JPH03649Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は環形螢光ランプ用照明器具に使用され
る配線ブロツクに関する。

従来の技術 一般に、環形螢光ランプ用照明器具は円形逆皿
状器具本体にバラスト、プルスイツチ、グローラ
ンプ用ソケツト、豆球用ソケツトを収納、固定し
て相互間をビニール線で配線し、器具本体の開口
端縁にカバー（反射笠）を被せ固定し、カバーよ
り導出された環形螢光ランプ用ソケツトに環形螢
光ランプを装着し、器具本体の周縁にセードを載
置して構成される。

ところで、この照明器具では器具本体にバラス
ト、プルスイツチ、グローランプ用ソケツト、豆
球用ソケツトを個別に収納、固定した上でビニー
ル線で配線しているために、組立に多大の工数を
要して量産性に乏しいという問題がある。

そこで、組立の自動化、量産性の改善によるコ
スト低減を図るべく、プルスイツチ、グローラン
プ用ソケツト、豆球用ソケツトを１つにまとめて
ブロツク化した配線ブロツクが種々提案されてい
る。例えば環形螢光ランプ２灯用照明器具の配線
ブロツクとしては一対の板状絶縁部材の一方にプ
ルスイツチ、２つのグローランプ用ソケツト、豆
球用ソケツトを一体的に形成し、この各部品間を
金属板の打抜加工品であつて前記一対の絶縁部材
で挟持された回路網にて配線したものが実願昭56
−109951号明細書に開示されている。このような
配線ブロツクによればプルスイツチやグローラン
プ用ソケツトなどの部品間の配線が金属板の打抜
加工品の回路網にて一括して行えるので、照明器
具組立の自動化、量産化が容易になる。

しかし乍ら、環形螢光ランプ２灯用照明器具に
おける２灯の環形螢光ランプの環外径が同一であ
れば上記回路網に交叉部分の無い設計が可能であ
るが、２灯の環形螢光ランプの環外径が異なると
上記回路網に交叉部分が生じざるを得なくなるこ
とがあつて、後述問題があつた。

例えば環形螢光ランプ２灯用照明器具の環形螢
光ランプは30ワツトのFCL３０が主流を占めて
いるが、最近は環外径の異なるFCL３０とFCL
３２のコンビライト用の照明器具の需要が増加の
傾向にあり、このFCL３０とFCL３２の２灯を
用いた照明器具の電気回路及びその配線ブロツク
は例えば第９図及び第１０図に示すように構成さ
れている。

第９図における照明器具はプルスイツチSWの
１回目の引紐操作でFCL３０とFCL３２が点灯
し、２回目の引紐操作でFCL３２が消灯して
FCL３０のみが点灯を持続し、３回目の引紐操
作でFCL３０が消灯して豆球Ｌが点灯し、４回
目の引紐操作で豆球Ｌも消灯するよう構成されて
いる。また２灯のFCL３０、FCL３２の限流素
子としてインダクタンスバラストBL₁、BL₂が使
用され、一方のFCL３２用バラストBL₂はFCL３
２のアーク長が長いこともあつて100Vの商用電
源をステツプアツプして２次電圧が147Vとなる
よう設定されている。更にこのバラストBL₂の端
子はFCL３０用バラストBL₁の端子より２個多い
３個を最小限必要とし、その端子の配列もコイル
巻回構成、作業性などの関係から共通端子、電源
端子、ランプ専用端子の順となつている。尚、第
９図のGL₁、GL₂はグローランプである。

一方、第１０図の配線ブロツクＡは２枚の板状
絶縁材１ａ，１ｂで金属板を打抜加工した回路網
２を挟持したもので、回路網２から配線ブロツク
Ａの一側方にFCL３０のバラストBL₁に接続され
る２つの外部端子T₁，T₂が、他方の一側方に
FCL３２のバラストBL₂に接続される３つの外部
端子T₃，T₄，T₅が導出される。尚、第１０図の
GLS₁，GLS₂はグローランプ用ソケツト、LSは
豆球用ソケツトである。ここで、前述した理由か
らプルスイツチSWと外部端子T₃を接続する回路
網と、豆球用ソケツトLSと外部端子T₄を接続す
る回路網が交叉し、従つて全ての回路網を金属板
の打抜加工で構成することができない。そこで第
１１図に示すように、回路網の上記交叉部分の一
方を切断して、その切断端部を端子として一方の
絶縁部材１ａ上に導出し、この各導出端子２ａ，
２ｂにビニール線３を半田付けしている。

