JPH0360852B2 - - Google Patents

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JPH0360852B2
JPH0360852B2 JP27282486A JP27282486A JPH0360852B2 JP H0360852 B2 JPH0360852 B2 JP H0360852B2 JP 27282486 A JP27282486 A JP 27282486A JP 27282486 A JP27282486 A JP 27282486A JP H0360852 B2 JPH0360852 B2 JP H0360852B2
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Taketami Yamamura
Toshihiro Ishikawa
Masaki Shibuya
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、有機ケイ素ポリマーとチタン又はジ
ルコニウムの配位化合物とから誘導された新規な
シリコンと、チタン又はジルコニウムとを含有す
る遷移金属はしかけ重合体及びその製造方法に関
するものである。 主鎖骨格が(−Si−CH2−)よりなり、各ケイ素原
子に2個の側鎖基が結合した重合体であるポリカ
ルボシランは、焼成により無機炭化物であるSiC
に転換されるため、ポリカルボシランを繊維状に
して焼成することにより、機械的性質及び熱的性
質が良好なSiC繊維が製造できることは公知であ
り、このような技術について、例えば特開昭51−
126300号公報、特開昭51−139929号公報等におい
て開示されている。 本発明者は、その後、主鎖骨格が主として(−Si
−CH2−)の構造単位よりなるポリカルボシラン
と、チタノキサン結合単位(−Ti−O−)及びシロ
キサン結合単位(−Si−O−)を主鎖骨格に有するポ
リチタノシロキサン、あるいはジルコノキサン結
合単位(−Zr−O−)及びシロキサン結合単位(−Si−
O−)を主鎖骨格に有するポリジルコノシロキサン
との有機金属共重合体を繊維状にして焼成するこ
とにより得たSiC−TiC繊維又はSiC−ZrC繊維
が、SiC繊維に比べてさらに機械的性質のすぐれ
た繊維であることを特開昭56−5828号公報、特開
昭56−131628号公報、特開昭56−9209号公報、特
願昭55−182817号公報において開示した。 また、本発明者は、主鎖骨格が主として(−Si−
CH2−)の構造単位よりなるポリカルボシランと(−
Ti−O−)結合単位のチタンアルコキシドあるい
は(−Zr−O−)結合単位の有機ジルコニウム化合
物とから誘導されたポリチタノカルボシランある
いはポリジルコノカルボシラン及びその製造方法
を見出し、これらのポリマーからSiC−TiC繊維、
SiC−ZrC繊維が得られることを特開昭56−74126
号公報、特開昭56−92923号公報等において開示
した。 これらのポリチタノカルボシランあるいはポリ
ジルコノカルボシランから前記のSiC−TiC繊維
あるいはSiC−ZrC繊維を製造するためには、紡
糸して得た糸の形状を保持したまま加熱焼成して
無機化する必要がある。このためには紡糸して得
た系状のポリマーを、前処理として、キユアリン
グにより不融化処理をしなければならない。この
不融化処理の方法の最適なものの一つとして空気
中でポリマーの軟化点付近まで徐々に加熱する方
法がとられているが、この際の昇温速度等には十
分留意する必要があつた。 その後、本発明者は前記不融化を容易に行なえ
るポリマーを得ることを目的として、主として(−
Si−CH2−)結合単位および(−Si−Si−)結合単位か
らなる有機ケイ素ポリマーと、(−Ti−O−)構造
