合物の使用が好ましい。チタンと共にハロゲンのみを含むチタンハロゲン化物の使用も好適であり、これらの中で特に好適であるのは、チタンクロリドであり、特にチタンテトラクロリドである。
チタン含有固体成分a)は、好ましくは、1種以上のハロゲン含有マグネシウム化合物を含む。この場合のハロゲンは、塩素、臭素、ヨウ素、またはフッ素であり、臭素と特に塩素が好ましい。ハロゲン含有マグネシウム化合物は、チタン含有固体成分a)の製造の間に直接に使用され、あるいはそれらの製造の間に形成される。チタン含有固体成分a)の製造のために特に適したマグネシウム化合物は、マグネシウムハロゲン化物、特にマグネシウムジクロリドまたはマグネシウムジブロミド、あるいは、通常の方法、例えばハロゲン化剤との反応によってハロゲン化物が得られるマグネシウム化合物であり、このようなマグネシウム化合物の例には、マグネシウムアルキル化合物、マグネシウムアリール化合物、マグネシウムアルコキシ化合物、およびマグネシウムアリールオキシ化合物、およびグリニャール試薬がある。チタン含有固体成分a)の製造に適したハロゲン不含有のマグネシウム化合物の好ましい例には、n−ブチルエチルマグネシウム、およびn−ブチルオクチルマグネシウムがある。好ましいハロゲン化剤は、塩素または塩化水素である。しかし、チタンハロゲン化物もまたハロゲン化剤として使用することができる。
チタン含有固体成分a)は、電子供与体化合物、例えば1価または多価のカルボン酸、カルボン酸無水物、またはカルボン酸エステル、あるいはケトン、エーテル、アルコール、ラクトン、または有機リン化合物または有機ケイ素化合物をも好適に含む。
チタン含有固体成分中の好ましい電子供与体化合物は、カルボン酸誘導体、特に式(II)のフタル酸誘導体:
Figure 2006511683
であり、但し、XおよびYはそれぞれ、塩素原子または臭素原子またはC1〜C10−アルコキシ基、あるいは、XおよびYは合わさって無水物基の酸素原子である。特に好ましい電子供与体化合物は、フタル酸エステルであり、但しXとYはC1〜C8−アルコキシ基である。好適に使用されるフタル酸エステルの例は、ジエチルフタレート、ジ−n−ブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジ−n−ペンチルフタレート、ジ−n−ヘキシルフタレート、ジ−n−ヘプチルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、またはジ−2−エチルヘキシルフタレートである。
チタン含有固体成分中の他の好ましい電子供与体化合物は、3−または4−員の、置換または無置換の、シクロアルキル−1,2−ジカルボン酸のジエステル、および無置換のベンゾフェノン−2−カルボン酸のモノエステル、または置換のベンゾフェノン−2−カルボン酸のモノエステルである。これらのエステルに使用されるヒドロキシ化合物は、エステル化反応用の通常のアルコール、例えばC1〜C15アルカノールまたはC5〜C7−シクロアルカノールであり、これらは1以上のC1〜C10−アルキル基またはC6〜C10のフェノール基を備えている。
種々の電子共用体化合物の混合物を使用することもできる。
チタン含有固体成分a)を製造する場合に、マグネシウム化合物1モルあたり0.05〜2.0モル、好ましくは0.2〜1.0モルの電子供与体化合物が一般に使用される。
チタン含有成分a)は、さらに支持体として無機酸化物を含んでもよい。通常使用される支持体は、5〜200mm、好ましくは20〜70mmのメジアン粒径を有する微粉砕された無機酸化物を含む。この場合のメジアン粒径は、コールターカウンター分析により測定された粒径分布の体積メジアンである。
微粉砕された無機酸化物のグレインは、好ましくは主に1〜20mm、特に1〜5mmのメジアン粒径を有する一次粒子からなる。一次粒子と呼んだ粒子は、一般に無機酸化物のヒドロゲルをグラインドすることにより得られる多孔性顆粒状酸化物粒子である。次の処理の前に一次粒子をふるい分けすることもできる。
好適に使用される無機酸化物の別な特性は、平均直径0.1〜20mm、特に1〜15mmのキャビティ(空洞)またはチャネル(導路)を有し、粒子全体に対するこれらの体積割合が5〜30%、特に10〜30%の範囲にあることである。
一次粒子のメジアン粒径、さらに無機酸化物における体積によるキャビティおよびチャネルのマクロ的割合は、無機酸化物のグレイン表面またはグレイン断面を使用した走査型電子顕微鏡または電子プローブ微量分析を用いたイメージ分析を使用して、好適に測定される。得られたイメージは評価され、一次粒子のメジアン粒径、およびキャビティとチャネルのマクロ的な体積割合を決定するために使用される。イメージを分析する好ましい方法には、電子顕微鏡データをグレイ値のバイナリイメージへと変換すること、およびデジタル評価に適したEDVプログラムを使用することが含まれ、この例としてはSIS分析ソフトウェアパッケージがある。
好ましく使用される有機酸化物を得るための方法の例として、摩砕したヒドロゲルの噴霧乾燥があり、これは最後に水又は脂肪族アルコールと混合される。これらの微細に粉砕された無機酸化物も、市販されている。
微細に粉砕された無機酸化物はさらに、通常、0.1〜10cm3/g、好ましくは1.0〜4.0cm3/gの孔容積と、10〜1000m2/g、好ましくは100〜500m2/gの比表面積を有し、これらの値はDIN66133による水銀多孔度測定法およびDIN66131による窒素吸着法によって測定される。
pH、すなわちプロトン濃度の10を底とする対数の負の値が、1〜6.5の範囲、特に2〜6の範囲にある無機酸化物も使用可能である。
使用可能な無機酸化物は、特にケイ素、アルミニウム、チタン、または周期表の1族または2族の金属の1種の酸化物である。アルミニウム酸化物、またはマグネシウム酸化物、またはフィロケイ酸塩と並んで、特に好ましい酸化物は、ケイ素酸化物(シリカゲル)である。アルミニウムシリケート、またはマグネシウムシリケートのような混合酸化物を使用することもできる。
支持体として使用される無機酸化物の表面上には水が存在する。この水はある程度は吸着によって物理的に結合しており、ある程度は水酸基の形態で化学的に結合している。無機酸化物の水含有量は、熱処理又は化学処理によって減少することあるいは完全に除去することが可能であり、化学処理が使用される場合には、通常の乾燥剤、例えばSiCl4、クロロシラン、またはアルミニウムアルキル化合物を使用することができる。無機酸化物の好ましい水含有量は、0〜6質量%である。無機酸化物を市販の形態でそのままで、さらに処理することなく好適に使用することができる。
チタン含有固体成分a)中のマグネシウム化合物の存在量および無機酸化物の存在量は、0.1〜1.0モル、特に0.2〜0.5モルのマグネシウム化合物が、無機酸化物の1モルあたりに存在するような量であることが好ましい。
チタン含有固体成分a)を製造する場合には、一般に、C1〜C8アルカノール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、または2−エチルヘキサノール、またはこれらの混合物もまた使用される。エタノールの使用が好ましい。
チタン含有固体成分は、公知の方法によって製造できる。例として、特にEP−A45975、EP−A45977、EP−A86473、EP−A171200、GB−A2111066、US−A4857613、およびUS−A5288824を挙げることができる。DE−A19529240に開示された方法が好ましい。
トリアルキルアルミニウムに加えて、触媒として適したアルミニウム化合物b)は、アルキル基が、アルコキシ基またはハロゲン原子、例えば塩素または臭素によって置換された化合物である。アルキル基は、同一でもよく互いに異なっていてもよい。直鎖又は分枝のアルキル基を使用することができる。それぞれ1〜8個の炭素原子であるアルキル基を有するトリアルキルアルミニウム化合物、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、またはメチルジエチルアルミニウム、またはこれらの混合物を、好適に使用できる。
アルミニウム化合物b)に加えて、他の共触媒として電子供与体化合物c)、例えば1価または多価のカルボン酸、カルボン酸無水物、またはカルボン酸エステル、およびさらにケトン、エーテル、アルコール、ラクトン、および有機リン化合物および有機ケイ素化合物を、一般に使用することができ、これらの電子供与体化合物は、チタン含有固体成分a)を製造するためのものと同じでもよく異なっていてもよい。この場合に好ましい電子供与体化合物は、式(I):
Figure 2006511683
の有機ケイ素化合物であり、
但し、R1は、同一又は相違のC1〜C20−アルキル基、5員〜7員のシクロアルキル基、これがC1〜C10−アルキル置換基を有していてもよく、C6〜C18−アリール基、またはC6〜C18−アリール−C1〜C10アルキル基であり、
2は、同一又は相違のC1〜C20−アルキル基であり、
nは、整数1、2、または3である。R1がC1〜C8−アルキル基または5員〜7員のシクロアルキル基およびR2がC1〜C4−アルキル基、且つnが1または2である、化合物が特に好ましい。
これらの化合物のなかで特に重要であるものは、ジイソプロピルジメトキシシラン、イソブチルイソプロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、イソプロピル−tert−ブチルジメトキシシラン、イソブチル−sec−ブチルジメトキシシラン、およびイソプロピル−sec−ブチルジメトキシシランである。
使用する触媒b)およびc)の量は、アルミニウム化合物b)由来のアルミニウムとチタン含有固体成分a)由来のチタンとの原子比が、10:1〜800:1、特に20:1〜200:1になるように、且つアルミニウム化合物b)と電子供与体化合物c)とのモル比が、1:1〜250:1、特に10:1〜80:1になるような量であることが好ましい。
通常使用されるチタン含有固体成分a)、触媒、アルミニウム化合物b)、および電子供与体化合物c)は、組みあわせによりチーグラーナッタ触媒系を形成する。
メタロセン化合物に基づいた、あるいは重合活性のある金属錯体に基づいたチーグラーナッタ触媒系は、プロピレンポリマーの製造方法においてポリマー化反応(重合反応)へ導入することもできる。
メタロセンはこの場合に、周期表の3〜12族の金属から有機リガンドを伴って生成された錯体化合物であり、この有機リガンドはメタロセニウム−イオン形成化合物との組み合わせにより効果的な触媒系を生成するものである。本発明における使用のためには、メタロセン化合物は、通常、支持された形態で触媒中に存在する。上述した、チタン含有固体成分a)の製造に使用される無機酸化物を使用することが好適である。
通常使用されるメタロセン中に存在する中心原子には、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムが含まれ、ジルコニウムが好ましい。中心原子は一般に、1以上のシクロペンタジエニル基および他の置換基で、通常は置換されたp−結合を有する。他の置換基は、ハロゲン、水素、または有機基、好ましくはフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素、またはC1〜C10−アルキル基を使用できる。
