JPH0361135B2

JPH0361135B2 -

Info

Publication number: JPH0361135B2
Application number: JP1231472A
Authority: JP
Inventors: Hisaichi Shibazaki
Original assignee: Toyo Seikan Kaisha Ltd
Current assignee: Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Priority date: 1989-09-08
Filing date: 1989-09-08
Publication date: 1991-09-18
Also published as: JPH02290526A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は密封容器の内圧検査方法と装置に関
し、さらに詳しくは室温において大気圧より高い
内圧（本明細書においては正内圧とよぶ）を有す
る密封容器の内圧検査方法と装置に関する。

［従来の技術の問題点］飲食品等の充填、密封された密封容器の内圧検
査法又は装置として、従来ほぼ平坦な蓋部又は底
部を打撃して、発生した打音の周波数を測定する
タイプのもの、もしくは該打音の減衰時間を測定
するタイプのもの等が知られている。また、蓋部
又は底部を内圧とバランスするまで押圧して変形
させ、その変位量を測定して容器の内圧を測定す
る方法等が提案されている。

［発明が解決しようとする課題］しかしながらこれらの従来のタイプのものは、
主としてホツトパツク法や真空充填法、もしくは
水蒸気置換法等によつて充填密封された、ほぼ平
坦な蓋部又は底部を有する負内圧性金属容器に適
しているものの、一般に半球面状で比較的肉厚
の、内圧に応じた変形が殆んど行なわれない底
部、およびプルタブが着設された開口容易な蓋を
備えた、正内圧性金属密封容器の漏洩の有無に検
査等に対しては適用が困難である。

圧力容器として缶詰等の密封容器の頂部即ち蓋
部は内圧が平らな物を膨らませる曲げ力として作
用するので変形しやすいこと、胴部と蓋部の継ぎ
目に応力が集中するため、強度を大きくする必要
があり、厚肉にしたり球殻構造にしたりして変形
しない構造になつている。例えば蓋部の肉厚は胴
負の肉厚の２〜３倍になつているのが通常であ
る。この様な構造であるので外部から力を加えて
も変形し難く、したがつて外力を加えても応答が
少なく検査が困難で正確な検査は出来ない。この
ことは変位させる力は肉厚にたいし３乗倍となる
ことからよく理解される。例えば肉厚が２倍にな
ると変位させる力は2³＝８倍となり、肉厚が３倍
になると変位させる力は3³＝27倍になるのであ
る。

これに対して、缶詰等の密封容器の胴壁部は内
圧が円周方向に張力として作用するだけであるの
で内圧に対する胴壁部の対内圧強度はもともと大
きく肉厚も薄なつている。一方そのため外力によ
り変形し易い。このことは空き缶が簡単に潰れる
ことからよく理解できる所である。したがつて、
胴壁部は押圧による内圧検査の応答が良好であ
る。しかしながら反面変形しやすい為押圧時に永
久変形を生ずる危険がある。

また最近２軸延伸−吹込成形ポリエステル（例
えばポリエチレンテレフタレート）ボトルが、ビ
ールや炭酸飲料用容器として使用される傾向にあ
るが、この種の音響特性が悪く、かつ光反射性の
乏しい正内圧性プラスチツク密封容器に対して
も、従来のタイプのものは適用が困難である。ま
た押圧時に傷がつきやすいという問題がある。

最近、充填された（ヘツドスペースを残して）
内容品の上に液体窒素を滴下した後、密封する窒
素ガス封入の薄肉の胴壁部を有する正内圧性密封
容器が提案されている。この場合、滴下する液体
窒素の量が少なすぎると、十分な正内圧が得られ
ず、従つて薄肉の胴壁部が凹み易く、一方多すぎ
ると内圧が高くなりすぎて、レトルト加熱殺菌処
理等のさいに容器が永久変形もしくは破裂するお
それがある。従つて密封後の内圧を測定して滴下
装置にフイードバツクして、内圧を一定範囲内に
管理する必要があるが、従来のタイプの内圧検査
法または装置によつては、この種の要求を満すこ
とが困難である。

本発明は以上に述べた従来技術の問題点の解決
を図ることを目的とする。

［課題を解決するための手段］本発明は、間〓の幅を胴壁部の外径より小さい
巾とし互いに対抗して配設された押圧具と受け部
材の間の間〓を胴壁部が通るように密封容器を押
圧具と接触させつつ移動させて、移動中に胴周壁
面部を局部的に押圧して弾性的に変位させ、該変
位に対する反力の測定値にもとづいて内圧を検査
する、正内圧性を有し弾性的に変位可能な胴壁部
を備える缶詰等の密封容器の内圧検査方法であつ
て、押圧具による押し込み量を密封容器の弾性的
範囲内とし、永久変型を発生しない所定の範囲に
設定することを特徴とする密封容器の永久変型を
防止した内圧検査方法に関する。