単位の有機チタン化合物又は(−Zr−O−)構造単
位の有機ジルコニウム化合物とから誘導されたシ
リコンと、チタン又はジルコニウムを含有する重
合体で、且つ該有機ケイ素ポリマー部分のケイ素
原子の少なくとも1部が酸素原子を介してチタン
又はジルコニウムの金属原子と結合したはしかけ
構造を有する有機金属重合体及びその製造方法を
見出し、特開昭58−213026に開示した。この重合
体は、(−Si−Si−)結合部を含有するため不融化し
やすく、繊維の製造に用いるのに極めて有利なも
のであつた。不融化工程というのは、酸素架橋に
より繊維等成形体が溶融しない状態にするもの
で、焼成の際に形状を保つことを最大の目的とす
る。しかしながら、ポリマー中に導入された酸素
の多くは焼成後も成形体中に残存し、ガラス質層
を形成する為物性上好ましくない。 本発明者等は、焼成物中の酸素含量を少なくす
ることによる物性の向上を目的として鋭意検討を
行つた結果、遷移金属との結合部位において酸素
原子を介しておらないポリマーは、不融化前の状
態においても酸素含量が少ないだけでなく、効果
的に不融化出来る条件下において吸収酸素量も少
ないことを見出し、本発明に到達した。 本発明によれば、主として(−Si−CH2−)結合単
位及び(−Si−Si−)結合単位からなり、ケイ素の側
鎖に水素原子、低級アルキル基、アリール基、フ
エニル基又はシリル基を有し、(−Si−CH2−)結合
単位の全数対(−Si−Si−)結合単位の全数の比率が
20:1乃至1:20の範囲内にある有機ケイ素ポリ
マー部分と、該有機ケイ素ポリマー部分のケイ素
原子の少なくとも1部が酸素原子を介すことなく
チタン又はジルコニウムの金属原子と直接結合し
ている部分とからなり、該有機ケイ素ポリマー部
分の(−Si−CH2−)結合単位と(−Si−Si−)結合単

の全数対(−M−Si−)の構造単位の全数の比率が
2:1乃至500:1の範囲内にある数平均分子量
が約500〜100000のシリコンとチタン又はジルコ
ニウムとを含有する遷移金属はしかけ重合体が提
供される。 さらに本発明によれば、主として(−Si−CH2−)
結合単位及び(−Si−Si−)結合単位からなり、ケイ
素の側鎖の少なくとも1部に水素原子を有し、他
のケイ素の側鎖には低級アルキル基、アリール
基、フエニル基又はシリル基を有し、(−Si−CH2
−)結合単位の全数対(−Si−Si−)結合単位の全数の
比率が20:1乃至1:20の範囲内にある数平均分
子量が200〜10000の有機ケイ素ポリマーと、 一般式 MX4又はMR1 2R2 2 (但し、式中のMはチタン又はジルコニウムを表
わし、Xはアセチルアセトキシ基を示し、R1
カルボニル基、シクロペンタジエニル基、又はア
セチルアセトキシ基を表わし、R2はハロゲン原
子を示す。) で表わされる遷移金属化合票を前記有機ケイ素ポ
リマーの(−Si−CH2−)結合単位と(−Si−Si−)結

単位の全数対前記遷移化合物のM−X又はMR2
結合単位の全数の比率が2:1乃至500:1の範
囲内となる量比で混合し、得られた混合物を反応
に対して不活性な雰囲気下において加熱反応し
て、前記有機ケイ素ポリマーのケイ素原子の少な
くとも1部を、前記遷移金属化合物の金属原子と
酸素を介すことなく、直接結合させることを特徴
とする数平均分子量が約500〜100000のシリコン
とチタン又はジルコニウムとを含有する遷移金属
はしかけ重合体の製造方法が提供される。 以下本発明をより詳細に説明する。 ケイ素原子は空のdπ軌導を有していることか
ら、チタンやジルコニウムのような充満dπ軌導
の電子をバツクドーネーシヨンにより受け入れる
ことによりケイ素−チタン結合或いはケィ素−ジ
ルコニウム結合を生成することは古くから知られ
ていた。 出発原料として用いる有機ケイ素化合物を構成