好適なメタロセンは、2個のp結合を介した2個のシクロペンタジエニル基への結合を有する中心原子を含有し、特に好適であるのは、シクロペンタジエニル基の置換基がシクロペンタジエニル基の両方への結合を有しているメタロセンである。2個の隣接した炭素原子がシクロ基によって置換されたシクロペンタジエニル基を有する錯体が特に好適である。
他の好ましいメタロセンは、ただ1個のシクロペンタジエニル基を有するものであるが、但しこれは中心原子への結合を有する基による置換を有するものである。
好ましいメタロセン化合物の例には、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(テトラヒドロイデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジフェニルメチレン−9−フルオレニルシクロペンタジエニルジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス(2−メチルベンズイデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、又は
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド、および対応するジメチルジルコニウム化合物を挙げることができる。
メタロセン化合物は、公知であるか、あるいは公知の方法によって得ることができる。
メタロセン触媒系は、共触媒としてメタロセニウム−イオン形成化合物をも含む。好適な化合物は、中性の強いルイス酸、ルイス酸カチオンを有するイオン性化合物、またはカチオンとしてブレンステッド酸を有するイオン化合物である。これらの例には、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、またはテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボーレート、またはN,N−ジメチルアニリニウムの他の塩を挙げることができる。その他の好適なメタロセニウム−イオン形成化合物およびそれらの好適な共触媒は、開鎖またはシクロ(環状)のアルミノキサン化合物である。これらは通常、トリアルキルアルミニウム化合物と水の反応によって製造され、通常は直鎖または環状鎖分子の両方の種々の長さの混合物である。
メタロセン触媒系は、周期表の第1、第2、または第13族の金属の有機金属化合物を含み、例えばn−ブチルリチウム、n−ブチル−n−オクチルマグネシウム、またはトリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、またはトリメチルアルミニウムである。
本発明のプロピレンポリマーを製造するために、C2〜C10オレフィンを重合する通常の反応装置を使用することができる。好適な反応装置には、特に、連続運用用平面型または直立型撹拌タンク、循環型反応装置、ループ型反応装置、段階型反応装置、または流動床型反応装置がある。反応装置のサイズは、本発明の成形組成物の製造のためには、特別な重要性は持たない。これは反応領域で達成されるアウトプットに依存する。
最初に濃縮相で、特に液体プロピレンで重合化し、次に気相で、特に好ましくは第2濃縮相で行う、2段階以上の重合を行うことが好ましい。反応の第1および第2段階の両方を、さらにそれ以前の予備重合も、バッチ法または連続法のいずれでも操作することができるが、連続操作が好ましい。この種の二段階法は、例えばEP877039A1に記載されている。第1および第2段階に特に好ましい反応装置は、撹拌タンク反応装置およびループ型反応装置であり、反応の第2段階に適した他の反応装置は、これが気相中で行われる場合には、振盪によって混合が行われる気相流動床式反応装置である。
好ましい一の2段階反応において、ポリマーは、重合の第一段階の反応へと搬送されて、55〜100℃の温度で0.5〜6時間の滞留時間で液体プロピレン中で重合される。相の比は、ポリプロピレンの1kgあたりプロピレン2.5〜6lの範囲に調整される。水素が、モル質量を制御するために供給される。液相中で共重合を行うこと、すなわちランダムコポリマーを製造することが好ましい。第1段階では、第2反応装置と比べて高分子量のポリマーが製造される。反応の第1段階は、直列に配置された2つの反応装置中でも行うことができる。反応の第1段階の後に、多相系は、第2段階の反応装置へと、液相反応装置へまたは後処理反応装置(フラッシュ容器)を介し、最後に気相反応装置へと移送される。
気相反応装置が使用される場合には、第2段階は10〜14barの圧力、30〜110℃で、0.5〜6時間の反応時間で行われる。ここでも、水素をモル質量の制御のために供給してもよい。液相中で第2段階が同様に行われる場合には、重合条件は第1段階のそれとは異なる。別なα−オレフィン、特にエチレン又は1−ブテンを、この場合に、特に第1重合段階において、同時に共重合可能である。
上述した本発明の好適な実施の態様は、組み合わせて、あるいは互いに独立して、好適に使用することができる。これは特に、DSC結晶化開始のために述べた範囲についてもあてはまり、これは、β型の割合に関係なく、改良された特性を備えた成形組成物を提供する。
本発明の成形組成物は、フィルム、ファイバー、又は成形品の材料として、特にパイプの材料として適している。これらの高い靱性は、外径daが500mmまたはそれ以上で、壁厚sが28.4mmまたはそれ以上であるパイプの押出成形処理の間に非常に良好な処理特性をもたらす。本発明の成形組成物から製造されたパイプの特性は、特に非常に平滑な内部表面、長期内部静水圧試験での非常に良好な試験結果であり、さらに円形性と内径厚分布についても良好であり、その一方で材料は高い衝撃強さを維持していた。特に、製造されたパイプは平均外径と楕円率による寸法制限、および壁厚の寸法制限に関するDIN8077の要求を完全に満たす。
高いβ含有量のパイプと比較して、本発明の成形組成物から作られたパイプの特徴は、より高い環状剛性とより優れた寸法安定性である。
全ての実施例において、溶融マスフロー速度(MFR値)は、23.0℃で5.0kgの負荷下でISO1133にしたがって測定された。エチレン含有量は、赤外線分光法、およびゲルろ過クロマトグラフィーによる多分散性Mw/Mnとによって決定された。
外挿された結晶化開始温度(TeiC、開始)を、DIN EN ISO11357−1にあるように、ベースラインと結晶化ピークの上昇側部を外挿することによって、DSCから得た。メトラートレドスター(Mettler Toledo STAR)装置を、10K/分の冷却速度でDSCプロットに使用した。常に3つの測定値の平均をとった。
β型クリスタライトの含有量を、上述したようにターナージョーンズの式を用いて、X線回折分析によって測定した。
[実施例1](本発明):
高分子量ランダムコポリマーの製造
70リットルの容器を注意深く不活性化し、次に50リットルの液体プロピレンを30℃で充填した。100ミリモルのトリエチルアルミニウムと3.35ミリモルのジシクロペンチルジメトキシシランを添加し、混合物を30℃で15分間撹拌した。450mgのモンテル(Montell)FT4S M1触媒を添加して、さらに別な工程で、2.4Nlの水素を添加した。モンテル(Montell)FT4S M1触媒は、チタン化合物から、マグネシウム化合物から、および内部電子供与体としてフタル酸エステルからつくられたチタン含有固体成分から構成されていた。
容器の内容物を撹拌しつつ70℃に加熱した。重合が開始した。温度は48分の間、常に70℃に維持された。この間に、68gのエチレンを反応装置に連続的に導入した。48分間の後に、24Nlの水素をさらに添加した。温度を36分間、70℃で維持した。反応装置の内容物を、次に減圧によって後処理した。これは未反応のプロピレンを蒸発によって除去したことを意味する。
これにより、0.5質量%の共重合エチレンを含む13.6kgのプロピレンコポリマーを得た。これらのデータから計算された触媒収率は、1gの触媒、すなわちチタン含有固体成分あたり29.5kgのプロピレンコポリマーである。得られたプロピレン共重合体は、0.55g/10分の溶融フロー速度MFR、4.0質量%の低温キシレン溶解画分、および10.3の多分散性Mw/Mnを有していた。この実験を、全体量500kgを製造するために何度も繰り返した。
[実施例2](本発明):
実施例1から得られた粉末を、53mmのスクリュー直径を備えたスクリュー型押出成形装置中で不活性気体下で約240℃でペレット化した。この場合に添加した安定化剤は、0.15%のイルガノックス(Irganox)(登録商標)1010および0.15%のホスタノックス(Hostanox)(登録商標)PAR24であった。さらに着色顔料を、RAL7032の色に調整するために添加した。0.005%のPV Echtrot E5B(市販品、クラリアント(Clariant)GmbH(フランクフルト、ドイツ)製)を核形成剤として添加した。このペレットを測定したMFR230/5は、0.84g/10分であった。DSC開始は、126±0.2℃と決定された。
イルガノックス(登録商標)1010は、チバスペシャリティケミカル(Ciba Spezialitaetenchemie)、バーゼル(Basel)の製品であり、ホスタノックス(登録商標)は、クラリアント(Clariant)GmbH(フランクフルト、ドイツ)製の抗酸化剤である。
[実施例3](本発明):
射出成形を使用して、実施例2のペレットから引張り試験片を製造した。引っ張り弾性率を測定するためのISO527/1+2にしたがって、引張り試験を引張り試験片で行った。測定された値は、s=1238MPaであった。成形組成物の靭性を、ISO179/1eAにしたがったシャルピーノッチ衝撃強さ法によって測定した。測定されたacn値は18.9kJ/m2であった。いずれの試験も23℃で行った。
ペレットを1mm厚のプラークにプレスして、X線分析を行ってβ型の割合を測定した。ピークの高さから、β型が6%の割合であった。
[実施例4](本発明):
実施例2のペレットを、押出成形プラント(スクリュー径ds=90mm、L/D=30、熱的に隔離された溝付きブッシュ、スパイラルグルーブディストリビューター、真空噴霧タンクキャリブレーション)で処理して、寸法500×45.4mm(外径da=500mm、壁厚s=45.4mm)のパイプを得た。重量スループットは、380〜410kg/hであり、取りだし速度に依存していた。バレル温度は、215℃の溶融温度を得られるように設定した。
処理は非常に安定して進行し、パイプの内部表面は極めて平滑であった。パイプは十分に円形の断面を有していた。DIN8077による楕円率の寸法制限を超過することはなかった。
壁厚は、パイプの周囲に60度ごとに区切った6つのテストポイントで測定した。DIN8077によればこれらの寸法のパイプでは、壁厚は、s=45.0〜s=49.8mm(3本のパイプの測定の平均として得られた値)でなければならない。