このような配線ブロツクＡによる効果は前述し
た通り発揮されるが、回路網２の一部の回路交叉
部をビニール線３でジヤンパー接続しなければな
らないために、半田付け作業が追加されて作業能
率が若干損なわれる問題がある。

このような問題点を解決する手段として、ジヤ
ンパー線に電流ヒユーズを用いたものが特開昭59
−165305号公報に開示されるている。これを第１
２図乃至第１５図を参照して説明すると、これの
上記配線ブロツクＡとの相違点は回路網２′の交
叉部分の一方を切断して、その切断端部を一方の
絶縁部材１ｃ上に端子２ｃ，２ｄとして導出し
て、この導出端子２ｃ，２ｄ間に両端に電極が形
成された円筒状の電流ヒユーズ４を嵌着したこと
のみである。この端子２ｃ，２ｄが導出される側
の絶縁部材１ｃの外面には端子２ｃ，２ｄ間に嵌
着された電流ヒユーズ４を両側から挟持して仮固
定する複数の弾性を持たせた係止爪５，５…が一
体に突設される。電流ヒユーズ４は係止爪５，５
…を押し広げてワンタツチ式に端子２ｃ，２ｄ間
に嵌着されて両端子２ｃ，２ｄを電気的接続す
る。

このような第１２図の配線ブロツクＢによる
と、回路網２′の交叉部分の切断された一方のジ
ヤンパー線接続が電流ヒユーズ４のワンタツチ式
の嵌着作業だけで行えて、極めて容易になり、配
線ブロツクの組立作業性を十分に改善することが
できる。また回路網交叉部分のジヤンパー線に電
流ヒユーズ４を用いることにより、環形螢光ラン
プ点灯回路に異常が発生して回路に過大な電流が
流れても、この電流で電流ヒユーズ４が溶断して
速やかに回路遮断が行われ、過大電流による回路
部品の損傷が防止できる。

考案が解決しようとする問題点 上記配線ブロツクＢにおける一対の絶縁部材１
ｃ，１ｄは樹脂成形品で、各々は回路網２′を挟
んで複数点で固定化される。例えば絶縁部材１
ｃ，１ｄの両端部間からは先端に２灯の環形螢光
ランプ用ソケツト６，７を有する４本ずつのビニ
ール線８，８…が導出され、このビニール線８，
８…と回路網２との電気的、機械的接続を強固に
行わしめる関係から両絶縁部材１ｃ，１ｄの両端
部同士を２本ずつの計４本の締付ネジ９，９…で
固定している。また両絶縁部材１ｃ，１ｄの中央
部分で回路網２′を避ける箇所同士を例えば第１
５図に示すように一方の絶縁部材１ｄに突設した
係止爪１０を他方の絶縁部材１ｃに形成した係止
穴１１に挿入して係止させることで固定してい
る。

ところで、電流ヒユーズ４の絶縁部材１ｃ上へ
の嵌着は絶縁部材１ｃ上に突設された係止爪５，
５…を押し広げて行われるが、係止爪５，５…の
突出長が短くてこれを弾性変形させるにかなりの
力を要し、そのため電流ヒユーズ４を強い力で押
し込む必要があつて、電流ヒユーズ４の着脱の作
業性が悪かつた。また一対の絶縁部材１ｃ，１ｄ
を締付ネジ９，９…や係止爪１０及び係止穴１１
でもつて部分的に固定化しているが、絶縁部材中
央部の電流ヒユーズ取付部分及びその近傍に係止
爪１０と係止穴１１等の係止手段を設けることは
回路網２′との関係上難しく、そのため両絶縁部
材１ｃ，１ｄの特に電流ヒユーズ取付部分近辺の
嵌合力が弱くてガタ付きが生じることがあつた。

問題点を解決するための手段 本考案は上記電流ヒユーズを取付けた配線ブロ
ツクの問題点に鑑み、これを解決したもので、金
属板を打抜加工品した回路網を挟持する一対の絶
縁部材の一方の回路網交叉部分に相当する箇所に
他方の絶縁部材を貫通して先端部で相手側絶縁部
材上に設置した回路網交叉部分接続用電流ヒユー
ズを係止固定する係止爪を一体に突設した配線ブ
ロツクを提供する。