する原素の電気陰性度は、次のようである。 C;24、H;21、S;1.8すなわちケイ素の中
心が最も親核攻撃を受けやすい。 従つて本発明者等が先に出願した特開昭58−
213026号記載の方法によれば、下式に示すSi−H
結合のケイ素原子が、チタンのアルコラート或い
はジルコニウムのアルコラート中の酸素原子の孤
立電子対の親核攻撃を受けてアルカンを脱離し、
Si−O−Ti結合或いはSi−O−Zr結合を生成す
る。 (但し、Mはチタン又はジルコニウムを表し、A
はアルキル基を示す。) この反応は、1官能基性から4官能基性に至る
まで色々な程度に起こるため、酸素原子を介した
チタン或いはジルコニウムによる種々の架橋構造
が生成してくる。 一方、本発明におけるアセチルアセトネート基
を配位子として有するチタン或いはジルコニウム
のキレート化合物を用いて、前記有機ケイ素ポリ
マーと200℃以上の温度において反応させると、
反応時間に伴つた急激な分子量の増大(図1参
照)並びにそれに対応したSi−H結合の減少(図
2参照)が認められた。この際、原料として用い
た有機ケイ素ポルマー中の他の結合単位に由来す
るIR吸収ピークになんら変化が見られなかつた
ところから、Si−H結合が分子量増大の重要な役
割を演じているものである。アセチルアセトネー
ト基を配位子として有するジルコニウム化合物は
下式にように示すことが出来る。 ところで上記反応の際の副生成物は、全てアセ
チルアセトンであつた。副生成物の構造から理解
されるように、当反応の分子量増大は、該有機ケ
イ素ポリマー中に存在するSi−H結合の一部が、
アセチルアセトネート基(Acea)を配位子とし
て有するジルコニウム化合物と反応してケイ素−
Zr−ケイ素架橋構造が生成することに起因する。
これは下式に従つて進行するのであるが、1官能
性重合体か4官能性重合体まで色々な構造を有す
るポリマーの混合物が生成してくる。 本発明の新規な遷移金属はしかけ重合体を製造
するための本発明の方法は、主として(−Si−CH2
−)結合単位と(−Si−Si−)結合単位からなる有機ケ
イ素ポリマー及びチタン又はジルコニウムの化合
物を、無溶媒又は有機溶媒中で、且つ反応に対し
て不活性な雰囲気中において加熱反応し、前記有
機ケイ素ポリマーのケイ素原子の少なくとも1部
を前記遷移金属化合物のチタン原子又はジルコニ
ウム原子と酸素を介すことなく結合させる方法で
ある。前記有機ケイ素ポリマーを無溶媒で反応さ
せてもよいが、反応を緩やかに行ない且つゲル状
物の如き副生物の生成をできるだけ抑制したい場
合には有機溶媒を用いた方が有利である。 好ましい溶媒としては例えばn−ヘキサン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラ
ン等があげられる。また反応に対して不活性な雰
囲気、例えば、窒素、アルゴン、水素等の雰囲気
中において反応を行うことが必要であり、空気中
のような酸化性雰囲気中で行うと、原料の有機ケ
イ素ポルマー及び遷移金属化合物の酸化が生じる
ため好ましくない。 反応温度は広い範囲にわたつて変更することが
でき、例えば有機溶媒を使用する場合には、その
有機溶媒の沸点以下の温度に加熱してもよいが、
数平均分子量の高い重合体を得る場合には、引続
き有機溶媒の沸点以上に加熱して有機溶媒を留去
させて反応を行うことが好ましい。反応温度は一
般に200℃〜500℃とすることが好ましい。反応時
間は特に重要ではないが、通常1〜10時間程度で
ある。反応は一般に常圧付近で行うのが好まし
く、真空中や高い減圧中で反応を行うと、低分子
成分が系外に留出するため収率が低下するので好
ましくない。本発明の方法を実施するためには、
不活性ガスを反応系に気流として送りこみながら
反応を行うのが好ましく、その理由は、これによ