テストポイント1 (パイプの頂部) s1=45.3mm
テストポイント2 (1から時計方向に60度進む) s2=46.4mm
テストポイント3 (2から時計方向に60度進む) s3=47.5mm
テストポイント4 (3から時計方向に60度進む) s4=48.1mm
テストポイント5 (4から時計方向に60度進む) s5=47.2mm
テストポイント6 (5から時計方向に60度進む) s6=46.1mm

あらさを、パイプの内部表面で測定した。非常に平滑であった。
以下の値が得られた。
a) 最大孤立あらさ深度 Rmax: 2.99mm
b) 平均あらさ深度 Rz: 2.79mm
c) 相加平均あらさ Ra: 0.35mm
d) 最大あらさ深度 Rt: 3.25mm

DIN8078長期内部静水圧試験を、パイプで行った。


試験温度 試験応力 DIN8078による 破損までの測定時間
破損までの最小時間
95℃ 3.5N/mm2 >1000h 1852h
120℃ 3.0N/mm2 >200h 321h


結果は、求められる破損までの最小時間を満足した。
パイプについて、15Jの公称衝撃振子エネルギーを用いて、15℃および23℃でのDIN8078による衝撃曲げ試験を行った。このための試験片はパイプ壁から機械的に取り出した。いずれの温度でもこの試験を通過した。試験片は破損することなく衝撃曲げ試験に耐えた。吸収されたエネルギーは、23℃で100kJ/m2、15℃で98kJ/m2であった。
[実施例5](比較例):
実施例1から得た粉末を、スクリュー径53mmのツインスクリュー型押出成形装置中で不活性気体の存在下、約240℃でペレット化した。この際に添加した安定化剤は、0.15%のイルガノックス(登録商標)1010と0.15%のホスタノックス(登録商標)PAR24であった。RAL7032の色に調整するために着色顔料も添加した。0.2%の微細タルク(ルゼナック(Luzenac)製、市販品)を核形成剤として添加した。ペレットで測定したMFR230/5は、0.85g/10分であった。DSC開始は、119±0.4℃と決定された。
[実施例6](比較例):
射出成形を使用して、実施例5のペレットから引張り試験片を製造した。引張り弾性率を決定するためのISO527/1+2による引張り試験を、引張り試験片で行った。測定された値は、s=1342MPaであった。成形組成物の靭性を、ISO179/1eAによるシャルピーノッチ衝撃強さによって測定した。測定されたacn値8.9kJ/m2であった。いずれの試験も23℃で行った。
1mm厚のプラークをペレットからプレスして、β型の比率を測定するためにX線分析を行った。検出可能な含有量のβ型は見いだされなかった。
[実施例7](比較例):
実施例5からのペレット押出成形プラント(スクリュー径ds=90mm、L/D=30、熱的に隔離された溝付きブッシュ、スパイラルグルーブディストリビューター、真空噴霧タンクキャリブレーション)で処理して、寸法500×45.4mm(外径da=500mm、壁厚s=45.4mm)のパイプを得た。重量スループットは、380〜410kg/hであり、取りだし速度に依存していた。バレル温度は、215℃の溶融温度を得られるように設定した。
処理は非常に安定して進行した。パイプは円形の断面を有していた。DIN8077による楕円率の寸法制限を超過することはなかった。
壁厚は、パイプの周囲に60度ごとに区切った6つのテストポイントで測定した。DIN8077によればこれらの寸法のパイプでは、壁厚は、s=45.0〜s=49.8mm(3本のパイプの測定の平均として得られた値)でなければならない。

テストポイント1 (パイプの頂部) s1=45.8mm
テストポイント2 (1から時計方向に60度進む) s2=47.2mm
テストポイント3 (2から時計方向に60度進む) s3=48.6mm
テストポイント4 (3から時計方向に60度進む) s4=49.1mm
テストポイント5 (4から時計方向に60度進む) s5=48.3mm
テストポイント6 (5から時計方向に60度進む) s6=46.9mm