［作用］本発明は上記の構成により、容器の胴周壁を外
部から居部的に押圧して弾性的に変位させ、該変
位に対する反力の測定値にもとづいて内圧を判別
するのであり、押圧具で任意の量を押圧するので
はなく、押圧具と受け部材の間〓の巾を、缶胴壁
部の外径より小さい巾に予めセツトしておき、こ
の間〓を胴壁部が通過するとき、胴周壁面部を局
部的に押圧具で押圧するので、押圧具による押し
込み量を、密封容器の弾性的変形範囲に設定して
おくことができ、永久変形を防止することができ
る。

このように予め押し込み量を、密封容器の弾性
的変形範囲に設定しておくことは従来まつたく考
えられていなかつた。例えば米国特許第2648977
号明細書には「罐を上下に移動させて罐の頂部を
検査装置の突出した先端と当接させ、該先端部と
連設するダイヤフラムを変形させて貯槽内の水銀
を上下に移動させて水銀の高さを目視して検査す
ること及び、水銀と接する電極を配置して罐内圧
の少ない時即ち水銀が大きく上昇したとき通電さ
せてこの様な罐をラインから取り除くこともでき
る」旨記載されている。

この記載から明らかなようにこの検査方法は容
器の頂部を内圧とバランスするまで押圧し、その
変位量を測定して容器の内圧を判別する方法であ
つて押し込み量を、密封容器の弾性的変形範囲に
設定しておくことは全く考えていない。

また、米国特許第4327574号明細書には「びん
側面にプランジヤーを接触させて撓ませ付加力と
撓み量からガス圧を予め用意した検量線から読み
取ること」が記載されており、静止したびんに上
からプランジヤーを接触させる図面も示されてい
る。

この方法は瓶の撓み量から内圧を検知する方法
であり、先に説明した容器の外力による変位量か
ら瓶の内圧を測定する方法であつて押し込み量
を、密封容器の弾性的変形範囲に設定しておくこ
とは全く考えていない。

これらの方法ではいずれも内圧とバランスする
まで容器を押圧し、押し込んで容器の変位量を測
定するのであつて、押し込み量を、密封容器の弾
性的変形範囲に設定しておくことは全く知られて
いないことが理解される。

本発明によると押込具の先端部の形状、寸法、
および押込量を所定の範囲内に定め、胴壁部の変
形（すなわち変位）を弾性的範囲内に止め、測定
後、胴壁部に永久凹み等の欠陥の発生を確実に防
止することができる。

［実施例］以下実施例である図面を参照しながら本発明に
ついて説明する。

飲食品等が充填密封された、比較的小型の（通
常内容積が約100〜3000mlの）正内圧性密封容器
の胴壁部は、一般に円筒状であり、かつ弾性的に
変形し易い（密封前の状態で）薄肉の材料よりな
つている。例えば錫めつき鋼板やアルミニウム合
金板の絞り−しごき成形によつて形成された金属
缶の胴壁部の厚さは約0.10〜0.15mmである。また
前期の２軸延伸−吹込成形ポリエチレンテレフタ
レートボトルの胴壁部の厚さは約0.3mmである。
しかし密封して正内圧になると、胴壁部には張力
が生じ、外力により変形し難くなる。

第１図の１０１は、外径53mm、高さ130mm、胴
壁部１０１ａの厚さ0.08mm、半球状に凹入した底
部１０１ｂの厚さ0.32mm、容量250mlの錫めつき
鋼板より形成された絞り−しごき缶である。これ
に内容物１０２をヘツドスペース１０３を残して
充填した後、プルタブ付（図示されない）の厚さ
0.35mmの蓋部１０２を２重巻締して、種々の内圧
の密封容器１０４を製造し、図示のようにアンビ
ル１０５上に横置きした。

胴壁部１０１ａの中央真上部に、先端部１０６
ａが半径10mmの半球面形となつている押圧具１０
６を、図示されない押圧装置により0.5〜3.0mm押
込んだところを示す。この範囲内では、比較的厚
い底部１０１ｂおよび蓋部１０２は実質的に変形
せず、胴壁部１０１ａの上部近傍のみが変形し容
器の内圧に関する情報を表示したが、押込み解除
後は、胴壁部１０１ａは弾性的に原形状に復帰し
た。