り反応器内の圧力がほぼ常圧に保たれ、温度上昇
や反応中に放出される炭化水素ガス、例えばメタ
ンのようなガスによる圧力上昇を防ぐことができ
るからである。 本発明の方法において、新規なシリコンとチタ
ン又はジルコニウムとを含有する遷移金属はしか
け重合体を製造するための出発原料の一つとして
使用する有機ケイ素ポリマーは、主として(−Si−
CH2−)結合単位及び(−Si−Si−)結合単位からな
り、ケイ素の側鎖の少なくとも1部に水素原子を
有し、他のケイ素原子の側鎖には低級アルキル
基、アリール基、フエニル基又はシリル基を有
し、(−Si−CH2−)結合単位の全数対(−Si−Si−)

合単位の比率が20:1から1:20の範囲、好まし
くは10:1から1:10の範囲にあり、数平均分子
量が200〜10000である。 このような有機ケイ素ポリマーの製造方法の1
つとしては、下記(1)、(2)、(3)の結合を有するハロ
ゲンを含む有機ケイ素化合物をLi、Na、Kもし
くはこれらの混合物または合金の存在下に反応さ
せて、主として(−Si−CH2−)結合単位および(−Si
−Si−)結合単位からなる有機ケイ素ポリマーを得
る方法がある。 (1) X(−Si−CH2−)lX (2) X(−Si−)lX (3) R4−mSiXo (ただしl≧1であり、好ましくはl<10であ
る。m=1〜4である。Xはハロゲンを表わし、
ハロゲンとしては塩素、臭素が好ましい。Rは水
素低級アルキル基、アリール基、フエニル基又は
シリル基である。) なお(2)の結合を有する有機ケイ素化合物はケイ
素の側鎖の少なくとも一部に水素原子を有し、他
のケイ素原子の側鎖には低級アルキル基又はハロ
ゲンが結合している。 これら(1)、(2)、(3)の化合物群の中から選ばれた
少なくとも2つ以上の化合物をLi、Na、Kもし
くはこれらの混合物または合金の存在下に反応さ
せることにより(−Si−CH2−)結合単位および(−Si
−Si−)結合単位の比率を変化させること、また水
素原子の結合比率も変化させることが可能であ
る。このような有機ケイ素ポリマーを得ることの
出来る有機ケイ素化合物(1)、(2)、(3)を具体的に挙
げると (1) X(−Si−CH2−)oX (CH3)(CH2Cl)SiCl2、ClSi
(CH32CH2Cl、BrSi(CH32CH2Br、ClSi
(C2H52CH2Cl、ClSi(CH32CH2Br、Br(−Si
(CH32−CH2−)oBr (n=3、4、5、6) (2) X(−Si−)rXとしては (CH3)HSiCl2、(CH3)HSiCl2、(C6H5
HSiCl2、(CH3)HSiBr2、(C6H5)HSiBr2
HSiCl3HSiBr3、(n−C4H9)HSiCl2、(n−
C3H7)HSiCl2 (3) R4-oSiXo (CH32SiCl2、(CH3)C6H5SiCl2
(CH33SiCl、CH3SiCl3、C2H5SiCl3、(n−
C3H72SiCl2、(CH32SiBr2、(CH3
C6H5SiBr2、(CH33SiBr、CH3SiBr、
C2H5SiBr3、(C2H52SiBr2、(C6H53SiBr、
(CH33SiSi(CH32Cl、(C6H53SiSi(C6H52Si
(C6H52Cl、CH2=CH−CH3SiCl2、CH2=CH
−(CH32SiCl、(CH33SiSi(CH3)Cl2
CH3SiH2Cl、(C2H52SiHCl、CH3CHClSiCl3
(CH2=CH)2SiCl2、(C6H5CH22SiCl2 以上のようなものが挙げられる。 また有機ケイ素ポリマーの別の製造方法とし
て、 一般式
【式】(n>10) で表わされる(Rは水素原子、低級アルキル基、
アリール基、フエニル基又はシリル基である。な
お、全側鎖に対してメチル基が少なくとも5%以