あらさは、パイプの内部表面で測定した。非常に粗であった。
以下の値が得られた。
a) 最大孤立あらさ深度 Rmax: 12.13mm
b) 平均あらさ深度 Rz: 9.83mm
c) 相加平均あらさ Ra: 1.31mm
d) 最大あらさ深度 Rt: 12.18mm

DIN8078長期内部静水圧試験を、パイプで行った。


試験温度 試験応力 DIN8078による 破損までの測定時間
破損までの最小時間
95℃ 3.5N/mm2 >1000h 1349h
120℃ 3.0N/mm2 >200h 283h


結果は、求められる破損までの最小時間を満足した。
パイプについて、15Jの公称衝撃振子エネルギーを用いて、15℃および23℃でのDIN8078による衝撃曲げ試験を行った。このための試験片はパイプ壁から機械的に取り出した。23℃の温度でのみこの試験を通過した。15℃では試験を通過しなかった。吸収されたエネルギーは、23℃で88kJ/m2、15℃で78kJ/m2であった。
[実施例8](比較例):
高分子量ランダムコポリマーの製造
70リットルの容器を注意深く不活性化し、次に50リットルの液体プロピレンを30℃で充填した。100ミリモルのトリエチルアルミニウムと3.35ミリモルのジシクロペンチルジメトキシシランを添加し、混合物を30℃で15分間撹拌した。450mgのモンテル(Montell)FT4S M1触媒を添加して、さらに別な工程で、2.9Nlの水素を添加した。
容器の内容物を撹拌しつつ70℃に加熱した。重合が開始した。温度は48分の間、常に70℃に維持された。この間に、68gのエチレンを反応装置に連続的に導入した。48分間の後に、29Nlの水素をさらに添加した。温度を36分間、70℃で維持した。反応装置の内容物を、次に減圧によって後処理した。これは未反応のプロピレンを蒸発によって除去したことを意味する。
これにより、0.5質量%の共重合エチレンを含む13.6kgのプロピレンコポリマーを得た。これらのデータから計算された触媒収率は、1gの触媒、すなわちチタン含有固体成分あたり29.5kgのプロピレンコポリマーである。得られたプロピレン共重合体は、0.90g/10分の溶融フロー速度MFR、4.0質量%の低温キシレン溶解画分、および10.3の多分散性Mw/Mnを有していた。この実験を、全体量500kgを製造するために何度も繰り返した。
[実施例9](比較例):
実施例1から得た粉末を、スクリュー径53mmのツインスクリュー型押出成形装置中で不活性気体の存在下、約240℃でペレット化した。この際に添加した安定化剤は、0.15%のイルガノックス(登録商標)1010と0.15%のホスタノックス(登録商標)PAR24であった。RAL7032の色に調整するために着色顔料も添加した。0.2%の微細タルク(ルゼナック(Luzenac)製、市販品)を核形成剤として添加した。ペレットで測定したMFR230/5は、1.04g/10分であった。DSC開始は、120±0.3℃と決定された。
[実施例10](比較例):
射出成形を使用して、実施例5のペレットから引張り試験片を製造した。引張り弾性率を決定するためのISO527/1+2による引張り試験を、引張り試験片で行った。測定された値は、s=1385MPaであった。成形組成物の靭性を、ISO179/1eAによるシャルピーノッチ衝撃強さによって測定した。測定されたacn値7.8kJ/m2であった。いずれの試験も23℃で行った。
[実施例11](比較例):
実施例9からのペレット押出成形プラント(スクリュー径ds=90mm、L/D=30、熱的に隔離された溝付きブッシュ、スパイラルグルーブディストリビューター、真空噴霧タンクキャリブレーション)で処理して、寸法500×45.4mm(外径da=500mm、壁厚s=45.4mm)のパイプを得た。重量スループットは、380〜410kg/hであり、取りだし速度に依存していた。バレル温度は、215℃の溶融温度を得られるように設定した。以後の用途に適したパイプを製造することはできなかった。パイプは、外径が円形でなく、壁厚分布が不均一であった。これらは、平均外径および楕円率の寸法制限、および壁厚の寸法制限に関し、DIN8077の要求を満たさなかった。
パイプの内部表面は非常に粗であった。
長期内部静水圧試験は行わなかった。
パイプについて、15Jの公称衝撃振子エネルギーを用いて、15℃および23℃でのDIN8078による衝撃曲げ試験を行った。このための試験片はパイプ壁から機械的に取り出した。23℃での試験のみ通過した。吸収されたエネルギーは、23℃で80kJ/m2、15℃で63kJ/m2であった。
[実施例12](本発明):
高分子量ランダムコポリマーの製造
70リットルの容器を注意深く不活性化し、次に50リットルの液体プロピレンを30℃で充填した。100ミリモルのトリエチルアルミニウムと20ミリモルのジシクロペンチルジメトキシシランを添加し、混合物を30℃で15分間撹拌した。346mgのモンテル(Montell)FT4S M1触媒を添加して、さらに別な工程で、3.2Nlの水素を添加した。100gのエチレンも添加した。
容器の内容物を撹拌しつつ70℃に加熱した。重合が開始した。温度は48分の間、常に70℃に維持された。重合の間に、全部で400gのエチレンを反応装置に連続的に導入した。48分間の後に、32Nlの水素をさらに添加した。温度を36分間、70℃で維持した。反応装置の内容物を、次に減圧によって後処理した。これは未反応のプロピレンを蒸発によって除去したことを意味する。
これにより、4.1質量%の共重合エチレンを含む10.6kgのプロピレンコポリマーを得た。これらのデータから計算された触媒収率は、1gの触媒、すなわちチタン含有固体成分あたり30.6kgのプロピレンコポリマーである。得られたプロピレン共重合体は、0.57g/分の溶融フロー速度MFR、4.0質量%の低温キシレン溶解画分、および10.7の多分散性Mw/Mnを有していた。この実験を、全体量500kgを製造するために何度も繰り返した。
[実施例13](本発明):
実施例12から得られた粉末を、53mmのスクリュー直径を備えたスクリュー型押出成形装置中で不活性気体下で約240℃でペレット化した。この場合に添加した安定化剤は、0.15%のイルガノックス(Irganox)(登録商標)1010および0.15%のホスタノックス(Hostanox)(登録商標)PAR24であった。さらに着色顔料を、RAL7032の色に調整するために添加した。0.005%のPV Echtrot E5B(市販品、クラリアント(Clariant)GmbH(フランクフルト、ドイツ)製)を核形成剤として添加した。このペレットを測定したMFR230/5は、0.83g/10分であった。DSC開始は、113±0.3℃と決定された。
[実施例14](本発明):
射出成形を使用して、実施例13のペレットから引張り試験片を製造した。引っ張り弾性率を測定するためのISO527/1+2にしたがって、引張り試験を引張り試験片で行った。23℃で測定された値は、s=847MPaであった。成形組成物の靭性を、ISO179/1eAにしたがったシャルピーノッチ衝撃強さ法によって測定した。測定されたacn値は7.3kJ/m2であった。
[実施例15](本発明):
実施例13のペレットを、押出成形プラント(スクリュー径ds=90mm、L/D=30、熱的に隔離された溝付きブッシュ、スパイラルグルーブディストリビューター、真空噴霧タンクキャリブレーション)で処理して、寸法800×45.3mm(外径da=800mm、壁厚s=45.3mm)のパイプを得た。重量スループットは、380〜410kg/hであり、取りだし速度に依存していた。バレル温度は、215℃の溶融温度を得られるように設定した。
処理は非常に安定して進行し、パイプの内部表面は極めて平滑であった。パイプは十分に円形の断面を有していた。DIN8077による楕円率の寸法制限を超過することはなかった。
壁厚は、パイプの周囲に60度ごとに区切った6つのテストポイントで測定した。DIN8077によればこれらの寸法のパイプでは、壁厚は、s=45.0〜s=49.8mm(3本のパイプの測定の平均として得られた値)でなければならない。

テストポイント1 (パイプの頂部) s1=45.2mm
テストポイント2 (1から時計方向に60度進む) s2=46.6mm
テストポイント3 (2から時計方向に60度進む) s3=47.9mm
テストポイント4 (3から時計方向に60度進む) s4=48.3mm
テストポイント5 (4から時計方向に60度進む) s5=47.2mm
テストポイント6 (5から時計方向に60度進む) s6=45.8mm

