JPH0368756A - 黄銅ヘッドシリンダへの皮膜形成法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、黄銅ヘッドシリンダへの皮膜形成法に関す
るものである。さらに詳しくは、この発明は、耐食性と
テープ走行に対する耐摩耗性を向上させることのできる
ＶＴＲに有用な黄銅ヘッドシリンダへの皮膜形成法に関
するものである。

（従来の技術） 従来より、ビデオテープレコーダ（ＶＴＲ）は著しく発
展してきており、家庭への普及率は飛躍的となってきて
いる。このような家庭へのＶＴＲの普及とともに、最近
では高画質、高音質のＡＶシステム用のＶＴＲも各種開
発されている状況にある。ＶＴＲは、通常、ヘッドシリ
ンダにカセットテープを装着するローディング機構等の
差異によりＶＨ３方式とβ方式とに大別されている。第
２図はＶＨ８方式のヘッドシリンダを例示したものであ
るが、−数的にはＶＨ８方式またはβ方式のいずれの場
合においても、複数のビデオヘッド（ア）を有するヘッ
ドシリンダ（イ）が、テープ（つ）の走行時に回転し、
これと同時に回転するビデオヘッド（ア）によりテープ
（つ）に映像信号を記録し、あるいはテープ（つ）に記
録された映像信号を再生するようにしている。

このようなヘッドシリンダ（イ）の材質としては、通常
は、アルミニウム合金を用いており、ヘッドシリンダ（
イ）の軽量化を図ってきている。

その一方で、アルミニウム合金を用いたヘッドシリンダ
（イ）の場合には、軽量であるが故に、ヘッドシリンダ
（イ〉回転時に回転変動が発生しやすく、この回転変動
により画面上にジッターが発生しやすいという欠点があ
る。このような欠点を解消し、ある程度の１！量を有す
る材質を使用して、ヘッドシリンダ（イ）の慣性を高め
るために、黄銅からなるヘッドシリンダ（イ）が採用さ
れており、ヘッドシリンダ〈イ）の回転時における回転
変動を防止し、高画質の映像を録画および再生すること
ができるという優れた作用効果を有するものとして注目
されている。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、このような高い慣性を有し、画質の向上
を実現する黄銅ヘッドシリンダにも解決しなければなら
ない課題が残されているのが実状であった。

すなわち、第２図に示したように、走行するテープ（つ
）が接触する黄銅ヘッドシリンダ（イ）の外周面（１）
は、従来のアルミニウム合金を用いた場合に比べ、容易
に変質するという欠点があった。また、テープ走行時に
ヘッドシリンダ（インの外周面（１）が摩耗しやすいと
いう黄銅固有の問題もあった。

この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたもので
あり、従来の黄銅ヘッドシリンダの耐食性と耐摩耗性の
欠点を解消し、耐食性とテープ走行に対する耐摩耗性を
向上させることのできるＶＴＲ用の黄銅ヘッドシリンダ
への皮膜形成法をｌ！供することを目的としている。

（課題を解決するための手段） この発明は、上記の課題を解決するものとして、黄銅か
らなるヘッドシリンダを脱脂した後、イオンプレーティ
ングによりヘッドシリンダ外周面に金属超薄膜を介在さ
せてＴｉＮ皮膜を蒸着することを特徴とする黄銅ヘッド
シリンダへの皮膜形成法を提供する。

この発明においては、Ｔｉ超薄膜を介在させて、ＴｉＮ
皮膜を蒸着する皮膜形成法を好ましい￥ｓ様としてもい
る、 （作　用） この発明の黄銅ヘッドシリンダへの皮膜形成法において
は、黄銅からなるヘッドシリンダの外周面に耐食性およ
び耐久性を有する金属ｆｌ薄膜を介在させて、高硬度で
耐食性を有するＴｉＮ皮膜を蒸着することによって、チ
ーブ走行面に充分な耐食性と耐摩耗性とを付与すること
ができる。また、金属超薄膜を介在させることで、ヘッ
ドシリンダ外周面に形成するＴｉＮ皮膜との密着力は良
好となり、しかもＴｉＮ皮膜の膜応力を低減できる。

（実施例〉 以下、図面に沿って実腫例を示し、この発明の黄銅ヘッ
ドシリンダへの皮膜形成法についてさらに詳しく説明す
る。

第１図は、この発明の黄銅ヘッドシリンダへの皮膜形成
法の一実施例を示した斜視図である。

この例においては、ビデオヘッド（１）を４つ有する４
ヘツドのヘッドシリンダ（２）を例示しているが、ビデ
オヘッド（１）の個数には特に制限はなく、任意のもの
とすることができる。ヘッドシリンダ（２）の外周面（
３）の拡大断面を第１図図中の点線円内に示したように
、ヘッドシリンダ（２）の母材（４）の表面には金属超
薄膜（５）を介在させてＴｉＮ皮膜（６）を積層してい
る。ヘッドシリンダ（２）の母材（４）には、黄銅を用
いている。このように、母材（４〉に黄銅を使用するこ
とによって、ヘッドシリンダ（２〉にある程度の重量を
持たせ、テープへの録画および録画したテープの再生等
におけるヘッドシリンダ（２）回転時の回転変動を防止
している。このようなヘッドシリンダ（２）の母材（４
）の組成成分については、黄銅にｐｂ等の添加物を適宜
添加することもできる。