上である。)ポリシランを300℃〜500℃で加熱分
解する方法があけられる。この方法によれば主と
して(−Si−CH2−)結合単位及び(−Si−Si−)結合

位からなり、ケイ素の側鎖の少なくとも1部に水
素原子を有し、他のケイ素の側鎖には低級アルキ
ル基、アリール基、フエニル基又はシリル基が結
合している、本発明の出発原料として使用できる
有機ケイ素ポリマーを得ることができる。ポリシ
ランの熱分解反応による(−Si−Si−)結合単位およ
び(−Si−CH2−)結合単位の生成は、ケイ素−ケイ
素結合(−Si−Si−)が開裂し、ケイ素遊離基を生じ
これが水素を引き抜き、これにより生じた炭素遊
離基上に隣接したケイ素原子が転移し、ケイ素−
炭素結合(−Si−CH2−)が形成されることによる。 ポリシラン中の側鎖のメチル基が5%以下であ
る場合は、(−Si−CH2−)結合単位の占る割合が小
さく、そのためケイ素の側鎖としての水素原子が
少なくなるため、次のチタン化合物及びジルコニ
ウム化合物との反応に対して不利になるので、ポ
リシラン中の側鎖のメチル基が5%以上であるこ
とが望ましい。 本発明の方法において、新規な遷移金属はしか
け重合体を製造するための他の出発原料として使
用する遷移金属化合物は、一般式 MX4又はMR1 2R2 2 (但し、式中のMはチタン又はジルコニウムを表
わし、Xはアセチルアセトネート基を示し、R1
はカルボニル基、シクロペンタジエニル基、又は
アセチルアセトネート基を表わし、R2はハロゲ
ン原子を示す。)で表わされる。 本発明の方法においては、前記有機ケイ素ポリ
マーと前記遷移金属化合物とを、有機ケイ素ポリ
マーの(−Si−CH2−)結合単位と(−Si−Si−)結合

位の全数対遷移金属化合物のM−X又はM−R2
結合単位の全数の比率が2:1乃至500:1の範
囲内となる量比に加え、加熱反応してはしかけ重
合体を製造する。 この反応により(−Si−CH2−)結合単位および(−
Si−Si−)結合単位からなる有機ケイ素ポリマーの
ケイ素原子に結合していた水素原子が脱離し、そ
のケイ素原子が遷移金属化合物のチタン原子又は
ジルコニウム原子と酸素原子を介さず結合する。 本発明で得られる遷移金属はしかけ重合体は、
本発明者等が先に出願した特開昭58−213026号記
載の方法により得られる酸素原子を介した遷移金
属架橋重合体に比べて、効果的な不融化条件下に
おいて酸素吸収量が4割〜5割程度少なくなり焼
成物中の酸素も2割〜3割少なく耐熱性、機械的
特性に優れた、主としてSi−Ti−C系又はSi−
Zr−C系からなる無機物に転換することができ
る。 また本発明の新規な有機金属架橋重合体は通常
加熱により溶融し、また場合によつては、n−ヘ
キサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラ
ヒドロフラン等の有機溶媒に可溶であり、様々な
形状を有する成形体とすることができるから、こ
れを上記の加熱焼成処理に付すことにより、性能
の良好な無機質の成形体を得ることができる。こ
のような成形体の例としては、例えば連続繊維、
フイルム、被覆膜、粉末などがあげられる。また
本発明の新規ポリマーは焼結用結合剤、含浸剤あ
るいは塗布剤としても用いることができる。 参考例 1 5の三口フラスコに無水キシレン2.5とナ
トリウム400gとを入れ、窒素ガス気流下でキシ
レンの沸点まで加熱し、ジメチルジクロロシラン
1を1時間で滴下した。滴下終了後、10時間加
熱環流した沈殿物を生成させた。この沈殿を過
し、まずメタノールで洗浄した後、水で洗浄し
て、白色粉末のポリジメチルシラン420gを得た。 上記のポリジメチルシラン400gを、ガス導入
管、撹拌機、冷却器および留出管を備えた3の
三つ口フラスコに仕込み、撹拌しながら窒素気流