あらさを、パイプの内部表面で測定した。非常に平滑であった。
以下の値が得られた。
a) 最大孤立あらさ深度 Rmax: 4.61mm
b) 平均あらさ深度 Rz: 4.10mm
c) 相加平均あらさ Ra: 0.72mm
d) 最大あらさ深度 Rt: 4.70mm

DIN8078長期内部静水圧試験を、パイプで行った。


試験温度 試験応力 DIN8078による 破損までの測定時間
破損までの最小時間
95℃ 3.5N/mm2 >1000h 3429h
120℃ 3.0N/mm2 >200h 411h


結果は、求められる破損までの最小時間を満足した。
パイプについて、15Jの公称衝撃振子エネルギーを用いて、0℃および−5℃でのDIN8078による衝撃曲げ試験を行った。このための試験片はパイプ壁から機械的に取り出した。いずれの温度でもこの試験を通過した。試験片は破損することなく衝撃曲げ試験に耐えた。吸収されたエネルギーは、0℃で85kJ/m2、−5℃で80kJ/m2であった。
[実施例16](比較例):
実施例12から得た粉末を、スクリュー径53mmのツインスクリュー型押出成形装置中で不活性気体の存在下、約240℃でペレット化した。この際に添加した安定化剤は、0.15%のイルガノックス(登録商標)1010と0.15%のホスタノックス(登録商標)PAR24であった。RAL7032の色に調整するために着色顔料も添加した。0.2%の微細タルク(ルゼナック(Luzenac)製、市販品)を核形成剤として添加した。ペレットで測定したMFR230/5は、0.85g/10分であった。DSC開始は、105±0.4℃と決定された。
[実施例17](比較例):
射出成形を使用して、実施例16のペレットから引張り試験片を製造した。引張り弾性率を決定するためのISO527/1+2による引張り試験を、引張り試験片で行った。23℃で測定された値は、s=871MPaであった。成形組成物の靭性を、ISO179/1eAによるシャルピーノッチ衝撃強さによって測定した。測定されたacn値6.4kJ/m2であった。
[実施例18](比較例):
実施例16のペレットを、押出成形プラント(スクリュー径ds=90mm、L/D=30、熱的に隔離された溝付きブッシュ、スパイラルグルーブディストリビューター、真空噴霧タンクキャリブレーション)で処理して、寸法800×45.3mm(外径da=800mm、壁厚s=45.3mm)のパイプを得た。重量スループットは、380〜410kg/hであり、取りだし速度に依存していた。バレル温度は、215℃の溶融温度を得られるように設定した。処理は非常に安定して進行した。
パイプは円形の断面を有していた。DIN8077による楕円率の寸法制限を超過することはなかった。
壁厚は、パイプの周囲に60度ごとに区切った6つのテストポイントで測定した。DIN8077によればこれらの寸法のパイプでは、壁厚は、s=45.0〜s=49.8mm(3本のパイプの測定の平均として得られた値)でなければならない。

テストポイント1 (パイプの頂部) s1=45.3mm
テストポイント2 (1から時計方向に60度進む) s2=46.9mm
テストポイント3 (2から時計方向に60度進む) s3=48.7mm
テストポイント4 (3から時計方向に60度進む) s4=49.3mm
テストポイント5 (4から時計方向に60度進む) s5=47.9mm
テストポイント6 (5から時計方向に60度進む) s6=46.3mm

あらさを、パイプの内部表面で測定した。非常に粗であった。
以下の値が得られた。
a) 最大孤立あらさ深度 Rmax: 11.52mm
b) 平均あらさ深度 Rz: 9.44mm
c) 相加平均あらさ Ra: 1.60mm
d) 最大あらさ深度 Rt: 12.62mm

DIN8078長期内部静水圧試験を、パイプで行った。


試験温度 試験応力 DIN8078による 破損までの測定時間
破損までの最小時間
95℃ 3.5N/mm2 >1000h 2765h
120℃ 3.0N/mm2 >200h 378h


結果は、求められる破損までの最小時間を満足した。
パイプについて、15Jの公称衝撃振子エネルギーを用いて、0℃および−5℃でのDIN8078による衝撃曲げ試験を行った。このための試験片はパイプ壁から機械的に取り出した。0℃での試験のみを通過した。吸収されたエネルギーは、0℃で80kJ/m2、−5℃で78kJ/m2であった。
[実施例19](比較例):
高分子量ランダムコポリマーの製造
70リットルの容器を注意深く不活性化し、次に50リットルの液体プロピレンを30℃で充填した。100ミリモルのトリエチルアルミニウムと20ミリモルのジシクロペンチルジメトキシシランを添加し、混合物を30℃で15分間撹拌した。346mgのモンテル(Montell)FT4S M1触媒を添加して、さらに別な工程で、3.4Nlの水素を添加した。100gのエチレンも添加した。
容器の内容物を撹拌しつつ70℃に加熱した。重合が開始した。温度は48分の間、常に70℃に維持された。重合の間に、全部で400gのエチレンを反応装置に連続的に導入した。48分間の後に、34Nlの水素をさらに添加した。温度を36分間、70℃で維持した。反応装置の内容物を、次に減圧によって後処理した。これは未反応のプロピレンを蒸発によって除去したことを意味する。
これにより、4.1質量%の共重合エチレンを含む10.6kgのプロピレンコポリマーを得た。これらのデータから計算された触媒収率は、1gの触媒、すなわちチタン含有固体成分あたり30.6kgのプロピレンコポリマーである。得られたプロピレン共重合体は、1.10g/分の溶融フロー速度MFR、4.0質量%の低温キシレン溶解画分、および10.3の多分散性Mw/Mnを有していた。この実験を、全体量500kgを製造するために何度も繰り返した。
[実施例20](比較例):
実施例19から得られた粉末を、53mmのスクリュー直径を備えたスクリュー型押出成形装置中で不活性気体下で約240℃でペレット化した。この場合に添加した安定化剤は、0.15%のイルガノックス(Irganox)(登録商標)1010および0.15%のホスタノックス(Hostanox)(登録商標)PAR24であった。さらに着色顔料を、RAL7032の色に調整するために添加した。0.005%のPV Echtrot E5B(市販品、クラリアント(Clariant)GmbH(フランクフルト、ドイツ)製)を核形成剤として添加した。このペレットを測定したMFR230/5は、1.12g/10分であった。DSC開始は、107±0.4℃と決定された。
[実施例21](比較例):
射出成形を使用して、実施例20のペレットから引張り試験片を製造した。引っ張り弾性率を測定するためのISO527/1+2にしたがって、引張り試験を引張り試験片で行った。23℃で測定された値は、s=893MPaであった。成形組成物の靭性を、0℃でISO179/1eAにしたがったシャルピーノッチ衝撃強さ法によって測定した。測定されたacn値は5.5kJ/m2であった。
[実施例22](比較例):
実施例20のペレットを、押出成形プラント(スクリュー径ds=90mm、L/D=30、熱的に隔離された溝付きブッシュ、スパイラルグルーブディストリビューター、真空噴霧タンクキャリブレーション)で処理して、寸法800×45.3mm(外径da=800mm、壁厚s=45.3mm)のパイプを得た。重量スループットは、380〜410kg/hであり、取りだし速度に依存していた。バレル温度は、215℃の溶融温度を得られるように設定した。
以後の用途に適したパイプを製造することはできなかった。パイプは、外径が円形でなく、壁厚分布が不均一であった。これらは、平均外径および楕円率の寸法制限、および壁厚の寸法制限に関し、DIN8077の要求を満たさなかった。パイプの内部表面は非常に粗であった。
パイプについて、15Jの公称衝撃振子エネルギーを用いて、15℃および23℃でのDIN8078による衝撃曲げ試験を行った。このための試験片はパイプ壁から機械的に取り出した。0℃での試験のみ通過した。吸収されたエネルギーは、0℃で74kJ/m2、−5℃で61kJ/m2であった。
[実施例23](本発明):
高分子量ランダムコポリマーの製造
70リットルの容器を注意深く不活性化し、次に50リットルの液体プロピレンを30℃で充填した。100ミリモルのトリエチルアルミニウムと10ミリモルのジシクロペンチルジメトキシシランを添加し、混合物を30℃で15分間撹拌した。346mgのモンテル(Montell)FT4S M1触媒を次に添加して、さらに別な工程で、8.9Nlの水素を添加した。
容器の内容物を撹拌しつつ70℃に加熱した。重合が開始した。温度は48分の間、常に70℃に維持された。48分間の後に、反応装置の内部圧力は10barにまで減少した。12分間をかけて、3.5Nlの水素、850gのエチレン、および550gのプロピレンを導入した。圧力と温度を一定に保った。
反応装置の内容物を、次に減圧によって後処理した。これは未反応のプロピレンを蒸発によって除去したことを意味する。
これにより、6.2質量%の共重合エチレンを含む13.5kgのプロピレンコポリマーを得た。これらのデータから計算された触媒収率は、1gの触媒、すなわちチタン含有固体成分あたり39.0kgのプロピレンコポリマーである。得られたプロピレン共重合体は、0.58g/分の溶融フロー速度MFR、および11.0質量%の低温キシレン溶解画分を有していた。
[実施例24](本発明):
実施例23から得られた粉末を、53mmのスクリュー直径を備えたスクリュー型押出成形装置中で不活性気体下で約240℃でペレット化した。この場合に添加した安定化剤は、0.15%のイルガノックス(Irganox)(登録商標)1010および0.15%のホスタノックス(Hostanox)(登録商標)PAR24であった。さらに着色顔料を、RAL7032の色に調整するために添加した。0.005%のPV Echtrot E5B(市販品、クラリアント(Clariant)GmbH(フランクフルト、ドイツ)製)を核形成剤として添加した。このペレットを測定したMFR230/5は、0.84g/10分であった。DSC開始は、124±0.3℃と決定された。
[実施例25](本発明):
射出成形を使用して、実施例24のペレットから引張り試験片を製造した。引っ張り弾性率を測定するためのISO527/1+2にしたがって、引張り試験を引張り試験片で23℃で行った。測定された値は、s=1123MPaであった。成形組成物の靭性を、0℃でISO179/1eAにしたがったシャルピーノッチ衝撃強さ法によって測定した。測定されたacn値は15.9kJ/m2であった。
[実施例26](本発明):
実施例24のペレットを、押出成形プラント(スクリュー径ds=90mm、L/D=30、熱的に隔離された溝付きブッシュ、スパイラルグルーブディストリビューター、真空噴霧タンクキャリブレーション)で処理して、寸法500×5.4mm(外径da=500mm、壁厚s=45.4mm)のパイプを得た。重量スループットは、380〜410kg/hであり、取りだし速度に依存していた。バレル温度は、215℃の溶融温度を得られるように設定した。
処理は非常に安定して進行し、パイプの内部表面は極めて平滑であった。パイプは十分に円形の断面を有していた。DIN8077による楕円率の寸法制限を超過することはなかった。
壁厚は、パイプの周囲に60度ごとに区切った6つのテストポイントで測定した。DIN8077によればこれらの寸法のパイプでは、壁厚は、s=45.0〜s=49.8mm(3本のパイプの測定の平均として得られた値)でなければならない。