このように押圧具を押し込み、反力を測定する
ことにより高精度で内圧を判定することが出来
た。

第２図の２０１は、外径75mm、高さ250mm、胴
壁部２０１ａの厚さ0.30mm、半球状に凸出した底
部２０１ｂの平均厚さ0.6mm、容量1000mlの２軸
延伸−吹込成形ポリエチレンテレフタレートボト
ルである。これに内容物を充填後、ねじ蓋２０２
によつて密封してなる密封容器２０４について、
0.5〜5.0mm押込んだところを示す。胴壁部の上部
近傍のみが変形し容器の内圧に関する情報を表示
したが、押し込み解除後は、胴壁部は弾性的に原
形状に復帰し、傷は発生しなかつた。

第３図において、３０１はガイドプレートであ
つて、その上を密封容器３０２が横置された状態
で、図示されない送り装置によつて矢印Ａ方向に
搬送される。ガイドプレート３０１の孔部３０１
ａを挿通して、棒状の押圧具３０３が、ガイドプ
レート３０１の上面３０１ｂから所定高さ(D)だけ
突出するように、ロードセル３０６を介して固定
板３１６に固設されている。突出高さＤは、容器
の弾性範囲に設定する。突出高さＤの調節は、固
定板３１６に設けられたねじ機構３１７によつて
行なわれる。上記調節は、密封容器３０２の外
径、胴壁部３０２ａの厚さ、材質、容器の設計内
圧、あるいは内外面の塗装、印刷の種類等に応じ
て行なわれる。突出高さＤが低すぎると、内圧の
判別精度が低下し、一方高すぎると、胴壁部３０
２ａに永久変形が残つたり、あるいは塗装、印刷
面に傷が発生するおそれがあるからである。

３０５は、常時矢印Ｂ方向に回転しているバツ
クアツプロールであつて、軸線が押圧具３０３の
軸線と交叉するように、またその下端部３０５ａ
がガイドプレート３０１の上面３０１ｂよりも、
密封容器３０２の外径に実質的に等しいか、それ
より僅かに小さい高さだけ上方に位置するように
配設されている。バツクアツプロール３０５は、
ゴム硬度、JIS(A)50〜60程度の比較的軟かいゴム
ロールよりなることが好ましい。密封容器３０２
のロール３０５と接する面が変形して、測定内圧
値に影響を及ぼすのを防止するためである。また
ガイドプレート３０１およびロール３０５の幅
は、この実施例ではこれらが密封容器３０２の胴
壁部３０２ａの全長にわたつて接触しうるように
定められている。胴壁部３０２ａの上下端部に非
接触部分が存在すると、該部の直径が張出して、
測定内圧値の変動を招く恐れれがあるからであ
る。ガイドプレートとロールの幅を胴壁部の長さ
と同一もしくは長くすることは好ましい。

［効果］本発明の方法によれば、正内圧性を有する密封
容器の弾性的に変位可能な壁面を、外部から局部
的に押圧して弾性的に変位させ、該変位に対する
反力の測定値にもとづいて、内圧を判別するので
あるから、金属やプラスチツクよりなる壁面を有
する正内圧密封容器の漏洩の有無、もしくは内圧
が所定の範囲内にあるか等の内圧検査を、安定し
た信頼度で行なうことができるという効果を奏す
ることができる。

また本発明は、押圧具による壁面の変位を、電
気信号として検出し、この信号の最大値を電気的
処理によつてデイジタル値として出力することも
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法の１実施例の態様を示す
１部切断正面図、第２図は本発明の方法の他の実
施の態様を示す正面図、第３図は本発明の実施の
態様を示す正面図である。１０４，２０４，３０２……密封容器、１０１
ａ，２０１ａ，３０２ａ……胴壁部（壁面）、１
０６，３０３……押圧具、３０６……ロードセ
ル。

Claims

【特許請求の範囲】

１間〓の幅を胴壁部の外径より小さい巾とし互
いに対抗して配設された押圧具と受け部材の間の
間〓を胴壁部が通るように密封容器を押圧具と接
触させつつ移動させて、移動中に容器の高さ方向
のほぼ中央部の胴周壁面部を局部的に押圧して弾
性的に変位させ、該変位に対する反力の測定値に
もとづいて内圧を検査する、正内圧性を有し弾性
的に変位可能な胴壁部を備える缶詰等の密封容器
の内圧検査方法であつて、押圧具による押し込み
量を密封容器の弾性的範囲内とし、永久変形を発
生しない所定の範囲に設定することを特徴とする
密封容器の永久変形を防止した内圧検査方法。