作 用 この考案によれば電流ヒユーズを係止固定する
係止爪は一対の絶縁部材の一方から他方を貫通し
て延びるので、その根元から先端部までの長さが
十分に長くできて弾性変形し易くなり、電流ヒユ
ーズの着脱作業が容易になる。またこの係止爪は
一対の絶縁部材を電流ヒユーズを介して係止固定
化するので、一対の絶縁部材の電流ヒユーズ取付
部分近辺の嵌合力が大きく安定する。

実施例 以下本考案の実施例を第１図乃至第８図に基づ
き説明する。

図において、１２は配線ブロツクで、逆皿状器
具本体１３とその開口端縁に衝合固定されたカバ
ー〔反射笠〕１４から成る容器内に収納、固定さ
れる。配線ブロツク１２は一対の例えば板状の第
１、第２の絶縁部材１５，１６と第１、第２の絶
縁部材１５，１６間に配設された回路網１７で構
成される。

第１の絶縁部材１５は例えばユリア樹脂製で、
これの外面にはＥ形グローランプ用ソケツト１
８、豆球用ソケツト１９、プルスイツチ収納部２
０、Ｐ形グローランプ用ソケツト２１が所定の間
隔をもつて一体に突設され、更にこの外面一側部
に温度ヒユーズ装着用の一対のコ字状突起２２，
２２が形成され、また外面両端部の４箇所にはネ
ジ止め用孔（図示せず）が、外面中央部の例えば
２箇所に係止孔２３，２３が、前記突起２２，２
２の間には爪挿通孔２４が夫々貫通形成される。
第２の絶縁部材１６は例えばナイロン製で、これ
の外面には前記プルスイツチ収納部２０と対向す
る位置になつたプルスイツチ収納部２５が、また
外面の一部に雑音防止用コンデンサ収納用筒部２
６が一体に突設される。また第２の絶縁部材１６
の前記第１の絶縁部材１５のネジ止め用孔と対向
する４箇所にネジ止め用孔（図示せず）が形成さ
れ、係止孔２３，２３と対向する２箇所に係止爪
２７，２７が突設され、爪挿通孔２４に対向する
１箇所に本考案の特徴とする係止爪２８が一体に
突設される。第１、第２の絶縁板１５，１６は回
路網１７を挟持して係止孔２３，２３に係止爪２
７，２７を挿入係止させ、爪挿通孔２４に係止爪
２８を挿通して両端部４箇所をネジ２９，２９…
にて締め付けることにより一体化される。そして
配線ブロツク１２は第２の絶縁部材１６のプルス
イツチ収納部２５の先端に突設した爪３０，３０
…を器具本体１３に係止固定して取付けられる。

回路網１７は金属板を打抜加工したもので、例
えば第４図の斜線で示す複数の配線板３１，３１
…で構成される。この回路網１７は第１、第２の
絶縁部材１５，１６で挟持されて固定され、第３
図の鎖線で示すようにグローランプ用ソケツト１
８，２１に装着されたＥ形グローランプ３２及び
Ｐ形グローランプ３３や、豆球ソケツト１９に装
着された豆球３４及びプルスイツチ収納部２０，
２５に収納されたプルスイツチ３５、コンデンサ
収納部２６に収納された雑音防止コンデンサ３６
の各々を第５図の回路図に示す如く配線する。回
路網１７は第１、第２の絶縁部材１５，１６の両
端部に４つずつの内部端子a₁〜a₈を有し、第１、
第２の絶縁部材１５，１６の一側部に２つの外部
端子b₁，b₂を、他の一側部に３つの外部端子b₃〜
b₅を有し、各内部端子a₁〜a₈には先端に環形螢光
ランプ用ソケツト３７，３８を有するビニール線
３９，３９…がかしめ等で電気的機械的接続され
る。２つの外部端子b₁，b₂は例えば30ワツト環形
螢光ランプ４０のバラスト４１に、３つの外部端
子b₃〜b₅は32ワツト環形螢光ランプ４２のバラス
ト４３に夫々接続される。

この回路網１７には一部に回路交叉部分が在
り、この交叉部分の切断された側のジヤンパー接
続に電流ヒユーズ４４が使用さる。この交叉部分
のジヤンパー接続される部分は例えば第４図に示
す配線板３１，３１…の内の内部端子a₄と外部端
子b₄を含む２つの配線板３１−１，３１−２で、
この両者間には外部端子b₃とプルスイツチ３５間
に延在する配線板３１−３が横切つて配置され
る。上記２つの配線板３１−１，３１−２は第６
図乃至第８図に示すように係止爪２８の近くで一
部が端子４５，４５として立設され、この各端子
４５，４５は第１の絶縁部材１５のコ字状突起２
２，２２内に形成された貫通孔４６，４６を貫通
して対向する。