テストポイント1 (パイプの頂部) s1=45.3mm
テストポイント2 (1から時計方向に60度進む) s2=46.4mm
テストポイント3 (2から時計方向に60度進む) s3=47.5mm
テストポイント4 (3から時計方向に60度進む) s4=48.6mm
テストポイント5 (4から時計方向に60度進む) s5=47.5mm
テストポイント6 (5から時計方向に60度進む) s6=46.2mm

あらさを、パイプの内部表面で測定した。非常に平滑であった。
以下の値が得られた。
a) 最大孤立あらさ深度 Rmax: 9.90mm
b) 平均あらさ深度 Rz: 8.06mm
c) 相加平均あらさ Ra: 1.15mm
d) 最大あらさ深度 Rt: 10.35mm

DIN8078長期内部静水圧試験を、パイプで行った。


試験温度 試験応力 DIN8078による 破損までの測定時間
破損までの最小時間
95℃ 2.60N/mm2 >1000h 1465h
120℃ 3.00N/mm2 >200h 327h


結果は、求められる破損までの最小時間を満足した。
パイプについて、15Jの公称衝撃振子エネルギーを用いて、0℃および−10℃でのDIN8078による衝撃曲げ試験を行った。このための試験片はパイプ壁から機械的に取り出した。いずれの温度でもこの試験を通過した。試験片は破損することなく衝撃曲げ試験に耐えた。吸収されたエネルギーは、0℃で97kJ/m2、−10℃で96kJ/m2であった。
[実施例27](比較例):
実施例23から得た粉末を、スクリュー径53mmのツインスクリュー型押出成形装置中で不活性気体の存在下、約240℃でペレット化した。この際に添加した安定化剤は、0.15%のイルガノックス(登録商標)1010と0.15%のホスタノックス(登録商標)PAR24であった。RAL7032の色に調整するために着色顔料も添加した。0.2%の微細タルク(ルゼナック(Luzenac)製、市販品)を核形成剤として添加した。ペレットで測定したMFR230/5は、0.87g/10分であった。DSC開始は、117±0.3℃と決定された。
[実施例28](比較例):
射出成形を使用して、実施例27のペレットから引張り試験片を製造した。引っ張り弾性率を測定するためのISO527/1+2にしたがって、引張り試験を引張り試験片で23℃で行った。測定された値は、s=1218MPaであった。成形組成物の靭性を、0℃でISO179/1eAにしたがったシャルピーノッチ衝撃強さ法によって測定した。測定されたacn値は11.6kJ/m2であった。
[実施例29](比較例):
実施例27のペレットを、押出成形プラント(スクリュー径ds=90mm、L/D=30、熱的に隔離された溝付きブッシュ、スパイラルグルーブディストリビューター、真空噴霧タンクキャリブレーション)で処理して、寸法500×45.4mm(外径da=500mm、壁厚s=45.4mm)のパイプを得た。重量スループットは、380〜410kg/hであり、取りだし速度に依存していた。バレル温度は、215℃の溶融温度を得られるように設定した。
処理は非常に安定して進行した。パイプは円形の断面を有していた。DIN8077による楕円率の寸法制限を超過することはなかった。
壁厚は、パイプの周囲に60度ごとに区切った6つのテストポイントで測定した。DIN8077によればこれらの寸法のパイプでは、壁厚は、s=45.0〜s=49.8mm(3本のパイプの測定の平均として得られた値)でなければならない。

テストポイント1 (パイプの頂部) s1=45.2mm
テストポイント2 (1から時計方向に60度進む) s2=47.6mm
テストポイント3 (2から時計方向に60度進む) s3=49.0mm
テストポイント4 (3から時計方向に60度進む) s4=49.7mm
テストポイント5 (4から時計方向に60度進む) s5=48.6mm
テストポイント6 (5から時計方向に60度進む) s6=47.2mm

あらさを、パイプの内部表面で測定した。非常に平滑であった。
以下の値が得られた。
a) 最大孤立あらさ深度 Rmax: 11.33mm
b) 平均あらさ深度 Rz: 8.83mm
c) 相加平均あらさ Ra: 1.34mm
d) 最大あらさ深度 Rt: 12.05mm

DIN8078長期内部静水圧試験を、パイプで行った。


試験温度 試験応力 DIN8078による 破損までの測定時間
破損までの最小時間
95℃ 2.60N/mm2 >1000h 1356h
120℃ 3.00N/mm2 >200h 345h