下(50ml/min)で、420℃で加熱処理すること
によつて留出受器に550gの無色透明な少し粘性
のある液体を得た。この液体の数平均分子量は蒸
気圧浸透法(VPO法)により測定したところ470
であつた。この物質の1Rスペクトルを測定した
ところ、650〜900cm-1と1250cm-1にSi−CH3の吸
収、2100cm-1にSi−Hの吸収、1020cm-1付近と
1355cm-1にSi−CH2−Siの吸収、2900、2950cm-1
にC−Hの吸収等が認められ、また同じくこの物
質の遠赤外吸収を測定したところ第4図に示す如
く、380cm-1にSi−Siの吸収が認められることか
ら、得られた液状物質は、主として(−Si−CH2−)
結合単位および(−Si−Si−)結合単位からなり、ケ
イ素の側鎖に水素原子およびメチル基を有する有
機ケイ素ポリマーである。なおNMR、IRの測定
結果から、この有機ケイ素ポリマーは、(−Si−
CH2−)結合単位の全数対(−Si−Si−)結合単位の全
数の比率がほぼ1:3であるポリマーであること
が確認された。 参考例 2 参考例1で得られた有機ケイ素ポリマー500g
をエタノールで処理して低分子量物を除去して数
平均分子量が1200のポリマー40gを得た。この物
質のIRスペクトル、遠赤外吸収スペクトルを測
定したところ、参考例1と同様な吸収ピークが認
められ、この物質は、主として(−Si−CH2−)結合
単位および(−Si−Si−)結合単位からなり、ケイ素
の側鎖に水素原子およびメチル基を有する有機ケ
イ素ポリマーである。なお、NMR、IRの測定結
果から、この有機ケイ素ポリマーは、(−Si−CH2
−)結合単位の全数対(−Si−Si−)結合単位の全数の
比率がほぼ7:1であるポリマーであることが確
認された。 参考例 3 2四ツ口フラスコに金属カリウム105gと無
水テトラヒドロフラン(THF)800mlを入れ、窒
素ガス気流下でおよそ70℃に加熱し、これにClSi
(CH32CH2Cl10g、(C6H5)HSiCl275gおよび
(CH32SiCl290gの混合物を2時間で滴下した。
滴下後引き続き8時間加熱して還流反応を行つ
た。還流反応終了後反応生成物を過し、液よ
りTHFを留去して、数平均分子量がおよそ600の
白色スラリー状物質32gを得た。 この物質のIRスペクトル、遠赤外吸収スペク
トルを測定したところ、参考例1と同様な吸収ピ
ークが認められ、この物質は、主として(−Si−
CH2−)結合単位(−Si−Si−)結合単位からなり、ケ
イ素の側鎖に水素原子、メチル基およびフエニル
基を有する有機ケイ素ポリマーである。なお、
NMR、IRの測定結果から、この有機ケイ素ポリ
マーは、(−Si−CH2−)結合単位の全数対(−Si−Si
−)結合単位の全数の比率がほぼ1:8であるポリ
マーであることが確認された。 実施例 1 参考例1で得られた有機ケイ素ポリマー30gと
ジルコニウム()アセチルアセトネート5gと
を秤取し、この混合物にキシレン300mlを加えて
均一相からなる混合溶液とし、窒素ガス雰囲気下
で130℃で1時間撹拌しながら還流反応を行つた。
還流反応終了後、さらに温度を上昇させて溶媒の
キシレンを留出させたのち、300℃で4時間重合
を行ないシリコンとジルコニウムを含有するジル
コニウムはしかけ重合体を得た。この重合体の数
平均分子量はVPO法により測定したところ980で
あつた。 この反応において、副生ガスとしてアセチルア
セトンが21モル生成し、ジルコニウム()アセ
チルアセトネートの約2官能が反応したポリマー
が生成した。 このポリマーは原料の分子量より大巾に増大
し、更にSi−H結合が2割程度減少し、この部分
のケイ素原子がジルコニウム()アセチルアセ
トネートのジルコニウムと酸素を介さず直接結合