而して、配線ブロツク１２への電流ヒユーズ４
４の取付けは次のように行われる。先ず回路網１
７を挟んで第１、第２の絶縁部材１５，１６を嵌
め込みとネジ止めで一体化する。この状態で２つ
のコ字状突起２２，２２内に端子４５，４５が突
出し、突起２２，２２間に第１の絶縁部材１５を
貫通した第２の絶縁部材１６から延びる係止爪２
８が突出する。ここで円筒状電流ヒユーズ４４を
係止爪４４の先端部を外に少し弾性変形させ乍ら
突起２２，２２間に挿入して、端子４５，４５を
電流ヒユーズ４４の両端電極に弾圧接触させる。
挿入された電流ヒユーズ４４はその両端部がコ字
状突起２２，２２で囲まれて位置決めされ、横ず
れなく取付けられる。同時にこの電流ヒユーズ４
４の略中央上部に第８図に示すように係止爪２８
の先端部が弾圧的に係止し、こにより電流ヒユー
ズ４４は突起２２，２２から抜けること無く安全
に取付けられる。このような電流ヒユーズ４４の
取付けは係止爪２８の長さが第１の絶縁部材１５
の厚さ分だけ長くできて係止爪２８を弾性変形さ
せる力が小さくて済むので容易に行え、同じよう
に電流ヒユーズ４４の取外しも容易に行える。ま
た電流ヒユーズ４４の取付けと同時に係止爪２８
は電流ヒユーズ４４を介して第１の絶縁部材１５
を第２の絶縁部材１６側に固定する機能を発揮し
て、両絶縁部材１５，１６の電流ヒユーズ取付部
分における嵌合力を大きく保つ。

尚、本考案は上記実施例に限らず、例えば第４
図における回路網交叉部分の配線板３１−３を途
中で切断し、他方配線板３１−１，３１−２を１
枚の配線板で構成して、前述切断した配線板間を
電流ヒユーズでジヤンパー接続するようにしても
よい。また回路網のパターンは第４図の例に限ら
ない。

考案の効果 以上のように、本考案によれば配線ブロツクへ
の電流ヒユーズの着脱作業が容易になり、組立作
業性の良い配線ブロツクが提供できる。また電流
ヒユーズを取付ける係止爪は一対の絶縁部材をも
固定化するので、一対の絶縁部材における電流ヒ
ユーズ取付部分近辺の取付強度が大きく安定して
ガタ付きが無くなり、端子とヒユーズの導通が確
実となるので商品的価値の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す下面図、第２
図は第１図の平面図、第３図は第１図の正面図、
第４図は第１図の配線ブロツクを分解した一方の
絶縁部材及び配線網の下面図、第５図は第１図の
配線ブロツクを使用した照明器具の電気回路図、
第６図及び第７図は第１図の配線ブロツクにおけ
る電流ヒユーズ取付部分の拡大部分断面斜視図及
び分解斜視図、第８図は第６図の−線断面図
である。第９図は環形螢光ランプ２灯用照明器具
の電気回路図、第１０図は従来の配線ブロツクの
下面図、第１１図は第１０図の−線拡大断面
図である。第１２図乃至第１５図は本考案の前提
となる配線ブロツクを説明するためのもので、第
１２図は下面図、第１３図は第１２図の−線
拡大断面図、第１４図は第１３図の−線断面
図、第１５図は第１２図の−線拡大断面図で
ある。 １２……配線ブロツク、１５，１６……絶縁部
材、１７……回路網、１８……グローランプ用ソ
ケツト、１９……豆球用ソケツト、２０……プル
スイツチ収納部、２１……グローランプ用ソケツ
ト、２８……係止爪、４４……電流ヒユーズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対の絶縁部材の一方にプルスイツチ、複数の
   グローランプ用ソケツト、豆球用ソケツト等を一
   体的に形成し、この各部品間を金属板の打抜加工
   品で前記一対の絶縁部材で挟持された回路網にて
   配線すると共に、この回路網における交叉部分の
   一方にジヤンパー線として電流ヒユーズを用いた
   ものにおいて、前記一対の絶縁部材の一方の前記
   回路網交叉部分に相当する箇所に他方の絶縁部材
   を貫通して、先端部で相手側絶縁部材上に設置し
   た前記電流ヒユーズを係止固定する係止爪を一体
   に突設したことを特徴とする照明器具の配線ブロ
   ツク。