結果は、求められる破損までの最小時間を満足した。
パイプについて、15Jの公称衝撃振子エネルギーを用いて、15℃および23℃でのDIN8078による衝撃曲げ試験を行った。このための試験片はパイプ壁から機械的に取り出した。試験片は衝撃に耐えた。−10℃では試験を通過しなかった。吸収されたエネルギーは、0℃で95kJ/m2、−10℃で82kJ/m2であった。
[実施例30](比較例):
高分子量ランダムコポリマーの製造
70リットルの容器を注意深く不活性化し、次に50リットルの液体プロピレンを30℃で充填した。100ミリモルのトリエチルアルミニウムと10ミリモルのジシクロペンチルジメトキシシランを添加し、混合物を30℃で15分間撹拌した。346mgのモンテル(Montell)FT4S M1触媒を次に添加して、さらに別な工程で、9.3Nlの水素を添加した。
容器の内容物を撹拌しつつ70℃に加熱した。重合が開始した。温度は48分の間、常に70℃に維持された。48分間の後に、反応装置の内部圧力は10barにまで減少した。12分間の間、3.7Nlの水素、850gのエチレン、および550gのプロピレンを導入した。圧力と温度を一定に保った。
反応装置の内容物を、次に減圧によって後処理した。これは未反応のプロピレンを蒸発によって除去したことを意味する。
これにより、6.2質量%の共重合エチレンを含む13.5kgのプロピレンコポリマーを得た。これらのデータから計算された触媒収率は、1gの触媒、すなわちチタン含有固体成分あたり39.0kgのプロピレンコポリマーである。得られたプロピレン共重合体は、1.16g/分の溶融フロー速度MFR、および11.0質量%の低温キシレン溶解画分を有していた。
[実施例31](比較例):
実施例30から得られた粉末を、53mmのスクリュー直径を備えたスクリュー型押出成形装置中で不活性気体下で約240℃でペレット化した。この場合に添加した安定化剤は、0.15%のイルガノックス(Irganox)(登録商標)1010および0.15%のホスタノックス(Hostanox)(登録商標)PAR24であった。さらに着色顔料を、RAL7032の色に調整するために添加した。0.005%のPV Echtrot E5B(市販品、クラリアント(Clariant)GmbH(フランクフルト、ドイツ)製)を核形成剤として添加した。このペレットを測定したMFR230/5は、1.16g/10分であった。DSC開始は、116±0.2℃と決定された。
[実施例32](比較例):
射出成形を使用して、実施例31のペレットから引張り試験片を製造した。引っ張り弾性率を測定するためのISO527/1+2にしたがって、引張り試験を引張り試験片で行った。23℃で測定された値は、s=1265MPaであった。成形組成物の靭性を、0℃でISO179/1eAにしたがったシャルピーノッチ衝撃強さ法によって測定した。測定されたacn値は7.1kJ/m2であった。
[実施例33](比較例):
実施例31のペレットを、押出成形プラント(スクリュー径ds=90mm、L/D=30、熱的に隔離された溝付きブッシュ、スパイラルグルーブディストリビューター、真空噴霧タンクキャリブレーション)で処理して、寸法500×45.4mm(外径da=500mm、壁厚s=45.4mm)のパイプを得た。重量スループットは、380〜410kg/hであり、取りだし速度に依存していた。バレル温度は、215℃の溶融温度を得られるように設定した。
以後の用途に適したパイプを製造することはできなかった。パイプは、外径が円形でなく、壁厚分布が不均一であった。これらは、平均外径および楕円率の寸法制限、および壁厚の寸法制限に関し、DIN8077の要求を満たさなかった。パイプの内部表面は非常に粗であった。
長期内部静水圧試験は行わなかった。
パイプについて、15Jの公称衝撃振子エネルギーを用いて、0℃および−10℃でのDIN8078による衝撃曲げ試験を行った。このための試験片はパイプ壁から機械的に取り出した。0℃での試験のみ通過した。吸収されたエネルギーは、0℃で75kJ/m2、−10℃で58kJ/m2であった。
[実施例34]:
高分子量プロピレンホモポリマーの製造
70リットルの容器を注意深く不活性化し、次に50リットルの液体プロピレンを30℃で充填した。100ミリモルのトリエチルアルミニウムと5ミリモルのジシクロペンチルジメトキシシランを添加し、混合物を30℃で15分間撹拌した。376mgのモンテル(Montell)FT4S M1触媒を次に添加して、さらに別な工程で、10.9Nlの水素を添加した。
容器の内容物を撹拌しつつ70℃に加熱した。重合が開始した。温度は48分の間、常に70℃に維持された。反応装置の内容物を、次に減圧によって後処理した。これは未反応のプロピレンを蒸発によって除去したことを意味する。
これにより、8.6kgのプロピレンホモポリマーを得た。これらのデータから計算された触媒収率は、1gの触媒、すなわちチタン含有固体成分あたり22.8kgのプロピレンホモポリマーである。得られたプロピレンホモポリマーは、0.59g/分の溶融フロー速度MFR、および2.5質量%の低温キシレン溶解画分を有していた。
[実施例35](本発明):
実施例34から得られた粉末を、53mmのスクリュー直径を備えたスクリュー型押出成形装置中で不活性気体下で約240℃でペレット化した。この場合に添加した安定化剤は、0.15%のイルガノックス(Irganox)(登録商標)1010および0.15%のホスタノックス(Hostanox)(登録商標)PAR24であった。さらに着色顔料を、RAL7032の色に調整するために添加した。0.005%のPV Echtrot E5B(市販品、クラリアント(Clariant)GmbH(フランクフルト、ドイツ)製)を核形成剤として添加した。このペレットを測定したMFR230/5は、0.82g/10分であった。DSC開始は、124±0.3℃と決定された。
[実施例36](本発明):
射出成形を使用して、実施例35のペレットから引張り試験片を製造した。引っ張り弾性率を測定するためのISO527/1+2にしたがって、引張り試験を引張り試験片で行った。測定された値は、s=1287MPaであった。成形組成物の靭性を、0℃でISO179/1eAにしたがったシャルピーノッチ衝撃強さ法によって測定した。測定されたacn値は12.5kJ/m2であった。いずれの試験も23℃で行った。
[実施例37](本発明):
実施例35のペレットを、押出成形プラント(スクリュー径ds=90mm、L/D=30、熱的に隔離された溝付きブッシュ、スパイラルグルーブディストリビューター、真空噴霧タンクキャリブレーション)で処理して、寸法800×45.3mm(外径da=800mm、壁厚s=45.3mm)のパイプを得た。重量スループットは、380〜410kg/hであり、取りだし速度に依存していた。バレル温度は、215℃の溶融温度を得られるように設定した。
処理は非常に安定して進行し、パイプの内部表面は極めて平滑であった。パイプは十分に円形の断面を有していた。DIN8077による楕円率の寸法制限を超過することはなかった。
壁厚は、パイプの周囲に60度ごとに区切った6つのテストポイントで測定した。DIN8077によればこれらの寸法のパイプでは、壁厚は、s=45.0〜s=49.8mm(3本のパイプの測定の平均として得られた値)でなければならない。

テストポイント1 (パイプの頂部) s1=45.4mm
テストポイント2 (1から時計方向に60度進む) s2=46.2mm
テストポイント3 (2から時計方向に60度進む) s3=47.6mm
テストポイント4 (3から時計方向に60度進む) s4=48.6mm
テストポイント5 (4から時計方向に60度進む) s5=47.4mm
テストポイント6 (5から時計方向に60度進む) s6=46.5mm

あらさを、パイプの内部表面で測定した。非常に平滑であった。
以下の値が得られた。
a) 最大孤立あらさ深度 Rmax: 3.25mm
b) 平均あらさ深度 Rz: 2.59mm
c) 相加平均あらさ Ra: 0.34mm
d) 最大あらさ深度 Rt: 3.25mm

DIN8078長期内部静水圧試験を、パイプで行った。


試験温度 試験応力 DIN8078による 破損までの測定時間
破損までの最小時間
95℃ 3.5N/mm2 >1000h 1429h
120℃ 3.0N/mm2 >200h 309h