ヘッドシリンダ（２）の母材（４）に金属超薄膜〈５）
およびＴＩＮ皮１１（６）を積層する際には、まず有機
溶剤あるいはアルカリを用いて母材（４）表面を脱脂す
る。この後、イオンプレーティングにより金属超薄膜（
５）およびＴｉＮ皮膜（６）を順次蒸着する。イオンプ
レーティング方式については特に制限はなく、直流法、
高周波法、イオンビーム法等の任意のものを採用するこ
とができる。金属Ｉｔ！薄膜（５）の金属種についても
特に制限はないが、ＴｉＮ皮膜を蒸着することを考慮す
るならば、耐食性と耐久性を有するＴ１゜Ｔａ等を好適
なものとして例示することができる。

母材（４）にＴｉＮ皮膜（６）を形成するのは、高硬度
で耐食性を有するＴｉＮ皮膜（６）により黄銅からなる
ヘッドシリンダ（２）の外周面〈３）の耐食性と耐摩耗
性を向上させるためである。

また、このようなＴｉＮ皮膜（６）を形成する際に、母
材（４）に金属超ＷＩ膜（５）を介在させるのは、金属
超薄ＩＩ！　（５）によりヘッドシリンダ（２）に耐食
性を付与するとともに、ヘッドシリンダ〈２）の母材（
４）表面のポーラスな状態を改善し、平坦化して耐食性
および耐摩耗性を有するＴｉＮ皮膜く６）の剥離を防止
し、かつＴｉＮ皮Ｍ（６）に発生しやすい膜応力を低下
させるアンダーコート層としての機能を持たせるためで
もある。金属超薄膜（５）の厚さ（ｄｌ〉としては０．
３〜０，５μｍ程度を例示でき、またＴｉＮ皮膜（６）
の厚さ（ｄ２〉としては０．３〜０．９　μｍを例示す
ることができる。もちろん、各々の厚さ（ｄｌ　）　　
（ｄ２　）についてはこれに限定されることはなく、母
材（４）の強度または合金成分、さらにはＴＩＮ皮Ｍ（
６）への膜応力を考慮して適宜なものとすることができ
る。

金Ｒ超薄膜（５）およびＴＩＮ皮Ｍ（６）をヘッドシリ
ンダ（２）の外周面（３）に蒸着する方法について説明
すると、まず蒸発源であるＴ１を電子銃等の任意の手段
で蒸発させ、Ａｒガスなどの不活性ガスを導入して、イ
オンプレーティングにより脱脂したヘッドシリンダ〈２
）の外周面（３）にＴ１ｆｌ薄膜を形成させる０次いで
、Ｎ２ガスを導入し、ＴＩ蒸気とＮ１ガスをＴ１超薄膜
表面で反応させてＴｉＮ皮膜（６）を積層する。

このようにして、イオンプレーティングにより金属超薄
＊（５）およびＴ　ｉ　Ｎ皮膜（６）を、順次、ヘッド
シリンダ（２〉の外周面（３）に蒸着することができ、
ｐｂ等の添加物を含有する黄銅母材（４）の場合にも、
低温で乾式の金属超薄膜（５）およびＴｉＮ皮膜（６ン
の形成を行うことができる。このため、ｐｂ等の添加物
が母材（４）表面に析出するのを防止できる。

次に、この発明の具体的な黄銅ヘッドシリンダへの皮膜
形成例を説明する。

黄銅からなるヘッドシリンダを脱脂し、その表面をボン
バード処理した後、蒸発源としてＴ１を用い、Ａｒガス
およびＮ２ガスを導入して、電子銃によりＴ１を蒸発さ
せながら高周波イオングレーティングによってヘッドシ
リンダの外周面にＴ１超薄膜およびＴｉＮ皮膜を順次積
層した。

得られたヘッドシリンダの回転変動は発生せず、テープ
走行によるヘッドシリンダ外周面の摩耗は発生しなかっ
た。ヘッドシリンダの耐食性と耐摩耗性の向上が確認さ
れた。

もちろんこの発明は、以上の例によって限定されるもの
ではない、ヘッドシリンダの形状および材質の超酸成分
、ビデオヘッドの個数、金属超薄膜の種類および膜厚、
あるいはＴｉＮ１ｔ膜の膜厚、さらにはイオンプレーテ
ィング方式等の細部については様々な態様が可能である
ことはいうまでもない。

（発明の効果） 以上詳しく説明した通り、この発明の黄銅ヘッドシリン
ダへの皮膜形成法によって、耐食性とテープ走行に対す
る耐摩耗性の向上した、ＶＴＲの画像を高画質のものと
する黄銅ヘッドシリンダを実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の黄銅ヘッドシリンダへの皮膜形成
法の一実施例を示した斜視図である。 第２図は、従来のヘッドシリンダを例示した斜視図であ
る。 １・・・ビデオヘッド ２・・・ヘッドシリンダ ３・・・外　　周　　面 ４・・・母 材 ５・・・金属超薄膜 ６・・・ＴＩ Ｎ皮膜

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）黄銅からなるヘッドシリンダを脱脂した後、イオ
   ンプレーティングによりヘッドシリンダ外周面に金属超
   薄膜を介在させてＴｉＮ皮膜を蒸着することを特徴とす
   る黄銅ヘッドシリンダへの皮膜形成法。
2. （２）Ｔｉからなる金属超薄膜を介在させて、ＴｉＮ皮
   膜を蒸着する請求項（１）記載の黄銅ヘッドシリンダへ
   の皮膜形成法。
3. （３）高周波イオンプレーティングにより金属超薄膜お
   よびＴｉＮ皮膜を蒸着する請求項（１）記載の黄銅ヘッ
   ドシリンダへの皮膜形成法。