したジルコニウムはしかけ重合体である。 このポリマーの有機ケイ素ポリマー部分の(−Si
−CH2−)結合単位(−Si−Si−)結合単位の全数対Si
−Zr結合単位の全数の比率は約7:1である。 なお、この遷移金属はしかけ重合体は、IRス
ペクトルの測定結果から有機ケイ素ポリマー部分
は(−Si−CH2−)結合単位および(−Si−Si−)結合

位から構成されていることがわかる。このポリマ
ーを溶融紡糸後、空気中180℃で不融化処理を行
うと、3.7wt%の酸素吸収が認められ、酸素原子
を介した架橋構造を有する(有機金属)重合体の
6.4wt%に比べて約4割少ないものであつた。 ここで得られた重合体を、窒素雰囲気中で1700
℃まで8.5時間で加熱し、1700℃で1時間焼成し
て、黒色の固体を得た。この物質のX線粉末回折
測定を行つた結果、得られた物質は主としてSi−
Zr−C系からなる無機物であることがわかつた。
【図面の簡単な説明】
図1及び図2は、それぞれ、ポリカルボシラン
とジルコニウム()アセチルアセトネートとの
反応生成物の分子量分布図及び赤外線吸収スペク
トル図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 主として(−Si−CH2−)結合単位及び(−Si−Si
    −)結合単位からなり、ケイ素の側鎖に水素原子、
    低級アルキル基、アリール基、フエニル基あるい
    はシリル基を有し、(−Si−CH2−)結合単位の全数
    対(−Si−Si−)結合単位の全数の比率が20:1乃至
    1:20の範囲内にある有機ケイ素ポリマー部分
    と、該有機ケイ素ポリマー部分のケイ素原子の少
    なくとも1部がチタン又はジルコニウムの金属原
    子と結合している部分とからなり、該有機ケイ素
    ポリマー部分の(−Si−CH2−)結合単位と(−Si−Si
    −)結合単位の全数対(−M−Si−)の構造単位の全数
    の比率が2:1乃至500:1の範囲内にある数平
    均分子量が約500〜100000のシリコンとチタン又
    はジルコニウムとを含有する遷移金属はしかけ重
    合体。 2 主として(−Si−CH2−)結合単位及び(−Si−Si
    −)結合単位からなり、ケイ素の側鎖の少なくとも
    1部に水素原子を有し、他のケイ素の側鎖には低
    級アルキル基、アリール基、フエニル基又はシリ
    ル基を有し、(−Si−CH2−)結合単位の全数対(−Si
    −Si−)結合単位の全数の比率が20:1乃至1:20
    の範囲内にある数平均分子量が200〜10000の有機
    ケイ素ポリマーと 一般式 MX4又はMR1 2R2 2 (但し、式中のMはチタン又はジルコニウムを表
    わし、Xはアセチルアセトキシ基を示し、R1
    カルボニル基、シクロペンタジエニル基又はアセ
    チルアセトキシ基を表わし、R2はハロゲン原子
    を示す。) で表わされる遷移金属化合物を前記有機ケイ素ポ
    リマーの(−Si−CH2−)結合単位と(−Si−Si−)結

    単位の全数対前記遷移金属化合物のM−X又はM
    −R2結合単位の全数の比率が2:1乃至500:1
    の範囲内となる量比で混合し、得られた混合物を
    反応に対して不活性な雰囲気下において加熱反応
    して、前記有機ケイ素ポリマーのケイ素原子の少
    なくとも1部を、前記遷移金属化合物の金属原子
    と結合させることを特徴とする数平均分子量が約
    500〜100000のシリコンとチタン又はジルコニウ
    ムとを含有する遷移金属はしかけ重合体の製造方
    法。
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