結果は、求められる破損までの最小時間を満足した。
パイプについて、15Jの公称衝撃振子エネルギーを用いて、15℃および23℃でのDIN8078による衝撃曲げ試験を行った。このための試験片はパイプ壁から機械的に取り出した。いずれの温度でも試験を通過した。試験片は破損することなく衝撃に耐えた。吸収されたエネルギーは、23℃で87kJ/m2、15℃で64kJ/m2であった。
[実施例38](比較例):
実施例34から得られた粉末を、53mmのスクリュー直径を備えたスクリュー型押出成形装置中で不活性気体下で約240℃でペレット化した。この場合に添加した安定化剤は、0.15%のイルガノックス(Irganox)(登録商標)1010および0.15%のホスタノックス(Hostanox)(登録商標)PAR24であった。さらに着色顔料を、RAL7032の色に調整するために添加した。0.005%のPV Echtrot E5B(市販品、クラリアント(Clariant)GmbH(フランクフルト、ドイツ)製)を核形成剤として添加した。このペレットを測定したMFR230/5は、0.86g/10分であった。DSC開始は、117±0.2℃と決定された。
[実施例39](比較例):
射出成形を使用して、実施例38のペレットから引張り試験片を製造した。引っ張り弾性率を測定するためのISO527/1+2にしたがって、引張り試験を引張り試験片で行った。測定された値は、s=1348MPaであった。成形組成物の靭性を、0℃でISO179/1eAにしたがったシャルピーノッチ衝撃強さ法によって測定した。測定されたacn値は8.3kJ/m2であった。いずれの試験も23℃で行った。
[実施例40](比較例):
実施例38のペレットを、押出成形プラント(スクリュー径ds=90mm、L/D=30、熱的に隔離された溝付きブッシュ、スパイラルグルーブディストリビューター、真空噴霧タンクキャリブレーション)で処理して、寸法800×45.3mm(外径da=800mm、壁厚s=45.3mm)のパイプを得た。重量スループットは、380〜410kg/hであり、取りだし速度に依存していた。バレル温度は、215℃の溶融温度を得られるように設定した。
処理は非常に安定して進行した。パイプは円形の断面を有していた。DIN8077による楕円率の寸法制限を超過することはなかった。
壁厚は、パイプの周囲に60度ごとに区切った6つのテストポイントで測定した。DIN8077によればこれらの寸法のパイプでは、壁厚は、s=45.0〜s=49.8mm(3本のパイプの測定の平均として得られた値)でなければならない。

テストポイント1 (パイプの頂部) s1=45.4mm
テストポイント2 (1から時計方向に60度進む) s2=47.3mm
テストポイント3 (2から時計方向に60度進む) s3=48.9mm
テストポイント4 (3から時計方向に60度進む) s4=49.6mm
テストポイント5 (4から時計方向に60度進む) s5=48.7mm
テストポイント6 (5から時計方向に60度進む) s6=46.9mm

あらさを、パイプの内部表面で測定した。非常に平滑であった。
以下の値が得られた。
a) 最大孤立あらさ深度 Rmax: 13.05mm
b) 平均あらさ深度 Rz: 9.72mm
c) 相加平均あらさ Ra: 1.37mm
d) 最大あらさ深度 Rt: 13.73mm

DIN8078長期内部静水圧試験を、パイプで行った。


試験温度 試験応力 DIN8078による 破損までの測定時間
破損までの最小時間
95℃ 3.5N/mm2 >1000h 1287h
120℃ 3.0N/mm2 >200h 274h


結果は、求められる破損までの最小時間を満足した。
パイプについて、15Jの公称衝撃振子エネルギーを用いて、15℃および23℃でのDIN8078による衝撃曲げ試験を行った。このための試験片はパイプ壁から機械的に取り出した。試験片は23℃でのみ衝撃に耐えた。15℃での試験は通過しなかった。吸収されたエネルギーは、23℃で83kJ/m2、15℃で58kJ/m2であった。
[実施例41](比較例):
高分子量プロピレンホモポリマーの製造
70リットルの容器を注意深く不活性化し、次に50リットルの液体プロピレンを30℃で充填した。100ミリモルのトリエチルアルミニウムと5ミリモルのジシクロペンチルジメトキシシランを添加し、混合物を30℃で15分間撹拌した。376mgのモンテル(Montell)FT4S M1触媒を次に添加して、さらに別な工程で、11.9Nlの水素を添加した。
容器の内容物を撹拌しつつ70℃に加熱した。重合が開始した。温度は48分の間、常に70℃に維持された。反応装置の内容物を、次に減圧によって後処理した。これは未反応のプロピレンを蒸発によって除去したことを意味する。
これにより、8.6kgのプロピレンホモポリマーを得た。これらのデータから計算された触媒収率は、1gの触媒、すなわちチタン含有固体成分あたり22.8kgのプロピレンホモポリマーである。得られたプロピレンホモポリマーは、0.90g/分の溶融フロー速度MFR、および2.5質量%の低温キシレン溶解画分を有していた。
[実施例42](比較例):
実施例41から得られた粉末を、53mmのスクリュー直径を備えたスクリュー型押出成形装置中で不活性気体下で約240℃でペレット化した。この場合に添加した安定化剤は、0.15%のイルガノックス(Irganox)(登録商標)1010および0.15%のホスタノックス(Hostanox)(登録商標)PAR24であった。さらに着色顔料を、RAL7032の色に調整するために添加した。0.005%のPV Echtrot E5B(市販品、クラリアント(Clariant)GmbH(フランクフルト、ドイツ)製)を核形成剤として添加した。このペレットを測定したMFR230/5は、0.97g/10分であった。DSC開始は、119±0.3℃と決定された。
[実施例43](比較例):
射出成形を使用して、実施例42のペレットから引張り試験片を製造した。引っ張り弾性率を測定するためのISO527/1+2にしたがって、引張り試験を引張り試験片で行った。測定された値は、s=1404MPaであった。成形組成物の靭性を、ISO179/1eAにしたがったシャルピーノッチ衝撃強さ法によって測定した。測定されたacn値は8.3kJ/m2であった。いずれの試験も23℃で行った。
[実施例44](比較例):
実施例42のペレットを、押出成形プラント(スクリュー径ds=90mm、L/D=30、熱的に隔離された溝付きブッシュ、スパイラルグルーブディストリビューター、真空噴霧タンクキャリブレーション)で処理して、寸法800×45.3mm(外径da=800mm、壁厚s=45.3mm)のパイプを得た。重量スループットは、380〜410kg/hであり、取りだし速度に依存していた。バレル温度は、215℃の溶融温度を得られるように設定した。
以後の用途に適したパイプを製造することはできなかった。パイプは、外径が円形でなく、壁厚分布が不均一であった。これらは、平均外径および楕円率の寸法制限、および壁厚の寸法制限に関し、DIN8077の要求を満たさなかった。パイプの内部表面は非常に粗であった。
長期内部静水圧試験は行わなかった。
さらにパイプについて、15Jの公称衝撃振子エネルギーを用いて、23℃および15℃でのDIN8078による衝撃曲げ試験を行った。このための試験片はパイプ壁から機械的に取り出した。23℃での試験のみ通過した。吸収されたエネルギーは、23℃で78kJ/m2、15℃で53kJ/m2であった。

Claims (14)

  1. 230℃および5kgの条件下でのISO1133による溶融マスフロー速度MFRが0.3〜1g/10分で、β型クリスタライト比率が2〜20質量%の範囲にある、高分子量プロピレンポリマーから製造される成形組成物。
  2. β型クリスタライトの比率が、2〜10質量%、特に4〜8質量%の範囲にある、請求項1に記載の成形組成物。
  3. 高分子量プロピレンホモポリマーが使用される、請求項1または請求項2に記載の成形組成物。
  4. 高分子量プロピレンコポリマーが使用され、且つ該コポリマーは10個以下の炭素原子を有する他の共重合体オレフィンを30質量%以下の量で有している、請求項1または請求項2に記載の成形組成物。
  5. 高分子量プロピレンポリマーが、0.75〜0.9g/10分の溶融マスフロー速度MFRを有している、請求項1〜4のいずれかに記載の成形組成物。
  6. ISO11357−1によるDSC結晶化の開始が、122℃より上の温度である、請求項1〜5のいずれかに記載の成形組成物。
  7. ISO11357−1によるDSC結晶化の開始が、123〜127℃の温度である、請求項6に記載の成形組成物。
  8. 0.001〜0.5質量%のキナクリドン顔料を、核形成剤として含む、請求項1〜7のいずれかに記載の成形組成物。
  9. 直鎖トランスキナクリドンのガンマ相が核形成剤として使用される、請求項7に記載の成形組成物。
  10. 高分子量プロピレンポリマーを核形成剤と混合することによって、請求項8または請求項9に記載の成形組成物を製造する方法であって、
    混合が180〜320℃の温度で混合装置中で行われる製造方法。
  11. 混合が押出成形装置で行われる、請求項10に記載の方法。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載の成形組成物を、フィルム、ファイバー、または成形体として使用する方法。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載の成形組成物を、パイプの材料に使用する方法。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の成形組成物から得られるパイプ。
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